3スレ>>539


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少年はその日、落ち着きがなかった。
朝、起きて皆と朝食を取っている時も何処か浮かない顔をして。
イーブイ達と散歩に行っている間もどこかきょろきょろと見回していて。
昼、食事の用意をしている間でも、危うく野菜炒めに醤油を一瓶入れそうになっていて。

「…マスター、今日はどうかされたんですか?」
「へ?」

午後3時、おやつの時間前になって、そこで初めてサンダーが尋ねた。
普段、物大人しくしている少年の相棒がそのおかしな様子に質問を投げかける。

「だって、今日は何だか、その…ほら、落ち着きがない、って言うか…」
「え…あー……いや、その、だな…」
「何処か、体調でも悪いんですか…? だったら、病院に…」

サンダーはそう言うと少年の方へと歩み寄り、そっと手を額に当てる。

「だ、大丈夫だって…」
「でも…」

少年は気恥ずかしさからか、サンダーの手をそっと剥がす。
それでも尚、サンダーは少年のことが心配なのか、大丈夫と言う少年の態度に難色を示して。

「いつもと様子、全然違いますし……それに、マスターに何かあったら…」

しゅん、と俯いてしまうサンダー。
その様子にあー、と声を上げた後、バツが悪そうに腕を組み唸る少年。

「やぁ、その本当に体調とかじゃなくてさ…その、なんっつったら良いかな…」
「…?」

唸る少年を小首を傾げて見つめるサンダー。
そうしていると、部屋に誰かが入って来る。

「~♪ …うん、どうした、2人共?」
「あ、ウインディ…その、ちょっと…」

鼻歌交じりに入って来たのは虎の様な出で立ちの女性…ウインディである。
少年の炎系の萌えもんの中核を担う一人であり、状況に応じてギャロップと交代でパーティに入っている。

「あん? どうしたどうした?」
「ちょっと、マスターが…」
「うん?」

サンダーの言葉にウインディがマスターを見、サンダーも同じ様に少年を見る。
…すると、少年はなぜか、顔を赤く染め上げ、俯いている。
その様子に首を傾げるウインディ。

「どうしたい、坊主?」
「あー…いや、その…こう、アレだ」
「…マスター、やっぱり体調が…?」
「いや、サンダー、本当に体調は大丈夫なんだ…ただ…」
「ただ?」

少年はそれだけ言うとじっと黙る。
それに釣られて、サンダーとウインディもじっと黙り込んでしまう。
それから数分の間、じっと静かで。
そして、漸くに少年が口を開いた、ウインディをまっすぐ見つめて。

「…ウインディ、お前に頼みがる…大事な頼みだ」
「…なんだい、坊主、偉く改まって」

ウインディは居住いを正して、少年と正面を向き合う。
それを見て喉を一つ鳴らす少年。
頭に疑問符を浮かべるサンダーとウインディを他所に…少年は行動に出る。
徐にウインディに近寄ると…そっと、ウインディに抱きついて、顔を胸元に寄せる。

「な、な、な、な……?!」
「このまま少しじっとしててくれ…頼むから」

ぎゅー、と顔をウインディの胸元…厳密には首周りにある体毛に顔をつっこみ、じっとしている少年。
しかし、突然の抱擁に驚きを隠せず普段の彼女ならはっ倒しているであろう所なのに、まるで年頃の少女の様に戸惑っている。
ウインディは助けを求めようと、サンダーのほうを見れば、そこには……。

「………マスター?」

鬼が居た。
空気中の塵芥を持上げるほどの電気を身体中に帯びさせ、普段とは打って変わった鋭い瞳で此方を見ている。
アレは殺意…というか嫉妬の眼だ、ああ言う眼をする奴が恐いと言うのは古今東西の常識に近いと言えよう。

「ぼ、坊主、うしろ、うしろー?!」
「んー…そんなこと言わずに後、5分…」
「そんなこと言ってるとアタシもだけど坊主の命がー?!」
「…マスター、少し…頭冷やすと良いと思いますよ…―」

バチッ、とサンダーの手の中で電流の弾ける音がする。
――、アレは不味い、アレはサンダーの得意芸の一つ、十万ボルトの予兆…!
そう思い、咄嗟に躱そうと身を動かすも…少年が抱きついているので、ソレも敵わない。
故に、その雷撃は……―

「―、落ちろッ!」
「ぎにゃー?!」

―、少年も含めて、ウインディもろとも焦がす事となった。



後日談?

ベッドの上で包帯巻きになっている少年に尋ねると、何でもある程度ふかふかもこもこの物に触ってないと落ち着かなくなるとか。
実家に居た頃は野良猫等でふかふかもこもこしていたらしいが、旅に出てからする機会が中々なかったらしい。
事実、パーティのメンバーを見てもふかふかもこもこの体毛を持つ萌えもんは余り多くなかった。
故にか、今回は余程我慢できずにもう抱きついちゃった、との事。
…そのせいでアタシまで黒こげにするなー!
                      ウインディの日記より抜粋

後日談その2?

今日、マスターがベッドの上でイーブイと一緒に寝てた…ソレも6人と一緒に。
たたき起こそうかとも思ったけど、凄く幸せそうな顔で寝てたので起こせなかった。
…ちょっと、悔しい。
                      サンダーの日記より抜粋
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