2スレ>>633


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「ちょっと暗い話だけど……聞きたい?」
「うん。」
「わかった、じゃあ教えてあげる。私と主人との出会いを……」



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私と主人が出会ったのは半年前。トキワシティから少し森に向かった所だったわ。
当時私は『流れ蜂の団』に所属してたの。知ってる?
知らないよね、そんなこと。
『流れ蜂の団』ってね、まるで暴走族みたいな存在だったのよ。
その場に留まらず常に移動を続けてるの。
気性が荒くてね、邪魔する者があればことごとく刺していったわ。
私はそんな団の中で産まれて、その団で育ったの。
同じように移動し続け、同じように他の蜂達と刺してたわ。

でもね、ある時『捨てられた』の。
トキワのもりでそこに住む蜂達と戦闘になったのよ。
私はそこで重傷を負ってね、飛べなくなっちゃったの。
現地民を撃退した後ね、仲間は私や戦闘で傷つき飛べなくなった仲間を置いて飛んでいってしまったわ。
『飛べない蜂はただのハチノコだ」ってね。
頼る所もない、頼る仲間もいない。
その仲間は……次々と死んでいったわ。私より傷が深くて、ね。
私は生きる為に傷を抱え歩いたわ。でも、そう長くは歩けなかったの。
飢えもあった、痛みも極限に達した、命的にもう絶え絶え、そんな状況下で私と主人は会ったわ。

主人は私を抱えると萌えもんセンターに向かってくれた。
別に自分の萌えもんじゃないのに、よ。
そうして、私は何とか一命を取り留めたわ。
でも、私には行く場所がなかった。もう仲間は団は遠くに行ってるだろうし、本格的に孤立してしまったの。
そんな私を、主人は受け入れてくれたの。自分と同じ一人ぼっちだからってね。



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「一人ぼっち?」

さっきまでおとなしく話を聞いていたプリンが不思議そうに聞く。

「そう、仲間から見捨てられたんだって。私が理由を聞くと、主人は自分に起こった事を話してくれたわ。」



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主人は昔、ロケット団に所属してたらしいの。
それも初期の、まだロケット団が私達萌えもんを無闇に捕まえようとしてなかった時に。
主人はその時幹部をしてたらしいわ。
自分の萌えもんもちゃんといて、団の一員として活動してたって。
でもある時、団の方針が……今のようになってしまった時……

『そう、俺は捨てられたんだ。
まぁ、サカキとそりがあわなくなったのも事実なんだけどな。
ロケット団の方針があんな風になってしまった時、俺は最後まで反対した。
それが祟ったのだろう、俺は任務中にイワヤマトンネルで団の連中に嵌められ、崖下に落とされた。
俺は重傷を負った。寧ろ死しんでもおかしくなった状況だったのに俺は生きてた。眉間にある傷、これはその時に出来たものだ。
けどその時、一緒に連れてた萌えもんは奴等に連れてかれた……
これで俺は団からも見捨てられ、仲間とも引き離された。所謂ひとりぼっちってわけだ。
俺はその後何とかしてシオンタウンに戻り、傷を癒した。
その時思ったんだ、もう俺は萌えもんを持たない……とな。
そうして2年が過ぎ、トキワシティでひっそり過ごしてた時にお前が現れた。』

同じ境遇を知る者同士なら、互いの傷を癒せるだろう。その時主人は言ったわ。
そして、私は主人の萌えもんになった。
主人も、今まで据えてた重い腰を上げて行動を起こしたってわけ。



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「行動?」
「そう、主人の目的は……ロケット団への復讐。」
「復讐……」
「昔の萌えもん達がどうなってしまったのかわからない、でも、落とし前は自分でつけるって。そのために私達を強く可愛く育てて、復讐を成し遂げるために……」
「そう……だったんだ……」
「ごめんね、大事な事話してなくて。本当の所、他の子達にもこのこと喋っておかなくちゃいけないんだけど、主人があまり乗り気じゃないの、心の負担をかけてしまうからって。」
「……それが終わったら……」
「ん?」
「私達、どうなっちゃうのかな……?」
「どういうこと?」
「もしそれが終わったら……捨てられちゃったりしないかな……?」
「…………」
「私、マスターのこと大好きなのに……ふえぇぇ……」

プリンは泣き出してしまった。

「それはないわ。もし主人がそんな人間だったら……私達に対する接し方ももっと冷たいはずよ?」
「……ほんとぉ?」
「ええ。付き合いの長い私が言うんだから、信用なさい?」
「……うん、わかった!」

プリンは袖で顔をごしごし拭くとニッコリ笑った。



プシュー


シャッターが開き、2人は身を起こした。

「もし不安なら、ここから出たら主人に甘えてみたら?♪」
「……うん、そうしてみる!」




ジョーイさんに連れられ、2人は戻ってきた。

「ん、おかえり。」

迎えに来た主人の姿を見るなりプリンは真っ先に主人に飛び込んだ。

「うわっ!? 何だいきなり……」
「御主人様、今日一緒に寝よっ!!」
「え!?」

驚いた主人はスピアーの方を見た。 スピアーは視線に気付くとウインクをした。
ふぅ、と溜め息をつく主人。その顔は微笑んでいた。

「わかった、一緒に寝よう。」
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