3スレ>>481


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「私がハナダジムリーダーのカスミよっ!アンタが今日の挑戦者なのね、しかもっ!出身地がマサラタウンのっ!いいわ、ギッタギタにしてやるんだからっ!!」
 お母さん、お父さん、私、何か悪い事でもしたのでしょうか?
 どうして、彼女は私の出身地を聞いた瞬間からこんなにテンションが上がっているのでしょうか?
 ポケモンセンターで一夜を過ごし、ちょうどジムの開館時間である午前10時にハナダジムに入った途端、私は室内から放たれていた威圧感にドン引きしていた。
 なにやら並々ならぬ様子だったから適当に近くにいたジム所属トレーナーさんに話を聞いたところ、最近負け越し気味で機嫌が非常に悪いとのこと。
 視界に男が通るだけで鉄アレイがすっ飛んでくるらしく、ジム所属員が2名ほどポケモンセンターに運ばれたそうな。
 まぁ、私は女なので安心と思ったのがつかの間、部外者である私を発見した彼女は催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチじゃない速度で私の目の前にすっ飛んできた。
 意味被ってるけど気にしたら負けだよっと。
 その速度、本当に人なのかがイマイチわからないが、どれくらいスゴイかといえば、傍に控えていたサイホーンちゃんが戦闘体制に入っちゃう程である。
 そして、彼女の口からこんな言葉が飛び出した。

「挑戦者?アンタ、何処出身なの?」
 
 なんで挑戦者に出身地を聞くのか、と少々疑問に思いながらも真面目に答えてしまったのが失敗だったか。
 その結果、彼女は冒頭のような半狂乱と化し、私と話していたジムの所属員はポケモンセンターに運ばれていった。なむなむ。
 ジムリーダーって強いんだなぁ、と素直に感心しました。
「さぁ、始めましょう!破壊のセレナーデを!!」
 もはやどこからツッコミをいれれば良いのか、少々悩みつつもとりあえず今日ここに来た目標を思い出す事で余計な思考をカットカット。
「使用するポケモンは互いに6体まで、制限時間はなしで勝敗はどちらかのポケモンが倒れるまでよぉぉぉぉ!!!」
 なにやらルール説明をしてくれているようだが、ニビシティのタケシが言うにはカントー地方のジムにおいてルールはルールブック準拠とされているらしいので、
 適当に聞き流しながらサイホーンちゃんにアイコンタクトを送る。
 一応、作戦というものを昨日の夜のうちにみんなで決めておいたのだ。
 あ~スピーダーとかは使わないけどね、ちょっとしたトリックと言いますかズルといいますか……
「それじゃ!互いに使用するポケモンをフィールドに出しなさい!!あと戦闘が始まる前に戦闘に参加しないポケモンはボールにしまっておきなさい!」
 互いにと言っているのに命令形とはこれいかに。
「へあっ!」
 カスミの唸り声と共にフィールドには可愛らしいブラウンの服を纏った金髪の女の子が現れた、図鑑によるとヒトデマンと言うらしい。
 あれをヒトデに見立てるとは発見者の目は一体どうなっているのだろうか?対峙している場所が違ったら思わずお持ち帰りは確実だ。
 というかなんだあの鳴き声、狙ってやっているのなら犯罪級だ。
 しかし、あの子にあれをやるのはちょっと気が引けるなぁ……
「マスター、戦いの場に情けは不要です、敵を敵と認識したら、後は殲滅あるのみです」
「あはは~サイホーンちゃん豪快やな~」
 サイホーンちゃんもサイホーンちゃんだけど、それを豪快の一言で済ませるパラスちゃんも相当すごいと思うのはおねえちゃんだけかな?
 でもまぁ、決めちゃったんだから仕方ないか、ポケモンバトル公式ルールブック カントー版(シルフ出版発行 790円税抜)にもやってはいけないって書かれていないし。
「パラスちゃん、一応ボールの中に入ってて」
「お~、了解や~」
 パラスちゃんをボールに戻し、フィールドに視線を走らせる。
 プールの上にバトルフィールドが浮かんでおり、周囲は水に囲まれている。
 まぁ、さすがは水ポケモン使いの集まるジムってとこか……
「いくわよっ!ポケモンバトル、レディーゴー!!!」
 そう、私たちが企てた作戦はバトルスタートの合図は必ずジムリーダーが出さなければならないというルールの裏を突くものだ。
 最悪と言われるかもしれないが、相性の悪いサイホーンちゃんで相手のポケモンを打ち破る為には先制攻撃が必須だ。
 つまり、何が言いたいのかというと―――
「ハァァァァァ!!!」
 サイホーンちゃんが私の指示なしに、猛スピードで突っ込んでいく、意識が闘争のみに切り替わった彼女の表情はマスターである私が見ても正直怖い。
 まるで工夫のない突進、だけど、その速さは彼女と同種であるサイホーンの中においても、そして私が今までに目にしてきたポケモン達の中においても、
 彼女よりすばやいポケモンは見たことはない。
 サイホーンという種族は概して鈍足なポケモンだとされてきた、しかし、彼女は違うのだ。
 トキワのもりで彼女が私に語ってくれた、オーキド博士との旅の事、なんでも10年以上共に旅をしていたそうだ。
 故に、その身に宿る力と経験は他のどのポケモンにも追随は許さないと、彼女は自分の事を誇らしげに、かつてを懐かしみながら語ってくれた。
 標的にされたヒトデマン、突然の出来事に思考が半ば止まっているカスミ。
 二人の表情に浮かぶものは困惑か、それとも絶望か―――ゴメン、自分の思考に酔ってたわ。
「キャア!」
 一瞬にして距離を詰められ、後ろに退こうとする標的の腹部に、サイホーンちゃんのつのが突き刺さった。
 腹部を強打され、くの字に曲がった小さな体を持ち上げ、躊躇いなく、容赦なく、彼女はつのを振るった。
 哀れな被害者一号ちゃん(今命名)は小柄な身体を振るわれた勢いで回転させながら、ジムの壁に背中から叩きつけられる。
 壁は脆くも弾け飛び、一号ちゃんはもんどり打って地面に転がった。
 うっわ、壁にヒビ入ってるし……私だったら背骨折れそう……
「うぅぅ……」
 周囲には、一号ちゃんのうめき声を除いて嫌な沈黙が流れる。
 うわ~しんじらんね~といった感じのジム所属員達の視線が痛い。
 いや、私もここまでひどい事になるなんて思ってなかったんですってば。本当だって。
「ヒトデマン!」
 ハッと正気に戻ったカスミの声によって静寂は振り払われ、私はこの場から逃げ出したい衝動に駆られつつもグッと堪えた。
 思考を切り替えて、受け止めず、受け流す、感情なんか無視無視。
 大丈夫だ、私は何もルール違反はしていない、ポケモンに指示を出していなくてもポケモンの意思で攻撃をしたのならばジムの戦闘においてそれは認められている。
 しかし、カスミはヒトデマンを一瞥したあと、すぐに私へと視線を戻した。
 その双眸は、赫怒に染まっている。
 私はそれを、真っ直ぐに見つめながらも、心の中では無視した。
 んー、誤解を招くかな、ようは心の一部だけに罪悪感だけを留めて他の部分は別のことを考えているってこと。
 人の心をまっすぐに受け止めるのは、キライだからね。
 それでもこちらがルール違反をしていない事がわかっているあたりは流石ジムリーダーか、すぐに平静を取り戻して、一号ちゃんをボールに戻した。
「まさかこんなことをやられるなんて、長いことジムリーダーやってるけどはじめてだわ」
 皮肉なのか、いや、皮肉のつもりなのだろう、口元がひくついていたりしなければ私も多少は心が揺らいだかもしれないが、そんな負け惜しみじゃ、私は揺らがない。
「褒め言葉として受け取っておくわ」
 口元に笑みを浮かべ、言葉を返す。
 相手には私がさぞかし悪役に見えているだろう、いや、まぁ、実際悪役なんだけどね。
 ただね、裁く法がなければどのような行為も悪い事じゃないのだよ、ワトソン君。
「でもいいわ、あなたのポケモンは地面タイプだものね、私の次のポケモンの餌食にしてあげるわ」
 うん、わかってる、サイホーンちゃんもそれは把握しているしね。
「行きなさい!スターミー!!」
 さっきの一号ちゃんが大人になった感じの女の子がフィールドに出現する。
 ―――ん?待って、図鑑に性別不詳って……見てない、私は何も見ていない。
「サイホーンちゃん」
 傍らに戻っていたサイホーンちゃんに軽く俯きながら声を掛ける。
 なんてことない、単なる気後れ、罪悪感ってやつですよ。
 勝利を確実にする為に、仲間を犠牲にする。実に単純明快なこの行為、敵にあんな酷い事をやったのにこっちの方を気にしてるなんて我ながらいい性格だ。
「わかっています、マスター―――指示を」
 返ってきた声に顔を上げれば、そこにはいつもの様に凛とした表情があった。
 うん、彼女は私を信頼してくれているんだ、なら、ちゃんと応えてあげるのがマスターって奴でしょ。
「―――お願いね」
「承知いたしました」
 ちゃんと、言葉に出来たと思う、返事があったんだから。
 彼女に用意された戦場は負け戦、だけど、次の勝利へと繋げる為の重要なステップだ。
 ギュッと、パラスちゃんが入っているボールを握り締める。握ったボールはなんだか暖かかった。
「さぁ、第二ラウンド開始よ!!」
 戦闘が開始される。
 私が出した指示はスターミーの体力を出来る限り削る事。
 さっきのような不意打ちも使えないし、いくら彼女がサイホーンの中においてすばやいと言っても、地の利は確実に向こうにある訳だ。
 勝利なんて万に一も存在し得ないだろう。
 それでも、これは意味の無い事ではない。
「スターミー!みずのはどうよ!」
 敵は指示に応え、次々に水の弾丸が打ち出される。
 頭部、腹部、脚部、次々と飛来するそれを彼女はおのれのつのをもって打ち落とし、切り払い、地を蹴り回避するが、相手を打ち倒すべく放たれた水は
 確実に彼女の身体を蝕み、体力を削っていく。
 相手は攻撃が避けられようと、慌てることなく狙いを定め次弾を発射していく。
 目を逸らしたくなるような光景だが、彼女は頑張っているんだ、だから、私は目を逸らしてはならない。
「アナタのポケモン、何もできてないじゃない、まっ、あんな手段使って来るんだし―――」
 カスミの声が耳に障ったが、それを無視して眼前の光景をじっと眺める。
 タンタンタン、と足で相手の発射のタイミングを計り取る。
 相対距離の計算、彼女と相手の速度を踏まえ、機会を狙う。
 昨日、みんなで頑張って考えた作戦、それを無駄にしない為には、私がこれらを把握する必要がある。
 フィールド上の位置をわざわざ決めて、頑張って覚えてもらったんだ、ここで活かさずしていつ活かす。
 すべては、最高の形をもって次へと繋げる為に。
「サイホーンちゃん!」
 口を開く、ここからは私と、サイホーンちゃんと、パラスちゃんにしか分からない領域だ。
「B3、B5C6B5、C4C3、D3―――!」
 私の声に応えて、彼女はフィールドを駆け抜ける。
 タイミングは相手の発射と合わせて、そして移動場所は相手の背後へ回りこみ、フィールドの端へと追い込む為に。
 声に応える彼女は時に私の指示の足りないところを補い、私は彼女の動きやすい位置へと指示を続ける。
 ジムにいるすべての人間がポカンとバカみたいに口を開けている、気付けている人間はどうやらいないっぽい。
「C3D4、E3D2、D1―――そこよ!!」
 タネは簡単。英字はフィールドの縦軸を、数字は横軸を表している。まぁ、グラフのようなものだ。左端の一番下をA1としているのであしからず。
 私が指示する事で、相手の発射のタイミングをずらし、意識を彼女から少しでも逸らせる。
 これが、この作戦の目的。
 まぁ、彼女の能力の高さがあってこその戦法だと思う。
 だって普通は指示が出せてもついていけないだろうしね。それをついてきてくれる彼女はやっぱりすごいと思う。
「ハァァ!!」
 指示通りに動いてくれた彼女は相手の懐へと入り込み、咆哮と共につのを振り上げた。
 彼女の照準を合わせていたはずの水弾は天井にぶつかって消える。
 更に追撃を掛けようとするが、それが限界だったようで、彼女はそのまま地面に倒れこんだ。
 私は無言でサイホーンちゃんを回収する。あとでちゃんと労ってあげよう。
「地面タイプのクセになかなかやるじゃない……」
 相手は手傷を負ったものの未だ健在、彼女の攻撃を耐えたのは正直賞賛に値するけど、まぁ予測済みなので問題なし。
「さぁ、次のポケモンを出しなさい」
 言われなくても―――ボールをフィールドに投げ、パラスちゃんを呼び出す。
「ん~やっぱボールん中は肩凝るわぁ~」
 うーわ……第一声でシリアスどっちらけ……
 なんだろう、ピンと張り詰めていたものがへにょん、って感じになった気がする。
 あーあ、敵さんの方も私と同上らしい。
「あーなんだ、その、パラスちゃん」
 声を掛けると、相変わらず愛くるしい顔がくるりとこちらを向く。
 いかんいかん、癒されてどうする私。
「なんや~?これから試合なんやろ?大丈夫大丈夫、ウチにまかせとき」
 うん、そう言ってくれるのはありがたいんだけどね、指示をちゃんと出さないとマスターとしての沽券に関わると言うかもうちょっとシリアスしたかったというかゴニョゴニョ。
「あー、まぁいっか、よしっパラスちゃん、『ベストを尽くしなさい』!」
 出した指示は単純明快に見えて実は昨日考えたある言葉が隠されている、パラスちゃんが覚えてくれているかどうか激しく心配なのだけど。
 隠された意味は『全力をもって敵を殲滅せよ』いや、全然隠れてないじゃんとか言わないで~。
 だってさ、私みたいな女の子がこんなセリフ言うとかさ、いろいろマズイでしょ?
 例えばさ、私が「殲滅しろ」とか「壊滅しろ」とか「塵芥と化せ」とか命令しちゃまずいでしょ?絵的にもさ。
「おう、任せとき、サイホーンちゃんも頑張ってくれたようやし、ウチが幕降したる」
 軽く腕を挙げて力こぶを見せるパラスちゃんに悶えそうになりつつも、なんとか平静を保つ。
 相手も一応平静を取り戻せたようでなによりだ。
「はっ、次はどんなのかと思えば、ちっちゃい虫ポケモンじゃない!スターミー!やってしまいなさい!」
「おやおやこわいわ~―――まぁいい、始めるとしよう」
 ゾクリと、背筋に何か冷たいものが走った。
 えっ、パラスちゃん口調が―――
「みずのはどうよ!」
 相手はパラスちゃんの変化に気付けるわけもなく、先ほどと同様の戦法を取ってきた。
 まぁ、効果はイマイチなんだろうけど、スターミーの機動性とか考えたら遠距離からそれが一番か。
「甘いな」
 それを、脚を動かすことなく真正面から受け続けるパラスちゃん、こうかがイマイチだから余裕なのかな……いや、そうじゃない。
 うん、やっぱり口調変わってるね、パラスちゃん、おねえちゃんそのどす黒い声色聞いてるだけで身体が震えてきたよ、なんというか本能?
「拘束制御術式 第三号 第二号 第一号 解放……」
 あっ、パラスちゃん矯正ギプスなんて高いものつけてたんだ、というか3つとかどんだけ~
「状況A クロムウェル発動による 承認認識」
 どう考えてもこの口調、そしてまとう雰囲気が私の頭の中の最凶最悪の吸血鬼しか思い浮かばないんだけど、そこんとこどうなのかな?
 声だけは破滅的に可愛いのに、それすら凌駕するって……
「眼前敵の沈黙までの間、能力使用限定解除開始……」
 フィールドの中央、そこに立っているだけのパラスちゃんの姿の輪郭がだんだんブレ始めてきている事に、私は気付いた。
 そういえば、パラスちゃんの使える技って「いあいぎり」が使えるとしか聞いてなかったけど、他には何が使えるんだろう……?
 私がそう思った瞬間、バシン!という音と共にパラスちゃんの姿はフィールドの中央から掻き消えた。
「えっ……」
 呟きは誰の声か、ジムの中にいる全員が、彼女の行方を追って、ただその表情を驚愕に染めた。
 フィールドには、先ほど掻き消えた彼女が”無数”に存在していた。
 それらひとつひとつに実体がないかどうかが定かではないほど、ちゃんとした輪郭を形作っており、その数は優に三十を超えている。
 多分、多分だけど、彼女が使ったのは「かげぶんしん」、それもあの一瞬にしてあれだけの数を作り出せるのは、彼女の能力ゆえかどうかはわからない。
 自分の仲間の事を知らなかったとはマスター失格だなぁ……私。
「あぁ、マスター、気を病むことはない、切り札は味方にも伏せておく、それが闘争の基本にして絶対だ」
 うぅ、だからねパラスちゃん、そのかわいい声でそんなこと言われても私は違和感しか抱けないのよ……
「さて、ジムリーダーカスミ」
 無数の分身が一斉に一点を見やる、それだけでも随分と怖いものがある。
 スターミーに至ってはフィールドの端っこの方で身動きが取れない状況になっているみたい。
「なっ、なによ!」
 気丈に振舞おうとしているみたいだけど、声が震えている、うん、あれは怖い、私でもビビル。
 だって六十を超える瞳の全てが自分の方をむいて三十の声が重なってるんだよ。
「貴様は闘争が何たるかわかってはいないようだ」
「なっ……!」
「フン、図星を突かれて顔に出すようではな」
 うっわ、パラスちゃんって他人を鼻で笑うのが似合う人だったんだ……
「うっ、うるさいわね!何よ!アンタには関係ないじゃない!」
「強者というものは弱者には寛容でなければならない、故に、貴様に本当の闘争を見せてやる、せいぜい感謝でもする事だ」
 クックック……とさっきの私が比にならないくらいの悪役染みた笑みを浮かべ、標的へと向き直る。
「では、教育してやろう」
 ザッ、と三十を超えるかげぶんしんが一歩を踏み出し、標的はただその表情に絶望を浮かべる。
 無論、私にも無数のかげぶんしんのうちどれが本物かわかってないし、もしかしたら全てが本物なのかもしれないな~とか思い始めている。
「―――豚のような悲鳴を上げろ!!」
 その全てが、ただ一人の目標に向かって疾駆する。
 覆る事がないであろう戦闘が、始まった―――



「ぴぎゃあああああ!!!」
 地面に、哀れな被害者二号が横たわる。
 私とカスミは、その圧倒的な戦いにただ口を開けてみているだけだった。
「ふ~ごちそうさまぁ~」
 悪魔のようだったパラスちゃんの表情はいつの間にか元に戻り、口調も普段通りに戻っていた。
 決まり手は、パラスちゃんのギガドレインによるKO、だけど、それ以前に三十のかげぶんしんによるリンチはあまりにも惨かった。
 語る事は―――やめておこう、私も自分のトラウマを自ら切開するつもりなんて毛頭ない。
 うん、結論から言わせて貰おう。
 絶対にこれからパラスちゃんを怒らせることはやめよう。
 
ツールボックス

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