3スレ>>94


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「ほら、お姉ちゃん。薬だよ...」

俺は姉の口もとに飲み薬を近づける。

「あー...うー...」

声を漏らすだけで、お姉ちゃんの言葉を聴いたのは何時だっただろうか。

ヤマブキの研究所から脱走し、タマムシシティのスラム街に身を潜めている

「あ...。んむ...ん...ゴク」

姉の口に流し込む。もう自分で飲むことはムリだ。

脱走をしてから2ヶ月が経った。最初の内はタマムシのデパートに忍び込み、薬や食料を盗んでこれたが

何度も行うたびに警備が強化されてしまった。失敗をしてしまい。もう盗みに行くことはできない。

「ちゃんと飲めたね。よかった」

ほっと一安心し、食事を食べさせる。けど...症状は一向に回復していない。

日に日に悪化している。最近は2日寝続け、起きても2,3時間の時もあった。

「じゃあ、次は体を拭くからね。」

「うー...」

お姉ちゃんの体は痩せ細ってしまった、彼女の体を清潔にしながら思う。

食事も満足に与えられない...。日々の薬とわずかな食料で精一杯だ。

俺の能力で人間に変身し、今は身を売り日々の糧にしている。

金の髪は人間でも多い。気づかれることはない。

研究所から逃げてきて、まさかその能力が活かされるとは...惨めなものだ。

「さ、次は背中だよ」

お姉ちゃんの綺麗だった青く澄んだ肌と髪は、今は濁った蒼い色をしている。

もっと高い薬を...しっかりと食事を与えることができれば...

「うん...きれいになったよ。お姉ちゃん。」

「あー」

このままじゃダメだ。お姉ちゃんを...昔のように優しく綺麗な声、

美しかった彼女に戻すことはできない。

ふと気づくと、俺の服を姉は掴んでいた。

「ん?どうしたの?」

「さー...す。...おー..んね。」

お姉ちゃんは何かを喋ろうとしている。久しぶりのお姉ちゃんの言葉を聞けると気づき、俺は

「お姉ちゃん!なに!?もう一度!」

俺の顔が綻ぶ、久しぶりのお姉ちゃんの言葉が聞けると。

「さんー...すー。」

「なんだい?」

優しくお姉ちゃんに問う。

「...ご、めん...ね。」

「っ...なんだよ。いきなり」

「ご...めんね。ご、めんね...ごめんね。ごめ...」

姉を抱きしめる。

「俺が! 俺が絶対に元のお姉ちゃんに...元に戻してあげるから!だからっ」

強く抱きしめる。お姉ちゃんを手放さないように...誓う。

「うっ、あ...」

「あっ、ごめんよ...痛かった?ごめん。」

「うー...」

お姉ちゃんの腕が上がり俺の頬にあて、涙を拭った。

「あ、なんだよ俺。泣いてなんか...」

「あ、あー...」

しばらくの間、またスラム街の小さな部屋の中で、お姉ちゃんと抱き合っていた...

改めて誓う。元のお姉ちゃんに、優しかったお姉ちゃんに戻すこと。






俺に力を与え、お姉ちゃんを壊した...研究所の奴等、あのマフィア共を...





殺してやることを。
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