季節は春、天気は快晴、風は穏やか。
私はジョウトで師匠の牧場でブリーダーをやっていました。
そして今度はトレーナーとして修行すべくカントーに向かってるのですが……
「し、師匠……高いです」
「何をいまさら、カントーにいくなら飛んでく方が早いだろ?
それを歩いていくなんて馬鹿を俺が通すと思うかてか」
「う、でも怖い……です」
カントーに歩いていこうとしたら送ってやるといわれて気づいたらカイリューの上。
いくら早くつくからってこんな方法とらなくたって。
師匠……私高いところ苦手なんですよ?
「だったらジョウトリーグに参加すりゃよかったのに」
「師匠だってカントーリーグに参加したじゃないですか、
しかも今はチャンピオンですし」
「元々俺はカントーのほうの萌えもんをジョウトに連れて来るのが主体だったからな。
でもお前はそういうわけじゃないんだから別にジョウトでよかったんじゃ―
「師匠や爺の知り合いってだけで普通のトレーナーは戦ってくれないんですよ!
パートナーもいないのにジムリーダーの人に勝負挑まれたこともあったのに……」
「それなら俺がいるカントーだって微妙なラインじゃないか、それならホウエンぐらいまで飛ばしてやったのに」
「今度はいつ帰れるかわからないじゃないですか……」
「……はぁ、文句が多いぞ?ガーディを見てみろ」
ガーディ、師匠からいただいた私の相棒なのですがそのガーディはというと
「高い~♪ねぇカイリュー!もっと高く飛んでよ!」
「これ以上高く飛んだらお前のマスターが倒れるぞ?」
「ぶー……」
空の旅にいたってご機嫌、カイリューの頭の上ではしゃぐ始末です。
おかげで何度かガーディが落ちかけてそれを救うために死ぬ思いをしました(私だけ……。
「しかしまぁよくトレーナーやる気になったな、てっきりブリーダーとしてやっていくものと思ってたのに」
「ブリーダーもトレーナーも彼らを育てることは同じですから。
少しでも多く体験をしたほうがいいと思ったので……」
「いい心がけだな、チャンピオンリーグには挑戦するのか?」
「え!?し、師匠に勝てるわけない―
「ほむ、んじゃ目標なしに旅するのか?」
「っう……」
目標がないわけじゃない。
でもその目標が『師匠に勝ってチャンピオンの座を手にする』なんて言ったら……
そんなこと言って挑戦できなかったらと思うとそんなことは口にだせなかった。
「……ま、一人旅しようって決めたんだ。覚悟はできてんだろ?」
「あ、も、勿論です!」
「んじゃ俺がもう面倒みることもないな」
「……へ?」
「ほれ」
師匠から封筒を投げ渡される。
嵩からみて手紙かなにかだろうか?
「お前をマサラタウンに落とすからそこのオーキドって人にその手紙をみせな。
そうすりゃ必要なものを用意してもらえるよう手配しといたから」
「あ、ありがとうございま―
言いかけてふと違和感に気づく。
マサラタウンに………落とす!?
「え、落とすって師匠ちょっとまってくださ―
「着いたらカイリューは自分で帰れるしお前も一人旅の決意がある。
だったら俺がこれ以上いるのも邪魔だろ?そういうわけで」
師匠がボールを投げる
「ぉ、兄弟もう戻るのかい?」
「あぁ、じゃガーディもお前も頑張れよ!」
「うん!じゃあねおじさん!」
「お、おじさんって俺はまだ30いってないんだが……」
「し、師匠まってくださいよぉ!」
ドンカラスにつかまって師匠は雲の向こうに消えていった。
残されたのは私とガーディとカイリュー
「降りるぞ」
「へ?」
そういうとカイリューは陸にむかって急降下した。
……目が覚めたとき私の前にいたのはガーディと爺に比べてずいぶんやさしそうなお爺さんの二人でした。
最終更新:2007年12月30日 03:08