3スレ>>920


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 今回は、本編に移るまえにちょっとしたキャラ紹介を……

・ヒロキ
 ナナシマ地方、4の島出身の駆け出し萌えもんトレーナー
 デリバードにバトルの訓練を受けているがまだまだひよっこ
 カンナとの直接の面識はないが、四天王にまで登りつめた彼女の存在は知っている
 ユキワラシは妹のような存在

・ユキワラシ
 むじゃきなせいかく
 ヒロキのパートナー萌えもん
 まだヒロキが小さい頃に出会い、兄弟のように過ごしてきた

・デリバード
 しんちょうなせいかく
 ヒロキとは長い付き合いだが、別に彼のポケモンではない
 野生萌えもんでありながら豊富な知識を持っており、
 ヒロキのバトル練習に付き合っている


 とりあえず、こんなところです
 では、本編をどうぞ





  ‐温かい雪と氷の欠片‐ ②

「あれー……でりばーど、いないよ?」

「おかしいな……」

 ユキワラシの言葉に、ヒロキは首を傾げていた。
 ここは、いてだきの洞窟の入り口から少し離れた場所。
 彼はいつものように、デリバードに訓練をしてもらおうとやってきたのだが。
 今、そこには誰もいない。
 いつもなら、このあたりでデリバードが待っていてくれるのだ。

「ひょっとして、伝え忘れたのかな」

 次にいつ訓練してほしいということは、別れ際に伝えるようにしている。
 だが、ヒロキは浮かんだその考えを首を振って否定した。
 そもそも、次回をいつにするかはデリバードの方から聞いてくるのだ。
 前回も、半分凍りつきながらそれに答えたことをはっきりと覚えている。

「うーん、もう少し待ってみるか」

 ひょっとしたら、少し遅れているだけかもしれない。
 じきに来るだろうと、ヒロキはその場に座って待つことにした。
 すると、当然のようにユキワラシが胡坐をかいたヒロキの足の上に座ってくる。

「こら、ユキワr……」

「えへへー」

「…………」

 どくように注意しようとしたが、ユキワラシの笑顔に何も言えなくなってしまう。
 幸い、ユキワラシの体はさほど重くない。
 多少の足の痺れくらいはガマンすることにした。
 しかしこうして座っていると、降り注ぐ日差しと洞窟から漂う冷気のおかげで実に過ごし易い気温になっている。

「こりゃあ、昼寝をするのにちょうどいいかもなあ」

 デリバードが来たら、起こしてくれるだろう……どんな手段かはさておき。
 ともかくヒロキは、それまで軽く眠ることにした。

「ひろき、おひるね?」

 ユキワラシが足の上に陣取ったまま尋ねてくる。

「ちょっとだけ、な。ユキワラシも一緒に寝るか?」

「うん、いっしょにおひるねするー!」

 元気よく頷くと、ユキワラシが目を瞑る。
 それからさほど時間をかけることもなく、小さな寝息が聞こえてきた。
 ヒロキは彼女の頭を軽く撫でてやると、その寝息を子守唄代わりに目を閉じた。
   ・
   ・
   ・
「へっくし!」

 くしゃみと同時に、ヒロキが目を覚ます。
 見上げれば、日はもう随分と傾いており空は赤く染まりつつあった。
 どうやら、少しだけのはずが本格的に眠ってしまっていたらしい。
 足の上で、ユキワラシも変わらずに寝息を立てている。
 デリバードは、まだ来ていなかった。

「何かあったのか?」

 胸騒ぎがする。
 同時に、いつかのデリバードの言葉がよぎった。
 洞窟に紛れ込んできた連中。
 それが何かは分からないが、そのことでデリバードの身に何か……
 とはいえ、この場で考えていても何も分からない。
 何よりももうすぐ日が沈む。
 あまり遅い時間に出歩くと、のどかな4の島とはいえ危険だ。

「明日にでも、探してみるか……」

 ヒロキは起こさないようにユキワラシを抱き上げると、後ろ髪を引かれながら家路についた。
 翌日。
 朝食を終え、デリバードを探しに家を出ようとしていたヒロキは、何やら外が騒がしいことに気が付いた。
 扉を半開きにして外を覗いてみると、大人たちが何やらせわしなく動いている。

「やっぱりダメだ、どこにもいない!」

「ばかな、たった一晩でか!?」

(どうしたんだ、いったい……?)

 ヒロキは外に出ると、大人たちの元へと駆け寄った。

「あの、どうかしたんですか?」

 大人の一人に話しかけると、難しい顔のままこちらを向く。

「おお、ヒロキ君か。いやな、ちょっと妙なことになっちまってな」

「妙なこと?」

「ああ、実はな……」

 その話を聞いた途端、ヒロキは考えるよりも早く駆け出していた。
 目的地はいてだきの洞窟。
 デリバードからは不用意に近づくなと言われたが、そんなことは関係ない。

「はあ、はあ……」

 洞窟の入り口に着くと、そのまま躊躇することなく中に踏み入ろうとする。
 だが、

「ちょっと、君!」

 不意に、ヒロキの腕が誰かに掴まれた。
 振り返ると、そこにはジュンサーが険しい顔で立っていた。

「今、この洞窟は立ち入り禁止です。危ないですから、家に戻りなさい」

「けどっ、俺は……!」

「いいから帰りなさい。この中に入ることは許可できません」


 反論を許すことなく、ジュンサーが厳しく言い放つ。
 その威圧にヒロキは、なす術なく退散するしかなかった。

「……分かりました」

 肩を落とし、洞窟に背を向ける。

「デリバード……」

 去り際に小さく呟く。
 ヒロキの脳内には先ほど聞かされた言葉が何度も響いていた。


『――いてだきの洞窟の萌えもんが、消えちまったんだ』
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