4スレ>>233


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ふぅ……カントーに来るとはしゃいでいたが、以外にも田舎に来てしまった。
親父め、トキワに出勤するんだからそっちに家を建てればいいのに、土地代の関係でマサラにしやがって。
ゲーセンもカラオケもないし、家でMH2やるのも飽きたし、
だから外に出てみようとしたのがそもそもの間違いだった。
NEETはNEETらしくPCの画面に張り付いていればよかったと、オーキド研究所内部で俺は思っている最中。
何故、引越しの荷物も片付け終わっていないのにここにいるかって?
ちょっと休憩にと散歩をして、草むらに入った瞬間変なジジイに拉致されたんだ。
なんでも、もえもんも持たずに草むら入るんじゃねえとかなんとか。
そのジジイは自分の知識の量の多さを自慢しながら、こんなことを言いやがった。
「すまんが今人手が足りなくてのう、ちょっとトキワの電気屋でこのメモにあるメモリ買って来てくれんか?」
いや、でも草むら通らなきゃあかんのですが。あんた俺を草むらから引っ張り出したセリフ覚えてるか?
「わかっとるわい。ほれ、これを貸してやろう」
といってバットを渡された。
グリップの部分に何か書いてある。
悟……史……?
俺この漢字わかんないけど、別にいっか。
どうやらジジイ改めオーキド博士は、とあるマシンを業者に頼んでいたが、
ちょっとした機能を届いてからつけたくなったらしい。
だがメモリが足りないので、俺に買ってこさせようと目をつけられたわけだ。
「コラッタとかポッポならバットででも追い払えるじゃろう。
それにこの辺のもえもんは皆、大人しいのばかりじゃ」
そうだが、バットで追い払うってのは絵的にはグロくないか、それ。
突っ込みどころ満載だが、徒歩20分程度だ。
元々散歩がしたかったわけだし、ちょっとトキワまで行ってくるか。
承諾するとオーキドは嬉しそうにほくそえみ、メモと代金を俺に渡した。
このままパクろうとしても田舎町だ。名乗らなくてもどこの誰などとは知れているのだろう。
渋々了承しながら研究所を出て、トキワ方面の草むらに足を踏み入れる。
と、一歩目を踏みしめた足に激痛が走る。
俺、足元を見る。
コラッタがすっげえ噛り付いてた。
誰だ。大人しいって嘘ついやつは。
剥がして二歩目。
ポッポがの大群が空から降ってきた。
おいおい、アニメ版のサトシじゃねえんだぞ。
さて、何かやばいほど目が血走ったコラッタやポッポに追われてるんだが、さすがにLv5が最高の草むらだ。
ステータス15程度で武装した人間の命取れるほどの戦闘力はない。だが体はぼろぼろである。
昔は運動してたが、引きこもってだいぶ落ちてるみたいだ。
しかもこのバット、鉄製だから重てえよ。
悪態をつく暇もなく飛び出してくるコラッタ。
心の中でこんなかわいい子に……と思いつつバットを横に凪いで飛ばそうとする。
できるだけ手加減してだ。紳士だからな心は。
するとなんだ、ありのままを話すぜ。瞬間移動しやがった。
コイツ……低レベルじゃねえ。いまのは高速移動か?
そうなるとレベル30前後だから、lv5で手一杯の俺なんか一瞬でピチューンだぞ、おい。
迫る必殺前歯(らしき攻撃モーション)と同時に迫る死期。
これガードしても削りでHP全部消えるよね。誰か、助けてくれ。
「カメさん! 水鉄砲」
なんて祈ってみたら女子の声が聞こえ、頬を切るほどの高圧の水柱が俺の耳の横を通りすぎてコラッタに当たった。
これは俺をコラッタから助けてくれたのか、それともKILLしようと放ったか判断が難しいところだ。
ニーソとの絶対領域はなくとも、見えそうで見えないミニスカートの少女の乱入。
足元には小さな甲羅を背負った亀のようなもえもんがいた。さっきのカメさんとはこの子のことだろう。
ともあれ、あの超強いコラッタはリーダーのような存在だったらしく、
水鉄砲でぶっ飛ばされたことにより他のもえもんたちは散り散りに逃げていった。
「君、大丈夫だった?」
おう、しゃがむと肩からかけてる鞄が胸の谷間に食い込んで実にいい。
などとは口が裂けても言えない。
適当に、ああとか、うんとか頷いて会話する俺。リアルで女の子と話したの、何年ぶりだろう?
照れすぎてキモいと自分自身思いつつ、状況説明。
「度胸あるよね。もえもんもなしにトキワまでお使い?
 あはは、でもバットじゃさすがにきついゾ?」
ですよね。俺の見通しが甘かった。一歩間違えれば確実に仏になっていただろう。
もえもんて怖いんだな。かわいいのに。だがそれがいいのだろうか。
「そうだなぁ……私の修行も兼ねて一緒に御遣いしよっか? 私もマサラには用事があるし」
これはフラグか。慎重に言葉を選び、手を合わせる。
お願いします、と。
「了解っと。名前がまだだったね。私はアクア。
 君の名前は?」
伝える。ついでにメールアドレスも。
「ごめんね、私携帯の充電切れてていま登録できないや」
断りの上等文句ですね。紙に書いて渡すのは強引過ぎて引かれるなコレは。
そんなこんなで俺はトキワまで安全に護送され、目的のブツを入手してマサラに戻ってきたのだ。
一部始終カメさんを頭に載せながら。なんか俺の上が気に入ったらしいよ。
「おお! やっとこれたか! ……っと、アクアも一緒とはのう」
オーキド研究所に戻った俺を待ち構えていたのは二人の男だった。両方とももえもんトレーナーのようである。
足元にはボールから出してあるヒトカゲ(♀)とフシギダネ(♀)がきゃいきゃいとはしゃぎ合っていた。
これは和む。などと感じつつ、二匹の主人たちに着目する。
1人は好青年というか、クラスメイトとしてであれば確実に親友になれるといった男であった。
赤い帽子とジャケットと、アウトドアな格好で人懐っこい笑みを浮かべている。
対照的なのが紫のタートルネックを着込んでる男。
コイツは絶対金持ちで、自慢したがりやで、キザで、嫌味なヤツの匂いがぷんぷんする。
「おっせーぞ、じいさん!」
実際言葉遣いもDQNそのものだった。
「まあまあ、もえもん図鑑をヴァージョンアップしてくれるって言ってるんだし」
っと、帽子の青年がフォローを入れる。そして俺をトキワへ向わせた理由が判明。もえもん図鑑って何ぞとアクアに聞いてみる。
「わっふるわっふる(誰もが知ってることだし、省略)」
どうやらもえもんの生態を詳しく調べるための道具らしい。そういえば、最初の自慢の中にあったな。
オーキドは孫と幼馴染二人に図鑑を託し、捕まえてきたもえもんを研究する、と。
とりあえず目的の品物とレシート、抗議文を渡す。
「ではここを……こう、ほう、そうして……完成じゃ!」
スルーですか。この蟲野郎。
「おーし! ならこんな町にいる場合じゃねえ!
 トキワのあの辺ででも探してくるかぁ! じゃあなフレア、アクア!」
パワーアップした図鑑を受け取った途端、飛び出していく紫の服。
「あ、待ってよリーフ! 行っちゃった……」
「私たちも行こう、フレア。じゃね博士、お手伝いクン」
後を追うように飛び出していくフレアと呼ばれた青年と、ミニスカート。
ゼニガメのカメさんが最後まで俺の頭頂部にいたのは言うまでもない。
しばしの間ぽかーんとしていたが、俺の用も終わったわけだし家に戻るか。
「待てい、少年」
なんすか。いまメッチャ疲れてるんですよ。体中噛まれて痛いんですよ。
「君も、もえもんトレーナーにならないか」
といいつつ、4個目の図鑑を渡された。
パドゥーン?
もえもん図鑑と称された手のひらほどの大きさの鉄の板を渡され、しばしの間呆然とした。
何故俺にこんなものを? 今までもえもんとか、ペットにした経験もないのだが。
「なぁに、スペアとして一個多めに作ってもらったんじゃが、
 やっぱ手元で腐らせるのはもったいないと思ってのう」
確かにそうだが、なんで俺なのだろう。
引越してきて町の住民との交流も少ないし、何より博士と俺は初対面だ。
それなのに消して安いものではなさそうなコレを渡すのか?
俺にもえもんゲットの旅に出ろとでも?
「そうじゃ」
何だって。一体どういうわけだと説明を要求すると、とんでもない言葉が殴りかかってきた。
「実は君の祖母とは古い中でのう」
OH。もえもんで、祖母といえばあの婆ちゃんしかいねえなと、その誰かを俺は特定した。
「で、祖母が投げいとったわけじゃい。最近、娘の子が引きこもってはMH2、ROなどをやっていて外にでないと」
かーちゃん。俺の恥ずかしい情報漏れまくりなんですが。
これを振りまかれちゃうと余計にお外へレッツゴーしにくくなっちゃうよ。今日の散歩だってかなり珍しいかったのに。
「そこでじゃ、わしから一つ仕事を頼もうというわけなのじゃよ」
全てを悟った瞬間である。
やはりというか、なんというか。
「まだ見ぬもえもんを、このカントーに住まう全てのもえもん捕まえてきてほしい」
だけど俺、アウトドアとか苦手で、
「もえもんセンターで下宿させてくれるし、食事代ならわしが出してやろう」
でも、俺、
「男なら!」
びくりとなり、四の五の言う口は塞がってしまう。そしてオーキドは言った。
「冒険の一つでもするべき。……そう思わないか?」
この爺さん、かっこいい。ちょっぴりそう思って、負けたなと苦笑した。
やってやろうじゃないか、もえもん捕獲の旅。俺だって引きこもりから脱出したいんだ。
ここから俺の物語が始まる。始まるんだ。
「あ、手元にあった三匹はみんなに上げてしまったから全裸でがんばってくれ」
……コラッタとの死戦が蘇り、断ろうかと悩んだが俺は頷いた。
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