4スレ>>278


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     私立萌えもん学園 『情報屋と菓子職人』




なんてーかさ、夕暮れ時の学校って、暗いんだよね。廊下の照明もあんまり明るくないし、かえって闇を強調するような…
真冬の廊下なんかだと、寒々しさがまして余計に困るといいますか…

「なんにしろ、アレだね。女の子待たせるのは…よくないよね」

ふわり、と鋼の翼を広げて、階段をひとっとび。普段は周りの迷惑になるからやらないけど、今放課後だし、人いないし。
さてと…状況説明をしておくべきだと思うので、しばしおつきあいを。

僕こと鎧鳥萌えもん、エアームド(♂・3年生)は、今日割り当てられていたピジョット先生の手伝いをこなし、
夕暮れの校舎を生徒会室に向かって急いでいるわけなのです。

「…てか、僕生徒会の役員でもなんでもないのに…」

単純に、友達を迎えに行くだけなんだけど…夜の通学路は、女の子一人で通れるほど安全とは思えないからね。
…その子と一緒に帰りたい、って言うのも大きな理由なんだけどね。

「さーてと、生徒会室…っと」

廊下の一番奥、生徒会室の入り口前に、何やら妙に輝くものがあった。電灯よりもあきらかに明るい光――
まるでランタンみたい…な…

「やっぱり…ランターンじゃん。どうしたの?」
「エ、エアームド?えっと、その…」
「ごめん、聞いた僕が悪かった。いつも通り会長さん待ちだよね」

額からぶらさがる灯火が特徴的なランターン。僕より15cm以上大きいし、強そうではあるんだけど…
実際は怖がりで、悪く言っちゃうと情けない人なんだよね。でも料理部部長。

「ホントにさ、ランターンは会長さんが好きだよねぇ…」
「えぇぇぇっ!?そんな、僕、そんなんじゃ…」
「いいから。別に誰にも言ったりしないし騒いだりもしないから。今のところは」
「い、いい、今のところって何?なんか怖いよ!?」
「いや別にそういうつもりじゃなくて…例えば、ランターンが僕に喧嘩売ってきたりしない限りは」
「売らないよ!僕、そんな事できないよ…」

ホントに、穏やかというか臆病というか…まぁ、彼にもすごいとりえはあるんだけど…
とか思ってたら、唐突に背後のドアが開いた。振り返れば、見覚えのある顔。

「うっせーぞアンタら!ここどこだと思ってんだ!」

萌えもん学園ある意味最強の生徒会長、3年・サンダーさん。そのスタイル・運動神経・性格から男女問わず人気を誇る超美少女。
…ものすごく失礼な話だけど、彼女とランターンみたいな人とがあそこまで仲がいいってちょっと信じにくいよね。

で。…今の状況を整理しよう。

僕の背後に、若干お怒り気味の伝説萌えもんサンダーさん。正面には、現在涙目のランターン。
…傍からみたら、これって…

「…エアームド」
「なんでしょうか生徒会長」

「てめぇ、ランターンに何してやがる―――ッ!!」
「ちょっとまってそれは誤か、ギャーーーーーーーッ!?」

…結論。人をからかうのは、程々にしましょう。


      *  *  *


…僕、こう見えても飛行タイプ持ちだからさ。電撃とか受けたら普通に大ダメージな訳だ。
しかも、普段の冗談や思わず出しちゃった程度の雷とはレベルが違う、怒りの電撃だし。

「…ホント、ランターンが庇ってくれなかったら死んでた…ありがと、ランターン」
「ううん、僕はサンダーさんの電撃、浴び慣れてるから。でも今日のはちょっと、激しかったかなぁ」
「そりゃ…勢いとはいえ、あたしもちょっとだけ本気出しちゃったし…悪かったよ、エアームド」
「気にしないで。疑われるような事をした僕も僕だ」

あの時、咄嗟にランターンが僕の前に飛び出して電撃をある程度防いでくれた。
もともと特性『ちくでん』もちだし、サンダーさんの電撃を浴び慣れている事もあって、彼は元気そうだ。

かくいう僕は、情けない事に生徒会室のソファーに横になっている。
電撃の余波だけでも、飛行タイプには大きなダメージになりうる。現に、まだ羽がしびれて飛べそうにないし。

「エアームド、大丈夫?」
「ああ、平気だよ。ごめんね、迎えに来たのに看病させちゃって」

で、枕もと(?)について僕の体調を看てくれているのは、僕が今日迎えに行くつもりだったシャワーズ。
生徒会庶務、顔よし器量よし性格よしの美少女。…褒めすぎとか言うな。ホントにそうなんだから。

クラスが一緒になってからもあまり話すことはなかったんだけど、以前図書委員の手伝いをしたときに偶然仲良くなった。
…なんというか、『一目ぼれ』って世の中にホントにあるんだなぁ…って身をもって実感したね。

そんな事を思っていると、デスクの方から声がした。

「会長、こっちの仕事終わりましたよ」
「お疲れ様、ハクリュー。ありがとうな、わざわざ手伝ってくれて。今日はあたしとシャワーズしかいなくてさ、助かったよ」
「剣道部も今日はお休みでしたから…それじゃあ、私はこれで失礼しますね」
「うん、お疲れ!またよろしくな!」
「お疲れ様です、ハクリュー」

剣道部主将、ハクリューさん。あのウソッキー先生についていけるって時点で凄いのに、全国レベルの実力まで持ってるからすごいよね。
クラス委員長をこなし、時には今のように生徒会の手伝いもやってくれる万能美少女だ。…思うんだけど、この学校美少女多すぎないかな?

「さてランターン、シャワーズ、あたしたちも帰ろうか。エアームド、立てる?」
「大丈夫みたい。これなら、歩いてる間に羽も治るでしょ」
「だ、大丈夫?肩、貸したほうがいいかな…」
「平気平気。さ、帰ろう。もう日も暮れちゃったしね」

4人で生徒会室を出て、カギをかける。本来ならピジョット先生がいるはずなんだけれど、
今日はもう既に学校を出ている。――ウソッキー先生とほぼ一緒に。

「エアームド、どうかしたの?」
「い、いや、なんでもない」

嫌なこと思い出しちゃった………以前、ピジョット先生とウソッキー先生の仲を疑った人たちに依頼されて、
調査に行って―――ああ、思い出したくもない。実力的にも全く敵わないのに、得意の情報面でも完全に封殺されてしまったなんて。

しかもその後、ピジョット先生に色々と…うぅ、ホントにつらい事になってきた。
もう、いろんな意味であの二人には逆らいたくない。逆らえない。



      *  *  *

「日が落ちるのが早いですよね」
「そうだね。でも、ランターンのおかげで夜道も明るいから安心だねぇ!」
「う、うん…僕、これくらいしかとりえないから…」
「いやいやいやいや、そんな事ないから、そんなダークにならなくても」

ホントに。彼は確かに臆病で情けないやつかも知れないけれど、決して欠点だらけなんかじゃない。
臆病だって、それは他人を傷つけたくない優しさと言える。…要するに『モノは言い様』だね。

「あー…そうだランターン、あんたまたあたしにお菓子作ってよ。あれは絶対あんたの特技だよ!」
「う、うん…分かった、何がいい?」
「そうだなぁ…アレがいい!この前作ってくれた白とかピンクの!」

…やっぱり、付き合いが長いからかな。サンダーはランターンを励ますのがうまい。
ちなみにランターンの一番の特技は料理。包丁を使う事以外なら彼の料理は確実にプロ級だ。

「やっぱり、あの二人ってお似合いですよね」
「うん…そうだね。正反対だけど、だからこそって感じかな」

先を歩くランターンとサンダーから離れて、僕はシャワーズと並んで歩く。
灯火に照らされた二人の背中のシルエット。ランターンの手を、サンダーさんが引っ張って歩く。
横へ視線を向けると、彼女の目もその繋がれた手に向けられていた。

「…真似、してみる?」
「え?」

何となく、羨ましくなって。隣のシャワーズに、右手を差し出してみた。
きょとんとした顔で見あげられると、急に気恥しくなってくる。

「い、嫌ならいいんだけど。ほら、寒いし。つなげば多少は暖かいかも?」
「……ふふ。それじゃあ、失礼しますね」

ほんの少し笑った後、小さくて柔らかい手が、僕の手を握る。
小さくて、ちょっとした事で離れそうなつながり。けれど、繋いでいるだけで、何かが満たされるつながり。
少し繋いだ手を握ると、彼女もまた、握り返してくれた。


冬の夜道を、二人と二人が間を開けて歩く。


一方は、楽しげに笑い合いながら。
もう一方は、静かに、ゆっくりと歩調を合わせて。


たまには、こんな帰り道も悪くはない。右手の感触と熱を確かめながら、僕らは帰り道を歩き続けた――。






おしまい。


























「…で、生徒会長がリクエストしたのってなんだったのかな」
「たぶん『マカロン』だと思いますけど…チョコでコーティングしたクッキーのような…」
「…なんか意外だね」
「…うん、そうですね…」
「そこ、聞こえてるぞ!」
「「わーーーっ!?」」



















あとがき

途中から何を書いてるのか分らなくなってしまいました。

企画モノ、『萌えもん学園』の世界観をお貸しいただきまして、シャワーズとエアームドメインで書きました…

…ホントに何が書きたかったのやら。サンダーさんはいいキャラだと思います。マジで。

あと、ハクリューの出番がホントに少なくてすいませんでした。

…とりあえず!最後まで読んで下さり、ありがとうございました!次回をお楽しみに!
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