4スレ>>292


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となわけで、もえもん捕獲の旅in関東は開始された。
両親も厄介払いができて嬉しいのか、率先して準備を手伝ってくれたおかげでスムーズに旅立てた。
が、俺の心中は不安でいっぱいだった。何故ならは自分の手持ちになるもえもんを捕まえなければならない。
バット一本と己の体のみの使用で。
常識的考えて無理だがやらざる終えない。
不幸中の幸いというべきか、オーキドからもえもんボール5個は支給されているのだ。
これでなんとかするまい。あの超強いコラッタさえでなければ、きっと……。
そう思っていた時期がボクにもありました。


現在トキワシティのもえもんセンターで休憩をしているところである。
マサラからの道中、ボールを投げる暇などなく新しく作った傷にアカチンを塗ってバンドエイドを応急処置として張る。
やつら低レベルのコラッタ、ポッポは俺のオツムよりはるかに出来がよかった。
弱いことを恥ずかしいと思わず、群れて行動している彼ら彼女らを捕獲など不可能で。
逆にボッコボコにされた寸法である。ジョーイさんも生身で戦うなんてと呆れていた。
こっちだって好きでしているわけじゃないのだが、確かにこのままでいても、もえもんゲットまでたどり着けないだろう。
何か対策が必要だと、無い脳みそをフル回転させてひらめく。
自分がダメなら、他のトレーナーに捕獲したのを譲り受ければいい。
それだと親が別の人になるから、弱らせてあとは俺が相手すれば解決する。
なんという名案だろう。早速実行に移したいが、この作戦の致命的なミスを俺は知る。
口下手。人見知り。
……説明はいるか? いらないか。いらないよね。ですよねー。
タイピングならスラスラ打てるが対話では何の役にも立たない。ささやかな自慢になる程度だ。
知らない人に声をかける度胸もない。最悪だな、俺。
とりあえず病院に居座っていてもネガティブになるだけだ。自動ドアを出て正午の外へ出る。
日差しの眩しさに一瞬だけ目が眩むも、すぐに慣れた。
けれど外の空気にはすぐに慣れそうにもないな。ま、これもまた新鮮で悪くない、か?
「ふぉっふぉっふぉ……おぬし、もえもんトレーナーじゃろう?」
無駄なことを考えていたらなんか顔の赤い爺さんが絡んできた。真昼間なのに飲酒かよ。杖持つ手がフラフラだ。
視線を反らすも爺さんは逃がしてくれない。最近、年寄りが俺に苦労を運んできてないか。
だが手に持っているもえもんボールに視線が行く。
「どおれ、見たところ新米のトレーナーじゃろう? わいが捕まえ方を伝授してやろう」
な、なんという幸運。不幸を運んでくるのは撤回しなければ失礼に当たる。
小声ながらもありがとうとお礼を言うと、爺さん改めお爺さんは意気揚々と近くの草むらへ。
すると早速コラッタがぽこんと飛び出してきた。俺はちょっとワクワクする。どんな風に弱らせ捕まえるのか、でではない。
捕まえたのを譲ってもらえるか、だ。
この際他人のでもいい。そのもえもんを使って自分のもえもんを捕獲すればいいのだ。
腰を低くし、構えるお爺さん。おいおい、もえもんまだ出さなくていいのか? 
尻尾をぴんと立て、コラッタが攻撃態勢になる。まず、あの体当たりはもろに喰らうと老人にとっては致命傷のはずだ。
「ふ……っ」
するとお爺さん、杖を腰に構えた。まさか、あんた、もえもん出さない気じゃ――。
言いかける前に事は起きた。
風を切って飛んでくるコラッタという弾丸を、
「キエエエエエエエエエエエエエエィイイイイィイィィィィーーーーーーッッッ」
杖で(もえもんの夢を守るための規制)にした。
どさりと地面に落ちる目を回したコラッタ。爺さんは下から持っていたボールを放り投げ、当てる。
ボールは対象に当たると開き、不思議な光線でコラッタを包みその体を内部へと引きずり込む。
ぴくりとも動かない地面のボール。そして数秒後、捕獲完了の音が爽やかに鳴った。
何も言えない。凄すぎて何も言えない。
剣道初段とか持ってるとかいっても全然驚けないほどの衝撃。つか、持ってない方がおかしい。
鉄バット振り回して追い払うのがやっとの自分なのに……。
「カッカッカッ! わいもまだまだ老いておらんのう!」
嬉しそうに笑い、捕獲したばかりのボールを持って撤収していく。なんの話も説明すら残さずに。
お、おい。それだけのために俺を呼び止めたのか?
「おう、十分じゃろう?」
いや十分って……?
「見本を見せてやった。他に何がいる?」
……!
「あとは自分でなんとかせい、若いの。
 少年の内は買ってでも苦労をしなければわいのようなナイスガイにはなれぬぞ?」
あんた、一体何を。
「一人旅で頼れるのは極論的に己か、もえもんかしかおらぬ。
 他人に頼れば必ず相手は見返りを求め、取引になってしまうからぢゃ」
確かにそうだ。
何の得もなしに自分の時間を避けるほど人はお人よしな構造はしていないだろう。俺だってそうだ。
「わいはただ、バット一本で戦う若人がいると聞いて顔を拝みにきただけじゃよ。
 ……では、達者でな」
爺さんはそういい、町並みに溶けるかのようにして消えていった。


俺は間違っていたことを思い知る。
そうだ、これは俺の旅なのだ。追い出されるような感じを否めないとしても、俺の旅なのだ。
ならば頼るのは自分だけ。最終的には自分だけ。
その自分が情けなくてどうする。たかがもえもん一匹倒せなくてどうする。
かっこ悪いだろ?
そうだろ?
男ならやってやれだ。覚悟を決めて、トキワの西区にあるセキエイゲート前の草むらに佇んでいた。
オニスズメもコラッタもポッポも見当たらない、異様な場所に居ても俺の心中は変わらない。
――とある噂をジョーイさんから小耳に挟んだ。
なんでもこの場所はとあるもえもんの縄張りで、初級者のトレーナーは入らない方がいいと――
今、俺は、そこに、土足で踏みあがっている。
ソイツは一分もかからずやってきた。
「あんた、あたしの陣地になんの用なのかしら」
もこもことした毛に全身を覆われているもえもん、マンキーである。
図鑑を開き、全容を確認する。
身のこなしが軽く、凶暴で暴れ出すと手がつけられないね。いいじゃないか。こういうが初めての手持ちに相応しい。
バットを軽く握り直し、身を引き締める。
「へえ……度胸あるじゃない。人間のクセに、あたしとやろうっていうんだ」
くすくすと小馬鹿にするような態度に、嫌味っぽく笑ってやった。
それは負けるヤツの使う常套句だと。
「な、なんですって……?」
感情がごっそり抜けた表情に一瞬なり、すぐに戻るが雰囲気が違った。触れれば切れるような、そんなのに。
「おもしろいわね、そのセリフ。ええ、とてもとても」
指をぽきぽきと鳴らし、一人心地に呟いたのが合図。
「トサカに来たわよこんちくしょーーーーー!!」
一転してむっきーと唸り、鬼の形相と怒りに染まった拳を構えながらマンキーが襲い掛かってきた。
戦闘開始だと、俺はまず様子見としてバットでその拳を迎撃する。
肩からの勢いをつけたフルスイングと、衝突する小さな、けれど恐ろしい力を秘める拳が衝突する。
手にかかる鈍い振動と、甘い痺れ。これをモロにくらったら終わりだ。痛みを堪えて棒立ちしているところにトドメが入るだろう。
一撃も喰らえないだなんて、残機0のシューティングゲームのようだ。冗談を考えられる程度の余裕はまだあった。
マンキーはというと反動を受けた様子もなく、弾かれた拳をぐーぱーと開いては閉じる。
「ああ、うっざいわねえ。なんで一撃で倒れないのかしら」
お前、俺にそれを聞くか?
「うるさい、うざい、黙りなさい。ああもう、折角昼寝の最中に人間なんか、
 いつもいつもあたしの縄張りに踏み込んできて―――!!」
支離滅裂な言葉を発しながらも攻めの行動は理性的だった。
ジグザクにステップを取りながら接近し、ワンツーと軽いジャブを繰り出す。
こう細かい攻撃ではバットをフルスイングとはいかない。
紙一重でかわすのも続かず、右の威力を収めにしたパンチを胸板にもらう。
激痛、小さな吐き気。足がよろけた。致死量ではないが、動きが瞬時止まる。
「け、た、ぐ、りぃぃぃぃぃーーーーー!!」
敵がそんな隙を逃すはずもなく、渾身の力を込めて放たれるけたぐりに、俺は本能的にバットを振るう。
先ほどの鉄拳を受け止めたとき以上の衝撃。
鉄製ではなく木製なら砕け散りそうなほどの破壊の力。
痺れるような振動に俺は思わずバットから手を離すと、高く弧を描いて明後日の方向に飛んでいった。
まずい、得物がなくなって徒手空拳なんて洒落にならないぞと慌てるが、
「いったあぁあぁぁいー……」
膝に息をふーふーとかけて、涙目で膝小僧を摩るマンキー。
あの威力の足技を真っ向から受け止めたのだ。今度の反動は相当大きいらしい。
にしても、もえもんが涙目で膝を摩りこっちをかわいらしく睨みつける姿。中々ありだと思い、ちょっと心配になる。
骨とか、折れてないよな?
「ば、馬鹿にしないでしょ! あたしが人間なんかに遅れを取るもんですか!」
その元気があれば十分、と頷きたいがマンキーは一向に襲いかかってはこない。
装備なしの俺など赤子の手を捻るようなものなのだが、この好機を生かせないほどのダメージなのだろうか?
ちょっとの心配はとてもの心配に変わる。なんだかんだやってるが、やっぱ荒事は苦手だな。
「ちょっと、何近づいて……っ?」
暴れんなって。マサラからの途中でもらった傷薬だよ。
「いらないわよ……!! それよりもあんた、まだあたしと勝負の最中、」
頭を撫でてやる。ふわふわのもこもこの感触を味わいながらしゅっしゅと、赤くなった膝にスプレーを吹きかけた。
「無視しないでよ! 無視しないでって!」
外傷じゃないから利くかどうかわかんないが、これで我慢してくれるか。
目元の涙をぬぐってやると、しゅんとした様子でマンキーは呟く。
「……何よもう。しらけちゃったじゃないの」
先ほどまでの狂ったような怒りはなく、クールな感じに戻っていた。だが頬が赤い。もしかして、照れているのだろうか?
怪我の手当てが終わり、そのスプレーの後をマンキーはじっと見詰めていた。
俺は立ち上がり、元いた立ち位置に戻りファイティングポーズを取る。
さぁ、続きをしようと。
「あのねえー……もうそんな気分じゃないって言ったじゃない」
眉を潜め、マンキーは投げやりに呟く。じゃあボールぶつけるけどいいか?
「お断りよ! なんで人間に捕まんないといけないわけ!?
 冗談じゃないわ、あたしはここのぽかぽかしてるのが気に入ってるの」
……言われてみれば、ここは日当たりがよくいい感じに体が暖かくなる。運動していたのもあるだろうが、それだけじゃない。
昼寝のスポットには最適だろう。レジャーシートの上でぼけーっとするのも気持ちよさそうだ。
「それに……その、トレーナーって不気味じゃない」
は?
「だってだって! なんかよくわからないボールにずっと入れられて、用事以外は出てこれないでしょ?
 走り回ったりご飯食べたりできなかったら死んじゃうもの!」
誰に聞いたんだよ、それ。
「友達の友達の友達」
ソレは他人と言うもので、そんなにもえもんの間を通ってきたら着色付けされてるに決まってるだろ。
「そ……う、なの?」
ああ、お前さんって結構世間知らずなんだな?
「う、うっさいわね! これでも知ってるほうよ!」
どうだが……怪しいもんだ。
構えを解いて、頭をぽりぽりと掻く。これはもう、殴り合うって空気じゃないぐらいは読める。
だから俺は純粋に、他意などなく、手持ちがほしいとかもすっかり忘れて尋ねてみた。
なら、一緒に外へ冒険しないか? と。
「外……へ……?」
実は俺さ、引き篭りだったんだよ。
「ふんふん」
で、昨日ちょっとごたごたがあってな、トレーナーになったわけだが。やっぱ一人じゃ心細いわけで。
同じ者同士、つるんでみたら何か楽しくなりそうだろう?
言っていて自分もわからなくなったが、嘘ではないなと苦笑した。
そうさ、これが俺だよな。後先考えず、感性に頼って生きる頭の悪い男。
損をたくさんするかもしれない、騙されることも多々あるかもしれない。けれど……本心を仮面で隠すやつよりはよっぽどマシ、だと思う。
「……外って、楽しいところなの?」
少なくとも未知の場所ってだけでこう、冒険心が疼かないか。
「何それ。お子ちゃまみたいなヤツね、あんた」
否定はしないな。つか、できない。
「あははっ」
けらけらと、無邪気に笑う。怒った顔は般若のようだったのに、そんな風に笑えるんだなとほくそえんだ。
腰からもえもんボールを取り出し、マンキーの前に置く。
この中、入ってくれないか。
外に出たいときは言ってくれれば出す。メシも出来る限り上手いのにしてやる。
だから俺のにならないか?
「……っ。な、なに恥ずかしいこと言ってんのあんた?!」
まるでプロポーズみたいだな。人間同士なら言えねえな、こんなの。
「そう……」
一つ頷き、考えるような仕草をしてからマンキーは俺を見上げる。
「そこまで言うならまあ、なってやってもいいわよ。
 ど、土下座までされちゃあ、あたしだって鬼じゃないし?」
誰が土下座したって?
「言っておくけど、あんあたが何度もしつこく頼み込んでくるから捕まって上げるんだからね!
 別に外に興味があるとか、人間のクセに根性あるって関心したとかじゃないんだから!」
はいはい、ツンデレですかお前は。
「……!! もう、知らない……っ」
照れまくりながら、穴に逃げ込むようにマンキーはボールに触れてその中に入っていった。
手のひらサイズのボールを握り締め、中にいるとマンキーを見る。そっぽを向いていて視線を合わせてくれない。
……そういえば、オーキドが言ってたな。親しくなるためにはまず呼び名からだとかなんとか。
アクアって子もゼニガメをカメさんって呼んでいたし、俺も何かつけてみよう。
感性をフル回転させ、俺はマンキーのボールに向かい宣言した。
今日からお前の名前は「もんきち」だと。
その瞬間、マンキーががばっとこちらを振り返り、はぁてめぇ調子こいてんじゃねえぞ!! なんて表情で語っていた。
ニックネームも決めたことだし、もうこの場に用はないか。まずはもえもんセンターに戻ってもんきちの怪我を見てもらわないと。
くるりと後ろを振り返った。
コラッタと、オニスズメ、マンキーがうようよいて殺気立った目でこちらを見ていた。
縄張りの主を捕獲しちゃったわけだから、部下が怒っているという明白の理。
足元に転がっていたバットを握る。
がたがたと震える手のひらのボール。もんきちは精々がんばりなさいよと手を振っていた。
足ががくがくするのは、武者震い。
脳を支配するのは集団リンチの状況。
手持ちのもえもんは白状で戦う様子などない。
――死ぬかもな。
やけっぱちに俺はトキワのもえもんセンターまで突貫し始めた。









チラシの裏。
鹿パッチでプレイしているので分布はそれに則って書いています。なのでジムリーダーも(ry

当初、2chの自己体験を語る、みたいな感じのノリで書いていこうと思っていたのですが、
かなーり1スレ1スレが長くなるのと周りの反応みて今回からメモ帳です。
でも個人的にあの流れは好きなので、その名残を捨てきれず取り入れてみたらこんな感じのものに。
描写薄すぎですね。でも力入れすぎると富士見の締め切りに間に合わない……。
手抜きで息抜きなのは否めませんが、それでも楽しんでいただければ幸いです。
では。にーさんさんでした。

P.S.マンキーの性格は「てれや」です。自分が始めて捕まえて使っているのがそうでした。
    あと主人公は「」風には喋らない予定。劣化キョンと思ってくだされば。名前も出そうか考え中。
ツールボックス

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