5スレ>>72

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「いくぜーっ!フシギバナ!」
「任せてっ!」
「出てこーい!」
「はいさ~!」
名前も無い町で俺は萌えもんトレーナーとバトルを繰り広げていた。
自己紹介が遅れたな。俺の名前はレッド。萌えもんトレーナーさ。
そしてこのもんすたぁぼーるから出てきた奴。
こいつが俺の相棒のフシギバナ。マサラタウンから一時も離れずに旅してきた。
「フシギバナ!しびれ粉だ!」
「それっ!」
辺りを黄色く染め、粉が舞う。
風は無し。フシギバナもやっと加減を覚えたのか、俺や相手トレーナーに当たらないようになってきた。

思えば最初の頃は酷かった。
しびれごな、ねむりごな、どくのこな。この3つの技は危険極まりないものだった。
しびれごな 使えばみんな 動けない
ねむりごな 辺りにいびきの 大合唱
どくのこな くらえば多分 致命傷
思わず川柳も出るほどの危険技。実践で使えるようになったのはつい最近の話だ。

「あうぅ・・・」
「効いたっ!ねぇ!見た?!」
悪い癖なのだろう。確かに分かる。自分のやった事が成功したのを認めてもらいたい気持ち。
だがそれを戦闘中に・・・
「見た見た。だからな?戦闘中によそ見をするなって・・・」
「くっ!麻痺治しだ!」
「ほいさっ!」
こんなやりとりの間に状態異常を回復されるのはよくある事。あっちゃならないんだが・・・
「ほれ見ろ!回復されちゃったじゃないか!」
「・・・うるさいわねぇ・・・いいじゃない!何よ!何なのよ!倒せばいいんでしょ!倒せば!めっためたにしてやるわ!」
あぁ・・・まだ命令してないよ、フシギバナ。
しかもそこで花びらの舞ですか・・・フシギバナさん・・・
「うぅぅぅっりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「高速移動で避けろっ!」
「そいやっ!」
自慢じゃないが俺のフシギバナはそこまで素早いほうではない。
高速移動を使う相手は天敵とまではいかないがなかなか手強い事には違いない。だが・・・
「そんなもんでっ!あたしのっ!!超最強スペシャルグレートフシギバナクラッシュをっ!!!」
何その新技。いつ覚えたんだい?覚えてないだろう?花びらの舞だろう?それ。
「避けられるわけぇぇぇ!!!!無いに決まってんでしょうがぁぁぁぁぁ!!!!!」
確かに言うだけの事はある。
相手の萌えもんは数十m飛ばされて一撃で沈んだ。ウチのフシギバナがどうもすみません。
「強いなーキミ!キミなら萌えもんセンターにある張り紙・・・参加出来るかもな!」
「? どんな張り紙なんです?」
「強い萌えもんとトレーナー募集って一行と日時、場所だけ書かれてるらしいね。」
「へぇ・・・後で見にいってみます!」
「頑張れよ!キミなら出来るさ!」
萌えもんが好きな人に悪い人はいない。昔の偉い人は良い事言ったもんだ。
100%あってるとは言えないが。
一言お礼を言ってトレーナーさんとは別れた。
そして今聞いた事についてフシギバナに聞いてみる
「なぁ、聞いてたか?どう思う?」
「・・・・・・・・・・・・」
「あれ?あまり興味無いか?」
「あたしはぁぁぁ、つよいのよぉぉぉ!」
何だかフシギバナの様子がおかしい。普段よりなおさらアホの子に近づいているような・・・
「ど、どうした?」
「らからぁぁ、れっどぉぉ!ばかぁぁぁ!!!」
「え?ちょ・・・え?!なんで!っくぁ!」
覚えていないはずののしかかり。圧迫され呼吸が一瞬止まる。
よく考えてみると原因がようやく判明した。
超最強スペシャル・・・何たら改め、花びらの舞による混乱だろう。
目をまわしてバランスを崩し倒れ掛かってきたのだった。
「フシギバナ!マジで!死ぬってば!」
「あららららららららら~」
イッてる。目からしてイッてる。発言はなおイッてる。
「どいてくれ!頼む!重・・・ゲフンゲフン」
咳き込んで誤魔化したものの・・・世の中の言葉を使えば「しぼうフラグ が たった!」という感じか。
「・・・重い?」
どうも女の子はこの言葉を聞くと雰囲気が変わる。お年頃だからなのだろうか・・・そこは分からない。
「い、いや、違う。断じて違う。っていうか混乱はどうした!今のだけ聞こえてるなんて反則だ!」
「・・・レディーに向かって重い、ねぇ」
萌えもんで表すならカブトが近いだろうか。目だけが光っているような、そんな表情でこちらを見る。
「分かった。落ち着け。何でもする。何でもするから・・・」
待っていた、とばかりに目を輝かせてフシギバナはこっちを見る。
「ホントだね?!今いったよね!何でもするって!」
「言った。言ったから・・・降りてくれ・・・」
さすがに限界が近いような気がした。必死に説得。説得に次ぐ説得。
「はいは~い♪」
「ふぅ・・・」
やっとの思いで異常重力(決して体重とは言わない。言ってなるものか。)から解放された。
「っと、それでだな、フシギバナ」
「なにー?」
レッドは先ほどトレーナーから聞いた、強いトレーナーとポケモンを募集しているという張り紙の話をする。
「へぇ~。あたしに対する挑戦状かな?」
「多分違うと思う」
「違わない!きっとあたしを呼んでるのよ!」
その自信はどこから出てくるんだか・・・長所だとは思うけど。
「はいはい。とりあえず張り紙見に萌えセン行こっか。それに疲れたろ?」
「うん。疲れたぁ~。おんぶ~」
「もんすたぁぼーるに入るか?」
「・・・歩く」
「いい子だ」

これがいつものやりとり。
こいつは出会った頃からもんすたぁぼーるに入るのが嫌いだった。そのためいつもくっついて来た。
萌えもんは進化すると性格が微妙に変化するようで・・・
フシギダネの時は内気だった。俺の陰に隠れながらこそこそついてきたのは可愛かった。
フシギソウになった時。ちょっとませていたな。いきなり腕を組むなんて日常茶飯事だった。
そして今。なんだろうコイツは。ツンデレの割合が3:7になったような、そんな感じ?
戦いの時はとても頼りになるけど。
それに・・・可愛いっちゃ可愛いし。

とりあえず、今は萌えセンを目指す。
「それっ!」
「わっ!いきなり抱きつくな!重い!・・・あ」
フシギバナ の しびれごな!





1話はこれで終わりです。読んで頂き有難うございます。
文章力が無いためgdgdですが・・・書いてて楽しかったので許してください・・・^^;
お暇がありましたら感想や評価、こうするといい等の意見を頂ければ幸いです。

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最終更新:2008年01月30日 20:44
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