5スレ>>88

萌えっ娘もんすたぁ

第二話「イレギュラーな娘」

寝起きと言うのはなんて目覚めの悪い日が多いのだろうか。
身体が全く動いてくれない。
俺のどこかの神経がめんどくささに支配されているようだ。
参ったね、どうも・・・

「マスターおきてください」

幼い声が俺を呼びかける。
誰だ、こんな朝っぱらから俺をマスターと呼ぶカワイイ奴は?

「起きてください~」
ゼニガメが一生懸命に俺の身体を揺さぶる。
サイズ的にゼニガメが小さいので、俺に乗っかる感じに
前後左右に両手で揺さぶっているのだが・・・
朝っぱらからそんな風に乗られると色々とマズい・・・

「ますたぁ~!」

観念するしかないようだ。
俺は動かしたくない身体を無理矢理起こす。

「あ、おはようございますマスター♪」

ニッコリと笑顔を作るゼニガメ。
朝からこの笑顔が見れるとなると
自然と幸せになる。

「ああ、おはようゼニガメ」

頭を撫でながら挨拶をする俺。
ゼニガメは頭を撫でられるのが好きらしく
何かあるたびに成功すれば頭を撫でる事にしている。
あの照れ具合がたまらない。

「母さんは?」
「今、朝ごはん作ってます」

ここ最近ゼニガメに起こされっぱなしなんだよね。
おかげで母から開幕メガトンパンチ級のダメージが
威力しっぽを振るクラスにまでなってくれたのが嬉しい。

「着替えるから、ゼニガメは下で待ってて」
「は~い」

たったったと駆け足で下に降りていく。
そういえばゼニガメの服っていつも同じだよな・・・
どうなってるんだろうアレは・・・




「サトシ。これからどうするの?」
「ふぇ?」

パンを咥えながら返事をしてしまった。
今の時間は朝食。
俺と母。そしてゼニガメのひと時を過ごす大事な時間だ。

「ゼニガメちゃんを貰った以上、萌えもんマスターになるのが基本じゃないの?」
「人によるんじゃないかな・・・俺はあんま冒険は好きじゃない」
「でも、それだとゼニガメちゃんが・・・」
「わ・・・私はマスターと一緒なら大丈夫です!」

グータラなマスターでごめんよゼニガメ
これは俺の母でも父でもない性格だからなぁ・・・
なんでこんなナマケモノになってしまったのだろうか・・・

「い~やゼニガメちゃんは息子を立派な大人にする仕事があるのよ。
その為にオーキド博士の研究所から来たんじゃないの?」
「あ・・・はい」

おいおい・・・そういう話は聞いてないんだけど・・・
俺のひきこもり空間を壊滅させるつもりかこの二人は?
勘弁してくれぇ・・・

「なら、今日の昼にでも息子を連れてトキワシティまで行ってあげて」
「は・・・はい!」

あっという間に決断実行。
どうやら、俺に拒否権はないらしい。
仕方ない・・・最低限必要な物を準備するとしようかな・・・



「いってきまーす!」
ゼニガメの元気な声と共に俺はマサラタウンを去る事になった。
さて、行くにしてもまずは何をするかがイマイチ分かっていない。
かと言って、ゼニガメに今後のことを聞いてもわからないだろうし・・・

「まずはトキワシティに行こう」

結局でた提案がコレだった。


ポッポやコラッタたちとじゃれあいながらも
俺らはトキワシティへとたどり着く。
相変わらず、バトルというレベルとは
なんか違ったような戦い方なのが心にしみる。

ゼニガメにおいしい水を飲ませ、萌えもんセンターで休憩時間。
その間に情報収集をしておこうと思う。

「ゼニガメ、俺はちょっとここら辺のトレーナーから
情報収集してくるから、何かあったらすぐ駆けつけるんだぞ?」
コクっと水を飲みながら頷く。
それを見て安心し、軽く頭を撫でる。
さて、ゼニガメが不安になる前にちゃっちゃと回収しておこう。



箇条書きをするとこんな感じかな
1.まずは各地にいるジムリーダーからバッジを貰う
2.全部で8つのバッジが存在する
3.会得後、セキエイ本部でリーグ参加(予約制)

これが一般トレーナーの道らしい。
他にも趣味系統でトレーナーをやっている人もいるとか
言っているが、俺は今のところフリーなので、一般分類に入る。
年齢的にもまだ未成年なので
就職先もイマイチ安定していない。
まあ・・・もうそろそろ考えないといけない時期なんだけどね・・・

トキワの北にあるニビシティに、最初のジムがあるらしく
そこが新しい目的地になりそうだ。

「ゼニガメ、目標が決まった。ニビシティへ行くぞ」
「ニビシティですか?」
「どうやら、俺はその場所に行かなきゃならないらしい」
「わかりました!頑張ります!」

と、なると色々買いだめしておかないとね。
俺とゼニガメはフレンドリーショップに向かう。

「お、君はマサラタウンから来たんだね?」

開幕に言われた言葉。
どうやら、究極のひきこもりの名前は伊達じゃないらしい。
その言葉に応えると、何やら不思議な荷物を取り出した。

「悪いんだけど、これをオーキド博士に渡してくれないかな?」

聞く話だと、店番のヤツが風邪で倒れ
今一人だけで経営しているらしい。
なんか忙しそうだ・・・

「ちょっと!店員さん!急いでよ!」
「あ、はい!ただいま~!と、言うわけでお願いするよ」

荷物をカウンターに置いたままレジに戻っていく。
こりゃ相当忙しいな・・・

「どうするんですかマスター?」
「仕方ない。マサラタウンへ逆戻りだ」

荷物を持ち、俺はフレンドリーショップを出て行く。
それほど重い荷物ではないが・・・
あの距離をこれ持ちながら行くのはめんどくさいな・・・



オーキド博士の研究所に着くと
休憩中なのだろうか、椅子に座って新聞を読んでいる
博士の姿があった。

「博士」
「おぉ、サトシ。元気に萌えもんゲットしておるかの?」

新聞をテーブルに置き
ふむふむ・・・と一人関心をしながら俺とゼニガメを見比べる。

「どうやら、大分懐いたみたいじゃな。どうじゃゼニガメ?」
「はい!マスターと一緒にいると楽しいです!」

元気に答えるゼニガメ。
そう純粋に素直に言ってくれるとこっちとしても嬉しかったりする。

「そうかそうか!それはよかった!
サトシ、お前は萌えもんトレーナーとしての才能があるかもしれんな」

俺がトレーナーとしての才能・・・?
果たしてどうなのだろうか。
少なからず自分では実感が出来ていない。

「それで、ワシになんのようじゃ?」
「あ、届け物です」

持っていた荷物を博士に渡す。
すまないのぉと小声で漏らしながら
博士は中身を確認する。

「おぉ、これはワシが注文していた特性のモンスターボールじゃ」

確かに見ると、ちょっとデザインが異なった
モンスターボールだ。
おそらく、別地方からのボールなのだろう。

「どうもありがとよ!」
「どういたしまして」

さて、やる事はやったし
そろそろ出発をしよう。
俺はゼニガメの手を握り、研究所を去る。

「じいさん!」
そこいずかずかと割り込んでくるシゲル。
よぉ、と挨拶されたのでそれには返事を返しといた。

「すっかり忘れてた。俺に用事ってなに?」
「・・・あ、そうじゃった!ちょっと待っておれ。サトシもそこにいてくれ!」

帰る寸前にそんな事を言われる。
やれやれ・・・今度は何をするつもりなんだろうか。

「ゼニガメ~!」
「フシギダネちゃん!」
「二人とも~!」

シゲルのフシギダネと
どこからか現れたヒトカゲと一緒に
じゃれあうゼニガメ。

「サトシ。どうだゼニガメは?」
「とてもいい子だ。ヤバいくらいに」
「でも俺らはまだ入り口にすら入っていないぐらいだぜ。
外にはこんないい娘がまだ山のようにいるんだぞ?」

ゼニガメみたいな娘がたくさんねぇ・・・
まだ見ぬ娘のことを考えると
今後は楽しみだが

「待たせたな二人とも。ちょっとワシからお願いがあるのじゃが
まずはコレを見てくれ」

テーブルの上に2つの赤い箱らしくものを置く。
はて・・・弁当箱だろうか?

「これはワシが作った萌えもん図鑑!見つけた萌えもんの
データが自動的に書き込まれて、ページが増えていくという
大変ハイテクな図鑑なのじゃ!」

萌えもん図鑑ねぇ・・・
試しに博士がそこでじゃれあっている3人の娘のデータを
取るべく、図鑑を娘達に向ける。
すると、図鑑に新しくデータが入ったという音が鳴り
これでデータが回収できたという。

「後で、確認してみてくれ。これをお前達二人に預ける!」

俺とシゲル、それぞれに図鑑を渡す。
それほど重くもないので、持ち運びには
問題はなさそうだ。
ついでにいうと、防水加工バッチリらしい。

「ただ・・・萌えもんをただ見つけただけでは
詳しいデータを手に入れることはできん。
必ず捕まえなければならんのじゃ!」

試しに図鑑を見てみる。
ゼニガメの紹介文は記載されているが
ヒトカゲ・フシギダネの紹介文は記載されていなかった。
ふ~ん・・・

「ほれ、そのために必要な道具を渡そう」
ポケットからモンスターボールを取り出し
俺たちに渡す。ふむ・・・これでゲット可能っていうことか。

「野生の萌えもんが飛び出してきたらチャンス!
モンスターボールをポイ!っと投げれば萌えもんを捕まえられる!
ただし、上手く捕れるかどうかは分からんぞ!
元気な萌えもんは逃げやすいし、運もあるからな!」

そこでゼニガメの出番と言うことか
だいたい把握した。
やる事増えちゃったな・・・

「この世界のすべての萌えもんを記録した完璧な図鑑を作ること!
それがワシの夢じゃった!しかしワシももうジジイ!
そこまで無理はできん!
そこで、お前達はワシの代わりに夢を果たして欲しいのじゃ!」

そ・・・そんなに大きい声で叫ばなくても・・・
まあ、リーグを目指しながら
萌えもんたちを集める旅も悪くないだろう。

「さあ、二人とも早速出発してくれい!
これは萌えもん歴史に残る偉大な仕事じゃー!」

仕事はぶっちゃけめんどくさいんだが・・・

「マスターはとっても優しい人だよ」
「ふ~んいいなぁ・・・」

ゼニガメとの思い出のためにも
ここは頑張るとしようかね・・・

「よーし!じいさん!全部俺に任せなー!」

しかしこのライバル、ノリノリである。
ポンと自分の胸を叩いて自信に満ちた笑みを出す。
コイツはコイツできっとやってくれると思う。

「そうだ!うちの姉ちゃんからタウンマップを借りていこう!」

タウンマップ・・・
そういえば俺はマサラ~トキワ付近しか全くわからない。
俺も後でタウンマップ探すとしよう。




とりあえず再びトキワシティまで到着。
さて・・・ここからニビシティはっと・・・

「マスター。これからどうするの?」
俺の頭付近で飛んでいる娘が俺に声をかけた。
先程博士から貰ったボールでゲットしたポッポだ。
ゼニガメとじゃれあい、疲れ果てているところにゲットをした
二人目の仲間だ。

「ぼく・・おなかすいたよぉ」
そして後ろからちょびちょび歩いてくるのがねずみ萌えもんコラッタ。
コイツもゼニガメとのじゃれあいでゲットした娘だ。

「とりあえずニビシティへ向かう。ゼニガメ・ポッポ・コラッタだけじゃ
寂しいから、まだ誰か戦力になりそうな娘を捕まえてからかな・・・?」
「はーい」
「はい」
「は~い」

ポッポもコラッタもゼニガメ同様、とてもいい子。
幼年期はみんなこんな性格なのかな・・・?

「あ・・・マスター!」
何かを見つけたのか、ゼニガメがぐいぐいっと
俺のズボンを引っ張る。
何かと思いゼニガメを見るとツンツンと指を刺している。
その指の向こうには柵が見えるが・・・

「む・・・?」

その奥には何故か草むらがあり、萌えもんたちが
ちょろちょろ頭を出している。
はて・・・トキワの中に草むらなんかあったのだろうか・・・?

「行ってみるか・・・」

不思議に包まれているトキワの草むらに足を運んだ。
見た感じポッポやキャタピーがいる感じにしか見えないが・・・

「・・・あれは・・・」
コラッタが何かを見つけたらしい。
一目散にその見つけた方向にダッシュをする。

ごちーん☆

なんともかわいらしい音が辺りに響いた。

「い・・・痛い」
「あ・・・あなた!何するのよいきなり!」

声の出たところに向かうと
何か見慣れない姿が見える。

「あ・・・」

思わず声が漏れてしまった。
それは先程博士の研究所にいた同種のヒトカゲだったのだから。
図鑑で確認をすると、確かにここに生息すると書かれている
何という罠だ

「あなたねぇ・・・
トレーナーならもっとちゃんと・・・・・・」

お構いなしにボールを投げて捕獲。
文句は仲間になった時に聞こうじゃないか











「何でこんなヤツに捕まったのかしら・・・・」
「・・・・・・・・・」
「まあまあ、楽しくやろうよ」

研究所にいた3人とはまた違ったような雰囲気が見える。
萌えもんセンターの休憩室で今待機しているのだが
さっきからぎゃーぎゃー騒いでいる。
他のトレーナーもこっちを見てるし・・・なんか嫌気。
仕方ない・・・

「なあ、ヒトカゲ」
「な・・・なによ?」
「そんなに捕まった事が嫌か?」
「当たり前じゃない!もっとマシなトレーナーに捕まるならともかく!
何故あなたのようないい加減なのに捕まらなくちゃならないのよ!」

捕まってからもブリブリ文句を言い続けるヒトカゲ。
そんなに嫌味ばっかり言われても
今後楽しくないな・・・

「すまないね。昨日トレーナーになったばかりだからさ」
「しらないわよそんなこと・・・」

意地っぱりっていうか・・・
なんというか・・・

「まあ、本当に嫌なら去ってもいいぞ。俺は構わない」
「・・・・・・・・」
「そりゃいきなり不意打ちでたいあたりして
抵抗する前にゲットしちゃったら怒るよな・・・ごめんよ」
「!?」

ヒトカゲの頭を撫でて謝る。
ゼニガメならこれで許してくれそうだけど
このヒトカゲはちょっと厳しいかもな・・・

「べ・・・」
「べ?」
「別に・・・本気で嫌になったわけじゃないわ・・・
ただ、不意打ちにされたのが気に入らなかったわけだし・・・
それだけよ・・・」
「仲間になってくれるのかい?」
「捕まった以上、仕方ないでしょ
ただ、アナタのために動くんじゃないんだからね
それだけは勘違いしないでよね!」

素直じゃないなコイツ
まあ、少しづつ慣らしていけばいいかな。

で、次にゲットした娘
「やあ、フシギダネ」
「ひゃ!」

そ・・・そんな驚かなくても・・・
俺、そんなに人相悪い人間だっただろうか・・・?

「あ・・驚かせてごめんよ」
「あ・・・はい・・・」
「マスター、このフシギダネちゃんは私以上に心が弱いみたいです」

ゼニガメがそう言う。
まあ、ゼニガメは心が弱いというよりは
ただたに大人しいだけな気がするが・・・
つまりは臆病な娘ってことか

「大丈夫だよフシギダネちゃん。私のマスターは優しいから
安心してもいいんだよ」
「ほんと・・・?」
「うん。大丈夫!」

ゼニガメがフシギダネを説得してる・・・
後はフシギダネが心を開いてくれればこっちのもんだが

「・・・・・・わかった」
何か心引っかかっているといった感じだが
まあ、大丈夫だろう。
ヒトカゲ同様、少しずつ慣らしていけば・・・

「「マスター」」
買い物を頼んだポッポともう一人の声が聞こえる。
声の方を向くと、小さい身体で一生懸命
袋を持つかわいらしい姿があった。

「おかえりポッポ。ピカチュウ」

そう、あの草むらでピカチュウが現れたのだ。
迷わずゲットをし、ポッポと一緒に買い物を頼んだ。
まあ・・・ポッポがどうしても行きたいと言うので
一緒に頼んだんだけどね。

「はい、頼まれたもの買ってきたよ」
袋の中身を見ると、自分が頼んだものがしっかりと
入っていた。どうやらはじめてのおつかいは成功らしい。

「OK、二人ともお疲れ様」
そういって二人の頭を撫でてあげる。
とっても嬉しそうな顔を、俺に見せてくれた。

さて、今日は休んで
明日出発することにしよう。
6匹の娘を眺めながら俺は軽く仮眠をとることにした・・・・



ニコ厨トレーナーサトシの旅は
まだまだ続く    
第二話「イレギュラーな娘」

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最終更新:2008年02月03日 23:01
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