5スレ>>195(2)


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俺は旅をしていた。
話せば長くなるが、妹の病気を治す為に『薬草』を求めて。
1冊の本だけが手がかりだったが、終に薬草を手に入れられた。
唯一の手がかりであった本は正確であり、妹の病気は治った。

「何を黄昏ておる、人間」
「ん? サンダーか。バトルしてたんじゃないのか?」
「お客様にはご丁寧にお引取り願ったわよ」
「フリーザーも居たのか」

振り返るとそこにはサンダーとフリーザーが居た。
お客様…と言うか相変わらずやってくるバトル希望者を撃退してくれていたのだが。
俺はコイツらのマスターでありながらこうしてバルコニーから様子を見ているだけである。

「居ては悪かったかしら?」
「いや、そう言う訳じゃ無いんだが」
「そ? ならいいわ」
「何か用事か?」
「え? あ、いや、用…と言う程の事じゃ無いわ――」

フリーザーがもじもじと何か言い難そうな感じで話掛けて来た。
隠していると言う感じでは無く、言いたくて仕方ないけど話せない感じ。

「何をしておる、フリーザー。さっさと渡さぬか」
「あ! 最初はワタクシが渡そうと思ってたのよ! コレ! 青年に!」

そう言ってサンダーが一つのラッピングされた箱を手渡してきた。
慌てた様子でフリーザーも冷えた箱を渡してくれた。

「早い者勝ちよの」
「むー…」
「? まぁ、いいじゃない。受け取ったし。2人共ありがとうな」

いつもの2人の様子に変な感じになりつつもお礼を言う。
2人はそのまま顔をしたままその場に居る。

「早く開けて食べてっ」
「食べる?」

フリーザーが焦れた様子で俺に開けるよう催促した。
食べる、と言う事は何か食べ物が入っていると言う事であろう。
何となくフリーザーの箱から開けてみた。
―――チョコレート。

「……あぁ、そうか」
「今日は『ヴァンアレン帯』とやらなんだろう?」
「――『バレンタイン』な。ヴァンアレン帯は宇宙にある放射線帯の事だ」

放射線帯とイベントを一緒にされても困る。
苦笑しながら開けたチョコレートに口をつける。
ほろ苦く甘い物が苦手な俺の口に合う味であった。

「うん、美味いじゃん」
「――! ありがとっ」
「良かったのう。最初に口付けて貰えて、しかも、褒められて」
「も、もう…!」

サンダーのからかいにフリーザーは赤く染めていた顔を更に赤くしてしまった。

「そ、それじゃあ! 青年、サンダー、先に部屋に居るわね!」
「あぁ、チョコ、ありがとうな」
「う、うん!」

逃げるようにと表現した方がいい感じにバルコニーから家へ入って行く。
残ったのはサンダーと俺だった。

「……それにしてもヴァンアレン帯なんて、普通の人は知らんぞ?」
「少し間違えただけじゃろう?」
「何処で知った、そんなもん」
「ピクシーが教えてくれたのでの。語呂が似ていたので間違えただけじゃ」
「……ピクシーなら知ってそうだな」
「ま、何にしてもここは冷えるのぅ」
「…そうだな。バトルも終わってるしな」

サンダーに促されたので、いつの間にか誰も居なくなった家の前を見るのを止めて部屋へと入る。
部屋に入ると先に部屋に入って居たフリーザーが居た。

「皆も渡したいみたい。リビングで待てるって」
「あぁ、ありがとう」

サンダーとフリーザーを連れつつリビングへと向かう。
リビングには妹と萌えもん達が居た。

「お兄ちゃん、コレ」
「あ、くれるんだ。ありがとう」
「それにしても、あのフリーザーが先走るとは…」

妹とファイヤーが俺にラッピングされた箱をくれた。
中身は見なくてもチョコレートだと予想は付く。

「先走る?」
「ほら、色々とあっただろ? だから、妹に最初に渡して貰おうかと思ったんだけど…。
 意外なる伏兵? フフフ、久々に面白いモン見たよ」
「こ、こら…!」

ファイヤーのからかいにフリーザーが顔を赤くして怒る。
2人はリビングのテーブルの周りをわいわいと騒ぎながら追いかけっこをする。

「主人。私からコレを」
「ん、キングラー。ありがとう」
「大きいな」
「すみません。この手では細かい作業が…」
「……そうだな」

ほんのりと赤くしたキングラーが大きめの箱を俺の前に出した。
箱も大きいが中身も大きいらしい
キングラーの次はルギアらしい。

「はいー、これどうぞ~」
「あぁ、ルギアもくれる……ってか、コレなんだ?」
「イチゴ大福ですよ~? 美味しいですよ~?」
「はぁ、相変わらずだよね、ルギアは…。ボクは普通にチョコだよ」
「何はともあれ、2人共ありがとう…」

ルギアのイチゴ大福を尻目にホウオウはチョコをくれた。
天然箱入りお嬢様はバレンタインを余り知らないらしい。
とりあえず、皆がお菓子を買ってるから…なノリだな。



去年までの成果が母親と妹の2つから比べると格段な成果である。
……相手が人間では無い事を除けばの話だが。
これで1ヶ月後のホワイトデーが怖くなった気がしないでもないが。

-旅人とバレンタインデー Fin-
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