5スレ>>201(2)


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警察の行進を避けて俺たちは小さな町に入った。
「なんか騒がしいな」
森を抜けたこともありフシギバナの機嫌も良くなっていた。
「なーんでだろうねー?」
ちょっと表情が強張っていた。
「ま、いいけどな。萌えセン行こうか。」
「あーい!」

萌えセンに着いた後、歩きつかれたからか俺はすぐに眠ってしまった。

「ん・・・」
目が覚めるとそこにフシギバナの姿は無かった。
「出かけたのかな・・・」
フシギバナは出かける事に俺は何の心配もしなくなっていた。
理由は簡単。そんじょそこらのトレーナーや野生の萌えもんには負けないという自信があったからだ。
「のど・・・渇いたな・・・」
引き出しの中をがさごそと探る。
そこには無かった。財布が。
代わりに手に取れたのは一枚のメモ用紙。

“おさいふかりていくね♪ ふしぎばな”

まったく・・・と辺りを見回すと机の上にはミックスオレ。
“これ、のんで!”
優しいんだか何なんだか・・・
ミックスオレで咽喉の渇きを潤しつつ俺はテレビをつける。
流れてきたのは何の変哲もないCM。
「あぁ・・・そうか。だからか。」
何の変哲も無かったが今日限定のCMだった。
町が賑やかだった理由も納得した。
バレンタインデー。女の子が男の子に愛を告白する日・・・
「あ・・・眠っ・・・」
いきなりの眠気に俺はベッドに倒れた。
まぶたが完全に落ちる寸前、緑色の服を着た子が見えたような見えなかったような。

「静かに静かに・・・」
フシギバナはこっそりとベッド脇の引き出しに財布を返し、買ってきたものを机に並べる。
「まずは・・・溶かして・・・」
部屋に甘い香りが漂いだす。
別に技ではなくて。
「んで・・・固めて・・・」
それを型に入れ、冷蔵庫の中へ叩き込む。
「少し待つ、っと・・・」
愛しきマスターの元に寄り添い完成を待つ。
「ふふっ・・・可愛いなぁ・・・」
微笑みながら眠っているマスターの頬をつつく。
「って・・・何やってんだあたし・・・自重しろ!自重しろぉ!」
真っ暗な中でも分かるほど顔を赤く染め自分の頭を叩く。
誰もツッコまないのを少し悲しく思いつつ・・・。
「そろそろかな・・・?」
冷蔵庫の中に入れたモノを取り出して固まっているのを確認する。
そのうちの一つをパキッとかじり試食をする。
「に・・・苦っ!これ・・・ビターだったのね・・・」
ガッカリしたため息を一つ。
「作り直そう・・・」
フシギバナはまた溶かす作業を始める。
「ん・・・フシギバナ・・・?」
その時。レッドは目を覚ました。
「え・・・あ・・・その・・・」
いきなりの状況にフシギバナは持っていたボウルを落としそうになった。
そこでとったとっさの行動・・・。
「おふっ・・・!」
レッドの腹の上へ飛び乗った。
「それ・・・チョコか?」
レッドは核心をついた。
一度起きた時に見たCM、甘い匂いですぐに気づいた。
「はは・・・バレたか・・・」
フシギバナはちょっと残念そうな声でそう答える。
「秘密で作りたかったんだけどなぁ・・・」
「気持ちは嬉しいよ。ありがとな。」
にっこりと笑ったレッドの顔を見てフシギバナの何かが弾けた。
「れっど・・・」
「ん?どうし・・・」
言い切る前にフシギバナは指をついたチョコごと俺の口の中へ突っ込んだ。
「んおっ!・・・ふひひはな・・・?」
「おいしい?」
「おいひい・・・かあういをういてくえあいか・・・?」
(訳:おいしい・・・から指を抜いてくれないか・・・?)
よく聞き取れなかったが何を言いたいかは分かった。
フシギバナはそっと指を抜く。
「ふぅ・・・ど、どうしたんだ?」
「・・・わかんない・・・けど」
「え・・・」
俺が見た感じ・・・酔ったような笑みを浮かべて・・・
「・・・何してる?」
「んぇ?・・・んん・・・♪」
口の中にいっぱい、チョコレートを含んでにっこり笑う。
その後の展開に予想がついた俺は・・・青くなった。
「フシギバナ・・・?な?落ち着け?いいか・・・」
「ん~♪」
俺とフシギバナの唇は重なり・・・大量のチョコが流れ込んでくる。
「・・・んはっ♪れっど・・・おいし?」
「・・・・・・・・・・」
何も言えない俺はただ頭を縦に振る。
「よかった・・・♪」
そうしてまた唇を重ねる。

それから何分経ったかは分からない。
お互いずっとそのままの体勢で止まっていた。
「・・・んっ・・・」
「フシ・・・ナ・・・今・・・時?」
「んん・・・」
「21時」
「23分ね」
予想外の声にびっくりしてフシギバナと距離を取った。
隣に座っていたのはピジョンとラプラス。
「仲が良いのはいい事じゃない♪バナちゃんも・・・舌入れたりすればいいのにむぐっ」
「チョコをあげるのに・・・その・・・口移しする必要は・・・ない」
ラプラスは危ない発言で俺に口を塞がれる。
ピジョンは口に出す事を恥じらいながらも行為の否定をする。
その時、フシギバナの手がまた明るく光りだす。
「あ・・・またあの技か・・・?」
「あんたたち・・・いつから見てたのよぅ!!!!!!」
フシギバナは触れるだけで死亡フラグが立つ手をかざしながら2匹を追いかけて部屋から出て行った。
「まったく・・・あいつら・・・」
誰も見ていないのに、顔が赤いのを隠しながら愚痴をこぼす。
いつ出てきたのか、まったく分からなかった。
「おかえり。」
「逃げられた・・・」
残念そうにフシギバナが帰ってきた。
と同時に鍵を閉めてこちらに歩いてくる。
「な・・・なんで鍵を閉めるのかな?」
「・・・」
フシギバナは俺の上へ乗り、体をあわせる。
自然と顔が近くなり重なった。
「んぅ・・・」
舌が絡み、糸を引く。
「ラプが言ってたやつ・・・なんかえっちぃね・・・」
少し照れながらフシギバナが微笑む。
艶やかな表情がその後へ後へと誘っている。
「なぁ・・・いいのか?後悔しないか・・・?」
俺も自分で何を言っているのか分からなくなっていた。
「うん・・・れっどとなら・・・貴方となら・・・後悔しません・・・」
いつもと違う口調でそう言葉を繋ぐ。
覚悟を決めたのがすごく伝わってきた。
「・・・分かった。」
俺はゆっくりとフシギバナの体に触れ、服を脱がす。
「あはっ・・・恥ずかしっ・・・」
お互い服を脱ぎ、抱き合った。

目が覚めた時、フシギバナは隣で笑っていた。
「寝てる時のれっどって・・・可愛いよね♪」
「俺にはわからん・・・」
くすっと笑ってまたキスを一つ。
「ねぇれっど?」
「ん?」
「人と萌えもんでも・・・結婚できるのかな?」
「さぁ・・・出来るんじゃないか?」
「マジですかっ!」
「よく分からんがな。萌えもんは今の時代人と同じような待遇を受けてるしな。」
「じゃぁしようよ♪」
「いつもいきなりだな・・・お前は。」
「嫌~?」
「・・・いい・・・かもな」
ただただ人としてそれでいいのか、という事だけが頭に残る。
煮え切らない返事はその考えからくるものだった。
「もう少し・・・考えさせてくれるか?」
「うん!待ってる♪」
それから俺は受話器を持っていた。
かけた先は・・・
「もしもし、母さん?」
『あら、レッド。電話なんて珍しいじゃない。元気でやってる?』
「うん。えと・・・一つ相談があるんだ。」
『なにかしら?』
「俺・・・結婚したいと思ってるんだ」
『・・・そう。お相手はどなた?私が知ってる人?』
「・・・それが・・・」
『・・・・・・』
「・・・フシギバナ」
『・・・今、なんて?』
「フシギバナだって」
『・・・本気?』
「相当、ね。」
『・・・分かった。一度帰ってこれる?博士も交えて話しましょう』
「じゃぁ明日帰るよ。」
『待ってるわ。じゃ。明日ね』
「うん」

次の日、俺は久しぶりにマサラタウンへと帰ってきた。
木々に囲まれた静かな町だ。
すぐに家の中で話し合いは始まった。
「さて・・・話してくれるかしら?」
俺の自宅のリビング。
オーキド博士と母さん、俺とフシギバナの4人で机を囲んだ。
母さんは早速本題に入る。
「えと・・・昨日一晩考えた。俺は・・・こいつと結婚したいと思ってる。」
フシギバナはそれを聞いて目に涙をためて俯いていた。
「ふむ・・・」
なんと言うべきか悩みながら声をもらしたのはオーキド博士。
「レッド・・・。それは・・・本気なんじゃな?」
「うん。」
「博士・・・人間と萌えもんは結婚できるんですか?」
母さんがもっとも心配な点を聞いた。
「まぁ・・・ダメだという事はないんじゃが・・・」
「あの・・・」
その時、フシギバナが口を開いた。
「えと・・・あたし、れっどが好きなの。世界で一番・・・。だかられっどのお母さん・・・」
深呼吸をしてから言葉を続ける。
「・・・結婚・・・させてください・・・」
母さんはふぅとため息を一つした後少し微笑んだ。
「れっど。フシギバナちゃん。」
「うん?」「はい?」
「あなたたちがそこまで言うなら・・・私は許すわ。」
「ありがとう、母さん。」
「ありがとうございます!」
「博士は・・・何か言う事あります?」
「うむ・・・わしは元々反対する気はない!人と萌えもん・・・大変じゃろうが頑張るんじゃぞ!」
「「はいっ!」」
2人は返事をしてにっこりと微笑みあった。





6月吉日。快晴。
小さな教会は人で賑わっていた。
「ふぅ・・・」
俺は人生で一番緊張していた。
確信を持っていえた。
ガチャ。
扉が開き、真っ白なドレスに包まれたフシギバナが出てきた。
「どう・・・かな?」
頭の大きな花もドレスの白と合っている。
綺麗、としか言えない自分がちょっと恨めしかったが。
「綺麗だな。」
「・・・それだけ?」
「んー・・・綺麗だ。」
「同じ!」
「後でいっぱい言ってやるから。そろそろじゃないか?」
「うん・・・」
「俺は先に行くから。お前は博士と一緒だな。」
「はーい♪・・・後でね♪」
「おう。」
会場に出るとそこにはいろいろな人が待っていた。
ニビシティジムリーダーのタケシ。
ハナダシティジムリーダーのカスミ。
クチバシティジムリーダーのマチス。
タマムシシティジムリーダーのエリカ。
ヤマブキシティジムリーダーのナツメ。
セキチクシティジムリーダーのキョウ。
グレンじまジムリーダーのカツラ。
トキワシティジムリーダー・・・いない。さすがに、か。
四天王のカンナ、シバ、キクコ、ワタル。
そしてライバルのグリーン。その姉ナナミ。
今までお世話になった人が揃ってきてくれた。
新聞でも初の人と萌えもんの結婚という事で取材が来ていた。

大好きな人と一緒になれる・・・
それをみんなで祝福してくれる。
すごく幸せで・・・気づけば涙が出ていた。

それからフシギバナと共に牧師の前で愛を誓い、夫婦となった。


そして今・・・

「れっど~!」
「あ~?」
「見て見てっ!あたし達っ!」
「お~。新聞に載ってるかぁ。」
ここはタマムシマンション。
トレーナー達と戦って貯めたお金でここの一室を借りている。
だが新婚生活も夫婦二人きりとはいかず・・・
「バナちゃ~ん。朝ごはん~!」
「フシギバナ。私にもメロンパン頂戴」
ラプラスとピジョンも一緒に暮らしている。
「あんた達も手伝え~!」
「「きゃ~!」」
そんな騒がしい日が楽しくてたまらない。
少ししたらピジョンとラプラス。
そして俺とフシギバナでまた旅に出ようと思う。
博士の発表で新しい地域との交通路が完成したという。
そこに、皆で・・・。
「ほら~、暴れるな~?」
「れっどぉ!!!あんたもっ!手伝えっ!!!」
「やだ~。」
「ダメマスターめ・・・」
「ま、任せたわ~」
早速子供が二人いるような生活も悪くない。



そう言えば後々聞いた話。
あのチョコにはウイスキーが入っていたらしい。
ウイスキーボンボンと勘違いしたのだろうが・・・。
それのおかげで今があるのなら咎めるわけにもいかないし。
どうやって買ったのかは聞かなかった。











お久しぶりでございます。
ヴぁヴぁヴぁヴぁヴぁヴァレンタインという事で・・・
なぜかは全く分かりません。
反省もしてません。後悔もしてません。
結婚しちゃいましたね。
お読み頂いた方、有難うございました。
では、また。
ツールボックス

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