カスミ「うーん…私の負けね」
よし、やっとカスミを倒せた!
てか、スターミー強すぎだろう。10万ボルトとかサイコキネシスとか・・・
何回勝負したか、考えるだけで眩暈がする。
意気揚々とジムを出て、クチバシティに向かっていると
「あ・・・あの・・・」
声の方を見るとヒトカゲ・・・もとい先ほど進化したリザードが俯き加減で話しかけてきた。
俺「ん? どうした? 体力が限界か?」
リザード(以下リ)「いえ・・・そうではなくて・・・」
リザードは暫く時間をおいてポツリと話し始めた
リ「私って・・・ご主人様の役に立っているのか・・・不安になってきました・・・」
俺「え・・・?」
急に言われて俺は戸惑った。リザードは尚も続ける。
リ「だって・・・今までのジムでは私は全くと言っていいほどお役に立てていません!」
リ「タケシさんの時も、カスミさんの時も、みんなが頑張っていたのに、私はタイプの相性で殆どベンチ・・・」
リ「私は・・・ご主人様も役に立ちたいのに・・・これではパートナー失格です!」
リ「私・・・私・・・」
リザードの目からポロポロと涙が溢れてきた。
リザードにそんな悩みがあったとは・・・気付いてあげることが出来なかった俺の方がトレーナー失格だ。
いや、「あの時」から全く成長していない自分を悔いた。
俺は暫くしてリザードが落ち着き始めてから話しかけた。
俺「リザード」
リザードはビクッとしたが、まだ泣いていた。
俺「リザードの悩みに・・・気付いてあげることが出来くて・・・」
リ「・・・え?」
リザードは目に涙を浮かべながらも、こっちを向いた。
俺「俺が昔・・・もう10数年前の話かな。その時もトレーナーとして旅をしていた話。知っているだろ?」
リザードはこくりと頷いた。
俺「その時も言われたんだよ。当時のパートナーだったリザードに」
リ「・・・!」
俺「俺はその時にリザードにかけた言葉、お前にもかけるとは思ってもみなかった・・・」
俺「リザード、今は俺の傍にいるだけでも良い、お前は俺にとって良きパートナーだ。今までも、そしてこれからも・・・な」
俺「それは、お前にも言えることだ・・・」
なに臭い台詞を吐いてるんだと、俺はそっぽを向いて、帽子で顔を隠した。
顔が真っ赤になるのを必死で隠そうとした、あの時と同じように・・・
リザードは何も言わずにこっちに近づいてきた。そして
ガバッ
俺は背中にリザードの温もりを感じた。
リ「ありがとう。ご主人様! なんか元気が出てきたよ!」
数分前まで泣いていたのが嘘みたいな満面の笑みだった。
俺「そうか、それは良かった。俺もリザードの元気な姿が見られて嬉しいよ」
リ「ご主人様、耳を貸して!」
言われるままに俺は耳を貸した。
チュッ
・・・・・・??!!
なんとリザードはキスをしてきた。俺が困惑しているときに更に、
リ「ご主人様大好き!!!」
・・・の追加攻撃を食らった。
俺が呆然と突っ立っていると、
リ「ご主人様! 早く次の町に行こう!」
と言う声が聞こえてきた。
「今行くから・・・」と声を張り上げつつ俺は心の中で「昔パートナーだったリザード」に誓った。
リザード、いやリザードン・・・お前はが今、何処で何をしているかはもう知ることが出来ない。お前は天命を迎えたからな・・・
きっと今、一緒に旅としているこのリザードともいつか離ればなれになる日か来るかもしれない。それがどういう理由か判らないけどな。
でも、俺はその時までは絶対に今のパートナーを悲しい思いをさせない。させたくない!
どうかその時まで・・・一緒に見守っていてくれないか?
どこからか「勿論!」と言う声が聞こえたような気がした。それを聞いて俺は「今のパートナー」の元へ走っていった。
後日談
リ「そう言えばご主人様?」
俺「ん?」
リ「ご主人様って何歳なの?」
ぎくっ
リ「前の旅が10数年前・・・何か変じゃないですか? 普通に10代に見えますし・・・」
俺「そりゃあまぁ・・・あれだよ。俺は Forever seventeen だからだよ。あははははは・・・」
リ「??? 何それ?」
何故、俺は成長しないのか・・・それは永遠の謎である。
後書き
第3弾でまたまたヒトカゲ系。どんだけーとか突っ込み禁止。
日本語と英単語のスペル、間違ってそうで怖い。私、理系の人間なので日本語と英語、両方苦手・・・(言い訳)
ちなみに、今更だけどウチのリザードは「ひかえめ」な性格なので無理矢理ご了承下さい。
最終更新:2007年12月09日 15:46