5スレ>>272

寒い季節なのについた場所はぽかぽかと暖かかった。
小さな島、まだ自然がそこらじゅうに残っている平和な島。
ここがナナシマの一つらしい、ぽかぽかして気持ちいいなぁ・・・。



あーうずうずする。



「ここが、1の島や。この辺にはいくつか島があるんやけど・・・まぁ、その中のひとつやな。
 今日船をよこしたのは島のパソコン通信を一人で管理しとるニシキっちゅうやつや。
 ・・・ここでいっててもしゃーないか、まずニシキにあいにいこか!」
「なるほど、ここのはマサキさんが管理してるわけじゃないんですね。」
「さすがに無理や。」

案内されるがまま入っていった場所、大きなもえもんセンターだ。
やけに大きい機械のところに一人男の人が立ってる。この人がニシキかな?
そういえばサンダーがさっきからなんかイライラしてるような・・・。



あーうずうずする。



「よッ、ニシキ。」
「マサキさん、来てくれたんですね!」
「当然や、どや?研究のほうはーっとその前に・・・。 紹介しよか、こいつがニシキ。頑張るパソコンマニアや!
 で、どないなん?マシンのほうは。」
「やはり遠すぎますね・・・この島のパソコンからはマサキさんのパソコンにはなかなかつながらないです。」
「どれ、見せてみい・・・。」



そういえば僕は何しに来たんだろう?二人でパソコンを調べてる。
パソコンよりはるかに巨大だけどね、これ。



あーうずうずする、っていうか来るだけ来て帰るだなんてことだけはあたしは嫌だよ。



「なんや、これならなんとかなりそうやないか!ちっと手伝ったるわ。
 ああ、きといてもらって悪いんやけどちょっとだけまっといてくれる?
 ・・・せや、一つ頼まれて!隣の2の島のゲームコーナーやってるおっさんがいてな。
 めずらしいいしが好きなやつでマニア同士付き合いがあるんや。
 そのおっさんにこの隕石あげたって。」
「あ、はい。」
「2の島にいかれるなら、このパスを使ってください。2の島と3の島にいけるトライパスです。
 あとこれもどうぞ、ここ周辺の地図です、といってもかなり広角ですが・・・。」
「ありがとうございます。」
「ほなまた後でな、おっさんによろしゅう!」



何しに、来たんだっけ?僕達。
まぁいいか、2の島だっけ・・・。そこにいってこの石ころを渡せば・・・。



なんだ、お使い頼みたさにあたしらつれてきたのか?
まぁ誰も付いてこないならちょうどいいか。



「えーっと、このパスを渡して2の島にいけばッ!?」

ガツッ

「こっちだ、さっさと行くよ。」
「うぅ~くるしい・・・首がくるしい・・・」
「あ、悪い。いいからこっちな。」

ズルズル

サンダーに服つかまれてズルズル運ばれる僕・・・。
どうしたんだろう?サンダーさっきから様子が変だったけど・・・。



たしか山頂・・・あの山なんていったっけ・・・ともしびやまだっけ?
あそこにいるって言ってたはず、早く行きたい。
そう思ってこいつを無意識のうちにつかんで引っ張ってた。



「サ、サンダー・・・自分で歩くから離してよ。」
「ん?ああ、ごめんな。」
「ふう・・・それにしてもどうしたのサンダー?
 さっきからずーっと様子がおかしいけど・・・。」
「ああ、そういえばお前には言ってなかったな。
 ・・・ここには多分、あたしの親友がいるんだ、昔仲良かった子がいるんだよ。
 数年前に散り散りになってね、それで久々に会えるかなって思ってさ。」
「サンダーの、親友がここに?」
「最後に話したときはここらへんにこようって言ってたから、きっといると思う。」
「そっか、だからイライラっていうか、うずうずしてたんだ。」
「ああ、心配したか?悪かったな。」



どうやらサンダーは親友に会いたくてうずうずしてたみたい。
それはそうだよね、親友って言えるくらいなら会いたくなるもんね。
親友・・・かぁ・・・僕に人間のお友達ってあんまりいない・・・。
サンダー・・・僕の親友になってくれないかなぁ・・・。



事前に説明しといたほうがよかったな、おつかい頼まれてたりもしたけど。
まぁちょっとくらい遅れても平気さ、ちょっとで済むかどうかは知らないけど。
積もる話とかいろいろあるし長引きそうならこいつだけおつかいいいかしても・・・。
さすがにそれはかわいそうか。
歩いてるとそこらじゅうにトレーナーがいるいる、めんどくさいな・・・。



「おなかいっぱいだから腹ごなしに勝負しよ!行け、ニャース!」
「邪魔だッ!」

バヂヂッ

「きゃあああっ!」
「さっさと次だしな!あたしは急いでるんだよ!」
「サンダー・・・ちょっと・・・。」

バヂヂッ バヂヂッ バヂヂッ

出てきた瞬間強い放電を次々と浴びせて抵抗の暇さえ与えず次々となぎ倒してる。
サンダー・・・急いでるからなのか何もかもおかまいなしだ・・・。



あたしは急いでるんだ。道にそこらじゅうにいるトレーナーが今は邪魔くさくてしょうがないよ。
とはいってもこいつの性格じゃ勝負からは逃げない、んだったらあたしが有無を言わさずでて速攻で倒す!
こいつはなんかちょっとオドオドしてるけどあたしはこの際気にしない。



「はいお疲れ、さっさといくよ。」
「う、うーん・・・いいのかな。」
「ひっくひっく・・・。」



対戦相手が泣いてるよ・・・完全に容赦なしだ。
なるべくトレーナーとは目を合わせないように・・・。
あぁダメだ!サンダーが目立ちすぎて次々とトレーナーが集まってくる。
しかもサンダーがそれを見かねて・・・。



「んあぁー!めんどくさい!お前ら全員一人だせ!あたしだけで相手してやる!」
「ちょ、ちょっとサンダー!それはいくらなんでも・・・。」
「平気さ、さっさとだしな!」
「お、おう!」
「いくわよっ!」
「いくぜっ!」
「あわわ・・・もう・・・どうなっても知らない!」

シュシュシュン

およそ6人のトレーナーが萌えもんを出した。
1対6だなんていくらなんでも無茶だよ・・・。
そう思ってたらサンダーがすでに攻撃を始めてた。



「そらそらそらそらそらー!!」

ガラガラピシャーン



物凄い勢いの落雷、目を開けると相手の萌えもん6人がすでに地面に突っ伏してた。
これが伝説ってことなのかなぁ?頼もしいんだけど作業的すぎるなー。



「な、なんだって!?」
「うそ・・・。」
「そんなのありかー!」
「まだやる気か?伝説のこのあたしとやる気があるっていうヤツは次を出すんだな。
 言っとくけどあたしはこれでも全力じゃあない。そんであたしは少し急いでるんだ。」
「く・・・勝ち目がない・・・やめておく。」
「やめておくわ。」
「くそ、やめとく・・・。
「はいお疲れ、さっさといくよ。」
「ま、まってよサンダー!」



サンダーを少し注意しつつ進んでいく、歩行ペースがかなり速い。
まぁ注意なんか今は聞いてくれないだろうけどね。
転ばないかどうかちょっと不安だなぁ・・・。



こいつがいろいろ注意してくるけど今回ばかりはごめんな。
はやる気持ちを抑えられない、歩いてると海が広がってる。
海の先に山が見える。海の中にはもちろんトレーナーらしき人間。
しょうがない、こんなときこそ・・・。



「えーっと、ここはなみのりで。ラプラ・・・」
「さっさと乗りな、面倒だから飛んでいくよ。」
「え、あ、うん・・・。」



サンダーに言われるがまま乗る、すぐに飛び立って山にかなりスピードつけて飛び始めた。
おっと、今回は平気な場所につかまれたぞ。これで今回はビンタされないはずだね。



山のあたりって言ってたな・・・。
空から探すか・・・でも空から探して見つかるようじゃトレーナーに捕まってないだろうな?
あいつすっごく抜けた奴だからちょっと心配だよ。



・・・ともしび山 頂上・・・



「く~・・・く~・・・ふにゃ・・・?」

なんだろ~?なんか懐かしい感じがする~。
なつかしい何かがこっちに近づいてくる?
なんだろ~?まだねむいのにな~。
いいや、ちょっと起きてよ~っと。

「う~~・・・起きてる起きてる~・・・くふ~・・・く~・・・。」



・・・・・・



山全体を空からみて探してみるけどいない、ま、そう簡単に見つかるわけないか。
ちょっと強引に低空飛行して探してみよう、しらみつぶしだ。



「ちょっと無茶するからしっかりつかまってろよ。」
「え、む、無茶はやめ・・・!」



凄いスピードで低空飛行して山を撫でるように飛び回る。
うう・・・ふりおとされそう・・・しがみついてつい体がこわばっちゃう・・・。
それにしてもこんなスピードで本当に探せてるのかな?



根気良く探したつもりだけど見つかんないな、つかまってるのか・・・?
まさか、あいつが?でも、そういえばこの伝説のあたしもこいつに捕まったよな。
今度は歩いて探すか・・・こいつにも探してもらおう。



「なぁ、見つからないんだ、頂上で降りるから一緒に歩いて探してくれないか?」
「う、うん。わかった、怖いから早く降ろしてー!」
「よっ!・・・と」

ズシャアアアッ

サンダーは物凄く派手な着地をした、おかげで僕はというと・・・。



華麗に軽く着地。10.0つくかな?
・・・ん?なんか背中があったかくないぞ?っていうか重量感がない。



「うわぁあああっ!!」
「あっ!しまっ・・・!」



しまった!こいつを乗せたままあんな着地したら吹っ飛ばされる・・・!
慌てて飛んで追いかけようとするけど気づくのがちょっと漫画的に遅かった。
クソッ!吹っ飛び方が派手だから山から落ちる、クソッ!!



下なんか見れない、そもそも世界が回転してるんだ。
とりあえず黄色と黒が綺麗なサンダーが遠くにチラチラ見える。
あとは岩肌と綺麗な空が交互に見える、あとちょっと緑もね。
やだなぁ事故死とか・・・お墓に入れるのかな?
生きてたとしても不随になったりしたらやだなぁ・・・。



ガシッ



「!?」
「ぐぇっ!?」



何か熱い感触がして、視界が急停止してそのまま眼が眩む
地面にでも激突したのかな、でも痛くないし。
あれ?でもなんか熱い・・・。



「はいは~いキャッチ~、ざ・落し物~。」
「あっ!」



吹っ飛んでるあいつを下から飛び出てきてキャッチした奴。
あたしが会いたがっていた親友にやっと会えた!
真っ赤で長いまるで炎のような髪の毛、文字通り燃えている羽服を着て。
物凄く穏やかな顔をしているこいつが・・・!



「ファイヤー!」
「あ~、やっぱりサンダーだ~。ひさしぶり~。」
「本当にここにいたんだな!良かった、あんまりみつかんないもんだからお前も捕まったかと思ったよ。」
「誰にもつかまってないよ~?あれ、おまえも?」
「あぁ、紹介しようか、お前が抱きとめてるそいつがあたしのトレーナーだよ。」
「サンダー、つかまったんだ~?」
「ああ、こいつなら良いと思ってつかまったんだ、いい奴だぞ?そいつは。」
「う、ううん・・・?」



楽しげな声が2組聞こえるなぁ、1つは聞きなれたサンダーの声。
もう一つは誰のだろ?ふわふわした感じの声で・・・。
僕をキャッチしたのかな?だからどこも痛くなくって。
でも・・・なんかさっきから体が・・・。



「きみがサンダーのトレーナーなんだ~?わたしはファイヤー、よろし」
「あちちちちちちちちち!!あっちぃいい!!」
「うあっ!そういやそうだった!ファイヤー、羽の火消すかこっちに降ろしてやるかあたしに投げて渡して!」
「は~い、そ~れパ~ス。」

ポォーイ

「うわぁあああ!?」
「おっとっと・・」

ガシッ

「よし、捕まえた。」
「きゅう・・・。」
「あれ~?気絶してな~い?」
「そうみたいだな、少し横にしてやすませてやろう。」
「あ、ここらへんごつごつして痛い~、こっち来て~。」
「ああ、分かった。」



ファイヤーに案内されるがまま付いてくと凄い場所に着いた。
あたしはちゃんとした建物、ちょっとボロだったりもするけど立派な建物ん中に住み着いてた。
少しほこりっぽかったりしたけど人が作ったものだった。
円錐状になってる山の一部分に穴が開いててそこから入る。
すると真っ暗かと思ったら日が普通にさしてくるし考えてみればファイヤーならどんなに暗くても平気。
穴ぐらだし岩肌でゴツゴツしてるかとおもいきや結構平らな地面。
なんでかイスとかテーブルとか家具がおいてあるぞ?
果ては鍋とか食器に物干し竿、タライと洗濯板・・・んでこれが・・・ベッドか?
ほぼ全てが金属製だけど、なんでこんなもんが山ん中にあるんだ?



「お前・・・どうしてこんな場所にいてバレないんだよ?」
「ん~?あ~、眼の錯覚?とかいうので外からみえないようになってる~。
 あと、その子はわたしのベッドねかしていいよ~。」
「分かった、よっと・・・毛布まであるし・・・。」
「すっごくふかふかだよ~、気持ちよく眠れるの~。」
「そうか、ってそうじゃなくって・・・。
 この家具はどうしたんだよ?」
「ん~?普通に買ったんだけど~?」
「お前人里に顔出してるのか?」
「この島の人のトレーナーじゃないひとたちとは普通に接してるよ~。
 だからこの島のひとは結構わたしのこと知ってる~。
 家具とかのおかねはトレーナーから戦ってあげる条件でもらってる~。」
「へえ・・・上手くやってるもんだ。でもここ雨降ったらビチャビチャじゃないか?」
「天井の穴のこと~?あそこにぶらさがってるビニールかぶせれば平気~。」
「そうか、快適な暮らししてるんだなファイヤー。」



こいつはあたしよりも物凄く上手に暮らしていた。
っていうかとても野生の萌えもんとは思えない暮らしだ。
まるで人間だよ、それか人里で暮らすひとりの萌えもんとか。
食事も発電所暮らしのあたしよりもいいもんたくさん食ってそうだな・・・。



「ね~サンダー。」
「ん?どうした?」



ファイヤーが羽服の火を消して近寄ってきて・・・。
あたしにそのまま抱きついてきた。

ぎゅっ

「ぎゅ~、えへへ~。ひさしぶりだから~。」
「あ・・・アハハ、そうだな。」

ぎゅうっ

こっちも抱き返してやる、ファイヤーは相変わらず体温が高くて暖かくて気持ち良い。
んで・・・相変わらず・・・胸がでかい・・・。
あたしだって大きい部類なのにこいつときたら・・・。



「ちょっと照れるな、久しぶりだから。」
「うん~、うう~・・・サンダーに抱きついてると~電気ぱちぱち~・・・気持ち良い~・・・。」
「お前も相変わらず体温高くて暖かくて気持ちいいぞ。」



ああ・・・懐かしいな・・・この感触・・・。
やわらかくて暖かくて・・・憎たらしいやわらかさもあって・・・。
んん・・・おっと。寝ちまう、そういやこいつのお使いの途中だったな。
ファイヤーから離れるあたし。



「ふう、とりあえずこいつ起きるまで居ていいか?」
「もちろんいいよ~、あったかいのみもの出すよ~。」
「ああ、ありがとな。」



なにやらステンレスのタンクから水を鍋に入れて。
腕から相変わらずの勢いの炎を出して一瞬で沸かしてしまった。
そういえば・・・こいつ料理できたっけ?そんな気はしないけど。
そう思ってるとインスタントのスープ袋が出てきて少し安心。
よかった、料理とか出来ないのあたしだけじゃない。
ド真っ赤な袋からド真っ赤な粉がステンレスカップに注がれる。
そしてお湯を注いでスプーンで混ぜて出来上がり。
これならあたしでも出来るはずだ。



「は~い、レッドホットチリペッパースープ~。おいしいよ~。」
「今なんていった?まあいいや、いただきます。」

ズズズ・・・。

「あっちぃいいい!!っていうか辛ぇぇえええええッ!!」
「辛いかな~?あったかくておいしいよ~?」
「あたしだって刺激物は好きだけど・・・これじゃ文字通り火薬だよ!」
「ごめんごめん~、はいおみず~。」

グビグビッ

「ふぅ・・・口ん中に火が付いたかと思った。」
「ごめんごめん~、じゃあこっちのファイアレッドコンソメスープを入れてあげる~。」
「いやいい、それも恐ろしく辛そうだし熱そうだ。」
「は~い、じゃああま~~いレモネードを入れてあげる~。」
「ああ、ありがとな。」
「その子が起きるまで、どうしてよっか~?」
「ん~・・・そうだなぁ・・・久しぶりに会ったんだし・・・。」



少し考えてお互い、何をしようかというのが直ぐに決まった。



「へへ、久しぶりに会ったんだし、やるか!」
「ん~、ひさしぶりだし~、やろっか~。
 ちょっとめんどくさいけどね~。」
「おいおい・・・めんどくさいはないだろ?」
「ごめんごめん~、まじめにやる~。」



そういってお互い体を鳴らして外に出る。
あたしは捕まってから何度も戦ってるからさらに強くなっている。
ファイヤーはどうなのかな?でもファイヤーもファイヤーでトレーナーと戦ってるっていってたな。
なら・・・昔のように互角か・・・楽しめそうじゃないか・・・フフフ・・・。

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最終更新:2008年03月04日 20:53
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