小ネタ2


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「お前、知っている」

--そうか、生憎だが俺はお前を知らん。
そう言って振り切れたらどんなに楽だっただろう。
しかし、哀しいかな自分にはこの相手に似た知り合いが何人かいて、それらを放置するとどうなるかも骨身にしみていた。
少女とも老女ともとれる声は人の肉声には有り得ない響きを感じさせる。
恐ろしく整った顔立ちは既知の同種に比べてかなり女性的だった。
「…何か用か?」
声に疲れが滲んでも誰に責められるだろうか。
「助かった。外は良く分からない」
乏しい表情の中に安堵の色が見える。
まるで迷子がようやく親に見つけて貰ったかのような顔だ。
経験上この顔に勝てた例がない。
溜息を一つ。前髪を掻き揚げ、腹を括った。


「下がっていろ」
薄く細い肩を掴んで背後に押しやる。
大袈裟な動きで得物に手をかけた。

地上で最も危険な生き物に手を出そうとした愚かな成らず者を、精々の慈悲で追い払うために。
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