更新日:2016/11/19 Sat 22:33:21


白銀的な考え方⑩トランプ大統領誕生雑感


 ドナルド・トランプ氏がついにアメリカ大統領になるという。

 白銀自身は、大騒ぎとは裏腹に割と冷めた目で見ているように思う。
 政界とか財界とほとんど縁がない世界でのほほんとして見て見ぬふりをするのに慣れてしまったせいかもしれないが(爆)

 選挙以前から、トランプ氏の暴言ラッシュにあまりにも品性がない人だと感じていた。
 それでいてアメリカ大統領の権限の大きさは凄まじい。
 安倍総理大臣を独裁だと批判している人たちは野党に多いが、それならばアメリカ大統領は独裁を通り越している。
 白銀自身当確の第一報に「うわぁ・・・」という感想を抱いた。


 それでも、少し落ち着くと、トランプ氏が全てを選挙中の暴言ラッシュの勢いのままに押し切れるとは到底思えないと感じるに至った。
 暴言を吐き続けることは今後も続くが、なんだかんだで実際に行われる政治はそこそこに落ち着く、と見ている。

 もちろん、それが日本にとって決して良い政治とは限らないが、ヒラリー氏ならばよかったと言えるかというとそうでもない。
 元々、アメリカ大統領が自国民の利益を最優先に考えること自体は当然で、国際的な協調も、基本的には自国民の利益追求の結果である。
 自国民の利益最優先の命題の下に、どのような政策を打ち出すかについては、当然大統領になってみてどうするという点が増えるだろう。
 議会・国内世論・国際世論・裁判所も無視するわけにはいかない。
 アメリカは三権分立が成立しており、相互監視のシステム自体がトランプ氏の就任によっていきなり成り立たなくなるわけではないのである。
 従ってトランプ氏が何を考えるかも分からず果てしなく暴走していくことでアメリカという国家自体が暴走していくかのような論調は、騒ぎすぎなように思えるのだ。

 また、トランプ氏が現に大統領になってみて、暴言そのままに活動してそっぽを向かれる…
 共和党公認候補となり現に当選するに至ったトランプ氏がそこまで無能なキャラだ、という発想は白銀的にバカげているとも思うのだ。
 インターネット上で犯罪的暴言やヘイトスピーチを書く人物も、実際に話してみれば果てしなく普通の人で、社会人として仕事をしたりしている。
 まさか仕事先でヘイトスピーチを吐いている訳ではあるまい。
 地位や環境が人を作っていくし、トランプ氏も大統領となることで、そうなっていくのではないかという感覚がある。


 もちろん、トランプ氏がリスキーな人物だ、と言う考えは正しいように思う。
 行動を注視し、何をするかわからない相手への備えは必要である。
 だが、アメリカ大統領である以上その行動を注視し備えることは結局ヒラリー氏でもオバマ氏でも同じこと。
 全てに対処した「備え」など不可能の要求に等しい。



 日本という国は、アメリカとなんだかんだでうまく付き合ってきた。
 大平洋戦争で惨敗し、核兵器を落とされ東京大空襲を受けても、結局はアメリカとお付き合いを続けてきた。
 日本は国力でアメリカに敵う訳ではない。
 それでも、日本には日本なりの売りがあり、それがアメリカにとって必要なものだったからこそ、日本は対米でこれだけの地位を築いてきたのである。
 トランプが大統領になったら「もうお付き合いできなくなってしまう」というのは、日本の過小評価であり、トランプ氏への過大評価ではないだろうか。


 もちろん、白銀は国際政治にそんなに詳しくはない。抽象的な理屈ばかり言ってるなぁと思っているあなたは正しい。
 最初から持ち出せる具体例の裏付けがないからだ(爆)。
 そんな白銀だから、逆に日本を過大評価、トランプ氏を過小評価している可能性はある。

 だが、仮にそれが当たったとするならば、それはもう対処不能に等しい事態であると考える。
「希望的観測にすがって行動する」のは注意すべきだが、全てに対応する備えは不可能である以上、どのみちどこかで希望的観測はしなければならない。
 むしろ、「絶望的観測のせいで何もできない」ことこそ100倍愚かしいだろう。
 そんな対処不能に等しい事態が当たることを恐れるよりも、今は国益に合致する方策を模索することに努めていくのが先決だ。


 また、アメリカ国民にとってトランプ氏が大統領になるのが問題だったとしても、トランプ氏が大統領になった背景を考え、そこを動かしていくことで有権者の支持を取り付けていくという方法こそ王道でも覇道でもあると思う。
 感情論がトランプ氏を当選させた、という分析は間違ってはいないのかもしれないが、それでアメリカ有権者を攻撃し、見下すような言動は、却ってトランプ氏反対者が選挙に負けたことを反省できないことを露呈していると思うのである。
 そんな言動が本当に効果的なら、最初からヒラリー氏が当選していたのではないか?


 トランプ氏を当選させる種族が開発者になれないなら、その種族との付き合い方を考えることすらできれない種族もまた、開発者にはなれない。
 白銀はそのように考えるのである。




 ついでに、個人的には、トランプ氏当選の事実以上にトランプ氏を攻撃したアメリカの既存の主要マスメディアが力のなさを露呈したことの方が印象的だった。
 トランプ氏は単なる賛否両論ではなく総攻撃と言った体で批判されていたと聞いている。
 彼らは選挙前日頃まである程度流動はしていても、基本的にはヒラリー氏優勢を伝えていたはずだ。

 しかし結果はトランプ大統領が誕生した。
 この結果を踏まえると、アメリカのマスメディアの方こそ、トランプ氏に対して懸念を抱くあまり、公正さや訴求力が疑わしいことを言ってはいなかっただろうか。
 こういった点を自省していく必要があるのかもしれない。




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最終更新:2016年11月19日 22:33