ヤスオク問題


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ガジェット通信 ヤスオク宣伝問題

ヤスオク宣伝問題とは、ガジェット通信 が2009年10月に
ペニーオークションのヤスオク(激安オク)を宣伝していた問題。

ペニーオークション【ぺにーおーくしょん】

ペニーオークションとは新興のオークション手法である。
2005年09月にドイツで始まったSwoopo(Telebid)を起源とする。
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システム

  1. 入札に手数料やチップ制を取る
  2. 入札単位と開始額が小額
  3. 入札ごとに残り時間が延長
  4. 商品は主催者が出品
  5. 商品は通販サイトから配送
ペニーオークションでは商品が非常に安く落札できる場合がある。
これは全員が手数料(チップ)を払うため安く落札されても収益が上がるからである。
なお商品は主催者が出品することから
厳密にはオークションではなくギャンブル性の高い通販サイトとされる。

スクリプトの販売(Swoopo clone)

Swoopoの機能を実装したクローンスクリプトが多数販売されている。
日本語化されているものもあるが
マニュアルなどに不備が多くそのまま使えるものではないとされる。

比較攻略サイト

ペニーオークションの特徴として比較攻略サイトがある。
安く落札するためのハウツーをまとめた攻略サイトや
微妙に違う入札システムを比べた比較サイトなどが数多く存在する。
最近は一般オークションの比較サイトもペニーオークションを扱うようになっている。

著名企業の参入

  • http://auction.geo-online.co.jp/guide/commitment.html
GEOオークションは、全国900箇所に店舗を持つゲオグループが提供し、責任をもって仕入れを行っております。もちろん商品は新品未開封でメーカー保証付きです
近年ペニーオークションに著名企業が参入してきている。
サイバーエージェントが子会社CAモバイルで運営する「カイドキ」などが代表的だが
特にゲオが子会社ぽすれんで運営する「GEOオークション」や
DMM.comの運営する「DMM.comポイントオークション」では
知名度のある社名を用いるなど今までのサイトとは一線を画している。

ペニーオークションの問題点

ペニーオークションには多くの問題が指摘されている。
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安く落札できない問題

安さが売りのペニーオークションだが必ずしも安く落札できる訳ではない。
特に知名度のあるサイトの場合は入札者が殺到するため落札できず、手数料も高くなる傾向にある。
実際「ライバルが少ない今がチャンス」などとコピーを打っているところも多い。
各サイトは落札額の安さをアピールしているが、手数料については触れない場合が多い。
こういった姿勢は、景品表示法の有利誤認表示の禁止に抵触するのではないかとの声がある。
国民生活センター(消費者庁)によれば
2010年に入ってから手数料などに関する相談が増えているという(※2)
最近は後発サイトを中心に救済措置を取る所も出てきている(※1)

※1 産経ニュース2010年09月30日14時02分配信
※2 市場価格入から札額を差し引いた額で商品を購入できるなど

利用規約の問題

ペニーオークションでは主催者・利用者の振る舞いに関わらず
一切の責任を負わないとの規約が定められているものが多い。
免責事項自体は一般的に見られるものだが
主催者側の過失も含め一切の責任を負わないというのは異例である。
過去の例ではYahooオークションの詐欺集団訴訟(2005年~2009年)において
ヤフオク側が「契約上および不法行為上の責任を負わない」と主張していたが
「欠陥のないシステムを(中略)提供すべき義務を負っている」(※1)として退けられている。
また経済産業省は「電子商取引等に関する準則」(※2)の中で
主催者側に責任の生じるケースを3つ挙げている。
  1. オークション事業者が利用者の出品行為を積極的に手伝い,これに伴う出品手数料又は,落札報酬を出品者から受領する場合
  2. 特定の売主を何らかの形で推奨する場合
  3. オークション事業者自体が売主となる場合
ペニーオークションは商品を主催者が出品するため、3に該当している。
こういったことから一切の責任を負わないとしている規約は問題がある。
一方著名企業の場合
GEOの場合オークション単独の規約がある一方で
DMM.comでは本業の通販サイトと共通の規約となっているなど
記載はまちまちであり、一概に問題があるとは言えない。

サクラやBOTの問題

ペニーオークションではその当初から価格をつり上げるサクラの噂が絶えない。
決定的なのが販売されているスクリプトの一部にBOT機能が実装されていることである。
BOT自体は自動入札機能として一般の入札者も利用しているもので(それ自体は正当なもの)
運営側が利用した場合価格のつり上げが行えることとなる。
代表的なスクリプトの一つ「GREEN SWOOPO CLONE SCRIPT FEATURS」では
「Botユーザーを作れて損をしない仕組み!オークション終了前にボットが入札」(※1)
と宣伝しており、こういったことから
特に開設間もないサイトを中心にサクラやBOTによって
価格のつり上げが行われているのではないかと言われている。

※1 http://www.clonebid.com/2009/12/29/green-swoopo-clone-script-features/

サイト宣伝の問題

比較攻略サイトはオークション業者の宣伝の場になっている場合が多い(※1)
またペニーオークションの被害を訴えるサイトを装ったものもある。
これは本来の被害を訴えるサイトの登場前に
自前でサイトを作っておく検索エンジン対策である。
内容は最初こそ問題視すれど最後は「詐欺ではない」と結論付け、逆に宣伝するものが多い。
2010年07月08日にはサイバーエージェント子会社マイクロアド代表取締役の
渡辺健太郎がWebの連載でペニーオークションについて取り上げたが(※2)
サイバーエージェントは前年10月から子会社のCAモバイルにより
ペニーオークションの「カイドキ」を始めており
所属が違うもののポジショントークではないかとの批判がある。

※1 独自ドメインを取得するなど手の込んだものも多い。
※2 http://business.nikkeibp.co.jp/article/nmg/20100707/215309/

個人情報の問題

ペニーオークション多くの業者が無名であり、それまで何をやっていたのか分からない。
一部では迷惑メールなどで問題を起こしている業者も確認されている。
こういった業者がクレジットカード番号などの個人情報を適正に扱っているとは考えにくい。
香港など海外で登記をしている場合もあり、トラブルが起きた際に国内法で対処できない。

著名企業の問題

著名企業の参入は企業倫理的な問題はもとより
それまでの無名業者に著名企業も参入している(安心な)業界という
錦の御旗を与えてしまったことが大きな問題であると思われる。

ヤスオク【やすおく】

http://www.yasuoku.jp/
大手オークションサイトのYahoo!オークション(ヤフオク)をもじったペニーオークション。
日本におけるペニーオークションの始祖と言われる。
現在は「激安オク」に改名(本項ではヤスオクに統一する)

システム

  1. 入札は1枚75円のコインで行う
  2. 0円から15円単位で入札
  3. 入札ごとに残り時間が20秒延長
  4. 商品はヤスオクが出品
  5. 商品はAmazonから配送

沿革

2009年06月15日
株式会社ヤスオク」設立
2009年07月10日12時
「株式会社ヤスオク」が「ヤスオク」を開始。
2009年11月16日
携帯向けの「ヤスオクモバイル」を開始。
2010年02月16日
香港の「Innovative Auction Limited(イノベーティブオークションリミテッド)」(※1)へ譲渡
2010年04月01日
激安オク」にリニューアル、シンガポールへ展開予定。
現在に至る。

※1 代表者は「ライシェン・タン」、住所が「56 Dundas Street, Mong Kok, Kowloon , Hong Kong」となっている。

ヤスオクの問題点

利用規約の問題

  • http://www.yasuoku.jp/terms.html
第1条(総則)
2. 当社は、本サービス上での本規約の他の説明文等(ルール及びガイドライン、ヘルプ等)の有用性を保証せず、これらに従った結果について責任を負わないものとします。
ヤスオクの利用規約では、多くのペニーオークション同様
ヤスオク・利用者の振る舞いに関わらず一切の責任を負わないと定められている。
これは激安オクにリニューアル後も変わっていない。

キャッシュ拒否の問題

こういった異常な規約に加えヤスオクはキャッシュの取得を拒否していた。
結果ウェブ魚拓を含め配信されたプレリリース以外の情報が一切残っていない。
激安オクにリニューアルし現在はキャッシュの取得ができるようになっている。

サクラやBOTの問題

  • http://www.yasuoku.jp/guide/commitment
ヤスオク三つの誓約
01公平
ヤスオクは公平な運営をめざします。サクラ入札、内部入札、機械入札、など運営側の入札は一切ありません。
ヤスオクも他のサイトと同様サクラの存在が疑われており、疑わしい入札も確認されている。
ヤスオクには自動入札機能があるのでBOTによるつり上げも可能である。
ヤスオクは三つの誓約として運営側の入札を一切否定しているが
前述の規約があるので説得力はない。
ヤスオクはAmazon EC2を利用しCentOS上のRuby on Railsで構築されているが(※1)
どのクローンスクリプトを走らせているかは分かっていない。

サイト宣伝の問題

http://blog.livedoor.jp/yasuoku5963
実際に「ヤスオクは詐欺なのか?」という謎をはらすべく、色々と調査を行なった結果、
ヤスオクは詐欺ではないという結論に至った。
2009年07月にヤスオクは開設したが、10月には
「ヤスオク 詐欺なのか?ヤスオクのビジネスモデル」というブログが開設されている。
内容は「詐欺ではないという結論に至」り、システムを説明した上で
「ヤスオクに参戦してほしい。」と結ばれており、以来更新されていない。
検索エンジン対策と宣伝のためのサイトと思われる。

香港業者へ譲渡の問題

ヤスオクが2010年02月16日に香港の業者に譲渡された際
クレジットカード番号などの個人情報に関して利用者に譲渡の通知がなされていない。
法体系の異なる場所への譲渡に関して配慮を欠くといえる。

ガジェット通信の報道

こうした問題がある中、ガジェット通信は2009年10月から翌年01月まで
5回にわたってヤスオクおよびSwoopoとそのクローンスクリプトを取り上げた。
投稿した記者はガジェット通信(1-5)と伝説の報道バドル(5,当時)
  1. 『ヤフオク』じゃなくて『ヤスオク』登場! ネットでは不信感も(2009年10月17日)
  2. 『ヤフオク』より格安で落札できる『ヤスオク』! 確かに嘘じゃない!(2009年12月10日)
  3. 40型液晶テレビ531円で落札! オークション『ヤスオク』で落札してみた!(2010年01月17日)
  4. 誰でも数万円でオークションサイトが作れる! 『ヤスオク』の様なサイトも……(2010年01月20日)
  5. サクラがいると言われている激安オークション『ヤスオク』の仕組み(2010年01月23日)

ガジェット通信の問題点

半ば宣伝している

  • 40型液晶テレビ531円で落札! オークション『ヤスオク』で落札してみた!
記者がウォークマンを落札できた勝因は、ライバルが少ない状態で根気良く商品ページに張り付き、タイミングよくコインを投入したからだといえよう。とはいえ、大量入札してハマってる人もいるようなので、やけど(入札しすぎ)には気をつけよう。
実際に落札して安さを検証し必ずしも安くはならないことを確認する一方
記事の見出しでの安さの強調、記事での入札のコツのレクチャーなど事実上の宣伝をしていた。

危険性に言及しない

  • 『ヤフオク』じゃなくて『ヤスオク』登場! ネットでは不信感も
しかし、現状では株式会社ヤスオクは「やらせ、サクラはない」としているため、それを信じるしかないようだ(一般会員は運営側が落札に絡んでいるかどうか知るすべがない)。
ガジェット通信はヤスオクの問題点に関してほとんど触れていない。
サクラやBOTの問題に関してもオークションのシステムをもって
サクラを使わずとも儲る」「サクラを使えばもっと儲る」と結論を出すに留まっている。
ガジェット通信は実際にヤスオクで入札をしているが
電話番号などが公開されているガジェット通信に対して
一般人がクレジットカード番号などの個人情報を
明かして大丈夫な業者なのかという肝心な記述が一切無い。

執筆者の問題

ヤスオクの記事は、誰が書いたか分からない「ガジェット通信」名義となっている。

取材しない

名称 住所 ヤスオクまでの距離
株式会社ヤスオク 東京都渋谷区代々木1丁目31番15号 -
工藤浩和(スカイプマン) 東京都渋谷区代々木1丁目(当時) 600m以下
東京産業新聞社(ガジェット通信) 東京都渋谷区代々木2丁目16番1号 1000m以下
ガジェット通信はWebサイトというフットワークの軽さから
様々な現場に取材に行ったり問い合わせ(半ば電凸)を行っていた。
しかし本件ではヤスオクに対しての取材というものを一切行っていない。
特にガジェット通信はヤスオクの所在地(当時)から1000mほどしか離れていない場所に
オフィスを構えているにも関わらず最後まで現地に赴かなかった。
編集長の工藤(スカイプマン)に至っては同じ町内に住んでいた(Twitterでの表記)にも関わらずである。

備考

99オークション(99oku.com)

株式会社ヤスオクからヤスオクを譲渡されたイノベーティブオークションリミテッドだが
2010年08月ごろまで「99オークション」というペニーオークションを行っていたことが分かっている。
米国にサーバのあるヤスオクと異なり香港にサーバを置いていた。
ドメインは「www.gcaa.com.hk」
その後中文ポータルサイト(らしきもの)となっていたが
2010年12月までに消滅した。

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最終更新:2010年12月28日 22:55
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