よんた国 狂詩曲 第一番
第一楽章

 今、よんた国の中でまことしやかな噂がささやかれている。
  とある井戸端会議での一幕
「この前、お城に働いている友達から聞いたんだけど、裕樹さんってメードにコスプレするのが、趣味みたいよ」
「えぇーーー!!そうなの!?ショックゥ・・・ 私、ファンだったのに・・・」
「それに似た話なら、私も聞いたことがあるわ。友達に聞いたんだけど、確か・・槙さんが夜に森の中で、メード姿できゃっきゃ言ってるのを見たって」
「あ、その話知ってるわ。しかもツンデレらしいわよ。」
「うそぉ!そんなぁ・・・ツンデレメードだなんて・・・。親衛隊のみんなになんて言ったらいいの・・・」
周囲にどんよりとしたものが立ち込める・・・・・なかには、泣いている娘までいる。(←あぁかわいそうに・・)
この空気のまま会議終了かと思われたそのとき、一人の乙女が電波を受信した!!
「メード・・・ツンデレ・・・よいではないか! よいではないか!よいではないか!あっよいでは、あっないっかー!」
と踊りだした。さながら村娘を前にした、お代官様のようだった。
その言葉を聞いた周囲の乙女たちも、一緒に踊りだす。
その場は「よいではないか」の嵐に包まれた。そして嵐がおさまったその場に、新たなものが立ち込め始めた。それは各乙女たちから発せられた『萌オーラ』であった。
(裕樹さんのメード・・・イイわ、すごくイイ!どじっ子だとなおのことイィ)
(槙様のツンデレメード・・メードなのにツンデレ・・・そのギャップがイィ)
(メードよメード・・・ご主人様ダメですって言わせてみたい、いいえ言わせるわ!!)
と、自分の世界に入り始める。
かの有名な芝村裕子先生の言葉にこういうものがある。『乙女はこういう話題が大好きである。もとい大好きよ。』と・・・まさに名言である。

とここで、先ほど電波を受信した乙女(グラジオラス)がまたもや「ビビビッ!」と電波を受信する!!
「みんな一度この世界に戻ってきて!」と大きな声を張り上げた
それをうけ、乙女たちが我に帰る。なかには鼻血を拭く者や気絶した者を介抱する者までいる。なんともすごい光景である。決して男には見せてはいけないのである。
それはさておき、話を戻そう。
どこからともなく電波を受信した乙女 グラジオラス はこう切り出した。
「いいアイデアがあるの、みんな聞いてくださらないかしら」
みんなの視線がグラジオラスへと集まる。
「ひろきさん、槙さんのお二方をメードとして各家庭に派遣してもらえるように、よんた国王にお願いしてはいかがかしら」
それを聞いた乙女たちの中で黄色い歓声が上がる。「キャーー」とか「ワァーー」とかそんな感じである。
だが、そこに一人の乙女の冷静な言葉が響く
「でも、よんた国王が簡単に了解して下さるとは思えないのですが・・?」
それを聞いた乙女たちは、はしゃいでいたのをやめ、落ち込み始めた。あっまた泣いている子が・・・
とそこに、グラジオラスが
「それについては大丈夫。私にいい考えがあるから」
と勝ち誇り、作戦を話し始めた。周りの乙女たちはきょとんとしてそれを聞いていた。

つづく・・・


(文:言 成)