とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part13

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◯◯学区 廃ビルにて

上条当麻は此度の騒動の黒幕達と相対していた。
黒幕達の人数はこの部屋にいる限りだと部屋の中央に若い男が一人(おそらくリーダー格だろう)、その後ろにいかつい男が二人、そして上条を挟んで男が二人とゆう配置だ。合計五人、聞いていたより少ない。恐らくまだ何処かに二人はいるはずだ。

「ゼェ……ハァ……、ようやく、見つけたぞ……テメェ等だな、インデックスを連れ去ったのはッ!! インデックスは何処だ! 無事なんだろうな!!」

その上条の問い掛けにリーダー格らしき青年が応じる。

「……へぇ、ここを探り当てるなんて中々やるね。ただの馬鹿だと侮ってたよ。上条当麻」

「質問に答えやがれ! インデックスは何処だって言ってんだ!!」

「そう、怒鳴らないでくれるかな? 心配しないでもあの魔導書図書館は無事だよ。殺してしまっては意味がないからね。
……もっとも、連れてくる際に暴れられたから多少痛め付けはしたけどね。死なない程度に」

青年の発言に上条は理性が飛びそうになるが、すんでのところで踏みとどまる。

「……その口振りだとテメェ等、魔術側の人間だな。インデックスの頭ん中の魔導書が目当てだとしてもだ、なんで今さら魔術師が!」

「……ふーん意外と冷静だね、まあいいさ。君の質問に答えよう。君は今さら、と言ったけど、それは違う。今『だから』だ。
先の抗争で魔術、科学共に衰退している今こそが、僕たちのような新興の魔術結社が成し上がるチャンスなんだ。その為の魔導書図書館だよ。全く、なんでこんな絶好の機会に他の勢力が動かないのか理解出来ないね」

「……そんな理由でか。そんな下らない理由でインデックスを傷付けたのかッ!
教えてやるぞ魔術結社、お前のその幻想は、俺が今まで相手にしてきたどんな相手よりも小さい、ちんけな物だ!」

「……言ってくれるね幻想殺し。だが、今回君は何も出来ないんだよ。自分の無力さを思い知ればいいさ。……あれを連れてこい」

青年がそう言って、少しの間の後、部屋の奥のドアが開かれそこから青年の部下らしき人物が二人と、上条のよく知る人物が出てきた。

「インデックスッ!!」

「とうまッ!」

いつもいつもティーカップのような修道服を来ていて、人の家計を脅かすくらい食費のかかりる、だがいつだって上条の帰りを待っていてくれる大切な家族、インデックスだった。

インデックスの声を聞いたことで、一安心する上条だったが、インデックスの姿を見て理性を失う。

純白の修道服をが所々真っ黒に汚れ、そしてインデックスは、額から少量ではあるものの、流血していた。

上条にとって平穏の象徴。そのインデックスが、大事な家族あるインデックスが、血を流している。

到底、我慢など出来る筈もなかった。


「……ぁぁ、あぁぁぁぁぁあああッ!!!! テメェ等、インデックスを、インデックスを傷付けやがったなッ!!」

「おっと動くなよ幻想殺し。テンプレで悪いが人質って奴だ。禁書目録をこれ以上傷付けて欲しくなかったら……」

インデックスを人質に取り、上条の動きを封じたことで、青年は自分の有利を確信していた。だが、ここで青年にとって予想外の事が起こる。

「……は?」

上条が忠告を聞かず激昂した勢いのままインデックスを囲っている男達に殴りかかったのだ。

「き、貴様! 何してる!? 禁書目録がどうなっても……」

「がぁぁぁぁぁあああああッ!!!!!」

部下達も咄嗟の事で判断が遅れ、インデックスを押さえていた二人がそのまま上条に倒される。ここでようやく残りの四人の部下が動いたが、遅かった。一瞬の事だが、それが決定的となる。

「行けッ!! 行くんだッ!!」

「でもとうま!!」

「逃げろ!! 行けったらッ!!」

「ッ! ……わかったんだよ!」



そしてインデックスは出口に向かって走り出す。が、上条を挟んでいた二人が当然、行く道を塞ぐ。そこに横から上条が襲いかかる。

「お前らの相手はこっちだっつの!!」

二人は当然応戦し、青年の背後にいた二人も魔術でその位置から援護する。

が、上条はものともせず、出口側二人と肉弾戦を行いながら飛んでくる魔術を打ち消す。肉弾戦をしている味方が邪魔で中々魔術を上手く行使出来ないのもあるが、それを差し引いても今の上条の様子は鬼気迫るものがあった。

四人相手に奮戦する上条に余裕がなくなった部下達は自然とインデックスから注意を外し、その隙にインデックスは廃ビルからの逃亡に成功する。さっきの男達に捕らわれていた時とはまた違う恐怖を抱きながら……

禁書目録を逃がした、この事実に青年は激怒し、先程の余裕ある態度から豹変する。

「き、貴様ァァアアア!!! なに、動いてやがる!? なにしてくれてんだクソがッ!!」

その声を境に部下達は一端引いた。しかし、内、肉弾戦をしていた二人は中々ダメージが大きいようでこれ以上戦闘していたら危なかったであろう。

そして逆に上条は未だ無傷であり、さらにインデックスが無事逃げ延びたことで心の内に怒りの炎を燃やしつつも多少冷静を取り戻していた。

「あっれー? さっきまでの余裕はどうしたんですかー?
……結局お前らはその程度だったてことだよ。四人がかりで俺一人止められないなんてな。俺が戦ってきた相手はもっと皆強かったぞ。力だけじゃない、心もだ。皆何かしらの信念をもって、それを信じて動いてた。少し、やり方を間違っていただけだ。
その中、お前はただ自分の地位や名誉の為だけに力を欲した。所詮お前は自分に酔っていただけの道化だ。
そんなちっぽけなくだらない幻想は、俺が殺してやる」

「舐めてくれるなよ……俺だって結社のリーダーだぞ。それ相応の力を持っている!こいつらみたいな雑魚とは違う! そう簡単にやられるか!」

仲間を雑魚呼ばわりする青年にへどがでるが今回ばかりは端から誰一人許すつもりはない上条は再び戦闘を再開した。


ーーーーーーー

同時刻 ◯◯学区 廃ビルから少し離れた広場

インデックス、そして、上条を救うためこの学区にきた美琴だったが未だ二人の足取りを掴めてはいなかった。

「勢いそのままに飛び出したはいいものの、中々見つからないわね……このあたりを最後に防犯カメラには写らなくなったからこの付近にいると見ていいはずなんだけどなー」

これは片っ端から調べてくしかないかなー。とこれから自分が行うであろう事に辟易するも美琴には先程から気掛かりなことがあった。

アジトも、だが『上条』も見つからないのだ。



「あいつもこのあたりに絞りこんで探すはず、それなのに同じくこのあたり一帯を探している私があいつを見つけられないってことは……」


上条はもう既にアジトを特定し、黒幕と交戦しているとゆうことではないだろうか?
「いや、まだそうと決まった訳じゃない、このあたり一帯探すだけでどれだけ大変だと……たまたま直ぐ見つけたかもしれないけど、そんな幸運なこと不幸不幸言ってるあいつにそうそう……」

いや、まてよ、と美琴は自分の発言になにかを感じ、思考する。

すぐにアジトを見つけ出す。それは良いことだ。それは間違いない。だがこれは被害者にとっての幸運であって、果たして上条にとっては幸運なのだろうか。上条にそう問えば、間違いなくあの少年は「幸運だった」と言うだろう。だがどうも美琴にはそうは思えなかった。いや美琴も理解はしている。一般的に考えても幸運に当てはまるだろう。では何故そうは思えないのか。それは今まで他人を救うために尽力してきた上条を見てきた美琴だから、である。
上条が介入したことで今まで何人もの人間が救われている。美琴もその一人だ。だが上条はその度に何度も何度も大怪我をしていた。それは上条にしたら『不幸』なことではないだろうか? その事件に絡まなければ上条は平穏に暮らせていたのだから。

そこまで考えて美琴は決定的な事を思い出す。
以前上条と何気ない会話をしていた時だ。たしかなんでそう次から次へと厄介事に巻き込まれるのかと軽い気持ちで聞いた時、上条はこう言ったのだ。

「そりゃ、俺が不幸だから、だろ? でもこんな不幸も役に立つこともあるんだぜ。
不幸じゃなかったら俺は誰かが泣いてるのにも気付かないでいただろうし、この不幸のお陰で巻き込まれて、結果苦しんでる人を救うことに繋がる。それは俺にしたらす っごい幸運なことなんだぜ?」

上条の不幸はこうゆう場合に絶大な干渉力を発揮するのだ。天下の学園都市で何を非科学的な事を、とは思いつつも、今までの事を考えると簡単には否定出来なかった。

「……急いだ方がいいわね。……ん? あれは……」

そう言って再び走りだそうとした美琴の目にすっかり非の落ちた街でも街灯一つでやたらと目立つ白地に金糸の衣装が写った。








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