とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

10-12

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匿名ユーザー

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「くそっ、一体どうすれば…」
浜面が絹旗との戦い方を考えていた。
浜面は今、絹旗から見つからないように路地裏を通ってうまく逃げたのだ。

(絹旗の能力は、窒素を使って物を動かすことが多いから物がないところに向かえば何とかなるか?)
浜面が作戦を実行するために、路地裏から出たら…

「あれ、浜面さんじゃないですか。」
突如自分の名前が呼ばれて一瞬ビックリしたが、その声は神裂にお姫様抱っこされている初春からの声だった。

「こんなところから出て来て何しているんですか?それと最愛と白井さんに会いませんでしたか?」
「今、絹旗から逃げてきたんだよ!」
「そうだったんですか。ということは白井さんにも会ったんですよね。二人はどうでしたか?」
「仲が悪すぎだよ。さっきまであの二人、本気で戦ってたんだからな」

「「「えええええええええ!!!!!!??????」」」
「な、何でそんなことになっていたんですか!?」
「えーと………」
浜面は初春、佐天、神裂に黒子が来てからのことを全て話した。

「そういうことだったんですね」
「まーな。ってそろそろ行かないと絹旗に見つかっちまうんだが…」

その時!!
「やっと超見つけました…ってなぜ飾利達と一緒に居るんですか!?」
絹旗に見つかってしまった。






「変態ジャッジメントの白井さんを超倒して後は浜面だけだったのに……。まさか飾利達と合流して超チクるとは許し難いですね」
「ま、待て絹旗! 誤解だ誤解! こいつらとはたまたま会っただけだ! まあ、確かにお前らの喧嘩は話しちまったけど……」
「それを世間様では超チクるって言うんですよ! 浜面、今日が浜面の超命日…………か、飾利?」

 絹旗の振り上げる拳が眼前で止まったことを不思議に思った浜面はおそるおそる、彼女が名前を呼んだ人物の方へと目をやった。
 そこには悲しげに目に涙を溜めていた初春とそれを見てオロオロしてるだけの神裂と佐天の姿があった。

「どうして、ぐずっ、どうして最愛さんは、白井さんと、えぐっ、仲良くして、くれないんですか?」
「あ、そ、それはですね、私と白井さんは飾利達と違って、ちょ、超馬が合わないというか……」
「最愛さんもし、白井さんもわ、私の大切なひ、人なのに、ひぐっ……。だ、だからな、仲良くしてもらいたいのにう、うわ~~~~~~ん!」

 浜面のことはそっちのけで初春は絹旗から改めて黒子と喧嘩して倒したことを聞いて、ショックで泣き出してしまう。
 初春の横では泣いてる彼女の涙をハンカチで拭く佐天と、必死に宥めている神裂の姿があるがどこか萌えてる感じがするのは気のせいだと浜面は思うことにした。
 この瞬間、絹旗は浜面への怒りも黒子を嫌う気持ちをスッパリ忘れて初春の元へと走り頭を下げる。

「ごめんなさいっ! 飾利にそんな思いをさせるつもりは超無かったんです! お願いですから超泣き止んで下さい!」
「じゃ、じゃあし、白井さんと、えぐっ、な、仲良くし、して、ぐずっ、くれますか?」
「そ、それはいくら飾利の超頼みでもあ痛っ!!」

 泣いている初春の頼み、いくら親友にして義理の姉妹の頼みといえども即答できる内容ではないので言葉を濁す絹旗に佐天のチョップが脳天に炸裂する。
 相手が佐天なので怒れない絹旗を初春、神裂、佐天の視線が更に追いつめる。

「絹旗、ここは飾利の願いを汲んであげて下さい。私としてもあなたと白井黒子が仲が悪いのは好ましくありませんし」
「あのさぁ最愛、白井さんはちょっと変わってるけど打ち解ければいい人だよ。あたしも飾利と同じ気持ち。白井さんと仲良くして欲しいな♪」
「……か、飾利は私が白井さんとちょ、超仲良くするって言ったらゆ、許してくれますか? も、もちろん確証は超出来ませんけど……」

 神裂と佐天の言葉に心を揺さぶられた絹旗が初春に今度こそ黒子と仲良くなる努力をする旨を聞き、泣いたまま頷くことに。
 その際、神裂や佐天のように初春の泣き顔に萌えたなどとは口が裂けても言えなかった。

「とりあえずこれで全ての問題は解決しましたが飾利がこの状態では巡回は難しいですね」
「じゃああたしが白井さんに連絡しておきますよ。その間、あたしたちは飾利の気持ちを落ち着かせる方向で」
「私、超頑張りますから! 飾利が泣き止むまで超一生懸命頑張りますから!」

 そして2姉妹+神裂は初春が泣くのを完全に止める為にその場を後にした、浜面を一人残して。

「な、何だったんだ今の? つーか俺の存在って何なんだよ! にしてもあの絹旗がすぐさま大人しくなるなんて初春ちゃんってすげーな」

 ちょうどその時、土御門からパーティーの開始時間が午後5時から午後8時に変更になったという内容のメールが入ってきた。
 ちなみに浜面だけでなく他のパーティー参加者にも同じ内容のメールが送られているのは言うまでも無い。

「今の時間はっと……まだ3時か。時間がたっぷり空いちまったな。滝壺を迎えに行ってデートにでもしゃれ込むとすっか」

 浜面は自分を狩る会のメンバーが周りにいないことを確認した後で、公園に置いてきた滝壺を迎えに行った。
 同じ頃、浜面にやられた青ピが黒子を介抱している最中だった。




「黒子はん大丈夫でっか?」
「わたくし、肉体的ダメージよりも精神的ダメージの方が強いですわ……まさか一日に二人に負けるなんて……」

「捕まったら最後、極悪非道のテレポーターの汚名が無くなったんやからええやないか。」
「しかしあの二人には負けたく有りませんでしたのに……ハァ」

(でも浜面はんめっちゃ強いなあ。本当にデシ入りでもしよかなあ?)

青髪ピアスは浜面程の策士なら本当にレベル5に倒したかもしれないと思った。一方黒子は

(ぐふふふ…○○様が黒子を労わって下さっている…更には○○様の膝枕!!ここは天国ですの!?そう!!天国に違い有りませんわ!!)

変態的妄想全開だった。


そんなことしていると、黒子に電話が掛かってきた。

「こんないい時に誰から…って佐天さん?」
電話に出ると、初春が泣いている声が聞こえた。

「もしもし佐天さん、いったい何の用ですか?それとどうして初春が泣いているんですの?」
『白井さん、飾利が泣いている原因は白井さんと最愛なんですよ』
「どうしてわたくしと絹旗が原因なんですの?」
佐天は、黒子と絹旗が原因なのか話した。

「そうだったんですの。(だから絹旗と組ませたのですか。)それで、わたくしはどうすれば…」
『とりあえずそこで待っててください。あたしたちがそっちに行きますから』
「分かりましたの」
そう言って電話を切った。

「黒子はん一体なんの電話やったの?」
「佐天さんからここで待って欲しいという事だったんですけど…(一体、絹旗とどうやって仲良くすればいいんですの?)」
「そんなことなん?まあええわ。とりあえずここで待ってればいいんやな」
「そういうことですの」

黒子はなぜか青ピに初春達がここに来るのか言わなかった。
そして数分後、初春達がやって来た。




「「……………………」」

 初春達が黒子達と合流してすでに20分、黒子と絹旗は公園の広場で向かい合いながらもだんまりを続けていた。
 その様子を佐天と青ピは10分経った時点で買ってきた菓子を食べながら、初春は神裂の膝の上に座らされたまま眺めていた。

「二人とも全く動かないどころか喋らないですね。あ、そのポッキー下さい」
「じゃあボクはそっちのポテチを。せやけどしゃあないって。ついさっきまでケンカしとって仲直りちゅうのも……ご、ゴメンな初春はん」
「二人は仲良くなります! 今はちょっと切っ掛けが掴めないだけですから!」
「飾利の言う通りです。あの二人、似てないようで似てますよ。多分ですけど」

 初春の責めるような視線と神裂の微妙に無責任な発言、それに黒子と絹旗の雰囲気に青ピは疲れ始めていた。
 その一方で黒子と絹旗の心の中ではこんな葛藤が続いていた。

(何でわたくしがこんなチンチクリンと仲良くしなくてはいけませんの? ですが初春を困らせるのはわたくしの本意ではございませんし。悪い人では無いのでしょうけど……)
(……私だって白井さんと超こんな雰囲気は御免ですよ。それにこれ以上飾利を超泣かせたくありませんから仲良くしようとは思ってますけど……)
*1

 二人に必要なもの、それは意地を張ることを潔く止めることだけだった。
 そして長きに渡る沈黙を破ったのは絹旗だった。

「し、白井さん。今までのことは超大目に見てやりますから仲良くしようじゃありませんか。さあ、超謝って下さい」
「(こ、このガキャ……)わたくしも大人げなかったですわ。絹旗さんのようなお子様相手にはもっと寛大になるべきでした。さあ、黒子に謝って下さいな」
「(ちょ、超ムカつく!)先に超謝るのはそっちです。飾利のたっての超頼みですから仲良くしてやろうっていうんですよ。変態が先に超謝罪するんです!」
「(げ、限界ですわ……)こちらも初春がピーピー泣くから仕方なく譲歩してやったというのに……。あなたが黒子に額を地面にこすり付けて土下座したら許して差し上げますわよ」

 意地っ張りかつ口の悪さならトップクラスの二人、結局仲直りどころかますます悪化していった。
 悪化したのは二人の仲だけでなく、初春の方も悪化し始めている。

「ど、どうして、どうしてお、お二人はぐずっ、な、仲良く、で、出来ないんです……ひぐっ」
「ちょっと飾利落ち着いて! 泣くのダメ! 泣いたらあたし達の身が持たないから! 白井さんも最愛もケンカストーップ!」
「駄目です佐天。あの二人には私達の声は届いていません! このまま喧嘩したら飾利が……白井黒子の恋人! あなたが何とかしなさい!」
「ちょ、何やのその無茶振り! ボクかてあないな黒子はん止める術なんて無いで! って何か凄い勢いで近づいてへん?」

 初春の涙腺が決壊寸前なのを感じ取った3人は何とかしようと考えるが、はっきり言って無力以外の何物でもなかった。
 そこへ青ピが指差す方向を見やると、そこにはフランベルジェを携えた鬼の形相をした建宮が迫っているのが見える。
 後ろでは黄泉川と鉄装が慌てて追っかけているが、その二人に気付くのは全てが終わってからだったりする。

「殺す! 殺す! 殺す! 殺す! ぶっ殺す! 飾利姫に悲しみの涙を流させる奴は誰だろうとぶち殺す!!」

 この時既に建宮には初春の泣き姿以外は目に入っていないという、かなりやばい状況になっていた。
 修羅と化した建宮に気付いた黒子と絹旗、ここで初めて思いが一つになり奇跡とも呼べる息のあったコンビネーションを披露することに。


「今までのことは超すみませんでした!!」「こちらこそ、今までのことはすみませんでしたの!!」

絹旗と黒子は、建宮からの殺気がはかりしれなくすごかったので、お互いに土下座で謝っていた。

「二人ともさすがです!土下座までして謝るなんて♪」
初春は二人が仲良くしたので、泣き止んでいた。
そして…

「飾利姫が泣き止んだから今回は許すけど、次また飾利姫を泣かしたらただじゃ済まないことを胆に銘じるのよ」
建宮は初春が泣き止んだから、とりあえずフランベルジェをしまった。

「建宮、いきなりどこかに行くんじゃないじゃん」
「すみませんなのよね」
「ほら、パトロールの続きじゃん」
「分かったのよね」

そう言って、建宮、黄泉川、鉄装はパトロールの為どっかに行ってしまった。
ちなみに、建宮が遠くから『飾利姫、今度また何かあったらこの建宮斎字に言うのよね』と言っていたのだが全く聞こえてなかった。

「それにしても二人がすごく仲良くなって良かったです♪」
「いえいえ、そんなことは超言いすぎです」
「そうですわよ。初春はちょっと大げさすぎますわよ」
この二人、さっきの件ですこし仲良くなっていた。
ちなみに、この二人がパーティでさらに仲良くなるとはまだ知らない。





その頃、お昼を食べ終わった上琴は

「いやー、上条さんは愛も一杯腹一杯ですよ!!」
「それは良かった♪じゃあ口直しに、ん……………ふぁ♪」

「ったく、美琴は甘えん坊さんだな」
「いいでしょ別に♪」

「そうだな、それくらい俺の事愛してくれてるって事だもんな。」

「当麻…」
「美琴…」

二人はゆっくりと口付けをした。今したばっかりだろうが…本当に呆れるバカップルである。(旗男狩りする野郎共の気持ちがよくわかる。)

「ふぁ…♪」
「あのさあ美琴」

「ん?なあに当麻?」
「美琴が彼女になってからさ、上条さんの不幸指数が下がったんですよ。まるでお前が俺の幸運の女神みたいにさ。」

「それなら良かった♪私も嬉しい…」
「ありがとうな、美琴…」

「当麻…」
「美琴…」

この二人は熱すぎる。よく過ちを犯さないのが不思議な位であった。(約3分に三回もキスをしている)このバカップル…負け犬達からは恨まれてもおかしくないだろう。





そのころ浜面は、滝壷と合流していた。
「はまづら、遅い」
「ごめん滝壷、ちょっと寄り道していて」

なぜ浜面が遅れたのかと言うと…
初春達と離れたあと、そのまま滝壷のところに向かおうとしたが、仲が悪かった絹旗と黒子の謝るところを見たくなり、初春達に気付かれない様に遠くで聞こえる場所から聞いていたのだ。
ちなみに、二人が謝った後に戻ろうとした時、浜面はパトロールを再開した建宮達に会ったんだけど、そのときは何も無かったんだが、このことがパーティの時に浜面の危機的状況になるんだが、浜面はまだ知らない。

「げ、もう四時か。まだお昼食ってなかったな。時間は遅いけど、お昼にするか」
「わたしもさすがにおなか減った」
そういうことで、浜滝は時間が遅いがお昼にした。




そのころの青黒はというと…

「○○様、どこに行きましょうか?」
「黒子はん、ちょっと近づきすぎまへんか?」
「だって、○○様にもっと近づきたいいんですの」

黒子は、青ピに近づきたいがために、体からべったりくっついていたのだ。
ちなみに、初春達とは今は別である。
理由は、初春と神裂はこのあと大事な用があるというので二人と別れ、絹旗と佐天は友達同士でどっかに行ってしまった。

「あれ、あそこにいるのは…」
「つっちー達やな。あそこで何してるんや?」
「さあ、何しているんでしょうか?」
「ちょっと近くまで行ってみよか」

そういうことで、青黒は土白がなにをしているのか気になって近くに行ってみた。
また、土白が何をしていたかというと…

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注釈

*1 先に謝ったら負けた気がする!!