とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

11-13

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
そんな頃飛行機から6人のハンター達が降りたっていた。


(レベル5を倒した無能力者二人と学園都市最強の超能力者…こんなに根性あるやつらと戦えるなんてな…俺の根性見せてやりますか!!)
(まあ、最近仕事少なくて鈍ってきたところなのよね…、楽しませてくれるかしら?)
(出来れば上条当麻を殺りたいところだが、殺しは不味いと言われたからには違う奴と当たることを願おうか。)


(飾利姫とのデートが……、まっ、コッからは仕事なのよね。……命日にならない様に気を付けろよ?)
(さてと…ゴーレムの会見をイカすシェリーの方に変えたし、更に面白いことにしたし…、幻想殺しか浜面仕上のどちらかを狩れれば文句はないな…。)
(禁書目録の前ではああ言ったが…面白い奴に会えればそれでいいのである。)


それぞれの思いはそれぞれしか知らない。


ーーーーーーーーーーーー


ピクンッ!!最初に起きたのは滝壺だった。


(今のは……レベル5?かなり大きいAIM拡散力場だから間違いない。……こっちに近づいてくる!?)


滝壺は体晶がないと正確な数値はだせないが大きいAIM拡散力場位の動きならすぐわかる。


「(ッ!?もうこんな時間!?)はまづら!!起きて!!」
「ん~…後五分………ってん!?…………ブハッ!!いきなりなんだよ滝壺!!」


「はまづら大変!!もう近くにハンターが来てる!!」
「なにぃ!?ヤベッ!!滝壺!!全員叩き起こすぞ!!」
「わかった!!」



 その頃、学園都市にある天草式学園都市支部のアジトの一つに初春と神裂がいた。
 無事にハンターのメンバーを送り出した後、二人は帰ってちょっとした話し合いをしていた。


「今頃ハンターの皆さん、到着してる頃ですよね。……火織お姉ちゃん、どうかしました?」
「どうかしたかじゃありません! 建宮をその気にさせたのはいいのですが、どうしてデートをするなどと言ったのです!」


 そう、出発前にハンターに指名された建宮は他のハンターのメンバーがドン引きするくらいに駄々をこねたのだ。
 そこで初春が交換条件としてデートをするということで落ち着かせたのだが、建宮はキスをねだったので交渉には時間がかかったのだが。


「だってそうしないと出発出来なかったじゃないですか。それに私、一度でいいから男の人とデートしたいなって思ってましたし」
「……それで飾利の気が済むのならそれでいいですけど。ですが当日は飾利のお姉ちゃんとして、女教皇としてデートに付いて行きます! 構いませんよね?」
「ぜひ♪ 建宮さんには二人っきりとは言ってませんし、火織お姉ちゃんと一緒なら楽しくなりそうですから」


 初春飾利、どんなに精神的成長を遂げたとしてもこういった所はまだまだ子供である。
 建宮の話題を切り上げた神裂はシェリーが参加を了承してくれたことが不思議だった。


「それにしてもよくシェリーが参加を認めてくれましたね。彼女が科学側の行事を受け入れてくれるとは予想外でした」
「……それなんですけど実はちょっとした約束をしまして。火織お姉ちゃん、怒らないで聞いてくれます?」
「怒る? 私が? 私が飾利のことを怒るわけじゃないじゃないですか。さあ、お姉ちゃんに話して下さい」
「えっとですね、もし科学と魔術の共生が出来なかったらその……殺してくれと」


 初春の発言に神裂は心臓が止まるかと思うほどビックリしたが、目の前の少女ならそれくらい言っても不思議ではないと納得してしまう。


「でもシェリーさん言ってました。『分かった。あんたのことは認めてやる、殺しもしない。その代わり、最後まで成し遂げろ。私も協力してやるから』って」
「そ、そうですか。それは何よりです(しかしあのシェリーが我々の協力者とはいえ科学側の飾利を受け入れるとは……。これも飾利の人徳ですね)」
「それと彫刻のモデルも頼まれちゃいました。何でも『あんたのその芸術(アート)、形に残したいんだけどモデルになってくれるか?』とか言ってました。芸術って何のことか分かりませんけど」


 神裂は瞬時に理解した、シェリーが初春の花飾りに芸術(アート)を感じたのだと。
 しかしそんなことは初春本人には言えないことなのであやふやな返事で誤魔化すことにした。


「ところで飾利。あの闇咲という男は何者です? それとあの男をネセサリウスに入れるというのは本当なのですか?」
「闇咲さんはフリーの魔術師で使う魔術は梓弓を用いた風の魔術、あと縄縛術を得意としてます。ネセサリウス入りはローラさんの了承を得て、最終チェックをステイルさんとシェリーさんに任せてます」
「す、すでに最大主教と話をつけていたのですか……。ですが裏切るとかは考えられないんですか?」
「それは大丈夫です。闇咲さんは誠実な方でしたし、闇咲さんの大切な人を信頼出来る病院で看てもらうようにしましたから。ちゃんと見返りは払ってますよ」


 ちなみに初春が闇咲に紹介した信頼出来る病院とは、カエル顔の医師こと冥土返し(ヘヴンキャンセラー)がいる病院である。
 神裂はますます初春が裏の人間っぽくなってきてるのを成長として喜ぶべきか本気で悩むのだった。



「じゃあ後はハンターの皆さんにちょっとした助言を送るだけですね」
「助言、ですか? 彼らには自由にさせるのでは?」


 初春の言葉に疑問を持った神裂だが、目の前の少女の考えは予想を超えていた。


「たまには当麻お兄ちゃん達には負けてもらわないと♪ 勝ってばかりだと後々困るような気がしますし」
「負けてこそ得る物があるということですね。ですがどのようにするつもりです? 私が意見できるとしたら建宮に土御門を任せるくらいしか言えませんよ?」
「火織お姉ちゃん、それいただきです! 成程、建宮さんなら土御門さんに惑わされてる可能性は低いですね。火織お姉ちゃんと違って」


 神裂は自分の案を初春が受け入れてくれたことを喜んだが、その後のサラッとした毒舌に落ち込んでしまう。
 落ち込んだ神裂を宥めた後で初春は次の案を考え出す。


「ステイルさんとシェリーさんで一方通行さんを30分間、押さえ込むことは可能だと思いますか?」
「学園都市最強を30分……厳しいですね、あの二人といえども。ですがルーンの配置を魔方陣とすればイノケンティウスは強化されますからあるいは……」
「じゃあルーンの配置は合宿参加者の脱落者の皆さんに協力してもらいましょう。もちろん理由とかは一切話さない方向で」
「おびき出しは打ち止めにシェリーの眼球式ゴーレムを使えば問題無いですね。あの子、どうやらシェリーのことを怖がってるようですし」


 一方通行対策は時間が掛かるかと思われたが、神裂の助言ですんなり片付くことに。
 次に初春が考えたのは浜滝、それと半蔵と郭の件だがこれはあっさりと解決することに。


「滝壺さんは非戦闘員ですから浜面さん、半蔵さん、郭さんを相手取ることになるわけですけど、あの人達の相手は闇咲さんに任せましょう」
「私は彼らのことはあまり知らないのですが闇咲という男一人に任せて大丈夫なのですか?」
「確かにあの3人は侮れません。でも闇咲さんは戦いの年季も実力も彼らより高いはずです。油断しないで格上を相手するつもりで倒すように伝えましょう」


 次に考えるのは当麻の対処方法だが、こっちも思ったより簡単に終ることに。


「上条当麻はどうします?」
「当麻お兄ちゃんの相手は削板さんです。削板さんには思う存分、当麻お兄ちゃんと殴り合ってもらうんです♪ どっちも根性ありますからいい戦いになると思いますよ」
「ああ、あの変な格好をした少年ですか。ですが飾利の言うことを聞きそうに無いタイプでしたが大丈夫なのですか?」
「それも大丈夫です。削板さんをその気にさせる言葉もちゃーんと考えてますから」


 そして残るのは月夜だが、神裂は彼女の能力を知っているので実は一番厄介なのではと思っていた。
 しかし初春は月夜に関してだけはぶつける相手をすでに決めていたりする。


「白雪さんの相手は結標さんです。白雪さんには知ってもらわないといけません。魔術、いいえ暗部の世界の厳しさを」
「ですが白雪の能力は強力です。テレポーターが勝てるとは……」
「白井さんなら分が悪いでしょうけど、結標さんなら問題ありません。白雪さんを翻弄するにはこれ以上無い人選ですよ」


 結標のことをあまり知らない神裂に、事前に彼女から『座標移動』について聞いていた初春は自信ありげに答えた。
 悪魔と呼ばれるかもしれない、嫌われるかもしれない、それでも花飾りの少女は月夜、ひいては当麻達のことを思い、心を鬼にする。


「これで後はハンターの皆さんにそれぞれの助言をメールで送るだけです」
「お疲れ様でした飾利」


 そして初春は、ハンター達にそれぞれに対する助言と『全力で捻じ伏せちゃって下さい♪』と添えたメールを送った。
 色々と助言は送ったが、それでも当麻達に完全に勝てるとは思っておらず、これでようやく互角だろうと初春は考えていたりする。
 いよいよ合宿最終日、サバイバルバトルが生温いくらいに思えるほどのハンター達との戦いの火蓋が切って落とされるまで後一時間。



場所は上条達の所に戻って…


「で、ハンターは何人居るんだにゃー。」
「分からない。でも能力者は二人も居るよ。」


「そうなのかにゃ(後はステイルも居ることだから三人だけなのか?)」
「まあ、時間も無さそうだから簡単に作戦会議しようぜ。」


上条がそう言ったので簡単に作戦会議をした。


「それで滝壷、その能力者の中にレベル5が居たというけど具体的には分かるか?」
「そこまでは分からない。でも、このAIM拡散力場は超電磁砲ではない。」


「そうか美琴では無いのか、ここに居るアクセラと白雪はありえないし、他にレベル5でありえない人物は…」
「二位と四位はありえないはずだぜい。」


「ということは五位、六位、七位だけかァ…」
「ちょっと待て、七位って一番ありえないでせうか。」


「性格からにしてそうかもしれないにゃ。しかも考えてみれば一回会っているしにゃ。」
「なら、レベル5は七位で決まりなんじゃねーかァ?」


「それなら、レベル5はカミやんに任せるぜよ。」
「でも元春、上条君の足大丈夫なの?」
「多分大丈夫だろ。じゃあ他は一方通行が待機で、白雪、浜面、半蔵、郭は出動してもらうぜよ。」


とりあえず作戦は決まったんだが…


「(オイ土御門、結標はどうするんだよォ?)」
「(それはあの四人の誰かと当ったとしても大丈夫だろうにゃ。浜面と半蔵と郭の実力なら大丈夫そうだからにゃ。)」
「(ならいいけどよォ…)」


一方通行は本当に大丈夫なのか心配になった。


「じゃあ、みんな準備はいいかにゃ。」


そういうことで作戦を実行した。



 その頃、ハンター達はというとステイルのルーン配置待ちで、教師陣のベース跡地で待機していた。


「すまないみんな。いくら万全を期すとは言え僕一人の為に待たせるようなことになって」
「細けぇこたぁ気にすんな兄ちゃん! 待たせた分、てめぇが根性見せりゃいいだけのことよ! あー、早く上条って奴と戦り合いてぇぜ!」


 削板は初春から『当麻お兄ちゃんは削板さん並みの根性を持ってます。最高に燃える戦いが出来ますよ♪』とメールを貰い、自分と同じくらいの根性の持ち主に思いを馳せる。
 それを冷めた目で見つめてるのはシェリーと結標、面白そうに見ているのは建宮だ。


「やれやれ、能力者ってのは変わり者が多いねぇ。ところでお嬢ちゃん、大晦日の時にいたテレポーターよね? 戦えるのかい?」
「余計な心配は無用よ。これでもやばい仕事も戦いも何度もこなしてるんだ。そっちこそ大晦日の時のような負け方晒さないでよね」
「へぇ、言ってくれるじゃないか。けどその目、私は嫌いじゃないよ。あの芸術(アート)な子ほどじゃないけどね」
(面白い奴がいるのよな。この後で飾利姫とのデートが待ってるがそれは置いておくのよ。土御門を抑え、倒す、そのことに全てを出し切るのみ)


 静かに佇むのは闇咲、しかしすでに『捜魔の弦』で当麻&土御門グループの陣地割り出しを行っている最中だ。
 そして見事に探し当てると、他のハンター達にそのことを伝える。


「私達の標的はここから北東1.4km先にいる。数は9。まだ動きは見えないようだ」
「闇咲といったね。最大主教と初春は君のネセサリウス入りを歓迎している。でも僕とシェリーが君の実力を見て、それから決定をさせてもらう。それでいいね?」
「構わんさ。私はすでに色々と恩を受けている。それに報いる為ならどんなことでもやってみせるさ」
「あんたの索敵能力は大したモンだ。後は戦闘だね。私のこのゴーレムで戦いを見せてもらうよ」


 シェリーはそう言うと、眼球型ゴーレムを一つ、闇咲に渡す。
 そこに小萌からステイルのルーン配置が完了したことが告げられた。


「ステイルちゃーん。あなたに言われた通り、カード配置は無事に終了しましたー」
「ありがとうございます。こちらも準備出来てますので、上条当麻達に開戦を告げて下さい」
「了解ですー♪」


 そしてハンター達は当麻&土御門グループの陣地へと駆け出す、削板と結標を除いて。


「おいおいねーちゃん! 何だよ俺に相談って? 早くしねーと置いてかれちまうだろ」
「私の『座標移動』ならそんな遅れ、すぐに取り戻せるわ。それよりもさ、ちょっと面白いこと考えたんだけど乗ってくれる?」


 提案した結標の顔はそれはもう、悪企みしてますよって言ってるようなもので削板も不安になったが、彼女の提案を聞いて乗り気で頷く。
 そして小萌に言って欲しいことを伝えた後で結標と削板は行動に出るのだった。


『ピンポンパンポーン♪ ただ今からハンターさん達を投入するですよー』
『ちなみにハンターさんはあれから3名追加して6名になりましたー。どうですかー、嬉しいですよねー♪』
『ではいよいよ始めようと思うのですが上条ちゃん達は陣地から逃げることをおススメしますよー。今から開戦の合図としておっきな爆弾が投下しますのでー♪』


 そして小萌からの放送が終ると、結標の『座標移動』で当麻&土御門グループの陣地の真上に飛ばされた削板が降って来た。


「はっはっはーっ! あのサラシのねーちゃん面白れーこと考えんじゃねーか! 俺も漢を見せねーとな! いくぜ! すごいパーンチ大根性爆撃ーーっ!」


 削板の『念動砲弾(アタッククラッシュ)』に重力加速度も加わった強力な人間爆撃が当麻達に襲い掛かる。
 この奇襲を合図に当麻&土御門グループVSハンターの戦いが幕を開けたのだった。

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