とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

11-18

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だれでも歓迎! 編集
 一方こちらは井ノ原ツインズと茜川、合宿で一番変わった3人といえる。
 茜川を第七学区にある学生寮まで送り届けると、真夜は自分の想いを正直に茜川に告げる。
 それがいかに人として間違っていて、それでも譲れない気持ちだと分かっていても。

「わざわざ送ってくれてありがとう真夜君、真昼ちゃん。合宿、とっても楽しかったよ」
「あ、あのっ! 赤音さん! き、聞いて欲しいことがあるんだけど、い、いいかな?」
「お? なんだなんだ真夜、もしかして自分からってやつか? じゃあ俺は邪魔だから」
「待って! ね、ねーちゃんにも、き、聞いて欲しいんだ……。嫌っても、軽蔑しても構わないから、聞いて欲しい」

 真夜の言いたいことなど丸分かりの赤音と真昼だが、それでも彼の言葉を待つことに。
 彼は知らない、赤音も真昼も同じ結論に達していることに(今さらな気もするが……)。

「俺、赤音さんのことがす、好きです! 高校に入った時からき、気になってて、それで、が、合宿の時にい、一生守りたいって思って……」
「ありがとう真夜君。私は違ったな~。実はね、真昼ちゃんに何されても怒らない意気地の無い人って思ってたんだ。ゴメンね」
「そ、そんな風に見られてたんだ、俺……。でも仕方ないよ、実際その通りだったし」
「でも合宿で私達を守ってくれて、それで私達のピンチも助けてくれたよね。その時思ったんだ、ああ、この人は意気地が無いんじゃなくて優しくて、そして強いんだって」

 茜川も真夜も顔を真っ赤にして見詰め合っていた、合宿ではさんざんいちゃついていたにも関わらず。

「井ノ原真夜くん、私、茜川赤音はあなたのことが大好きです♪ ふつつか者ですが、恋人として宜しくお願いします。そして一生私のこと、守ってね♪」
「あ、ありがとう! ま、任せて! 赤音さんのことはその、一生守るから!」
「おーおー、おめでとう真夜、そして赤音。じゃあお邪魔虫は先に帰るとすっか」

 晴れて真夜と茜川のカップル成立を目撃した真昼は一足先に帰ろうとした、もちろんこれは演技。
 引き止めるだろうと予測していたが、その引き止め方が後ろから抱きしめるという、真昼の予想を大きく裏切ったものだった。

「待ってねーちゃん! ねーちゃんに大事な、すっごく大事な話があるんだ。ねーちゃん、いや、真昼さん。俺、貴女のことが好きです!」


 真夜らしからぬ大胆なアプローチに真昼は驚いていたが、それ以上に彼女を驚かせたのは『真昼さん』と名前で呼ばれたことだった。

「あ、ああ、お、俺も、お前のことはす、好きだぞ。双子の弟だからな、あ、当たり前だろ? そ、それより、その……(違う違う! もっとちゃんと台詞用意してたのに~!)」
「ご、ゴメンッ! め、迷惑だったよね、いきなり抱きついて、名前で呼んだりして……ゴメン、ねーちゃん。でも俺、一人の女性としてねーちゃんのことが好きなんだ!」
「あ、ああ……? そ、そうなのか? へ、へえ……(あー、もうペース乱れまくりじゃねーか! つーか名前で呼べよ! 嬉しいってのにさ!)」

 男勝りな性格はどこへやら、すっかり心の中では乙女になってる真昼の緊張した態度に、真夜は迷惑してると勘違いしていた。
 その様子を茜川は真昼の意外な一面を楽しそうに眺めると、真夜の腹を括ったような態度をカッコいいと思っていた。

「俺ってねーちゃんにどんなことされても怒りはするけど手は上げなかったよね? あれさ、仕返しが怖いからじゃなくてねーちゃんが女の子だからなんだ。女の子に手を上げるなんて俺には出来なかったから」
「そ、そうなのか。それは、は、初耳だな……(だからいちいち女の子扱いすんなーっ! 嬉しくって我慢できねーじゃねーか!)」
「今思えばその気持ち、無理矢理封じ込めてた気がするんだ。でもダメだった。合宿の時、ねーちゃんの泣き顔見たら悲しませたくないって思った。ねーちゃんのこと、一生守りたいくらい好きだって……さ」

 自分の正直な気持ちを全て吐き出した真夜は、茜川の方を向いて頭を下げると彼女に対して謝罪を始めた。

「ゴメン赤音さん。俺、赤音さんのこともねーちゃんのことも同じくらい大好きなんだ! どっちか選べって言われても選べないくらい大好きだから! ……怒ってくれていいよ。殴ってくれたっていい、覚悟は出来てる」
「あ、あのね、真夜君。そのことなんだけど……実は真夜君の気持ち、気付いてたよ。私達」
「そうだよね。こんな最低な俺だから気付かれて、嫌われて…………え? え? わ、私達? それってね、ねーちゃんも?」

 真夜は茜川の告白に状況が全く呑み込めずにいて、気持ちの整理さえつかないほどパニックに。
 茜川はまさかここまで真夜が思いつめていたとは思いもせず、本気で申し訳ない気持ちになっていた。
 パニックになってる真夜を引き戻したのは真昼の力の入った拳骨だった。

「あのな真夜。俺が合宿で言っていたこととか、抱きついたこととか、どう思ってた? 正直に答えろ」
「え? そ、それは、た、単にねーちゃんが赤音さんと一緒になってか、からかってるだけだってあ痛ッ!」
「お前はバカか! 何でそんな風に考えてんだ! 俺があんなこと言ったのも、抱きついたのだってお前のこと、一人のお、男として好きだからやったんだ! 惚れた男にしかあんなことしねーんだぞ!」
「ご、ゴメンねーちゃん。ね、ねーちゃんの気持ちも知らねーで俺…………え? ね、ねーちゃんが俺のこと、男として、ほ、惚れあだっ! 痛っ!」

 真昼の告白に至るまでの真夜のあまりの鈍感っぷりに茜川も呆れ、告白に途惑っている真夜を真昼と一緒に頭を叩いた。

「悪ぃな赤音。こんな鈍感な奴で」
「ここまで鈍いとは思ってなかったけど、惚れた弱みってやつかな。もう許しちゃった。真昼ちゃんこそいいの? こんなことになっちゃって……って今更だけど」
「いいよ。惚れた弱みだからな。他の奴らなんかどーでもいい、俺は俺の気持ちに嘘はつかない。あいつは、真夜は俺が世界で一番好きなたった一人の男だ。他の誰も好きになったりしねーぞ」
「あらら、あの真昼ちゃんにここまで言わせるなんて真夜君も罪な人だねー。これは何が何でも真夜君には私達を一生守って、幸せにしてもらわないとねー♪」

 真昼と茜川、二人の出した結論は茨の道だろう、しかし二人は真夜となら乗り越えられると無条件の信頼を寄せていた。
 状況を整理し、気持ちを落ち着かせた真夜に真昼と茜川は極上のスマイルで宣言する。

「真夜、最後にお前に一つ言っておくことがあるから心して聞けよ!」
「私も。真夜君に一つだけ言いたいことがあるからちゃんと聞いててね。せーのっ」
「「末永くよろしくお願いします♪」」
「……っ! もちろん! ねーちゃんも赤音さんも悲しませない! もちろん浮気なんてしない! ずーっと笑顔にしてみせる! 一緒に幸せになろうよ!」

 かくして学園都市であらゆる意味で一番(問題とか含めて)のカップル、井ノ原真夜×茜川赤音&井ノ原真昼が正式に誕生したのだった。




その頃上条達はと言うと、上条にとって苦渋の選択を取ることになった。

「で、なんで俺が最後なんでせうか?」

診察する順番は白雪、一方通行、上条という順番になった。

「それはですね。白雪ちゃんは傷の深さがすごいから、一方通行ちゃんはすごい高熱だからと言う理由で、脱臼は急いで診てもらってもあんまり治る時間が変わらないからなのです。また、医師が言っていたんですけど、上条ちゃんは何度も入院したりしているので、大丈夫だろうと言うことなんですよ。」
「何ですかそれ!!最初の理由は分かりますけど、二つ目の理由は俺が何度も入院しているからって大丈夫だろってどういうことですか!!」

「でも当麻、それって事実じゃない。私にも何も言わずに勝手にどこか行っちゃって、帰ってきたら入院しているじゃない。それに、私がその間どれだけ心配していると思っているの?せめて私を連れって行って。」
「美琴さんまで!!でも、美琴を巻き込みたくないんだ。」
「でも、当麻が傷ついて欲しくないの!!だから私も連れて行って!!」

今回は美琴もくじけなかった。
その時、当麻は土御門に引っ張られた。

「カミやん、俺も白雪に全てのこと言ったんだから、カミやんも全て話したほうが良いと思うぜよ。」
「でも、美琴を巻き込まれたく無いんだよ!!」

「でもカミやん、それは自分勝手すぎないかにゃ。向こうもどれだけ心配しているのか考えて見るんぜよ。」
「そうだけどさ…」

「カミやん、いつまで先に延ばそうとしているんだにゃ。後になっていくほど大変なことになるぜよ。」
「分かったよ。全て美琴に言うよ。」

と言うと上条は美琴に全てを言いに行った。





 当麻達がシリアス全開ムードを出してる頃、トライアングルカップルは絶賛甘ったるい空気を振りまいていた。

「じゃあちょっと待ってて。今から着替えとか取ってくるから」
「着替え? どうしいだだっ!」
「真夜はいつまで経っても鈍感だな。明日、俺達とデート、まあお前にはデートって言ってなかったけど、一緒に出かけた方が面倒が無いだろ?」
「そうゆうこと♪ 真夜君、可愛いパジャマ持ってくるから期待しててね♪」

 そう言って茜川が自分の部屋へ戻っていくのを黙って見送る井ノ原ツインズ。
 真昼が前触れも無く腕を絡めてきたのを感じると、真夜はドキッとしながらも今後のことを相談する。

「あのさ、ねーちゃん。こ、こんな関係になったわけだけど父さんや母さんに報告したらどんな反応するかな?」
「ま、あの二人なら文句どころか大歓迎って感じだろ。真夜、我が家の家訓その8は何だ?」
「えっと、『惚れた相手は何が何でも幸せにしろ』だよね。……ああ、そうゆうことか。それなら父さんと母さんは文句言いそうに無いね」

 ちなみに井ノ原家は全員学園都市に住んでおり、井ノ原ツインズは両親と一緒に第八学区のマンションに住んでいるのだ。
 父親は科学者、母親は小学校の教師という真面目そうな家庭だが、真昼の育ち方を見ればそれが幻想だと一目で分かるだろう。
 そんなミニ情報はどうでもいいことなので話を戻すが、真昼はいつの間にか自分のことを名前で呼んでくれなくなった真夜に不満をぶつけた。

「ところで真夜。お前、俺のこと名前で呼んでねーよな。ちゃんと赤音みたいに名前で、真昼って呼べ。す、すっげー嬉しかったんだからさ」
「あ、うん、ゴメン。ねーちゃ……真昼さんがそう言ってくれるなら俺は何度だって真昼さんって呼ぶから」
「あ、ありがと……。でもってゆくゆくはだな、さん付けも止めるんだぞ。俺だけじゃない、赤音のこともな」
「それは……時間がかかるけど頑張ってみるよ。それが真昼さんのお願いなら尚更だね」

 サラッと嬉しい言葉を言ってくる真夜に、真昼は弟が『旗男』になりそうな予感がしたが真夜は当麻とは違うと結論付けて否定することに。
 そこへお泊りの準備を終えた茜川が戻ってきて、真昼が真夜と腕を組んでるのが羨ましくなり、自分も真夜の腕をギュッと抱き寄せる。

「あ、あの~、赤音さん、真昼さん。気持ちはすっごく嬉しいんだけど、歩きづらいから少し離れてくれるかな?」
「「ダーメッ♪」」
「あーもう我慢できへん!! そこのトライアングルカップル! ええ加減にせんかい!」

 いちゃついてるトライアングルカップルに業を煮やしてツッコミを入れたのは青ピ、横には黒子、後ろにはクラスメートがいるという配置だ。
 当麻、土御門、一方通行は病院、浜面は滝壺と、半蔵は郭と一緒に帰り、姫神と吹寄はまっすぐに寮へと帰ったのでここには居ない。

「青ピ! それにみんな! どうしてここにいるんだよ! ……まさかさっきの全部見てたのか?」
「当たり前やろ! ガサツで暴力モンのお姉ちゃんに虐げられとるだけの弟がこないな羨ましいシチュゴフッ!」
「真昼さんのことをガサツとか暴力者とか言うな! 次は本気で蹴るぞ!」

 デバガメを開き直る青ピに呆れる真夜だが、真昼のことを悪く言われたことに腹を立てると、丁寧に二人の腕を離した後で青ピの顎を蹴り上げる。
 本当ならここで黒子が怒るはずなのだが青ピが目の前の3人、というか真夜を羨ましいと言ったことに怒ってるので助けないが、ジャッジメントとしての責務を果たしにかかった。

「○○様への暴力は不問と致します。あの方にはいい薬ですので。ですが夜にそのようにいちゃつかれては風紀が乱れますの。大人しく黒子に捕まって下さいな」

 言うやいなや、黒子は金属矢をテレポートさせて真夜を地面に縫いつけようとしたが咄嗟に『瞬間超人』で動体視力と反射神経を50ずつ強化したことで回避に成功する。
 かわされたことに途惑う黒子の隙を突いて、真夜はすぐさま強化場所を変更、肉体耐久力と筋力を50ずつ強化させると、真昼と茜川を器用に抱きかかえるとその場を全速力で離脱した。

「待てーーーーーーーーーーーっ!!!!! この公認二股ヤローーーーーーーがーーーーーーっ!!!」×残りのデバガメ共

 嫉妬に身を委ね、トライアングルカップル(特に真夜)を狩ろうと追いかけるデバガメ達だが、強化されてる真夜の走りに結局誰一人追いつけない結果に。
 取り残された黒子は倒れてる青ピを彼の部屋へ運ぼうとしたが、寮監経由で対馬から帰宅命令が出たことで泣く泣く諦めることにした。
 その頃、一方通行、黄泉川、芳川において行かれた打ち止めは、最近懐き始めてるステイルを捕まえて彼らのいる病院に到着していた。



「やっと着いた、ってミサカはミサカは言ってみたり……って何このシリアスムード、ってミサカはミサカは来て早々ビックリいしたり。」
「土御門、一体何があったんだ?」

「それはカミやんが俺が月夜に言ったようにこっちの世界のことを全て御坂に言っているからにゃ。」
「そう言うことか。(おいおい、またこっちの世界のことを知る人が増えるのかよ…)それで、どうなるんだ?」

「今は分からないにゃ。とりあえず全て話し終わるまで待つにゃ。」
「そうだな。って話し終わったようだぞ。」

ステイルと土御門が話している途中で上条は美琴に全て話し終わった。

「カミやん御坂はどうすると言ったのにゃ?」
「美琴は、『私が知らない間に当麻が死んだりしたらいやだから、こっちの世界のことを知る』ってさ。」

「なんか俺が月夜に言ったことと同じ答えだにゃ。分かったぜよ。カミやん、診察が終わったら美琴と一緒に俺と付いて来て欲しいにゃ。初春も今この病院に居るからここで話す事になるけどにゃ。」
「あれ、飾利怪我でもしているのか?」

「そうだにゃ。あとカミやん、初春のことで何も言わないと誓えるかにゃ。」
「分かった。」

土御門は初春がどんな風になっているか秘密にするつもりだったが、美琴がこっちの世界を知るために仕方なく教えることになった。

「土御門、本当にあの女の状態を上条当麻に教えていいのか?」
「しかたないにゃ。それに、いずればれることだにゃ。」

「そうか。ところで土御門、合宿のとき、よくも僕のルーンを燃やしてくれたな。」
「にゃー!!」

土御門は、ステイルにルーンのことで追われることになった。

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