とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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 その頃の罰ゲーム会場のジャッジメントの訓練所、当麻達とエリハル弐号機はにらみ合っていた。
 いや、正しくはエリハル弐号機の外見を改めて観察してる当麻達をシェリーが待ってるだけだが。

「……なあカミやん、あれのどこが俺にそっくりなんだ?」
「いや、あの時はモトハルをただでっかくしただけだったんだけど、これは正直……」
「なんかグロいだろ、色々とよォ。綺麗に整ってる部分もあれば、化け物じみた部分もあって……怖ぇぞ」

 当麻、土御門、一方通行が引いてるのも無理ないことで、エリハル弐号機の外見はモトハルとエリスをごっちゃにしたまさに異形と呼べるもの。
 整ったモトハルの造型にエリスの醜悪とも呼べる造型が合わさったソレは、ホラー映画に出てくるゾンビを思わせる。

「あ、あれを元春がゾンビ化したものだと思うと戦いたくないよ、私」
「モトハル2ndはまた芸術性を感じたが、あれには全く芸術ってモンを感じねー! 悪趣味の塊だ!」
「やれやれ、芸術(アート)を解さない心ってのは哀れだねぇ浜面仕上。このアンバランスさの上に成り立った造型、これもまた芸術(アート)なのさ)。それに」

 浜面に対してそれはもう思いっきり哀れんだ視線を投げかけるシェリーは、更なる芸術を見せる為に指をパチンと鳴らす。
 すると、外見からは想像も出来ないことが当麻達の目の前で起きることに。

「ツキヨ、マイカ、メイド、イモウト、モエモエNYA~~~~~~~」
*1))

 モトハル弐号機が人の言葉を単語とはいえ話したことに罰ゲーム参加者の男共は揃って、労力の無駄だと思った。
 しかし月夜だけは土御門の胸倉を掴んで、自分の彼氏を睨みつける。

「土御門君、あれはどうゆうことか説明してもらうよ。さっきのゴーレムと同じであなたがモデルなんだから原因はあなたにあるんだよね?」
「ご、誤解にゃー! あれはきっとシェリーの悪ふざけぜよ! シェリー、あんたからも何とか言ってくれ!」
「まあモトハル2ndよりも触媒に使った血は多いからね。お前の深層心理に眠ってるモンが外側に出たってことだろ。それよりもそろそろ戦らせてもらうよ。こっちからね!」

 土白の痴話喧嘩、それに当麻達のノンビリ思考に飽きたシェリーがモトハル弐号機を作動させる。
 当麻達はモトハルクラスのスピードと思っていたので、今の状態なら何とか対処できる、そう考えていたのだがそれは甘いことを痛感する。

「「「「「え……? は、速っ!!!!!!」」」」」
「私がいつモトハルと同程度の速さを持つって言った? 言っとくがコイツはモトハル2ndよりも速いうえに、エリス以上のパワーを持ってるんだよ!」

 あっという間に間合いを詰めて拳を振り下ろすエリハル弐号機の攻撃をギリギリの所でかわすが、驚きを隠せない5人。
 さらにシェリーからエリハル弐号機の脅威のポテンシャルを聞いた5人は驚くと共に警戒を強める。
 しかしエリハル弐号機の本当の恐ろしさはそれだけでは無かった。

「それとあんたら忘れてないかい? エリハル弐号機はモトハル2ndと同じで土御門の血を触媒に使ってるってことをさ。これだけ言えばもう分かるだろ?」

 5人はゾッとした、目の前のゴーレムがモトハル2ndと同じで土御門の思考で戦うという事実に。
 エリハル弐号機が最初に目を付けた相手、それは逃げたのはいいが態勢が整っていない浜面だった。


しかしそこはかつてレベル5を拳銃で倒した男、何とか避ける。

ただし。

正確には避けきれておらず。
「グッガァアアアアアア!!!???」
肩を文字通り『砕かれた』。

「はまづら!?おのれこの露出女ぁああああああああ!!!!!!!」
結果として人生で『初めて』ぶちぎれた滝壺が、シェリーを攻撃対象とするとまずいということを忘れて。

自分が攻撃されることはないというシェリーの『幻想をぶち壊した』。

いつもの彼女からは信じられない、美しいまでの右ストレートがシェリーの頬をぶちのめし
ゴスロリ女を3メートルほど『吹き飛ばした』。

だが!自動制御のゴーレムは壊れない。

「なっ!?うそだろ?シェリーが気絶したので何で!?…ってうぉ!!」
上条はゴーレムの攻撃をかわす。

なぜこのゴーレムが動くのか。





土御門の血液が入り、自動制御をしているからである。



すなわち。
このゴーレムを倒すには、



コピー元、すなわち
メイド好きの金髪男を倒さねばならない。

上条達がこの事実に気がつき、土御門が逃亡を開始するまでジャスト1分!


「くそ!!あんなのどうすればいいンだァ!!」
「なあアクセラ、あれって土御門の血液が入っているんだよな。」

「って言うことは、土御門を倒せば良いのかァ?」
「そう言うい事じゃねーか。」

「じゃあ、土御門を倒すぞォ!!って、土御門どこ行った?」
上条と一方通行が協力し、土御門を倒そうとしたら。土御門は白雪と一緒に逃げてた。

「「土御門やつ、何処行った!!」」

上条と一方通行は土御門を探しに行った。



そのころ、土白はというと…

「あ、危なかったにゃ。」
「元春、私がいるのになんで逃げたの?」

「月夜、忘れたのかにゃ。あの二人が起こした出来事を。」

あの二人が起こしたこと。それは、あの二人だけでクラス全員をぶっ倒したことだ。
そして、あの二人にみんなが怯えていたことを。

「そ、そうだったね。上条君なんか私の能力効かないしね。」
白雪はあの時のことを思い出し。すこし恐くなった。

「だから、今は逃げるべきだにゃ。」
「そうだね。」

土白はあの二人には、勝てる気がしないので逃げることにした。
だが、逃げようとした方にエリハル弐号機がいた。


「「NYA~~~~~~~~~」」
「邪魔!!」

月夜がエリハル弐号機を氷らせる。
そして当然のごとく逃げる。

「「「そこかァァァあああああああああああああああああああ!!」」」

いつの間にかもう一人の主人公も起き出して後を追いかける。

「当麻の敵は私の敵♪」
「はまづらの仇……」

いつの間にか彼女達も動き出す。

「「ひぇぇぇえええええええええええええええええええ!!」」

偶然にも、二人が逃げた先は、常盤台の上琴反対集団の作戦会議をしている所だった。


 土白に襲い掛かる当麻と一方通行と浜面、さらに美琴と滝壺、彼らの頭にチームワークと仲間の文字は存在しなかった。
 土御門を助けたのは初春からの追加ルール放送だが、それは彼も含めて驚愕の内容ですぐさまジャッジメント訓練所に戻る羽目に(常盤台の生徒も命拾い)。

『仲間割れした場合、荷担した人も含めて全員繚乱家政女学校に行って一日研修してもらいますよー♪ もちろん男性の皆さんもメイド服ですからねー♪』
*2)))))
『罰ゲームを早く終らせたいのならそのエリハル弐号機さんを倒して下さい。それで罰ゲームは終了としますから♪』

 罰ゲームの残り時間1時間30分、目の前のゴーレムを倒すことで強制終了になると聞いて5人は俄然やる気になる。

(みんな俺を倒したところでゴーレムが停止すると思ってるとは……。あれは俺と形は似ていても全くの別物ぜよ。それで止まるなら俺が自分で気絶してるにゃー)

 土御門の考え通り、エリハル弐号機と土御門本人はリンクしておらずたとえ倒したとしてもそれは徒労にしかなっていなかったのだ。
 恋人がそんなことを思ってる間に月夜は氷の翼を活かした機動力でエリハル弐号機の背後を取ることに成功する。

「よし! 背後からの攻撃はいくら何でも元春の思考で動いたとしても……うそぉ!」
「ツキヨ…………、ダダ、ダテンシメイド、モエモエNYA~~~~~~~~」
「きゃああああああっ! び、びっくりしたよ~~~。私、もうあの大っきな元春と戦うの嫌だよ~~~」

 月夜が驚き、戦う意欲を失いかけるのも無理ないことでエリハル弐号機の首が『真後ろ』に回り、彼女を視界に捉えたのだ。
 しかも腕も関節を無視した殴り方をしてきて、もはや人間の動きを超えているのだが、自分への攻撃に躊躇みたいなものを月夜は感じていた。
 エリハル弐号機の一撃を氷の翼で防いだ月夜に代わって、当麻がエリハル弐号機へと突っ込んで行く。

「悪いけど俺の右手でそのふざけた幻想とデザイン、ぶち殺させてもらうぜ!」

 右腕を当麻に振るってきたエリハル弐号機に当麻はカウンターで右腕に触れ、一気に本体も破壊するつもりだ。
 しかし一方通行は何か違和感を感じ、少し考えると、合宿でエリスが見せた全壊回避方法を思い出す。

「上条待てェ! そいつは罠だ!」
「はぁ? 何言ってんだよアクセラ。これで全部終わりだっ!」
「マイカ、ゴホウシ、ウレシイNYA~~~~~~~~」

 当麻はちゃんとエリハル弐号機の動きに合わせてカウンターで右手を相手の右腕に当てた、そう、右腕だけには。
 エリハル弐号機はとっさの判断で当麻の『幻想殺し』の宿った右手に触れる前に、右腕を切り離して全壊を免れる。
 さらにエリスと違い、エリハル弐号機は砕けた右腕の欠片を残った左腕で撃ち出し、当麻を倒しにかかる。

「させっかよおおおおおおっ!」

 そこへ間一髪、一方通行がチョーカーのスイッチを入れてから両者の間に割って入ると、飛んできた右腕の欠片をベクトル反射で撃ち返し、エリハル弐号機を攻撃する。
 攻撃を受けて全体の三割を破壊されたエリハル弐号機は即座に距離を取り、高速で破壊された部分を修復にかかる。

「悪い、アクセラ。本当に助かったぜ」
「礼ならあのふざけた化けモン倒してから言え。浜面はとりあえず安全な場所まで運んでおいた。4人であいつを倒すぞ」
「でもどうするの? 修復はするし死角はあまり無さそうだし、おまけに速くてパワーもあって元春と同じ思考で戦うんだよ。そんな相手をどうやって……」
(確かに月夜の言う通りぜよ。アクセラはチョーカー使っちまって、おまけにこっちは浜面がいなくなって戦力ダウン。しかも相手は修復なんてするチート持ちぜよ。とどめは俺と同じ思考……俺と同じ?」

 浜面は無理をさせられない状態になったので実質4人でエリハル弐号機を相手にすることになった当麻達。
 しかしあと一時間半もあの怪物を相手にするのは体力的にも厳しいので倒して即終了を狙うしか無いのだ。
 土御門はエリハル弐号機が自分の思考で戦ってること、あのふざけ倒した叫び声、そして月夜への攻撃の僅かなタイムラグ、これらを結びつけて一つの案を閃く。

「アクセラ! とりあえずエリハル弐号機を思いっきり遠くへ吹っ飛ばせ! その間に作戦を伝えるからみんなも集まれ!」

 一方通行は土御門に言われた通り、エリハル弐号機を風のベクトルを操作してすぐに攻められない所まで吹っ飛ばした。
 その隙を突いて、土御門は当麻、一方通行、月夜に作戦内容を伝えると、それぞれに的確な指示を送った。
 ネセサリウスきってのトリックスター、土御門元春の本領が今ここに発揮される。



そのころ、初春の所に神裂達が戻って来た。

「火織お姉ちゃん。その二人は誰ですか?」
「飾利、この二人は土御門が言ってた新たなバカップルの一組の半蔵と郭です。」

「そうなのですか。あ、初めまして半蔵さん、郭さん。私は初春飾利と言います。」
「俺は半蔵で、こっちが郭な。ところで君達はみんなのどういう知り合いなんですか?」

「私は当麻お兄ちゃんの義妹なんです。」
「私は飾利の義姉であり、それと、上条当麻にも借りがあって。」

「僕も上条当麻にちょっとした借りがあってね。」
「私もステイルと神裂と同じく上条当麻に借りがあるんでね。」

「なんかみんな上条に借りがあるんですね。」
「まあな。」
「ところで二人はいつから付き合っているんですか?」

いきなり初春が聞いてきた。

「いや、俺達まだ付き合っていませんから!!」
「でも合宿の時に子作りをしていたと聞きましたけど。」

「してないから!!それは郭が勝手に服を脱ぎだそうとしただけで、」
「半蔵様、何言ってますの?あの時は子作りしましたじゃないですか。」
「何しても無いことを言ってるの!?」

半蔵と郭でまた揉め始めた。

「なんか郭さんて、木山先生と性格が似てませんか?」
「確かに、似ていますね。なんで人がいるのに気にしない人が分かりません。」

ちなみに神裂は、木山先生がよく服を脱ぐ事を初春から聞いているから知っているのだ。

「そんなことより当麻お兄ちゃん達はどうなっているでしょうか?」

初春がそんなことを言ってたとき、上条達は土御門が考えた作戦を実行していた。

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注釈

*1 ((無駄な機能だーーーーーっ!!!!

*2 (((((悪魔ーーーーーーーーっ!!!!