とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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 当麻が突進するのを受けて、エリハル弐号機は右腕を地面に叩きつけたかと思うと、土砂を当麻目掛け撃ち放つ。

「カミやん右に回避!」

 土御門の指令通りに当麻は土砂を完璧に回避、エリハル弐号機への突進を続行する。
 しかしエリハル弐号機はそれを読んでいたかのように、今度は左腕を地面に叩きつけて土砂を撃ち出そうとする。

「カミやんは一時停止! アクセラはカミやんの前に立って土砂を反射し続けろ!」
「了解だァ! さあ、どっちが先にギブアップすっか勝負といこうじゃねェか!」
「カミヤン、アクセラ、ハタオトコ、ロリモヤシ、ブッコロNYAーーーーーーーーーー!」

 自分と同じ思考で戦闘するエリハル弐号機の考えを先読みした土御門の前にエリハル弐号機の攻撃は通用しなくなる。
 焦りを見せたエリハル弐号機は両腕を使い、土砂を連続して撃ち出すが一方通行に反射されて僅かのダメージも与えられない。
 エリハル弐号機は気付かない、一方通行が『拮抗状態になるように土砂を反射』するようにわざと加減をしていることに。

「今だ月夜! そいつの両腕をぶった切れ!」
「オッケーーーーッ! せーーーのっ!」

 そこへエリハル弐号機の真上から急降下してきた月夜の氷の剣の斬撃がエリハル弐号機の両腕を見事に切断する。
 両腕を失ったことで今の状態は危険と判断したエリハル弐号機は距離を取って両腕を修復しようとしたが、それは叶わなかった。

「NYA????」
「無駄だよ。君の腕の切断面は今の私の攻撃で凍結してる。だからこれ以上の修復は出来ないよ♪」

 ゴーレムの腕の部分が別の物体で覆われてしまえば修復は出来ないと土御門は予想していたが、ここまで上手くいくとは予想外だったりする。
 冷静さを欠いたエリハル弐号機は転がった両腕の残骸を思いっきり蹴り飛ばし、即興の弾丸として使用したが、そんなものが当たるほど当麻達も甘い相手ではない。

「へっ! そんなやけっぱちの攻撃が当たるかよ! このまま一気に行くぜアクセラ!」
「分かってンよ! 体がバラバラにならねェように……ちょっと待てェ!」
「アクセラ、ナマイキ、ブッツブスNYAーーーーーーーーーー!」

 最後の仕上げに入ろうとした当麻と一方通行にエリハル弐号機のかかと落としが炸裂しようとしていた。
 ところがそれすらも想定の範囲内だった土御門は月夜だけに送っていたある指示を飛ばす。

「月夜! 今こそあの言葉をアイツに言ってやるにゃーーーーーーーっ!」
「(あ、あれには言いたくないけど……仕方ないか)元春だーーーーーいすきーーーーーーーーーっ!」
「NYA! ツキヨ、ダイスキ、ハッピーNYAAAAAAAAAA」

 月夜の叫びにかかと落としを中断してしまったエリハル弐号機はバランスを崩してフラフラしてしまう。
 しかしバランスを取ろうとしてあがくエリハル弐号機に驚く当麻達だが、とどめとばかりに何かが当たると完全にエリハル弐号機は地面に倒れた。

「へへっ! てめーらばっかにいいカッコさせねーぞ!」
「浜面! ナイスアシストぜよ! カミやん、アクセラ、決めちまえ!」

 エリハル弐号機を転倒させたのはグレネードガン(弾は特大のゴム弾)を構えた浜面だった。
 そして当麻は一方通行のベクトル操作で人間大砲として撃ち出されると一気にエリハル弐号機へと迫る。

「残念だったなデカブツ。てめえが土御門と同じ考えで動いてたとしても本物の頭の回転にはかなわねぇんだよ! そんで最後に覚えとけ! 俺達のチームワークは最強無敵ってなぁ!」

 エリハル弐号機が最後のあがきで倒れたまま蹴りを放つが一方通行に撃ち出された当麻を捉えることは出来なかった。
 巨大なゴーレムが最後に見たもの、それは傷だらけになりながらも瞳に強い輝きを湛え、右手を力いっぱい振り下ろす一人の少年の姿だった。

「……いつつ。浜面仕上の女、見た目よりもはるかに凶暴じゃないか。エリハル弐号機は土御門の頭脳の前に敗れ去る、か。皮肉な話だねぇ」

 その一部始終を見ていたのは滝壺の一撃を受けて気絶していたシェリーだが、性能実験としては満足していたので表情に翳りは見えなかった。
 罰ゲーム開始から4時間、エリハル弐号機の完全破壊により罰ゲームは終了の運びと相成った。
 エリハル弐号機を倒したことで土白、一方通行、浜面は気付かなかった、撃ち出された当麻が勢い余って地面に突き刺さっていることに。


「皆さん凄いです!!一時間でエリハル弐号機を倒しちゃうなんて!!」

初春は上条達がエリハル弐号機を倒したので近づいてきた。

「まあにゃ。これも俺のブレインのおかげだぜい。」
「そうですね。でも、土御門さん。こんなに頭がまわるなら、後で大変なことになると思いますけど?」

「どういうことだにゃ?」
「つまり土御門さんは頭がよくまわるから、いろんなことに利用されますよ。」

「そ、そうだにゃ。そんなことに利用されるにはごめんぜよ。」
「「「????」」」

土御門は初春が何を言いたいことが分かった。
要するに、こんなにも頭がまわれば、イギリス清教や学園都市の裏とかでよく利用されまくるため、休んで入れなくなりますよ。って初春は土御門に遠回しに言っているのだ。
そんな話をしていたら、美琴と滝壷も来た。

「はまづら凄い。肩が砕けていたのに。」
「まあな。でも、戦っている時は痛みを気にしなかったけど、終わると痛いな。」

浜面はこのあといつもの病院に行くことになるんだが、浜面が入院するとは知らなかった。

「そういえば当麻は?」
「「「「「「あっ……」」」」」」

美琴が言うまで(正直美琴も忘れてたが)みんなは忘れてた。

「カミやん何処にいるんだにゃ。」
「とりあえず探しましょ。」

ということで、土白、一方通行、浜滝、美琴、初春は上条を探しに行った。



「誰でせうか?こんなメールよこしたのは……」

上条は終わってから初春に携帯を返してもらい、その時ちょうどメールが来た。

(え~と、『卑怯者、さっさと一人でここに来い。』何じゃこりゃ?まあ、呼ばれたからには行くしかないか………)

こうして、上条当麻は誰にもバレずに指定場所に着くことにした。

「来ましたわね……」
「そうね、(相変わらず読めないやつ)それじゃ、殺っちゃって?」
「「「「「「「「「「「「分かりました」」」」」」」」」」」」

上条の戦力はどれ程のモノか分からない。だが、常盤台の上琴反対派が集まれば楽に勝てると思ったかだ。

「「「「「「「「「「「「はあああああああああああああああああ!!」」」」」」」」」」」」

常盤台の一斉攻撃、しかも四方八方から、上条さんピンチ!!








だが、そんな幻想を殺すのが上条当麻だ。

上条は器用な右手で全ての能力を打ち消してしまう。それがどんな能力でも。

「えーと…………帰っていいでせうか?」
「「「「「「「「「「「「ダメに決まっているでしょう!!」」」」」」」」」」」」

その後にも上条の批判的な言葉が続いた。
上条は思わず溜め息をついた、やれやれと思いながらも右手を空高くに付きだし、こう言ってやる。

「調子に乗ってるんじゃねェぞ、なんなら、今度はお前達ごと消してやろうか?」


ビクッ!!常盤台のお嬢様達はその言葉に思わず震えた。
何故なら、上条の能力の事をよく知らず、もしかしたらまだスゴいのが残ってるかも?と、思えてしまう。

「その殿方にそんなチカラはありませんわよ?」
「ん?」

上条が後ろを振り向くとそこに心理掌握がいた。


「君はあのときの心理掌握だよな。なぜそう言えるんだ?俺に能力が聞かないのに。」
「あなたに能力が聞かなくても、だいたいハッタリだと分かりますわ。」

「ハッタリじゃなかったらどうするんだ?」
「なら、私に触れてみてくださいよ。」

心理掌握は本気だった。

(まずい。あいつに触れても、触れるのを拒んでもそんな能力が無いってばれる!!)
「あれ、どうしたのですか?早く私に触れてくださいよ。触れられませんよね。なんせそんな能力なんて無いんですから。」

「そうだよ。確かにそんな能力なんかもってねーよ。」
「なら、私達の寮に来てもらいます。この状態なら逃げられないでしょうし。」
「わかったよ。」

上条はどう見ても逃げ道が無かったので仕方なく捕まることにした。
だが、上条はいつ何時か隙を探していた。
でもそんな隙は無く、常盤台の女子寮に連れて行かれた。

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