とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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 その頃、初春、神裂、建宮、シェリー、ステイル、インデックスは当麻の高校へと向かっていた。
 目的は先ほどの戦いの内容を収めた映像を小萌に届け、罰ゲーム終了を報告する為である。
 ちなみに浜面は滝壺、それに闇咲と一緒にカエル顔の医者の病院へ、半郭はデート、一方通行は打ち止めを迎えに行ったのでここには居ない。

「シェリーさん、病院行かなくていいんですか? 滝壺さんに殴られた所痛くなはわわわっ!」
「ん~♪ 飾利は本当に優しいね~。まあ、ちょっとは痛むけどこれくらいなら腫れる心配も無いだろうさ。それに今の私にはあんたが一番の特効薬だからね♪」
「……シェリー、どさくさに飾利に抱きつくなと何度言えば分かるのです? 体で教え込まないとダメなのですか?」

 往来の場だというのにまたしても喧嘩を始める二人と喧嘩の原因たる初春を置いて、インデックス、ステイル、建宮は歩いていた。
 建宮は先ほどのゴーレム性能実験の映像を、ちょっとした驚きを抱きながらチェックしていた。

「それにしてもシェリーのゴーレムも凄ぇけど、最後の上条当麻達のコンビネーション。即席にしてはなかなかのモノだったよな」
「彼らがあんな風にまとまって戦うなんてね。僕としてもあれはちょっと意外だったかな」
「みんな個性が強いし、まとまってないからそう見えるんだよ。でも、あんな風に連携が取れるようになったらとうま達はもっと強くなるかも」

 協力することはあってもあのようにコンビネーションをまともに組むことは無かった当麻達。
 エリハル弐号機との戦いで見せたコンビネーション、初めてにしては上手く機能していたとインデックス達は思った。
 そこへシェリーの腕の中から抜け出した初春が合流する。

「およ? 飾利姫、どうされたのよね? プリエステスとシェリーを置いてきちまって大丈夫よな?」
「平気ですよ。お二人は私達がどこに向かってるのか知ってますし、喧嘩も本気じゃないですから。喧嘩するほど仲がいいって言うじゃないですか♪」

 三人は揃って『それはちょっと違う……』と言いたかったが、初春の屈託の無い笑顔に何も言えなかった。

「シェリーさんの新しいゴーレムの性能テスト、当麻お兄ちゃん達のチームワークの強化、無事に成功しましたね♪」
「とうま達のチームワークの強化……? かざり、もしかしてそれも目的のうちだったの?」
「ええ。確かに皆さん、一人一人でも充分お強いです。でも個人差はあれど、一人で出来ることには限界があります」
「成程。その為に彼らがちゃんとチームとして動くように規制を設け、個人で倒せないレベルの相手を用意したというわけか。……君は本当に恐ろしいね」

 インデックスは初春の考えに驚き、建宮はそんな彼女に更なる敬意を評し、ステイルは将来のことを思い不安と期待を抱くことに。


「その話は後にしましょう。今はその映像を当麻お兄ちゃんの高校に届けて、遅めの昼食を摂らないといけませんから」
「はうっ! す、すっかり忘れてたんだよ! お昼ご飯、もう午後の一時を過ぎてるのに食べてないんだよ! お、思い出したらおなか、すいてきたんだよ……ガクッ」

 珍しく昼食のことを忘れていたインデックスは初春の言葉でそれを思い出すと、空腹でその場に倒れ込む。
 慌てたステイルは彼女を抱きかかえ、建宮からビデオカメラを引っ手繰る、それはもう強引に。

「ステイルさん、それを届けたら『喰わせ殺し』に来て下さい。先に待ってますから」
「分かった、すぐに合流しよう。頑張るんだインデックス、もう少しの辛抱だから!」

 初春はステイルのやろうとしていることを理解し、インデックスお気に入りの店『喰わせ殺し』に向かうことを告げた。
 ちなみに以前倒壊してしまった『喰わせ殺し』だったが、サバイバル合宿中にあっという間に建て直し、連日繁盛していた。

「じゃあ建宮さん、私達は先に『喰わせ殺し』に向かいましょうか」
「(こ、これは二人っきりというまたと無いチャンス!)か、飾利姫、わしの手を掴むのよ。はぐれては姫の一大事あだだだっ! ぐおっ! 目が! 目があああっ!」

 初春の手を握ろうとした建宮だが、いつのまにか喧嘩を終えた神裂にいつものようにワイヤーで拘束の後、シェリーのオイルパステルで目を突かれる羽目に。

「まったくこの男は油断も隙も無い。さあ飾利、お姉ちゃんと手を繋ぎましょう。私達は仲良し姉妹なのですから♪」
「神裂てめぇ! 飾利、私と手を繋いで歩こうか。あんたは私の大切な友人だからね。はぐれないようにしないとな♪」

 建宮に制裁を加えた連携の良さはどこへやら、またしても喧嘩を始める神裂とシェリー。
 初春はその様子をちょっと可笑しく思いながらも、笑顔で二人に対して両手を差し出した。

「火織お姉ちゃんは右手、シェリーさんは左手で。これなら喧嘩もしないでみんな仲良しさんです」

 両手を差し出してくる初春の笑顔に二人は毒気を抜かれ、目の前の少女の手をそれぞれ強く握った。
 こうして3人と拘束されたままの建宮は『喰わせ殺し』へと向かうのだった。



 一方、打ち止めを放っておいたことを申し訳なく思った一方通行は、マンションに彼女を迎えに行った。
 しかしそこに打ち止めはおらず、それどころか黄泉川も芳川も居ないという状況だった。

「ったく、アイツらどこ行ったァ? ……ン、メールか。誰から……ンだよ、黄泉川かよ」

 ちょうどそこへ黄泉川からメールが届いたので、一方通行は面倒に思いながらも同居人からのメールに目を通した。

【今、桔梗と打ち止めとメシ食ってる。罰ゲームが終ったのならすぐに来い。場所は『喰わせ殺し』じゃん。必ず金持って来い、以上!】
「必ず金持って来いって黄泉川のヤロウ、俺に奢らせる気満々じゃねーかァ! けどまあ、クソガキの詫びとしちゃ悪かねェな」

 こうして一方通行も『喰わせ殺し』に向かうことになったのだが、彼は慌てておらず、汗だらけの体をサッパリさせる為にシャワーを浴びるのだった。



そんなころ、真夜、茜川、真昼はというと…

「あの、そろそろ昼めし食いませんか?」
「あ、もうこんな時間!?時間って過ぎるの早いね。」
「ほんとだな。結局俺達って何時間ここにいたんだ?」

トライアングルカップルは今、真夜のベットの上で横になっているんだが、それがもう五時間以上もここにいて、いちゃついていたのだ。

「昼めしは外でするか。」
「じゃあ外で食うとして、どこにするか?」

「じゃあ月夜ちゃんのお祝いパーティした『喰わせ殺し』にしない。」
「そこでいっか。じゃあ二人とも行こう。」

という事で、トライアングルカップルも『喰わせ殺し』に向かった。


「何か久々にのんびりしたよね、俺達」
「まーな。つーかさ、真夜が頑張るからいけねーんだぞ。せっかく恋人になったってのにお前も赤音も……」
「真昼ちゃんの言いたいことも分かるよ。私達の能力強化、それと真夜君自体を鍛えるのに手一杯だったもんね、ここんところ」

 『喰わせ殺し』へ向かう途中、トライアングルカップルは自分達の最近のライフスタイルについて思い返していた。
 学校では相変わらず真夜に対する異常なまでの嫉妬の視線が強いが、真昼と茜川が心底怖いので何もしてこないのは幸せなことだった。
 トライアングルカップルの最近の日課、それは自分自身を鍛える真夜の手伝い&真夜と茜川の能力強化に勤しむという、甘い恋人生活とは縁遠いものだった。

「おかげで俺もちょっとは強くなってきた感じはするし、赤音さんも能力の使い方の幅が増えたからね。木山先生には感謝しないと」
「そうだよねー。ちゃんと私達の能力のことを考えてくれて、トレーニングメニュー組んでくれたもの。あんないい先生はそうはいないよ」
「いつか木山先生にはお礼しないとね。……ところで真昼さんはどうして機嫌が悪いの?」

 木山を褒める真夜と茜川に不満を持った真昼、顔には出していないつもりだったが双子の弟で最愛の恋人にはバレていたようだ。

「んだよ二人して木山先生ばっかり……。俺だってお前らときゃんっ!」
「ゴメンね真昼さん。真昼さんにもすっごく感謝してる。文句言わずに俺の組み手の相手してくれたり、赤音さんの能力使用実験の相手もしてくれて」
「わ、分かってんなら、そ、それでいい……。あんがとな真夜」

 そっと抱きしめられて不意に女の子らしい声を上げた真昼に、心からの感謝を告げる真夜。
 顔を赤くしながらお礼(抱きしめられたことも含む)を言う真昼にドキッとした真夜だが、後ろからクイクイッっと服を引っ張られてることに気付く。

「あ、赤音さん?」
「真昼ちゃんばっかりずるい。私も真夜君に抱きしめて欲しいなー」
「そ、そっか、ごめん。赤音さんもいつもありがとう。俺のワガママに付き合ってくれて」

 最初は真昼と茜川の積極性に途惑っていた真夜だったが、彼女達の気持ちに全て応える為と考えたら慣れてきてしまった、あくまで最初と比べてだが。
 真夜が茜川から離れると、真昼は右から、茜川は左から腕を絡めてくるが、真夜はあるがままを受け入れる。

「俺さ、もっともっと強くなる。それで真昼さんも赤音さんも守れるようになるから」
「やれやれ、すっかり逞しくなっちまったなー。でもま、そんなお前だから惚れただけどな、俺達は。愛してるぞ、真夜」
「こうして日に日に強くなってる真夜君を見るたびに私達の目に狂いは無かったって思えるよねー。毎日カッコよくなってるし♪ 愛してるよ、真夜君」
「ありがとう二人とも。愛してるよ、真昼さん、赤音さん」

 こうして今日、何十回目の愛の言葉を囁くと、トライアングルカップルは幸せムード全開で『喰わせ殺し』への道を歩き続ける。



そのころ、上琴は新居で合流していた。

「なあ美琴こ、の荷物置いたら昼にするか。」
「そうね。でも食材は無いから外で食う事になるけど。」

「じゃあ、『喰わせ殺し』にするか。なんか一番近そうだし。」
「そうね。行きましょ。」

という事で上琴も『喰わせ殺し』に行く事になった。



そのころ、黒子はというと…

「二人とも。もう今日は終わっていいよ」
「「分かりました。」」

と固法に言われたので今は黒子と絹旗と一緒にいる。

「にしても、AIMジャマーが効かない能力者がいるなんて。」
「まだ超考えていたのですか?確かにAIMジャマーが効かないなんて超ありえないですけど。すこしは考えるのを超やめて、昼にしましょ。飾利に一緒に『喰わせ殺し』で食べないかって超言われているんです。」

「そうですわね。それに初春なら知っているかもしれませんし。」
「そういうことなら早く『喰わせ殺し』に行きましょ。」
「そのまえに○○様にメールしないと。」

黒子は青ピに『『喰わせ殺し』で食いますけど来ますよね?』とメールを打って送信した。
そして一分もかからず青ピから『もちろんやで』と返ってきた。

「メールも終わったので、行きますか。」
と黒子が言うと二人は『喰わせ殺し』に向かった。

また、浜滝以外の土白、半郭も『喰わせ殺し』に向かっていた。



そのころ、建宮から無理やりビデオカメラを捕ったステイルとインデックスはというと…


「これに今回の上条当麻達の罰ゲーム内容が入ってます。時間は4時間と長丁場でしたが、ちゃんと罰にはなってるので安心して下さい」
「わかりましたー。……ところでステイルちゃん、何だかソワソワしてませんか? それにインデックスちゃんもグッタリしてて……」

 罰ゲーム内容を撮ったカメラを渡すステイルの様子がいつもと違い落ち着いておらず、インデックスが元気無く彼の腕の中にいるインデックスを見た小萌。
 小萌に理由を尋ねられたステイルは急ぐ気持ちを抑えて、目の前の合法ロリ教師に事情を話す。

「そうだったですか、それは一大事ですね。しかたありませんねー、ここは先生が一肌脱いで上げましょう! 二人を車で送って行ってあげますー」
「本当ですか! それは助かります! 良かったなインデックス! 『喰わせ殺し』に早く着けるぞ!」
「そ、それは、ほ、本当にラッキー、なんだよ……。じゃ、じゃあステイル、こもえ、着いたら、教えて……ガクッ」

 渡りに船状態になったステイルとインデックス、こうゆう所は当麻と違って運がある。
 そこへ今日はトライアングルカップルが居なくて暇をしていた木山がやって来て、驚きの提案をする。

「ならついでに『喰わせ殺し』でその罰ゲームをみんなで見ようじゃないか。食事を摂りつつ罰ゲームの内容も確認できる、まさに一石二鳥だ」

 その提案に異を唱えたのはステイルで小萌にインデックスを預けると、先に『喰わせ殺し』に向かうように促す。
 小萌がインデックスと一緒に車で出て行くのを確認した後で、ステイルは木山に詰め寄った。

「一般市民がいる店であの映像を見せるなんて冗談じゃない! 君は魔術の秘匿を軽く見ているのか!」
「それこそ杞憂だ。ここは学園都市。どんなに非常識なことが映し出されたとしても全て能力で片が付く。魔術を思わせる言葉を使いさえしなければな」
「……確かに一理ある。いいだろう、君の言うことを信じよう。問題があるとすればその映像を撮っていたのが建宮ということくらいか」

 木山の言い分に納得したステイルだが、撮っていたのが建宮だということを思い出して別の心配をし始める。
 それを聞いた木山はステイルが何を心配しているのかすぐに理解した。

「どさくさに紛れて初春も撮っているだろうな、間違いなく」
「さっき軽くチェックしたが、戦闘場面はしっかり撮れていたよ。彼女が映ってるとしても自然な感じで撮ってるはずだ」
「なら安心だ。私はそちらの方に興味があるからな。月詠先生達は車で『喰わせ殺し』に向かっていたな。なら私達も急ぐぞ」

 こうしてステイルは新たに木山を伴い、彼女の車で『喰わせ殺し』へと向かうことに。
 木山提案による罰ゲーム内容上映というサプライズイベントを携えて。



 一方、美琴の惚気話を聞かされた婚后は彼女と別れた後、仲良しの泡浮と湾内が待っているというある場所へ向かっていた。

「泡浮さんも湾内さんも物好きですわね。ですが、たまには庶民の味というのも悪く有りませんわ。名前が『喰わせ殺し』というのは些か不安ですが……」


「まあ、とりあえず行って見ませんか?」
「そうですわね。それでは行きましょうか。」

婚后と泡浮と湾内は『喰わせ殺し』に向かった。



そろころ佐天も『喰わせ殺し』に向かっていた。

「やばい、遅れたら飾利になんて言われるか。」

佐天は昨日初春に『食わせ殺し』で食べることにしていたんだが、朝学校に呼ばれ、それが終わった後ころにはもう一時を指していたのだ。
だから、今走っているんだが、

「「痛っ!!」」

佐天は誰かにぶつかった。

「だ、大丈夫ですか?」
「大丈夫です。ってあなた、どこかで見たような。ウィリアム見覚えありませんか?」

ぶつかったのは第三王女ヴィリアンであり、その隣にいたのはウィリアム=オルウェルだった。

「ああ、パーティの時にいた子である。たしか…」
「佐天です。ところでなんで二人が日本にいるのですか?」

「まあ、少し時間が出来たものでちょっと日本に来ましたの。」
「そう言うことである。ところで君はなんで急いでいたんである?」

「友達と昼を食べる約束していたもので、ちょっと時間に間に合わそうじゃないので走っていたのです。」
「なら私達も行っても良いか?」

「別に良いですけど、店は一般の店ですよ。大丈夫ですか?」
「ヴィリアン、別に構わんよな。」
「構いませんよ。じゃあ、行きますか。」

という事でヴィリアンとウィリアムも佐天と一緒に『食わせ殺し』に向かった。

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