とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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そんなことを話していたら、店長が上琴の個室に入ってきた。

「初春さん、準備が出来ましたので地下の多目的ホールに来てください。」
「分かりました。じゃあ、みんなを連れてきますね。」

と言うと、店長は個室を出た。

「飾利、準備が出来たって何のこと?」
「今日、当麻お兄ちゃん達がやった罰ゲームのビデオ上映会のことですけど?」

「え、こんな所で見せていいの?」
「いえ、見せるのは関係者だけですけど。まあ、白井さんとかにも見せますが。」

「黒子とかに見せていいの?」
「それはこちらで何とかしますので大丈夫ですよ。」

「そうなの。当麻、じゃあそっちに行かない?」
「そうしますか。」

「じゃあ私はみんなを呼んでから行きますね。」
という事で、上琴は先に地下の多目的ホールへ、初春とヴィリアンはみんなを呼ぶ為に隣の個室に向った。


「みなさーん! 見せたいものがありますので地下に行きますよー♪」
「見せたいもの?」
「午前中に行われた当麻お兄ちゃん、土御門さん、白雪さん、一方通行さん、巻き込まれた浜面さんの愉快痛快罰ゲームです♪」

 この個室のカオス状態も、初春の面白そうなイベント発表に解除されることに。
 しかし中には見せても大丈夫なのかと思う面々も居たが、そこは木山が小声でフォローする。

「心配は要らないさ。シェリーという魔術師のゴーレムだが、サイコキネシスの応用ってことで誤魔化しは効く。大事にはならないさ」
「う~ん、そう言ってしまえば納得出来るんですけど……分かりました。ここにいる皆さんご案内ってことで行きますね」

 木山の言うことを信じて、魔術と無関係の人間も巻き込んでの罰ゲーム上映会を決意する初春。
 初春は皆を先導中、青黒、その場にいた婚后、泡浮、湾内にも声をかけて合流することに。

「飾利、心配はいりません。万が一が起きたらお姉ちゃんが力技で誤魔化しますから」
「ケッ、聖人サマともあろうお方が力技とか言うなよ。こんな脳筋に任せなくても飾利の憂いは私が全部払ってやるからさ♪」
「……本来、私は人を殺しはしませんが貴女だけは別にします、今決めました。シェリー、遺言を今すぐ書きなさい。そうしたら」
「ダメですーーーっ! シェリーさんも火織お姉ちゃんも喧嘩しないで下さーーーいっ!」

 初春と両サイドから手を繋いで喧嘩をするという器用な真似をする神裂とシェリーを、いとも簡単に止めた初春。
 小さな少女に感心を示したのはウィリアム、そして妙に目を輝かせてるヴィリアンだった。

「ふむ、あの少女、魔術師二人を上手くコントロールしているのである。将来が有望と思わんかヴィリアン……ヴィリアン?」
「ウィリアム、私、生まれて初めて『妹』が欲しいって心から思いました!」
「……ヴィリアン、どうしたのであるか? もしかして『妹』とはあの少女を指しているのか?」
「当たり前です! そもそも私は末っ子でしかも姉達はあんなんですよ! 初春のような『妹』に癒しを求めたっていいじゃないですか!」

 ウィリアムはヴィリアンの二人の姉(特にキャーリサ)を思い出し、彼女がそんなことを言うのも分からなくは無いと考えることに。
 初春飾利、二人目の『お姉ちゃん』が出来ることになるのだが、それは上映会後のことである。

「あなたの愉快痛快な所が見られるなんてうれしいなーってミサカはミサカはワクワクしてみる!」
「そンなにはしゃいでっと身ィ持たねェぞ。編集してねェだろうから4時間の長丁場だ。ところで黄泉川と芳川はどうしたァ?」
「あの二人なら酔いつぶれて個室で寝てるよってミサカはミサカは報告した後で4時間もあるの! って驚いてみたり!」

 ウィリアムの肩から降りた(決して飽きてはいない)打ち止めは一方通行と手を繋いで歩いている。
 黄泉川と芳川、教師なのに昼間っから酔い潰れてすでに夢の中である。

「当麻兄さん達の罰ゲームかー。どんなのか楽しみだね最愛♪」
「確かにお兄ちゃんの活躍も超興味ありますが、それよりも浜面がどんな面白いことをやってくれたのかも超楽しみです」

 佐天と絹旗は純粋に罰ゲームがどんなものか興味があるのでとても楽しみにしている。

「半蔵様、私達はあの化け物が倒される所からしか見てませんから、その前に何があったのか気になりませんか?」
「まあな。しっかし外の能力者ってのはどいつもこいつもデタラメだよな……」

 郭も佐天や絹旗同様に、純粋に罰ゲームに興味を持っていたが、半蔵はエリハル弐号機を直接目にし、闇咲とも交戦したので学園都市以外の能力者に興味を持つ。

「インデックス、僕は皆と地下に行ってさっきの罰ゲームを見ようかと思うけど君はどうする?」
「わたしはもう少しお腹を満たしてから行くんだよ。そもそもその罰ゲームは一度見て、完璧に記憶してるからもう一度見る必要は無いかも」
「ステイルちゃん、シスターちゃんのことは私に任せてください。この子を連れて後で行きますから」

 インデックスは『完全記憶能力』のおかげで罰ゲームの一部始終を完璧に記憶しているので、地下には皆と一緒ではなく後で行くことに。
 ステイルはインデックスが残るなら残ろうと思ったが、小萌が残ることを受けて先に向かうことに。



「上条は俺が脱臼させちまったせいで遠泳やんなかったからな。あれくらいキツイ罰ゲームじゃねえと俺は納得しねーぞ」
「真昼ちゃん、私達ずーっと真夜君のウエイト代わりやってたから遠泳やってないでしょ……。真夜君、私達のせいで大変じゃなかった?」
「全然そんなことないよ。赤音さんも真昼さんも軽かったし、その、や、柔らかかったし」

 照れながらも素直な感想を言った真夜に嬉しくなった真昼と赤音、絡めてる腕にさらに力を入れる。
 そのトライアングルカップルの後ろを歩いているのは土白、そして木山だがここは真面目な話をしている、意外にも。

「木山先生、いいんですか? あの3人って魔術と無関係ですよ。それでシェリーさんのゴーレムを見せるのって……」
「ここは学園都市、ああゆう能力者が少数は居るのだと納得して終るはずだ。それに私はあの三人には見せておきたくてね、彼らの後学の為にも」
「やれやれ、こんな時でも教え子のことを思うなんざ、木山先生はホントに立派だぜい(ま、ゴーレムなら誤魔化しはいくらでも利くから問題無いぜよ)」

 その後ろには料理を持って歩いている青黒の姿が。

「どのような罰ゲームが見られるのか楽しみですわね○○様」
「せやな。ま、ボクが参加せんでもええような罰ゲームやったら更にええんやけど」

 最後尾には婚后、泡浮、湾内が歩いているが、ここでちょっとした事件が起きることに。

「湾内さん、お急ぎになって。早くしないて置いていかれますわよ」
「待ってください婚后さん。ちょっとテーブルに忘れ物をキャッ!」
「いってーなー! どこ見て歩いてんだおじょーちゃんよー! ゲッ、服が汚れちまったじゃねーか! 責任取れよコラァ!」
「ひっ……! ご、ごめんなさい!」

 湾内が柄の悪い客とぶつかって、一悶着起きてしまう。
 泡浮がオタオタする中、婚后は勇敢にも助けに入る。

「ちょっとそこのあなた。この婚后光子の友人にいちゃもんを付けるとはいい度胸ですわね。わたくし見てましたのよ。あなたの方からわざとぶつかって来たことに」
「んだとこのガキ! ってよく見たらその制服、常盤台じゃねぇか! こいつはめっけもんだぜ!」

 男がそう言うといつの間にか近くまで来ていた仲間が婚后の左腕をひねり上げる。

「あうっ! こ、この、卑怯ですわよ!(右手の自由は残ってますわ。これなら『空力使い(エアロハンド)』も使えますわね。隙を見て……)」
「何とでも言いやがれ。俺に左腕極められてて何か出来るとか思ってウガッ!」

 婚后が隙を窺っている内に、自分の腕を締め上げている男が突然崩れ落ちた。
 後ろに立っていたのは騒ぎが気になって戻っていた真夜だが、まだ安心していないのか真昼にあることを尋ねる。

「真昼さん! こっちに敵意を持って来てる人って何人こっちに向かって来てる?」
「3人だ! 3人ともバカ正直に真夜の後ろから狙って来てるぜ。真夜に向けられた『敵意』のベクトルが丸見えだっつーの!」

 真夜と赤音の特訓に付き合っていたおかげで、真昼も『線形視認(ベクトルドライバー)』が磨かれて『相手の感情』のベクトルが見えるように。
 真昼の言葉を受けて、同じく残っていた土御門、黒子、月夜が迅速に動き、それぞれ人に見えないように武器を突きつける。

「はーいお客さーん。ここは店内ぜよ。騒ぎを大きくするのはいただけないにゃー。……それとも胃に風穴開けられたいか?」
「ジャッジメントとしてではなく彼女達の友人として忠告します。これ以上ふざけた真似をするならこの金属矢を脳天にテレポートしますわよ♪」
「ねえ、君。みんなが楽しくご飯を食べてるのにそんなことしちゃいけないよ。大人しく帰ってくれるなら刺したりしないから安心して♪ 暴れるなら……分かるよね?」

 男達は拳銃、金属矢、氷の短剣という脅しにびびり、気絶してる仲間、そして湾内にインネンを付けていた男と一緒に逃げ出すのだった(料金は律儀に払って)。
 泡浮、湾内は助けてくれた土御門、黒子、月夜にお礼を言っていたが、婚后だけは頼んでもいないのに助けられたことに腹を立てて真夜に突っかかる。


「ちょっとそこのあなた、助けてくれって言ってませんよ。」
「別に助かったんだからいいだろ。」

「そうですけど、私はこれを仮だと思いませんわよ。」
「そんなことどうでもいいんだよ。お前が無事ならば。」

「はいはい、そこで喧嘩してないで行きますよ。」
と白雪に言われたので婚后は突っかかるのをやめて、多目的ホールに向った。



そのころ、先に向かっていた上琴はと言うと…

「当麻、どこに座る?」
「とりあえず見やすい所がいいかな。」

「じゃあ、あそこにしましょ。」
上琴は、自分達が座る席の場所を決めていた。
そして、上琴が席を決め終わって数分後、みんなが入ってきた。


 地下の多目的ホールだが、色々と凄いことになっていた。
 シートもシングル専用、カップル専用、グループ専用と客層に合わせてほぼ一通り揃っている。
 一番の驚きは天井から『ゴゴゴゴ……』と音を立てながら降りてきた料理の数々だ。

「なんか何でも有りって感じがするな、この店」
「そうね……」

 上琴はカップル専用シートに座りながら(当麻の膝の上に美琴状態)『喰わせ殺し』の底知れないポテンシャルに驚いていた。
 ちなみにシングル専用シートを使ってるのは木山と建宮(泣く泣くだが)とステイルだけで、後はカップル専用もしくはグループ専用シートに座っていた。
 カップル専用シートではそれぞれにいちゃつけるように座り方を工夫しているのだが、その中でトライアングルカップルはやはりちょっと変わっていた。

「じゃあ俺が真夜の膝の上で、赤音が真夜に抱きつく形で座るとすっか」
「賛成ー♪ 本当は真夜君の膝枕で寝転がりながら見たかったけどそれじゃあ迷惑だもんね」
「(本当はこの時点で結構周りに迷惑かかってるって言えないよな……)二人とも、あんまり暴れないようにね」
「「はーい♪」」

 トライアングルカップルで舵を上手く取っている真夜をイライラしながら見てるのは先ほど助けられた婚后。

「何ですの、あの方は! あのように人前でベタベタされるままになさってるだなんて! この婚后光子を仮にも助けた殿方があのような……!」
「あの~婚后さん、他にもいちゃつかれている方々もいらっしゃるのですから気になさらない方がいいと思いますわよ?」
「き、気になどしておりませんわ! わたくしはあの殿方にもっとシャンとして欲しいというだけで、別に、き、気になってるとかそんなのでは……」

 婚后が一人であたふたしてると多目的ホールに初春の声で放送が入る。
 実は初春、この多目的ホールではなく『喰わせ殺し』の管制室で罰ゲーム内容上映会の運営に当たっているのだ。

『ようこそみなさんおいでくださいました。ただ今から『とある高校の愉快痛快ときどき残酷罰ゲーム♪』上映会を始めまーす!』
『この映像は編集もしていないので4時間の長丁場ですのでリラックスして、料理を食べながら、カップルの方達はいちゃつきながら観て下さい』

 初春の仕切りっぷりを知っている面々は驚かずに聞いているが、初めての面々は彼女の見た目に反した仕切りのテンションに驚いていた。

『上映前に注意事項をいくつか挙げます。この映像、結構過激なシーンとかありますので心臓の弱い方は注意して下さいねー。怖いものが苦手な方も覚悟して下さい♪』

 罰ゲーム体験者と観戦していた者達は初春の言っていることに納得していたが、これが初見の者達は期待半分不安半分な気持ちに。

『最後にここで暴れたり、店内破壊をしないで下さいねー♪ 分かってる人は分かると思いますけど、やっちゃった人はお仕置きですから。ちなみに今回はこの二人です♪』
『皆さん、くれぐれも店側への迷惑になる行為、ならびに飾利を怒らせるような行為は控えるようにして下さい。五体満足では帰しませんよ?』
『いいかてめぇら、私の芸術を笑ったら半殺し。飾利を困らせたらミンチにするぞ。静かに見ろとは言わねぇが、大人しくするんだぞ』

 お仕置き担当が神裂とシェリーだと分かるとクリスマスパーティーに参加した者達は前よりは少しはマシだと思うことに。

『では今から罰ゲーム上映を開始します。最後までお付き合い下さい』

 初春がそう言うと部屋の中が少し暗くなり、前方に映画館クラスのスクリーンが現れると罰ゲームのもようが映し出された。

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