とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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その頃、一方通行達はと言うと……


「くんくん・・・なんか他の女の人の匂いがするよってミサカはミサカは浮気を疑ってみたり」
「・・・・・・ンなわけねェだろォ(めんどくせェ事になりやがったァ)」

結構大変だった

「じゃあ、この袖についている血は何?ってミサカはミサカは質問してみる」
「・・・・・・これはさっき上で食った時についたトマトソースだろォ」
「この二点から、女の人が襲われているのを見て、助けたらその人に惚れられちゃったか、
または、逆ナンされて、いろいろあってその人が初めてで・・・」
「どっちも違ェよ!!!!!!!!!(なんて勘の良いやつなんだァ?後半は違ェけど)」

「じゃあ、違うって証拠を見せて?」
「ったくしゃァねェな・・・」
チュッ(もちろんおでこに)


「あ、あくせられーたのばか~ってミサカはミサカはふにゃけてみる~」

打ち止めがかなりヤバい。
顔なんかもう真っ赤にして今にも湯気が出そうである。

「ロリコンか……」
「うっせェ、リアルロリコンには言われたかないなァ?」
「貴様、それはどういう意味である?」
「騎士団長から上条経由で聞いたぜェ?第三王女が大人になったとたん不意なアプローチを申し込んだんだってなァ?
ロリコンってのは愛でるものなんですねェ?」

ウィリアムは黙って何処からともなく聖剣アスカロンを取り出す。

「殺されたいのであるか?」
「イイゼェ、いつぞやの決着をココで着けますかァ?」

ちなみに、喋りながら移動していた為人気のない夜の道である。
ここは学生や教師が住む住宅街?近くなのでもう就寝して外に出ることは無いだろう。

「ウィリアム――――」
「安心しろ、直ぐに終わるのである。」

「頑張れー!!」
「アァ?アイツの情けない様を見せてやるゼェ!!」



今、元祖ロリコンと新星ロリコンが交差する――――


「ではこちらからいかせてもらうのである!!」

ウィリアムは右手を拳にすると一方通行の腹を狙う。
だが、一方通行はそんなもの簡単に反射させる。
だがそこは聖人と言うべきか、骨折どころかアザ一つない。

「コンナモノですかァ?ンなモンで俺に牙向いてるンじゃネェよ」
「こんなもので勝敗など決まることは無いのである。」
「オッサン、いい歳してありえもしない幻想見てンじゃネェヨォ!!」

(学園都市の最強はあらゆるベクトル……つまり方向であるが……それを操ると聞いたのである。
ならば、これはどうだ?)

ウィリアムは己のストレートを一方通行の左腕に――――











ギリギリの所で当てずに引き戻す。

「ガァッ!?うがァァァあああああああああああああああああああ!?」

折れた。確実に。
聖人の拳を受けたのだ。無事に済むはずがない。

「これで終わりであるか?つまらん」
「ナニいってンですかァこのオッサン?オレにはまだ、カッコイイ右手があるンだよォ!!」
「貴様、幻想殺しのファンであるか?」
「……………………………………………………黙ってろオッサン」

否定はしなかった。


 そこからは一方通行が一方的にウィリアムにやられるという、何とも痛ましい展開に。
 一方通行も当麻、垣根などの強者と戦った経験もあるが、ウィリアムの戦闘における経験はそれらを遥かに凌駕する。
 傭兵として、聖人として幾多の激戦を潜り抜けて来た『強さ』、それがウィリアムと一方通行の差として現れているのだ。

「はァ、はァ、はァ、く、クッソがァ……」
「もう止すのである。貴様のその姿、我はこれ以上見るに堪えないのだ。貴様の強さも根性も認めよう、だからもう休むのである」
「ケッ……! 上から、か、語ってンじゃねェぞォ……! 俺は、て、てめェをた、倒さねェとき、気がす、済まねェんだよォ……」

 ウィリアムは目の前の少年の見た目に反した根性に感心はするが、ボロボロになっても向かってくる姿には痛ましい以外の感情は湧かなかった。
 一方通行は戦う切っ掛けなどすっかり忘れ、目の前の男を倒す、そのことだけに集中していたがふと、打ち止めの方に視線をやる。

(……はっ、何泣きそうなツラしてやがンだ。てめェは笑ってる方が似合ってンだよォ。笑えよ、いつもの太陽みたいな笑顔でよォ)
「貴様はあの少女の顔を曇らせてまでまだ戦うというのか? あの子の為を思うならここで負けを認めるのである」

 ウィリアムの言葉に打ち止めの顔を泣き顔にさせそうにしていたのが自分自身だと気付かされた一方通行は、弱りかけていた心に強く火を灯した。
 そして先ほどとは比べ物にならない強い意志を湛えた瞳をした一方通行に、ウィリアムもまた最後まで手を抜かないことを決意するとアスカロンを構え直す。

「そうか。貴様が戦う理由はあの少女なのだな。いいだろう! 貴様の覚悟、確かに見せてもらった。敬意を表して全力の一撃で貴様を沈めるのである!」

 ウィリアムが大地を疾駆し、自分目掛けてアスカロンを振り下ろす間のわずかの時間で一方通行は考える、目の前の男を倒せる手段を。

(こいつに反射は通用しねェ。黒翼……いや、それでも足りねェ。俺が今欲しいのは翼じゃねェ、あらゆる理不尽をぶっ飛ばすアイツのような右手だ! ソイツを俺なりにアレンジしてやンよォ!)

 そして一方通行はイメージする、自分の右腕に自分なりの当麻への憧れを象徴するような新しい力を。

「ォォォおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!」

 ウィリアムは一方通行が咆哮を上げると同時に顕現させた黒翼に驚くと、攻めるのを止めて即座に防御に移る。
 その判断は正しく、黒翼であっという間に距離を詰めてきた一方通行にカウンターで強烈な一撃をもらって大ダメージを負っていたのだから。
 そしてアスカロンを盾に一方通行の攻撃を受けるが、それはウィリアムにとって予想外のものだった。

「ぬぐっ! グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」

 ウィリアムは吹き飛ばされたのだ、防御したにも関わらず、総重量200kgを誇るアスカロンを軋ませるほどの一撃を喰らって。
 5メートルほど吹き飛ばされてようやく踏みとどまったウィリアムは、一方通行の『今の姿』に驚いていた。

「背中に黒い翼、そして右腕は黒き悪魔の腕……。まるで堕天使を思わせる風貌であるな。不覚にも美しいとさえ思ってしまった」
「……ケッ、何が美しいンだ。こンなのただの醜い化けモンじゃねェか。てめェの美的センスは最悪ですかァ?」
「(なんと! あのような姿にも関わらず正気を保っているとは……)我には貴様が一人の人間の少女に恋をし、その少女を守る為に全てを捨てて地上に堕ちた天使に見える。そう自分を卑下するものでは無い、貴様はその姿を誇るべきである」

 ウィリアムは自分でも柄にも無いことを言っていると思ってはいるが、それでも今の一方通行の姿にはそう思わせる何かがあった。
 それは打ち止めもヴィリアンも同じで、一方通行の姿にある種の美というものを感じていた。

「ヴィリアン、安全な場所まで離れているのである。今から我はこやつを殺す気で戦う。それでようやく気絶に追い込めるレベルだろうからな」
「……勝って下さい、ウィリアム。私のウィリアムはいつだって強いのですから」
「クソガキ、てめェもあの女と一緒に下がってろ。黄泉川と芳川の回収も忘れンなよ。……安心しろ、絶対あいつを倒すからよォ」
「ミサカはいつだってあなたのことを信じてるよってミサカはミサカはあなたの無事だけを祈ってる」

 打ち止めとヴィリアンの二人は、この騒ぎでも寝ている黄泉川と芳川を抱えて戦いの邪魔にならない場所まで移動する。
 周りに誰もいなくなったことを確認すると、一方通行とウィリアムはそれぞれに構え直す。


「どうやらてめェにも負けられねェ理由ってモンがあるようだなァ。そろそろ決着付けようぜ。どっちが上かをよォ!!」
「望む所である! 我の強さと貴様の強さ、どちらが勝っているか、白黒ハッキリと付けようではないか!」

 一方通行の悪魔を思わせる異質な形へと変化した黒き右腕とウィリアムのアスカロンの一撃が大気を震わせ、本人達を軽く吹き飛ばす。
 もともとの理由を完全に忘れた二人の死闘は今ここに最終局面を迎えるのだった。


「こっから先は一方通行だ!!スクラップにしてやるよォ!!」
「いいだろう!!貴様の力を褒め称え、それを絶望へと代えてやろう!!」
「望む所だゼェ?ロリコン!!」
「貴様だけには言われたくはないな。ロリコン!!」

ウィリアムがアスカロンを構えたその時、





一方通行の黒き翼と黒き悪魔の腕が百メートル位まで跳ね上がった。

「なっ!?」

住宅街と言ってもかなり広い道路があるから建物に被害はない。そして一方的にやっている時に人払いをはったから車にも被害はないだろう。物理的には。だが、

その黒き翼と黒き悪魔の腕は物理的など関係なく全てをねじ曲げる様に見えた。
「ひゃはは………」
「はは………」





嬉しい。守るための力を使うのは今までとは違う達成感があった。



嬉しい。黒き翼と黒き悪魔の腕を持つ少年の成長には微笑ましいものがあった。


だから、



この勝負だけは負けられないものがあった。

「「うォォォおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!」」

世界最強の二人は次の瞬間、右手にある力を互いに、思いっきりぶつけ合った。


~~~~~~~~

その道路はめちゃくちゃだった。所々に怪物の爪跡が残っている。
勝負は結局引き分けだった。しかし二人は何か充実感を得た。

勝負のきっかけはただの口喧嘩だと言うことも忘れて。
そんな事を言ってるうちに離れていた二人が近づいてきた。

「ウィリアムのバカ、バカバカバカ!!いつもいつも勝手に決めていまい、勝手にどっかに行ってしまうじゃありませんか!!」
「すまないのである………」
「でも、そんなウィリアムが大好きです……!!」

第三王女ヴィリアンは自分だけの王子様に優しい口付けをした。



「バッカじゃないの!?今回はあの死ななかったからいいけど、死んでたらどうしてたの!!ってミサカはミサカはあなたを罵倒してみる!!」
「泣いてンじゃねェよ。お前は笑ってた方が何十倍も良いんだからよォ……」
「だってだって!!あなたにって、んん………!?」

一方通行は思わず愛しの姫の唇に自分の唇を押し付けた―――――


その後は言うまでもないが二人とも付き添いと一緒に病院へ強制送還。やれやれである。
ちなみに、道に転がっている二人の教師が朝になってから騒ぎだすのだが知ったこっちゃない。

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