とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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「浜面は魔術についてなにか知ってるのか?」
「私の報告書では、ロシアで共にウィリアム…後方のアックアですが、行動してたと書いてありました。」
「あの人も魔術師なわけ?」

「正確に言えば……何なんでしょう?元傭兵で現在は神の右席の一人、さらには聖人、魔術師の活動もしていたようですよ」
「「???????」」
「レッサー、この二人は魔術用語なんか解らないんだぞ。
まずは聖人かな、普通の人間よりあらゆる身体能力が上、才能なんか余らせる程ある。神裂もそうだな。
次に神の右席だが……神に匹敵する魔術を扱い人間には使えない魔術を操れる。その代わり、普通の魔術が使えないらしいけど、
あっ、アックアは特異体質で使えるらしいぞ」

「「「………………」」」

「ちょっと待て!!なんだその反応は!?」
「いや、当麻からペラペラと解説される日が来るとは思わなくて……」
「いや、私は超ついていけなくて……」
「私はただ単に成長したな……と思いまして」

「なんだその扱いは!?」
「…………何の話してるんだ?」
「あっ、本題超忘れてました。」


「浜面、お前アックアが何か能力みたいなものを使ってたのを見たことないか?」
「アックア………………………………?あー!!あのヘリを串刺しにした人か!!」
そんなことしたのかよ!!と皆心の中で突っ込む。

「ん?もしかしてパーティーに来ていたウィリアムと同一人物だったりする?」「思いっきり同一人物」
「そっかー!!名前違うから違う人かと思った!!ってうぎゃー!!お礼も言ってねー!!」

「名前の件だが秋葉原で会ったとき俺はアックアって言ったはずだぞ?」
「秋葉原………?うぎゃあああああああああああ!!俺は命の恩人の顔を忘れてたのか!?俺は人間失格だあああああああああああ!!」

そんな時浜面のマイエンジェルが同じように慰めに入る

「はまづら大丈夫だよ。私も今の今まで忘れてたから」
「滝壺おおおおおおおおおおおおおおお!!」

「ああ、さっきから話が超脱線しっぱなしです………」


 そして本題に戻り、絹旗はウィリアムの能力云々について説明をしたいから一緒に来て欲しいと浜滝に頼む。
 ウィリアムに改めてロシアでの御礼が言いたかった浜滝は絹旗の申し出を受け入れた。

「まあ能力とかは別に気にしちゃいねーんだけど恩人にお礼くらいは言っとかねーとな」
「わたしにとってもはまづらにとってもうぃりあむは恩人。だからキチンを感謝の言葉を伝えたい」

 この二人にとってはウィリアムが見せた能力とかは大した問題ではないようだ。
 そして時刻は8時40分、集合時間まではまだ余裕もあるので6人は準備を済ませた後で少しの間、まったりと過ごすことを決めるのだった。



 その頃のインデックス達の勤める教会の食堂、そこには朝食を食べ終えた初春が食器を洗っていた。
 ただし一人ではなく、かといってステイルは食後の一服堪能中なので該当はしない、つまり別の人物である。

「飾利姫、わざわざ後片付けを手伝って頂く必要は無いのよね。そりゃあまあ、本音を言えば感謝感激雨あられなわけだけど……。姫にはゆっくりして欲しいのよ」
「いえいえ。これは美味しい朝食を作ってくれた建宮さんへのせめてもの感謝の表れです。だから気にする必要は無いんですよ♪」
「……でもそれがほぼ毎日とあってはやはり申し訳が無いのもまた事実よな。どこぞの未成年ヘビースモーカーも一度くらいは手伝っても罰は当たらんのよ」

 ここ最近の教会の食事担当は建宮だが、あくまで初春がここで寝泊りするようになってからの押しかけである。
 しかし腕の方はかなりのもので、これも当麻の高校の食堂で働くようになってから身に付いた技術なのだ。
 そこへ嫌味を言われたステイルはやや不満げな表情でキッチンへと入ってきた(煙草は彼の携帯用灰皿で処分して)。

「悪かったね。僕としても一度くらいは手伝おうと思ってるよ。でも初春が手伝ってくれるんだ、気を利かせてるつもりだけどね?」
「バッ、馬鹿なことを! 気を遣うとかそんなことする必要は無用なのよな! というかお前さん、話題を摩り替えるな! たまには飾利姫に代わって」
「私なら平気ですよ建宮さん、ステイルさん。それに私、建宮さんと洗い物をするのって好きですから♪」

 初春の何気ない一言にキョトンとする建宮とステイル、ややあって二人の表情に驚きが見え始めた。
 ステイルはこれを夢と錯覚し始め、建宮は天にも昇るような幸福を感じていたが、初春が続けて現実に引き戻す発言をする。

「なんか建宮さんと洗い物してるとお父さんとコミュニケーション取ってる気がして楽しいんですよ♪」

 初春の『お父さん』のフレーズにステイルも建宮もあっという間に現実に引き戻され、建宮はガッカリしながらも今のひと時を楽しむことに。
 しかしステイルは初春の楽しそうな表情が気になり、自分でもおかしなことを聞くとは思いつつも尋ねることを止められなかった。

「ねえ初春。建宮のことだけど本当に父親みたいとしか思っていないのかい?」
「そうですよ♪」

 初春のきっぱりとした言い方、それ以上追求を許さない笑顔にステイルはそれ以上は聞けなかった。
 そして後片付けも見事に終了させた初春と建宮はステイルと一緒に教会へど戻るのだった。



 時を同じくして初春、神裂、シェリーが寝泊りしている部屋でようやく神裂とシェリーが目覚めると、

「「飾利が居ないっ!!!!」」

 大声でこんなことを叫ぶのだが、これはもはや日常化されたものだったりする。


「「飾利ー!!」」
「きゃー!!」

そんな叫び声をバックにしながら魔術師二人は優雅なトークタイムに突入する。
「やれやれ、今日もかい?」
「全くなのよね、プリエステスのレズぐせも何とかしてほしいのよね」
「神裂が男に惚れるなんて一生に一度しかないだろうね。」
「そうなのよね、いやー上条当麻は本当にスゴいのよね」
「アイツならまた旗をたて直すじゃないかな?」
「何故か上条当麻ならまたやるかも知れんのよね。」

その内、上条は一方通行と浜面と一緒にまた事件に巻き込まれるのだが、その時にまた、旗が取れた女全員にたて直すなんてこの二人は知らない。



こちらとあるレベル5と聖人がいる病室、

ブーッブーッブーッ

突如携帯が鳴り、それが切っ掛けで起き出すヴィリアン。

「んー……」
「起きたであるか?」
「あっウィリアム!!もう大丈夫なのですか!?」
「大丈夫である。今日で退院である。」
「よ、良かった…」

そう言いながらヘナヘナと崩れ落ちるヴィリアン、だが携帯が鳴っていることに気付きすぐさま電話にでる。


「はい、どちら様ですか?」
『初春飾利です』
「ああ、メイドで妹で花飾りの!!」
『………すいません「花飾り」は馴れてるんですがメイドは振り替えって見ると黒歴史みたいな物なので突っ込んではほしくなかったんですけど……』
「すいません、とても失礼な事を言ってしまいまして……」
『あっいいえ!!お気になさらないでください!!』

さすが人徳の才能をもつヴィリアン、初春も自分のペースがなかなか取れない。

『それで本題なんですけど、そこに一方通行さん居ます?』
「ええ、居ますけど?」
『すいませんがこれから一方通行さんと教会……あっ魔術関係者がいるところのですよ?そこに来ていただけませんか?』
「わかりました、それでは……」

電話を切るとウィリアムと一方通行に直ぐ様内容を伝えて、了解を得た。
………最近の初春怖いもんな……
打ち止めはまだ寝ているので一方通行がおぶることになった。
ヴィリアン達はこうして病室を後にした。

数分後の病室

「おや?もう行ったのか……折角新しいチョーカーを渡そうと思ったのに……まあ、今度の機会にしようか……」

そう言うとカエル医者は妹達の調整をしに行くため病室を後にした。



「もしもし木山だが」
『木山先生おはようございます。初春です』
「ああ君か。こんな朝早く珍しいな。何かあったのか?」
『ええ。実は科学側の人間で魔術の存在を知ってる人達を集めて話があるんですけど』

 初春から連絡を受けた木山は少し考えた後で条件付きではあるが了承することに。

「構わないぞ。ただ、私も用事があるからな。そうだな、出来ることなら昼までには終らせてもらいたいんだが出来るかい?」
『お昼までなら大丈夫だと思います。じゃあ10時にインデックスさん達の教会まで来て下さい。待ってますから』

 木山は初春からの電話が切れたことを確認した後で、身支度を整え始める。

「さて。私が来るまでは井ノ原姉弟と茜川には自主練習をしてもらうとするか。彼らならサボる心配は無いから安心だしな」



『もしもし土御門さんですか? 初春ですけど生きてますかー』
「その挨拶は色々とツッコミ所が満載だがとりあえず生きてるとだけ報告するぜい。で、何用かにゃー?」
『白雪さんと一緒にインデックスさん達の教会に来て下さい。理由は土御門さんなら言うまでも無く分かると思いますけど♪』
「あー、魔術絡みかにゃー。まあ、今日はヒマしてるし問題ないぜい。気になるのは集まる理由だけど話してくれるかにゃー?」

 初春はレッサーのこと、そのレッサーが魔術側の事情を知っている科学側の人間の調査をしていることを話す(集合時間も忘れずに)。
 土御門は自分なりの情報網で知っている『新たなる光』、ならびにレッサーのことを考えた上で初春に告げた。

「『新たなる光』は魔術結社レベルの力は持ってるがあえて結社予備軍に甘んじてる点では油断は出来ないにゃー。そのレッサーという魔術師も然りぜよ」
『それなら大丈夫です。ネセサリウス側の魔術師の皆さんにも集まってもらうように声をかけてますから。いざという時に実力行使できるように♪』
「……初春ちゃん、ホントにたくましくなられて。けどま、こちらは了解ぜよ。月夜を連れて10時までには行くようにするですたい」

 初春からの電話を切った後で、シャワーを浴びて戻ってきた月夜が疑いの眼差しを向ける。

「元春、誰からの電話だったのか説明してもらうよ」
「初春ちゃんからぜよ。俺とお前に魔術絡みの用事があるから来て欲しいってな。というかその浮気を疑ってる視線は傷つくぜよ!」
「え? 私そんな視線送ってたの? ごめん、無意識みたい……。でも初春ちゃんなら心配する必要は全く無いね♪」

 土御門は『初春ちゃんなら』のフレーズについての追求は出来なかった、怖いから。
 その後、土御門は月夜に用事の内容を話し終えると、出かける為の準備を始めるのだった。



「もしもし! 誰よ! 今ちょっと立て込んでるんだけど!」
『あ、おはようございます結標さん。初春ですけど』
「ああ、あんたか。で、こんな朝っぱらから何の用よ?」

 朝も早くから学園都市をとある事情で駆け回ってる結標に初春からの連絡が入る。
 しかしそれどころではないので手短に話を済ませようと話を急かす。

『実は魔術側の事情を知っている科学側の人たちに集まってもらいたいんですけど、結標さんは来てくれますか?』
「悪い無理! 今、往生際の悪いバカを追っててそれ所じゃないから! もし落ち着いたならまた連絡するから!」
「おい淡希何をしてる! エツァリを早く捕まえるぞ!」
「まあそうゆうわけだから切るね!」

 初春の返答を待たずに結標は電話を切り、ショチトルと一緒にエツァリの捜索を再開させるのだった。
 ちなみにエツァリが結標とショチトルから逃げてる理由、それはショチトルと同居が嫌だというかなりしょうもないものだったりする。



 ようやく自分の心当たりのある『科学側で魔術側の事情を知っている人間』全てに連絡を終えた初春は一息ついた。

「お疲れ様でした飾利。私の方も他の天草式学園都市支部のメンバーに集合をかけたので時間までには来てくれるでしょう」
「ホントに飾利はいい子だなー♪ こんな友達を持って私も鼻が高いってもんだ」
「う~~~~~~っ! だから二人とも、事あるごとに頭を撫でるの止めて下さ~~~い!」

 初春の横では神裂とシェリーがベッタリで、彼女の頭を優しく、しかし遠慮なく撫で回している。
 そんな光景は食傷気味のステイルと心の底から羨ましいと思ってる建宮は黙って見ていることしか出来ない、二人が怖いから。
 しかし建宮はあることが気になって、勇気を出して神裂に尋ねた。

「そういえばプリエステス。先ほど天草式学園都市支部のメンバーにと仰ってたよな。まさか五和にも来るように指示を?」
「まあ、気は進みませんでしたがあの子一人だけ仲間外れというのも可哀想ですから。仮に暴れたとしても五和を抑えることなど、集まるメンバーを考えれば造作もありません」
(確かに我ら天草式、ステイル、シェリー、アックア、それにバカップル達がいればいくら五和といえども……そういえば)

 五和が上琴を顔を合わせることに嫌な予感しか感じていない建宮だったが、集まるメンバーを思い返して余計な心配をするのを止めた。
 その時、何かを忘れていたことを思い出し、今度は初春にそのことを尋ねた。

「飾利姫。闇咲には連絡を?」
「闇咲さんなら昨日の内に集まってもらうように頼んでますよ。それに集合時間変更もバッチリ伝えてますから安心して下さい」

 建宮はネセサリウスの新入り、闇咲にまで情報が及んでいるか心配していたが初春の回答を聞いて安心することに。
 そんな中、ステイルは何かを思い出すように考え込んでいた。

「ステイルどうしたんだい? 何か心配事でもあるのか?」
「……いや、他にも呼ぶべき人間が居たような気がするんだ。それがどうにも思い出せなくてね」
「思い出せないってのはそんなに重要じゃないってことだろ? だったら無理に思い出す必要も無いのさ」

 シェリーの言葉でステイルは考えるのを止めた、それはもうきれいサッパリ。



「むっ」
「どうかしたですか姫神ちゃん?」
「今。何か。大事なものを失ったような。気がする」

 ステイルにスッパリと忘れられた少女、それが幸福か否か、それは当の本人にも分からないことである。



 時刻は9時20分、教会に朝食をたらふく食べたインデックス、そして闇咲が入ってきた。

「おはようなんだよみんなー。あれ? まだとうま達は来てないの?」
「まだ少し早いですよインデックス。とりあえず歯を磨いてきてはどうですか?」
「分かったんだよ」

 インデックスは神裂に言われるままに洗面所へ向かい、エチケットとして歯磨きをすることに。
 闇咲は困ったように自分のスーツのポケットから包みを取り出すと、それをジッと眺めていた。

「闇咲さん、それは?」
「これか? 先生に頼まれてね。白い少年に渡さなくてはいけないとても大事なものらしい」

 誤解の無いように言っておくが、闇咲はカエル顔の医者の病院に暮らしてるわけではなく、初春の用意した病院から遠くないマンションで暮らしている。
 しかし彼の大切な『彼女』のお見舞いはほとんど毎日しているあたり、見た目によらずマメな男である。
 今日も朝早くから『彼女』に顔を見せた後でカエル顔の医者に頼まれ、一方通行に渡す物(新型の電極)を託された運びなのだ。



 その頃、一打とウィリアムとヴィリアンは教会へと歩みを進めていた(打ち止めはまだ寝てる)。
 そんな中、ヴィリアンは集まりの目的以前のかなりほのぼの(?)とした悩みを打ち明ける。

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