とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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一方協会では


「オイ、上条」
「なんだよアクセラ?」
「ここは教会なンだよなァ?」
「何当たり前のこと言ってるんだ?」
「………………………………」

一方通行は悩んでいたようだった。かなり真剣に。

「どうしたんだよアクセラ?」
「何でもネェよ……」

というわりには何かを小さな声で言っている。上条は耳の全神経を使って聞いてみた。

「(……ここは教会の人間がアレだしなァ……未成年ヘビースモーカーやら露出ババアやら、だいたいここにはまともな人間がいネェよ。教育上よろしくネェだろ……)」

何言ってんだコイツは?と思ったがすぐ解決できた。打ち止めの教育のことだ。そのことを言ってるに違いない。

(うーん、ここはどう言っておくべきか……友人として?何となく父親のポジションとして言ってやるべきか……)

上条、何故変な所で悩むのだ。
二人がそんなのんきな事を考えているところに

「うっせえんだよド素人がッッッ!!」

一方通行にとある聖人が襲い掛かった。


「何すンだてめェ! 危ねェだろ!」
「誰が露出ババアだ! 知ったような口を利くな! この格好は術式を組むのに有効なだけです! 分かるんですか、あなたなんかに一体何が! エロいと勝手に揶揄されて、結婚適齢期過ぎたような年齢と言われる私の苦しみが!」
(分かンねェって軽く言える雰囲気じゃねェな……。もしかしてコイツの地雷踏んじまったンですかァ? つーかよくあンな小声で聞こえたな……)

 神裂はまだ理性があったのか『唯閃』ではなく『七閃』で襲い掛かった、ただし五和の時と違って本気で斬り刻む気で。
 しかし一方通行もさる者で、咄嗟に電極のスイッチをONにして『七閃』をベクトル操作で弾いた。
 一方通行は自分の呟きが聞こえた神裂に驚いたが、視力8.0を誇る聖人なので聞こえても何の不思議も無い。

「そこになおりなさい! あなたの人生、この『唯閃』で綺麗サッパリ断ち切って上げます!」
「「「「プリエステス、ストーーーーップ!!」」」」
「離しなさい! 建宮、五和、対馬、浦上!」

 神裂が七天七刀を抜刀しようとした瞬間、慌てて建宮、五和、対馬、浦上の天草式メンバーが取り押さえるが、それでも彼女の怒りは収まる気配を見せない。
 ウィリアムでさえ口出しできない状態だが、こんな時に神裂を大人しくさせることが出来るただ一人の人物が恐れる事無く彼女の前に立つ。

「ダメですよ火織お姉ちゃん。ここは教会ですしさっきも言ったじゃないですか、暴力はいけませんって。とりあえず理由くらいは聞かせてくれますか?」
「か、飾利……」

 初春の登場で神裂は力を抜くと、これ以上暴れる気を完全に失くし、小声で一方通行が言っていたことを伝えた。
 それを聞いた初春は一方通行に対して微笑んだ後で、一方通行に対してビッと人差し指を突きつける。

「一方通行さん、火織お姉ちゃんに謝って下さい。露出ババアとかまともじゃないとかそんな酷いこと言うなんて最低です! アホ毛ちゃんを見て下さい!」
「あァ? クソガキがどうした……うっ」
「女性に向かってそんなこと言うなんてサイテーのクズだってミサカはミサカはあなたの人でなしな神経を疑ってみたり」

 一方通行が絶句するのも無理ないことで、打ち止めは彼をまるで汚物でも見るかのような蔑みの視線を送っていた。
 しかも打ち止めだけでなく周囲の者(気絶中のレッサー以外)も一方通行に対する視線は厳しい。

「とにかく今回は一方通行さんが全面的に悪いです。ちゃんと火織お姉ちゃんに謝って下さい! さもないと」
「……ンだよ。 ど、どうなるってンだァ?」

 電極のスイッチをOFFにした後で一方通行は初春に謝らなかった場合、どうなるか一応尋ねてみる(謝る気はあるが)。
 初春の耳打ちを聞いていた一方通行は驚愕の表情、そこから大量の油汗を流し、顔色は蒼ざめ、最後はガタガタ震え出すと、見事な土下座で謝った。

「スンマセンッシタァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!!」

 付き合いの長い当麻達でさえ見せた事の無い一方通行の土下座に、神裂もさすがに許すことに。
 土下座を終えた一方通行に当麻達が何を言われたのか気になったが、口を割ることは死ぬまでなかったという。

「大丈夫ですよ火織お姉ちゃん♪ 私は火織お姉ちゃんのことを悪く言いませんし、いつだって火織お姉ちゃんの味方ですからねー」
「ありがとう、本当にありがとう、飾利。私のことを分かってるくれるのは貴女だけです。あなたのような人が妹になってくれて本当に良かった……」

 初春に抱きつかれ、さらには頭を優しく撫でられてる神裂を羨ましく見るシェリーと建宮だが、今回は事情が事情なので特別に黙って見守ることに。
 神裂が元通りになった後で今度は一方通行がガタガタ震え出してしまうという困った事態に。

「……飾利。アクセラの奴も何とかしてくれねーかな? このままじゃ話し合い所じゃ無くなるんだけど……」
「いくら当麻お兄ちゃんの頼みでもそれは聞きたくありません。それにレッサーさんが気絶中ですからしばらくはそのままでいいんじゃないですか♪」

 初春を頼れなくなった当麻達は、恐怖に怯える一方通行をどうにかしていつもの彼に戻そうと奮起することに。


「アクセラ、とりあえずそと出るか?」

一方通行はガタガタ震えながらもうなずいた。

「……なあ、アクセラ?飾利に何言われたんだ?」

ガタガタ震えながらも何かを考えていたが、口を開いた。

「地獄行きだとよォ……」

そんなんでお前がビビるか?と聞こうとしたが止めた。
多分だが一方通行のトラウマがある場所なのだろう。初春のネットワーク技術を使えばそんな所あっという間に見つけ出せるだろう。
こりゃ後で飾利に説教だなと思いつつも上条は話しかけてみた。

「お前の地獄はどんなものかは分からない、それはお前にとって辛い場所何だろうけどアイツだって本気じゃないだろ」
「あの女が言うと冗談通じねェよ……」
「確かに……でもアイツはさ、わざわざ自分から危険をおかしてこっちに入ってきたんだろ?それなりの覚悟はあると思う。
だから何がどうとか分からなくてやり過ぎちまうことだってあると思うんだ。
そこんとこは勘弁してやってくれ」

一方通行はしばらく黙っていたが口が開くと

「ハッナニ言ってンだよオマエハァ?闇も知らないくせに生意気言ってンじゃネェぞ!!」

そこに学園都市最強がすっかり元通りになっていた。

「わかったわかった、それじゃ戻るぞ」


 戻ってきた当麻は早速、初春を説教しようと彼女を呼ぼうとするが神裂をまだあやしてるので声をかけずに手招きで呼びつける。
 それに気付いた初春は神裂に何か色々と言った後で、当麻の所へと駆けつけた。

「悪いな飾利、急に呼びつけたりして。神裂の方はもういいのか?」
「はい。火織お姉ちゃんも元気になったからもういいですよねって言ったら離れてくれました」

 それから当麻は初春に一方通行に対して言ったこと(あくまで当麻の推論)に対しての注意を促した。
 初春はレッサーや他の人間のように力でどうにかするのはマズイので言葉だけの説教をする当麻。
 ところが初春はキョトンとしており、当麻も彼女の態度が妙だと感じていた。

「えっと、当麻お兄ちゃん? 確かに私、一方通行さんの情報はある程度は集めてますけどそれをどうにかするつもり無いですよ?」
「ち、違うのか? え、でもアイツ地獄行きとかそんなこと言ってたぞ……」
「地獄、ですか。ああ、あそこのことですね。じゃあその説明も踏まえて私が一方通行さんにしようとしたこと、特別に当麻お兄ちゃんに教えてあげます♪」

 そう言うと初春は当麻を引っ張って教会の隅っこへと移動し、デジタルカメラを見せた。
 映っていたのはクリスマスの時のカナミンコス、タキシード、打ち止めとのファーストキス、月夜の胸を揉んだこと、決定的な愛の言葉を言った時のもの。
 それだけでなくヴァーチャル結婚式での一方通行の晴れ姿も映っていた。

「一方通行さんが言っていた地獄というのはヴァーチャル結婚式を挙げた教会のことですね。私はただこの映像をPVにして学園都市中に流すって言っただけです♪」
「じゃあアクセラが地獄行きって言ってたのは……?」
「一方通行さんのヴァーチャル結婚式を再現することですよ。学園都市限定で生中継のおまけ付きで♪」

 ちなみに一打がヴァーチャル結婚式が行われた教会はこの教会ではなく、別の教会だったりする(理由:一方通行が嫌がったから)。
 当麻は呆れた、一方通行が怯えた理由とか何もかもに。

「あー、ご、ゴメンな飾利。勝手な勘違いして。でもあんまりやり過ぎないようにな。俺も美琴も他の皆も心配するからさ」
「大丈夫ですよ。少なくとも当麻お兄ちゃんが最初に言っていたようなことは皆さんにはしませんから♪ 一方通行さんにしようとしたことは分かりませんけどね」
「……出来ればそっちの方も控えめにしてくれると助かるな、うん」

 初春の屈託の無い笑顔に当麻はこの義妹を敵に回すのは止めようと固く誓った後で、一方通行の所へ向かうと彼の頭を叩いた。

「あだっ! て、てめェ何しやがンだァ!」
「何が闇だ! 何が地獄行きだ! いちいち紛らわしい言い方すんじゃねぇ!」
「アホかてめェ! 俺にとっちゃアレも闇で、あそこも地獄同然なンだよォ!」

 ギャーギャー騒ぎ出した当麻と一方通行を呆れた様子で周囲の者達は見守っていた。
 するとそこにステイルが姫神を連れて戻ってきた。

「あれ? まだ始まっていないのかい? というか当の魔術師は気絶してて上条当麻は一方通行と喧嘩って何やってるんだか……」
「ここが。本当に。私の輝けるステージなの?」
「いや、そんなことは言ってないから。ただ僕らが把握してる魔術側の事情を知ってる人間を集めて話をするだけだからね」

 姫神がすっとぼけたことを言ってるがステイルは軽く流した、疲れるから。
 そこでようやく姫神とステイルの存在に気付いた当麻が酷い言葉を姫神限定で投げかける。

「なあステイル、どうして姫神を連れてきたんだ? 姫神は無関係だろ?」


「君は忘れたのか?錬金術師の時のことを。」
「あ、そうだった。」

当麻は、なぜステイルが姫神を連れてきたのか分かった。
ちなみに当麻の言葉を聞いた姫神はみんなに聞こえないくらいの声で『どうせ。私なんか…』などとそんなことを言ってて落ち込んでいた。

「そういえば姫神、お前はどのくらい魔術のことについて知っているんだ?」
「私は。魔術のことはそんなに知らない。けど。錬金術のことくらいなら知っている。」
姫神はさっきまで落ち込んでいたが、当麻が魔術のことについて聞いてきたのですぐに元に戻っていた。

「そうか。ところでステイル、これで全員か?」
「多分な。でも呼んだ当の本人が気絶しているから、始まるのはもうちょっと後だろう。」

「そうだな。じゃあ、俺は美琴のところにいるから。」
当麻はそういうと、美琴のところに向かった。



そのころ浜滝はウィリアムに近づき、ウィリアムにロシアで助けてもらったことでお礼をしていた。


「あの時は本当にお世話になったも関わらず、パーティーの時は何も礼も言わずにスイマセンでした!!」
「ごめんなさい」
「自分が手伝いたいから手伝っただけである。それにこちらも良いものを見せてもらったのである。」
「いいや、こっちの気がすまねえ!!何か礼をさせてくれ!!何でもする!!」

「なら一つ頼みがある。私がピンチになったら駆けつけてほしい。」
「はいぃぃぃ!!喜んで駆けつけさせて頂きます!!」

この返答にウィリアムは少し驚いた。確かにこの少年は幻想殺しの少年とは違う強さがある。が、基本的にそこら辺にいる人間とそう代わらないのである。
しかし言ってしまったものは仕方ない。それに自分がピンチになることなどならないだろうから訂正は求めなかった。
だがこの約束がそのうち役にたつことに。

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