とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

13-11

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匿名ユーザー

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 寮監が当麻達を連れて戻ってきたことで、青ピがどうゆうわけか安堵した表情を浮かべた。
 気になった当麻達は青ピに寮監に聞こえないように何があったのか尋ねる。

「あー、やっとカミやん達が来てくれたー。ボク一人はさすがにしんどいわ……」
「しんどいって青ピ、お前寮監さんと楽しそうに話してたじゃねーか」
「楽しそう、な。時々はそうゆう所はあったけどな、実際は愚痴やで黒子はんに対する」
(分かるわ、寮監が愚痴りたくなる気持ち。黒子って懲りずに規則破ってるもんね。顔には出してないけど、内心やっぱりしんどいんだ……)

 青ピは当麻達が来るまでずっと寮監の黒子に対する愚痴を聞かされていたのだ、しかも時々質問してくるという形で。
 確かに寮監の言う通りのこともあって納得出来た所もあるのだが、共感できない場合は精神的にかなり堪えるのだ。
 ちなみに美琴は気絶していたが、寮監のヘッドロックがいつもより軽かったので青ピの所に行く間に意識を取り戻していた。

「愚痴の前はお前と寮監さん、一体何を話してたんだにゃー?」
「ああ、黒子はんがボクに迷惑かけてないかって気にしてたで。そんでもってボクと黒子はんの仲も認めてくれたな。ホンマ、ええ人やで」
「「ずるいっ! 自分ばっかり楽に認めてもらって!」」
「どうした? 早く席に座らないか。店員が困ってるだろう」

 上琴が叫ぶのは当然のことで彼らの場合、当麻に常盤台の生徒をけしかけ、当麻が寮監に殴られて熱い言葉をぶつけてようやくだったのだから。
 寮監が指摘する通り、店の店員が困ってることにようやく気付いた当麻達は席に座り、青ピ以外の当麻一行は店員にそれぞれ注文することに。

「では改めて聞こうか。貴様達から見てこの白井の彼氏はどうだ?」
「どうって言われても……。寮監、考えてもみて下さい。『あの』黒子の恋人ですよ。器の大きい人に決まってます!」
*1))

 美琴の発言に寮監は納得したように『ふむ……』と呟くと同時に、当麻達は美琴をちょっとだけ酷いと思った。
 しかし美琴の発言に閃いたのは、彼女の唯一無二の恋人、美琴の旦那様確定の当麻だった。

「そうですよ寮監さん! 白井と付き合ってるという時点で立派な奴なんですよ! それにこいつ程、白井を大事にする奴を俺は知りません!  白井思いの素晴らしい男です!」
「そう……なのか? 確かに白井と恋人になった時点で人格者ではあるんだろうが……。土御門、貴様はどうなんだ?」
「えっ! そうですにゃー……。青ピの奴は普段は頼りないですけど、白井ちゃんの為なら勇気を出せる男ですたい。それに白井を幸せに出来る『男』はコイツ以外居ないぜよ」
「……そうか、なるほどな。つまり白井の恋人は世界で一番、白井のことを想っている。そして白井をただ一人幸せに出来る男、こうゆうことだな?」

 当麻達(青ピを除く)が揃って首を縦に振るのを見た寮監は、満足した表情を浮かべていた。
 これでようやく乗り切ったと思った当麻達だったが、それは甘い幻想に過ぎなかった。

「では普段の、つまり白井が絡まない場合はどうなんだ? 白井を受け入れるほどの男だ、さぞ立派なんだろう?」

 普段のと言われて当麻、土白は日常の学校生活や一緒に遊ぶ時のことを、美琴はどうゆうわけかクリスマスの蝶人コスプレを思い出した。
 4人が共通して思ったこと、それは、

*2))

 友達甲斐の無いものだった。

「なあなあカミやん、どないしたん? さあ普段のボクも華麗に寮監さんに説明してや♪」
(出来りゃ苦労しねーんだよ!!!!!)

 能天気な青ピを殴りたくなった当麻だったが、それでも彼は友達なので何とか上手い表現を見つけようと美琴、土白と再び相談することに。


「さぁー今回はやばいだろ、前の議題よりやばい」
「『個性的な人』……ダメ、その後『どんな個性なんだ?』とか返すに決まってる」
「うーん、『あらゆる女の子をうけいれる』……いや、これなんか違う」

ここで旗男、Fallere825背中刺す刃を発揮する。

「じゃあ『普段の彼はとても明るく、表裏なく、いつもみんなを引っ張って最前線に走ります』なんてのはどうにゃー?
こんな感じに話していけば話も軽くかわせるぜい?」

この言葉に全員に電撃が走った(決して美琴が流したわけではない)。
明るいのはもちろん、確かに青ピは表裏がない。なにせ自分の変態の極めた道をためらいなく教えることができる。
さらにはみんなを引っ張って最前線を走るというのもウソではない。上条狩の時もそうだったが最近は『公認二股男』の狩に出ていたりする。

「すごい、青髪ピアスがいい人に聞こえる……」
「つまり都合の悪いところを除いたってわけね」
「さすが元春!!惚れ直しちゃう!!」
「ウェルカムウェルカム、ドンドン惚れ直しちゃってにゃー!!」

そんなことをしている時に、寮監もしびれを切らしてきた。

「……おい、さすがに遅すぎるぞ」
「おっと、さすがにやばいにゃー、これで行くぜい」
「「「ラジャー」」」


「えー、○○こと青髪ピアス君はとても明るく、裏表無く、いつもみんなを引っ張って最前線を走る。いわば好青年ってやつですたい!」
「そうなんですよ! 青ピはリーダシップに優れた、まさに指導者の資質を持った将来有望な大器なんです!」
「か、カミやん、つっちー……。みんなボクのことそないに思ってくれてたやなんて……。ありがとう、友達の優しさにありがとう言わせてや!」

 土御門と当麻の青ピをいいように捉えた言い方に感動した青ピ。
 そんな感動ムードだが、美琴は土御門の考えたフレーズに妙な引っかかりを感じて考え込んでいた。

「どうかしたの? 美琴ちゃん。元春と上条君の合わせ技で青髪君の印象もバッチリなんじゃないの?」
「……なんか土御門さんの言った○○さんのこと、どっかで聞いたことがあるような気がして。身近にそんな人物が居たような……」

 美琴の危惧していたことが現実のものとなったのは、寮監が溜め息を一つ吐いた後での言葉だった。

「そうか、つまり白井の恋人は白井と同じタイプの人間ということか。成程な、二人が惹かれあうのも当然の成り行きだったわけだ」

 寮監の言葉に当麻、土白、青ピは目が点になり、美琴は納得したような表情を浮かべていた。
 土御門は自身が考えた渾身の言葉の捉え方が納得出来ずにいたが、寮監の説明は意外と納得出来てしまうものだった。

「土御門、貴様が言った言葉だがな、白井のことを慕う人間が使う言葉とそっくりなんだ。そいつらなりにオブラートに包んでな」
「えっと、それってどうゆうことかにゃー?」
「御坂、貴様なら分かるはずだ。先程の土御門の言った言葉を白井にそのまま当て嵌めてみろ」

 美琴はすでに寮監の言っていたことが納得出来ていたので、理解していない当麻達に説明を始める。

「まず明るいというのは問題無いの。問題はここからでね、裏表が無いっていうのは自分の欲望に正直で私への百合的な好意を隠そうともしてないってこと」
「……そういやぁ白井ってそんな設定だったな」
「そもそも青ピと付き合うまではそんなキャラだったにゃー……」

 美琴は思い出していた、中学生にあるまじき下着で襲い掛かったり、変な薬品を飲ませようとしたり、『空間移動』で下着を抜き取ったり、パンツを被ったりなどなど。
 思い出してもロクでもないものばかりだったので気持ちを切り替えて次のフレーズの説明に入る。

「みんなを引っ張ってというのはちょっと違うけど最前線に出てるってのも黒子に当て嵌まるの。当麻なら分かるでしょ?」
「あー、ドロップキック喰らったり、普通に攻撃してきたりしてたもんなー。そういやあ美琴の露払いを自称してたし」
「つーことはあれですか? 俺の考えたベストアイディアは無駄だったっつーことぜよ? あの変態バカップルのせいで……あっ」
「気にするな。それにまるっきり無駄だったわけでもない。白井を上手く扱えるのは白井と同じ人種だからな。その点では私は白井の恋人を評価している」

 その評価はどうなのかと思った当麻達だったが、これ以上下手なことは言えないので黙ることにした。
 寮監がすっきりした表情で青ピに頭を下げるのを見た当麻達はこの光景に驚きを隠せない。

「改めて貴様に言おう。これからも白井のこと、宜しく頼むぞ」
「任せて下さい寮監さん! 黒子はんのことはボクがちゃんと死ぬまで面倒見ますよって♪ なんたってボクぁ(以下略)」

 寮監に褒められて調子に乗った青ピはついつい彼の包容力の広さを披露してしまうことに。
 それを聞いていた上琴と土白は思った、台無しにしやがって、と。



 それから寮監はカルチャーショックのせいか、頭を抑えながら全員分の勘定を支払うとフラフラしながら寮へと戻って行った。

「まあ、なんだ。……頑張れよ。それと白井はまだ罰掃除の最中だから貴様達と合流できるのはしばらく後になる。我慢してくれ」

 別れ際に寮監が言った言葉を思い出し、当麻達は今後の予定を考え始める。


「俺達は新居の引越しがあるけどみんなはどうするんだ?」
「こっちもデートとか考えてなかったし、カミやん達の引越しを手伝うぜよ。月夜もそれでいいか?」
「当然♪ それに上条君たちの新居、実際に見てみたいし」
「せやったらボクも手伝うで。さっきの礼もせなアカンしな」

 結局ここにいるメンバー全員、上琴新居二号の引越しをすることに。

「よし、そうと決まったらまずは腹ごしらえだ。美琴、お前の素敵なおススメの店、紹介してくれ」
「任せて! みんなが美味しいって唸るような店を紹介するんだから♪ さあ、付いてきて!」
「「「「おーっ!!」」」」

 こうして上琴、土白、青ピは引越しの前の少し遅めの昼食を摂る為に美琴を先頭にレストランへと向かう。
 その後ろ、気付かれない距離で一打、浜滝、五和が尾行しているとはこれっぽっちも思わずに。



 一方、すでに上琴新居二号の引越しを手伝っている絹旗、建宮、レッサーは誰が昼食の弁当や飲み物を買いに行くのかで揉めていた。


「ここは建官が超買に行ってくださいよ。」
「そうですよ。私たちは絹旗とまだ話したいことがあるんですから。」
「なんで俺が買いに行かないといけないのね。ここは平等に決めるのよね。」

絹旗とレッサーは二人で話がしたかったので建宮に行かせようとした。
ちなみに、絹旗とレッサーは仲良くなったので呼び捨てで呼ぶことになっていた。

「そんなこと言ってないで本当に超早く買いに行ってください。」
「私もおなかが減ってきたので早く行って来てください。」
「分かったのよね。」

建宮は諦めて昼飯の弁当を買いに行くことにした。

「さてと、邪魔者は超消えたのでいつ戦いますか?」
「そうですね。いつにしましょうか?」

絹旗とレッサーが話したかったこと、それはいつ戦うか考えていたのだ。

「本当なら今日やりたいんですけど、多分今日は超ムリな気がしますからね。」
「じゃあ、時間があったら今日戦いましょ。」
「超そうしますか。」

ということで絹旗とレッサーは今日時間が余ったら戦うことになった。



そのころ、上琴、土白、青ピを尾行している一打、浜滝、五和はというと…


「……いったいあのメガネは何だったんだァ?」
「ミサカに言われても困る。てミサカはミサカはあの人が誰か考えてみる……」
「青髪ピアスはいたのにしらいがいない。それに近くに空間移動系のAIM拡散力場すら発見されなかった。」
「浮気はしないと多分思うんだけどよ……それより先にあの人誰?」

あの人とは行く先行く先上条の近くに誰も気づかず電柱の後ろに隠れている五和のことである。

「アイツは過激なストーカーだァ。もちろん上条の旗男スキルだぜェ?」
「す、すごいな上条。あれはヤンデレか?そいいやあの人って教会にいた人の一人ってことは魔術師か?」
「そうそう、まさに『過激の魔術師』が似合うかも。ってミサカはミサカは身震いしてみる……」
「みさかの敵は多い……」

そんな事聞こえない五和は木に上りながらも思う。

(上条さん!!いつか必ず振り向かせますからね!!)

心は乙女、行動は犯罪、まさにヤンデレである。



 その頃、黒子はというと対馬と浦上と一緒に軽めの昼食を摂った後で罰のトイレ掃除を再開させていた。

「うう……寮監様もご無体ですわ。先程逃げたからといって監視まで付けるだなんて。そんなに黒子のことが信用できないでしょうか?」

 黒子の言っている通り、寮監は黒子の前科の多さを考えて素直に罰を受けるとは思っていない、ゆえに信用もしていないから監視を付けたのだ。
 そこでふと思い出したのは同じく罰掃除をしている心理掌握のことだった。

「ところでお二方。私に二人付くよりも心理掌握サマの監視も付けたほうがよろしいのでは?」
「その心配は無いみたいよ。心理掌握さんは文句を言いつつもちゃんとやってるみたい」

 対馬の言う通り、心理掌握は愚痴をこぼしつつも真面目に罰掃除をやっていた。
 彼女にそうさせたのは気まぐれか、それとも昨日の一件が大きく尾を引いているのか、それは本人にしか分からないことだが。

「ちっ、あの方が逃げてくれればこちらも大っぴらに動けましたのあ痛っ! な、何をなさいますの浦上さん!」
「駄目ですよ白井さん。そんなこと言ってて寮監さんに聞かれたらそれこそ大変ですから。さ、早く終らせちゃいましょう」
(浦上、気のせいか白井さんを叩くの迷って無かったような……。でも白井さんが逃げない保証も無いし念の為にアレを使っておこう)

 黒子が真面目に罰掃除を再開させたの見た対馬は念を押して寮監から預かっていたAIMジャマーを使用することに。
 AIMジャマーに苦しみながらも黒子は早く罰掃除(自分の担当分)を終らせ、愛しの青ピの所へ向かうことを固く心に誓うのだった。



 こちらは当麻の高校にある武道場、そこに教会での集まりから戻ってきた木山がやって来た。
 中を覘くとそこには汗だくで息も絶え絶えの真昼、半蔵、郭が横たわっており、三人を忙しそうに労る赤音の姿があった。

「どうしたんだ君達? それに真夜が居ないようだが……」
「あ、木山先生おかえりなさい。真夜君なら食堂の厨房でみんなのご飯作ってますよ。この三人のことは直接本人たちに聞いて下さい」

 赤音に言われた通り、木山は半蔵、郭、真昼の息が整うのを待ってから事情を聞くことに。

「木山先生、真夜のやつ化けモンですよ。俺、郭、井ノ原姉の三人相手にぶっつづけで二時間半組み手して疲れないんですから……」
「いや、真夜のスタミナはあんなもんだぞ。まだ恋人になる前は俺が動けなくなるまで……二時間ほどだけど技の実験台になってて、それでも少し息を乱す程度だからな」
「でも真昼氏、ただ技の実験台になってる時とさっきの組み手では疲労度は違うはずです。三人相手で呼吸がやや乱れる程度というのは常人の域を超えてますよ……」

 三人から話を聞いた木山は真夜の成長ぶりにただただ感心するばかりだった。
 少し前なら三人相手で二時間半も組み手をしていたら同じようにへたばっていたはずなのだが、料理を作る余裕まで出来るとは予想を超えていたのだ。

「でも俺と郭、あいつにはまだまだ負けませんけどね。……いつ追い抜かれるのか不安ですけど」
「大丈夫ですよ半蔵様! 私はそろそろきついですけど半蔵様はまともな一撃を喰らってないんですから!」
(……俺の場合は能力使ってなくてもう互角なんだよな。落ち込んでいいのか、喜んでいいのか迷うよな、ホント)
「あ、真夜君? うん、分かった。じゃあみんなに伝えておくね。木山先生もいるけど量は足りる? 大丈夫なんだね。じゃあすぐ行くから♪」

 そこへ真夜から赤音に昼食が出来たという連絡が入り、みんなで食堂へ向かうことに。
 初めて真夜の料理を食べた半郭、木山が彼の料理を絶賛するのは少し未来のお話である。



 一方、上琴、土白、青ピは美琴おススメの店に到着し、すでに注文を終えていた。
 青ピ以外がイチャイチャしながら待っていると、そこに二人の人物が声をかけてきた。

「御坂様、こんにちは。御坂様もこちらで昼食ですか?」
「こんにちは泡浮さん、湾内さん。今日は婚后さんは一緒じゃ……どしたの?」

 声をかけてきたの泡浮と湾内だが、美琴への挨拶をそこそこに彼女達の視線は別方向へと向いていた。


「(あのテーブルにいるのは……確か御坂様のお友達でしたような……?)」
「(あちらの席には望遠鏡らしきものをもって御坂様を……、いえ、いぜん御坂様がおっしゃっていた彼氏様のストーカーでは!?)」

そう、あとをつけていた一方通行たちと五和を見つけたのだ。

「おーい、大丈夫?」
「はっ!!いえ!!御坂様が気を使うほどのことでは……あるような?」
「(泡浮さん!!ちゃんとおっしゃらないと御坂様のストーカー被害にあってることを言わなければ!!)」
「(いえ……そうなのですが……)」

ストーカー達の目が言っている。ばらしたらオマエをコロス。と……

「二人ともどうしたの?具合でも悪いの?」

御坂様が心配してくださっている。………本当にどうしよう?


 泡浮と湾内の視線が何かを訴えかけていることに気付いたのはこの面子の中で、誰よりも鋭い土御門だった。
 さり気なく彼女達の視線の先を見るが、一打、浜滝、五和がすぐさま身を隠したのでそこには誰も居なかった。

(あの子達が見てたのはあっちの方……おそらくは誰か後を尾けてきたか。俺達を狙う能力者や魔術師がいるって情報は無いはずだが……)
「どうかしたのか土御門? さっきから真面目な顔して」
「カミやんは何を言ってるのかにゃー? 俺はいつでもスマイルぜよ♪ それよりも誰か紙とペンを貸してくれるかにゃー?」

 土御門に言われて、紙とペンを貸したのは湾内で土御門は彼女にお礼を言うと早速何かを書き始める。
 そして紙に書かれた内容を見た上琴、月夜、青ピ、泡浮、湾内は決して表情に出ないように目で了解を取る。
 ちなみに紙に書かれた内容はこのような文章だった。

〔今から美琴ちゃんの後輩達は俺がする質問に『嘘』で答えてくれ。その間、カミやん達はだんまりを決め込んで欲しい〕
〔おそらく誰かが俺達を尾けている。当たりを付けたら場所を紙に書くから月夜とカミやんと美琴ちゃんは適当な理由で席を立つ振りをしてそこに向かってくれ〕

 ネセサリウスきってのトリックスター、土御門のショーが幕を開ける。

「ところでさっき二人はあっちの方を見てた気がするけど、誰かいたのかにゃー?」
「い、いえ、誰も……」
「そっかー。俺はてっきり誰か二人の知り合い、もしくは俺達の知り合いでも居たのかと思ったけどどうやら誤解だったかにゃー?」
「え、ええ……。私達の知り合いの方も、御坂様やあなた様の知り合いの方もい、居ません……」

 泡浮と湾内との会話中も土御門は彼女達の視線で自分達を尾けている人間達がどの席にいるのかを予測する。
 店に入った時から、店内のレイアウトを叩き込み、いざという時の為のことを考慮する、土御門にとっては日常茶飯事だ。

(尾けている連中は居る。しかもそいつらは俺達の知ってる人物。席は俺達の近くと少し遠い所だな)
「そっかー、俺の気のせいだったかー。いやいや考えすぎるってのも困ったもんぜよ」

 そう言いながらも土御門はスラスラと紙に当たりを付けた席の位置を分かりやすいように書いた。
 それを見た上琴は近くのテーブル、月夜は遠くの席へと適当な理由をつけて席を立って移動を開始した。



 ストーキング中の一打、浜滝組は泡浮と湾内が自分達のことを言わなかったことに安堵していた。

「よーしよし、あいつら俺たちのことバラさなかったみてェだな」
「睨みつけて脅しをかけるあなたの強引さにミサカはミサカは呆れてみる」
「はまづら、別にかみじょう達なら合流しても怒らないと思うけどどうして隠れるようなマネしてるの?」
「……それもそうだよな。でも後には引けねぇ! 最後まで隠れ通してやる! それが男ってもんだ!」
「よく言ったァ浜面! 男ならやったことは最後までやり通してナンボだからなァ!」

 一方通行と浜面の子供っぽい一面に呆れると同時に可愛いと思ってしまった打ち止めと滝壺、自分達も重症だと思っていた。
 自分達が見つかっていないことに安堵してるのは五和も同じである。

「唇の動きを読んでみても私の場所を言ってる様子はありませんね。さあ、この調子で当麻さんをレッツウォッチング♪」
「残念ながら上条君ウォッチングは終了ですよ、五和さん♪」
「なっ…………!!」

 当麻の観察にうつつを抜かしていた五和、月夜の接近に気付かず反撃することも出来ずに氷漬けに。
 メイドの氷漬けが完成されたことに驚く一方通行は驚くが、それ以上の驚きは彼の頭に手が置かれたこと、聞き覚えのある声がしたことでもたらされた。

「よぉアクセラ。水くさいじゃないか、声をかけないでストーキングだなんてさ」
「そうよアクセラ。私達の仲なんだから気軽に声かけて欲しいわよ。それを打ち止め、浜面さん、滝壺さんをそそのかしてストーキングするなんてさ。ちょろっと顔、貸しなさい♪」
(ちょ、俺一人だけ悪者かよ! 確かに俺は悪だけどよォ、これはあんまりだろうがァ!! 不幸だァーーーーーーーーーーーッ!)

 上琴はストーキングを一方通行の独断と判断すると、一打と浜滝を連れて自分達の席へと戻るのだった。
 ちなみに月夜は氷漬けにした五和を放置して、すでに土御門の隣に座っていたりする。


だが忘れていないだろうか。五和が月夜のレベル5祝い祝賀会のとき月夜が当麻と五和を凍らせた、後五和が氷を割ったことを。

「ダーラッシャー!!」
「そ、そうだった!あの人私の氷で凍らせても自力で割れるんだった!」

月夜は五和を凍らせても意味がないことに気づいた。

「さ~て、今度こそ当麻さんをレッツウォッチング♪」

だが、今度こそ五和の幻想は打ち砕かされた。

「何度も何度もうざい!!」
「ぎゃふん。」

美琴は五和に電撃の槍を放ち、五和を気絶させたからだ。

「これで邪魔者は消えたわね。」
「で、こいつどうしますか?」
「とりあえず近くのベンチに座らせておきましょ。」

上琴は五和を近くのベンチに置き、みんながいるところに戻った。

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注釈

*1 ((ひどいお姉様だな……

*2 ((……変態以外の言葉が上手く出てこない