とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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そして数分後、上琴、土白、佐天、青ピは小物類の収納が終わり、絹旗と建宮もリビングの後片付けが終わっていた。
さらに数分後、一打、浜滝、半郭も上琴新居に続々と集まってきた。

「さて、何しますか?」
「う~ん、こんなに多くて遊べるものだよね?」

上琴はみんなで何して遊ぶか考えてた。

「とりあえずみんな自由でいいんじゃねかァ?」

突如一方通行が話に入ってきた。

「とりあえずそうしますか。」
「それもそうね。後でみんなと遊べばいっか。」

ということでみんなは自由にすることにした。



「月夜、何するにゃー。」
「う~ん、じゃあ二人の新居の中がどうなっているのか見たい。」

「じゃあそうするぜよ。」
「ならボクも一緒に行くで。」

ということで土白、青ピは新居の探検するのだった。


「いやーそれにしても大きいなぁ!!」
「『外』と比べたら小さいものだけど、それでもやっぱり広いよねー」
「ったく、御坂家は色々とでかすぎにゃー」

そんなこんなで二階にまで上がっていくと、

「おっ、この部屋『当麻と美琴の愛の部屋』て書いてあるやん。可愛いところあるやないか。さすがバカップルNo,1やね!!」

だが後ろのバカップルはただ固まってる。

「青ピ?それのどこが可愛いんだ?」
「何言うてますね………………前言撤回、シャレにならへんわ」

その下に『入ったら感電死♪』と書いてある。あの二人なら殺りかねないだろう。うう、何て恐ろしいことだ。

「見なかったことにしよっか……」
「「うん」」

三人は部屋をあとにした。



その他のバカップル達はと言うと、ただ単にいちゃいちゃしていた。

「あれ?レッサーは超どこに行ったんですか?」
「ありゃ?本当にどこいった?」


 ほとんどの人間がレッサーが月夜に氷漬けにされて今もなお、庭先で放置されていることを忘れていた。
 後から来た一打、浜滝、半郭も彼女の変わり果てた姿に驚き、心配していたがいちゃつくうちに頭の隅に追いやってしまう。
 たった一人を除いては。

「ごめんねレッサー。話しかけて気を紛らわすのが精一杯で……」
「い、いえ、そ、そそそれだけでも、た、助かり、ます……。さ、さささ佐天さんは、や、やや優しい……ああ、何だかまた眠くなって……」
「寝たらダメーッ! 寝たら本当に死んじゃうからーっ! 当麻兄さん達の家で死体になるのは止めてーっ! あと三十分で終るから!!」

 初対面にも関わらず、自分を唯一気遣ってくれる佐天にレッサーは寒さに苦しみつつも感謝していた。
 時刻は午後3時半、罰ゲーム終了まであと三十分だったがそこでようやくレッサーが気付く。

「あ、あああああの、さ、佐天、さん。あ、あなたがあの二人に、ちゅ、中止を求めれば、そ、そそそれでいいなぁってき、気が……」
「……それはダメじゃないかな? レッサーはほら、悪いことしたんだから。罰は最後まで受けないとダメだよ♪ あたしが最後まで付き合ってあげるから頑張ろう、ね?」
「は、はい……(き、厳しいですよーーーーーっ! でも優しくしてくれてるんだから感謝しなくては。しかし……っ)」

 佐天の優しいんだか厳しいんだか分からない態度にレッサーはどう反応すべきか本気で迷っていた。
 そこへようやくレッサーの存在を思い出した絹旗と建宮がやって来た。

「レッサー、超大丈夫ですか? あと少しですから超頑張ってくださいね」
「今回のことは上条当麻との正しい付き合い方を学んだ授業料だと思うのよね。もう少しの辛抱だ、頑張れよレッサー」
(ううっ、励ましてはくれても助けてはくれませんか、この二人も……)

 佐天と同じく応援するだけの絹旗と建宮に、レッサーはまたも複雑な感情を抱くのだった。



 その頃、先ほどまでいちゃついていた一打が今度は上琴新居二号の探検に出かけた。
 二階は土白と青ピが捜索済みだと知っていたので二人は一階の探検に出ることに。

「ねえねえあっちのパパとママの新居じゃ見たことの無いものがあるよってミサカはミサカはワクワクしながらあなたを呼んでみたり」
「おいおいそンなはしゃぐなよ、転ンだらどうすンだ、ったくよォ。……何だ、こりゃあ」

 打ち止めに急かされて一方通行が見たもの、それは彼の好奇心を駆り立てるのに充分だった。
 一打が見たもの、それは地下に伸びる階段だった。


「この階段の入り口床が開いたり閉まったりするねってミサカはミサカは目を輝かせてみたり!!」
「いかにも隠し扉って感じだなァ……」

この姿をみたら誰でも分かる。二人は好奇心に溢れる子供だと。

「そんじゃァ行きますかァ」
「それじゃあしゅっぱーつ!!ってミサカはミサカは足を踏み入れてみる!!」

そう言いながらずんずんと進んでいった。すると地下には長い廊下があった。

「オ、こんなところに電灯のスイッチがアンぞ」

カチッとつけるとその廊下にはズラリと扉が並んでいた。

「アァン?ナンでコンなにアンだよ?」
「ねー見て見て、ソファーとテレビがどの部屋にもいっぱいあるよ!!ってミサカはミサカは扉を次々と開けてみたり!!」

打ち止めの言う通り部屋の一つ一つにソファーとテレビがたくさんある。
だがそのテレビは普通のと違ってごっついしドデカイスピーカーまである。
部屋の中心にテーブルがあるのだがその上にカーナビより一回り大きい画面のようなものがあった。
一方通行は頭をフルに回転してひとつの結論にたどり着いた。

「カラオケボックス………ハァ!?」


「カラオケボックスって歌うあれ?ってミサカはミサカはあなたに聞きただしてみる」
「アァ、たぶんなァ……」

なんでそンなモンがここにあるんだ?と思ったがすぐわかった。
あの親馬鹿達だ。たぶん学園都市には友達がたくさんいる。そのためできるだけ思い出も作らせようという心配りだろう。
だとしたらその他にも映画館の様な大画面の部屋もあったりするのだろう。
まったく、親馬鹿にもほどがある。

「………ねーねー、こんな所に男女別のトイレもあるよ、てミサカはミサカはトイレ渋滞には困らないと思ってみたり。」
「バカ、こンなんじゃァ遠すぎるだろうが」

そんなバカな会話をしながら歩いていると違ったような扉がある。たぶんここからは違うフロアになるのだろう。二人は思い切って開けてみた。
そこは丸い部屋だった。扉がいくつもある。扉にはなにやら文字が書いてある。自分たちが出てきた扉には『カラオケフロア』と書いてある。

「…………ドンだけでけェンだよ」


そして一打は他の扉を見てみると『ボーリングフロア』、『卓球フロア』、『ビリヤードフロア』などといろんなフロアが書かれてあった。

「ここはどこかのアミューズメントかァ!!」
「確かにここまで来ると驚いちゃうねってミサカはミサカはさすがにあの親達にあきれてきたり。」
「とりあえず一通り見てそれから戻りますかァ…」

一打は一応すべての部屋を見て、それから一階に戻った。

「アクセラ、一体どこ行ってたんだ?」

一打が戻るとすぐに上琴が聞いてきた。

「どこって地下にいたが?」
「この家に地下なんかわよ?」

「お前ら、地下があるの知らなかったのかよ!!」
「「え、この家って地下なんかあったの!?」」

この新居に住んでいる上琴でさえも地下があることにまったく知らなかった。

「「地下の入り口ってどこにあったの!?」」
「そこの開いたり閉まったりする床だがっていつのまにかいなくなってる。」

上琴は一方通行から入り口を聞くとすぐに地下に降りていった。


『『な、なんじゃこりゃー!!』』
「オォオォ、下から思いっきし聞こえてンぞ」
「やれやれ、ってミサカはミサカは肩をすくめて見る」

二人はきわめて冷静なのだがその他はそうともいかない。

「なんぜよなんぜよ今の声は!?」
「おいおい、今の声下から聞こえてきたのよね!!」
「それに上条たちの声じゃねえか!!それやばくねえか色々と!?」
「それは上条氏と御坂氏のピンチ!!手分けして探しましょう!!」

と、探そうとしたがレッサーは氷ったままだった。

「ちょ、その前に開放して下さい!!もう時間はすぎてますよ!?」
「ほほいのほい!!はい氷は砕け散ったから美琴ちゃん達探してもらうよ!!」

さすが白雪、『絶対零度(アブソリュートゼロ)』を名乗ることだけあって一瞬で氷は砕け散った。だが、

「鬼ー!!悪魔ー!!寒すぎて動けません!!」

寒すぎてガタガタ震えていた。

「そんなの超ほっといて、浜面超頑張って下さい。」
「最終的に俺が動いて、お前はこの荒れたリビングのソファーに座るのか!?業者さんの迷惑だろうが!!」
「はまづら、突っ込みは短く」
「皆さんそんな馬鹿げた声出してないでお兄さんたち探しに行きますよ!!」
「こんな風に」
「いつの間にか突っ込み論議になってんじゃねえか!!」
「本当に探して下さいね!!」

などと騒いでいた。

「………アホらしすぎるだろォが」

打ち止めはうんうんと同意していた。



 自分を心配してくれていた絹旗、佐天、建宮までも上琴のもとに向かったのでレッサーは一人、氷から解放された今も寒さで震えていた。
 そこに偶然か神の悪戯か、インデックスとステイルが彼女の目の前に現れる。

「ねえステイル。レッサーが何だか顔色悪いかも。おまけにガタガタ震えてて辛そうなんだよ」
「け、けけけけけけ剣んんんんん~~~~。ひ、ひひひひ火~~~~をををををを~~~~っ」
「剣? 火? ……ああ、なるほどね。仕方ないな」

 寒さに震えながらもレッサーが必死で紡いだ言葉を理解したステイルは、炎剣を出して彼女に暖を取らせる。
 レッサーの顔がみるみるうちに良くなっているのを見ていながらも、ステイルはレッサーが炎剣で焼かれないように配慮していた。

「あ~~~~~~~、ようやく生きた心地がしましたよ~~。さすがはステイル=マグヌス、よい炎をお持ちで」
「僕の炎剣はこんなことの為に使うものじゃ無いんだけどね。それにしても一体何があったんだい?」
「聞いて下さい二人とも! 私の聞くも涙、語るも涙の物語を! あれはそう」
「れっさー、お風呂沸いてるから入って。あ、いんでっくすとすている、いらっしゃい。玄関はあっちだよ?」

 レッサーが語ろうとした時に現れたのは彼女のことをそれなりに心配していた滝壺だった。
 お風呂という単語を聞いて喜んだレッサーは『ありがとうございまーすっ!』と言い残してバスルームへと向かった。
 玄関に回って滝壺に出迎えられたインデックスとステイルは今の状況を彼女に尋ねる。

「ねえねえりこう。何だか家の中が騒がしいけど何かあったの?」
「うん。さっきかみじょうとみさかの叫び声が聞こえたからみんなで二人を探してる所」
「師匠、それはかなり一大事では? いや、僕としてはレッサーに何があったのかも同じくらい気になるけど……」
「大丈夫。みんなが一生懸命探してるからかみじょうとみさかは心配いらない。それにレッサーの心配はもっと要らない。そもそも」

 滝壺はレッサーの身の上に起こった出来事、そこに至る経緯を説明した。
 それを聞いたインデックスは呆れ、ステイルはちょっとした怒りを感じていた。

「とうまとみことの家を傷つけるなんてレッサーにはやれやれなんだよ」
「炎剣を出した甲斐が全く無いよ……。というか聞くも涙、語るも涙って大嘘じゃないか」
「そんなことはどうでもいいからかみじょうとみさかを探すの、二人も手伝って」

 滝壺のお願いに彼女に懐いてるインデックスは快諾、インデックスマイスターとして尊敬しているステイルは渋々ながらも了承する。

「おーい滝壺ー。あいつらの居そうな場所見つけたぞー。ってステイルにインデックスちゃんも来てたのか。二人も来いよ、なんか凄そうだぜ」

 そこにタイミング良く地下室への階段を見つけた浜面が滝壺を呼びに来たが、インデックスとステイルがいたことには少しビックリしている。
 こうして浜滝、インデックス、ステイルは皆から遅れながらも地下室への階段を下りるのだった。


「おー!!ステイル!!こんなところにも地下世界があるんだよ!!」
「それを言うなら地下街だと思うけど?」
「違う、ここは明らかにその次元を越えている」

などと騒いでいるが、まあしょうがない。何てったって学園都市最強だって腰をぬかしたのだから。
ちなみに、上琴を追いかけて入ってきた扉は上琴が入ってきた扉ではない。ついさっき修理が終わったリビングからだ。
どうやら隠し扉は幾つも有るらしい。この扉からはあのどの部屋にも入れる丸い空間らしい。

「でさ滝壺、上条と美琴ちゃんが言ったのはどの部屋か分かるか?」
「多分こっち」

滝壺が指を指したのは『メインコンピュータールーム』と書いてある扉だ。

「それはなんだい?」
「俺もよくわからないけど、こんなに部屋があるんじゃ色々と制御しないといけないんじゃないか?」

とりあえず四人は『メインコンピュータールーム』に入ることにした。
そこには確かに居た。桃色空気を出してめちゃくちゃ喜んでいる二人が。

「どうしたのみさか?」
「あ、滝壺さん。実はさ、あの馬鹿親こんなメッセージ残してたのよ!!」


 美琴が見せたメモには達筆で書かれた、上琴が喜ぶに値する美鈴からのメッセージとは、

〔この地下アミューズメントはいずれ生まれ来るあなた達の子供達への贈り物です〕

 上琴ファミリーという将来を見越した素敵という言葉だけでは言い表せないものだった。

「かみじょうとみさかの両親、さすがだね」
「ありがと♪ でもね、それだけじゃないのよ」
「いやいや、それだけでも充分だろ? まだ何かあるのかよ?」
「まあな。こっからは俺達宛てっていうよりはみんな宛てになるんだ。というわけで見てやってくれ」

 当麻が渡したメモにはまたも達筆な美鈴のメッセージが書かれていたがそれを見た浜滝、インデックス、ステイルは、

〔まーでも二人の子供、つまり私達の孫ってまだまだ先の話なのよねー。だからって当麻くんと美琴ちゃんだけにってのも勿体ないって思うのよ〕
〔そこで私達は考えました。この地下アミューズメントは二人の可愛い義妹たち、二人の大切なお友達の贈り物にもさせて貰います〕
〔いつも当麻くんと美琴と一緒に居てくれてありがとう。これからも二人のこと、よろしくね。あなた達の友情がいつまでも続きますように〕

 美鈴の初めて見せる親としての一面に驚くと共に、感動を覚えていた。

「とうまとみこと、ご両親にとっても愛されてるんだね」
「そうだね。それに僕達のことまで気にかけてくれるとは思いもしなかったが、何だか嬉しいね」
「はまづら、泣いてるの?」
「な、泣いてねーよ! これはアレだ、め、目に埃が入っただけだ! 感動して涙なんて、な、流すわけ、うお~~~~~~~~んっ」

 一人感動しすぎて泣いてる浜面を滝壺は自分のハンカチで、彼の涙を甲斐甲斐しく拭いていた。
 メインコンピュータールームのモニターには上琴捜索そっちのけで遊んでいる客人の姿が見える。

「楽しそうだな、皆。美鈴さんがこれ見たら喜ぶんじゃないか?」
「間違いないわね。まったく我が親ながらとんでもないことやってくれるわよ、ホント」
「美琴の親だけじゃなく俺の親も間違いなく絡んでるだろうな。……なーんか子供が早く欲しくなってきたけど分かってるよな? 美琴」
「わ、分かってるわよ! Hも子作りも責任取れるようになってからだって! でも当麻も同じ気持ちで嬉しいよ♪」

 上琴が自分達の世界にトリップしていちゃつき始めたのを見た4人は呆れながらも止めようとはしなかった。
 4人はそっとメインコンピュータールームの扉を閉めると、美鈴のメッセージを皆に見せるために各フロアを回ることに。

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