とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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 一方その頃、ようやく気絶から立ち直った初春は固法と一緒にとある事件の後始末に大忙しだった。

「固法先輩、こっちの血溜まりと血文字の処理は終りましたー」
「こっちも倒れてる学生の病院搬送の手続きは終ったわよ。ごめんね初春さん、体調悪いのにこんなことさせちゃって」
「気にしないで下さい。白井さんが来られない分、パートナーの私が頑張るのは当然ですから♪」

 とある事件、それは絹旗&レッサー捕獲の際に起きてしまった惨事のことだった。
 気絶から立ち直ったばかりで体調は万全と言い難かった初春だが、黒子がいないこと、そして久しぶりのジャッジメントの仕事ということで張り切っていたのだ。


「一時はどうなることかと思いましたが、飾利も無事に回復。ジャッジメントの仕事もきちんとこなしてて安心しました」
「そうですね。それにしても早くジャッジメントとやらの仕事は終らないのでしょうか? 早く飾利と一緒に上条当麻達の新居に行きたいのに」
「そういえばそのような約束をしていたな。我としても二人の新居は楽しみなのである(そしてストーキングから解放されたいのである……)」

 ジャッジメントの仕事のストーキングを再開させていた神裂、シェリー、ウィリアム、ヴィリアン。
 ヴィリアンは早く上琴新居二号に行きたかった、初春と一緒に行くという約束をした身では。

「じゃあ今日はこれで終わり。初春さん、白井さんが居ない分も頑張ってくれてありがとう。じゃあね」
「はい、お疲れ様でした。さて、ヴィリアンお姉ちゃんとの約束があうっ」

 今日のジャッジメントの仕事の終了を言い渡された初春は、固法に別れを告げると上琴新居二号にヴィリアンと一緒に向かう為に携帯を取り出す。
 そこに柄の悪いスキルアウトがぶつかって怒鳴ってきたのだ、数は3名。

「おいボーっとしてんじゃねーぞ! 通行の邪魔なんだよドチビが!」
「ご、ごめんなさいっ! で、でもっ……」
「でもとかごめんなさいで済むんならアンチスキルもジャッジメントもいらねーんだよ! って、てめーがジャッジメントかよ? ギャハハハッ!」

 スキルアウト達は本当はそのまま通りすぎようとしたが、初春がジャッジメントだと分かると執拗に絡み始める。
 初春が絡まれてるのを見て、心中全くもって穏やかじゃないのはストーカー一行である。

「おのれっ! 飾利に対して何ということを!」
「落ち着きなさい神裂! ここで私達が出て行けば飾利に何をしていたのか問い詰められますよ! それに私達が出て行って事が公になったらあの子が困ります!」
「ヴィリアン様の言う通りだよ神裂。あのクソ共が飾利から離れたら路地裏に引っ張りこんで殺っちまえばいいんだからさ」
「待つのである! 殺すなどとは穏やかではないぞ! だがこのままというのは問題な気がするのである……」

 ストーキングしてる4人は初春への迷惑、そして自分達の後ろめたさからすぐさま助けに出られなかった。
 そうしてる間にも事態はさらに悪化の一途を辿る。

「なあジャッジメントのお嬢ちゃんよー。許して欲しかったら俺といーことしよーぜ」
「なにお前ロリの気もあんのかよ? うっわ変態じゃねーか!」
「ああ? バーカ、それだけじゃねーよ。コイツを餌に他のジャッジメントを誘き寄せてそいつらもボコるって寸法よ」

 他のジャッジメントも巻き込まれると知った初春は怯えながら、しかし強い意志でスキルアウト達に言う。

「や、やめてくださいっ! わ、私ならどうなってもいいです! でも他のジャッジメントの皆さんに迷惑をかけるようなことはし、しないてくださいっ!」
(ふむ、怯えながらも他者の為に体を張るとは、今までの雰囲気は消えても根っこの部分は変わらないのであるな。……何の音だ?)

 気丈に振舞う初春の姿に感心してるウィリアムの耳に聞こえてきたのは『カチャカチャ……』と『カカカカカッ……』という音だった。
 後ろを振り返ると神裂が七天七刀の抜刀を堪える音、そしてシェリーがオイルパステルで魔方陣を書くのを堪える音だった。

「おのれあのド素人共……。飾利に手でも上げてみなさい、死ぬ一歩手前まで斬り刻んでやりますよ……」
「エリスで一撃でミンチにするか、モトハル2ndで嬲り殺しにするか……」

 神裂とシェリーの思考がやばいことに気付いたウィリアムはさっきから黙ってるヴィリアンを見て、冷静だと思い安心していた。
 しかしそれは単なる幻想で、ヴィリアンはやや大きめの石を3つ、ウィリアムに手渡すと冷徹な命令を下す。

「ウィリアム。もしあの愚民どもが飾利に少しでも傷付けた場合、その石を奴らに投擲なさい。死なないように、それでいて頭が爆ぜるような威力で」

 ヴィリアンは冷静どころか、先の二人以上に自分を見失っていたがウィリアムに彼女達を止める術など無い。
 せめてスキルアウト達がそのまま引き下がることを願うのだが、そんな都合のいい話があるわけが無かった。
 初春の態度に腹を立てたスキルアウトの一人が彼女の頬を叩いたのだ。

「あうっ!」
「チョーシこいてんじゃねーぞクソガキが! てめーは俺達に好き放題やられた後で人質、最初っから決まってんだよ!」
「ウィリアム殺れ」

 ヴィリアンの命令のままにウィリアムは「っぬうんっ!!!」と声を上げながら石を3つ、スキルアウトの額に目掛けて投擲した。


「「「うぎゃぁぁぁああああああああああああああああああああ!!!!」」」

スキルアウト達が地面で悶え始めた。
それもそうだ、加減はしたとはいえプロボクサーの右ストレートの三倍はあるのだから。
そしてそんな虫けらのように床に転がってるスキルアウト三人を背中に乗せて。

「私はこの者達をを病院に連れて行くのである。それまでヴィリアンの警護も頼むのである。」
「わかりました。お気をつけて………その前に『七閃』いいですか?」
「それは無理である。これ以上したら死ぬのである。」
「それじゃあ殴らせろ」
「却下、それでは行くのである」

そういうと学園都市の空を舞って行った。



「……さてと、まあ色々ありましたが何とか着きましたね」
「さてと……ってキャー!白井さん!?」

そこには今にも死にそうな白井が空間移動してきた。

「……ああ初春ですの、今○○様がこちらにいると聞いたので」
「白井さんも今来たんですか、ちなみにここがお兄ちゃん達の新居だって知ってます?」
「知ってますの、それで地下がアミューズメントパークになってる事も知ってますの」
「「「「何ですかそれ(何だよそれ)!?」」」」
「……あら?初耳ですの?○○様から聞いてたのですが……?あら?」


 黒子は付き合いの長い初春の変化に気付く。

「初春、頬が少し赤いですけど何かありましたの?」
「あはは……。実はスキルアウトの人達に絡まれちゃって……」
「そうなんですの! ……けどまあ、無事で何よりですわ」

 初春がスキルアウトに絡まれたことに黒子が驚いたのには理由があった。
 実は黒子が気付いた初春の変化ではそのことではなく、彼女の雰囲気が変わった、というより戻ったような気がしたのだ。

(何だか最近の初春というよりは少し前の初春という気がしますの。問い詰めたい気もしますが、黒子の勘がそれは危険だと言ってるので止めておきますわ)
「白井さん?」
「な、何でもありませんの。ところでどのようにしてスキルアウトを退治しましたの? あなた一人でどうにか出来るとは思えませんが」
「それなんですけどスキルアウトの人達が急に額を押さえて苦しみ出したんです。一体何があったのか今も分からないんですよ」

 スキルアウトを撃退したのはウィリアムなのだが、初春は実はそのことに気付いていない。
 それどころかその後で偶然を装って現れた神裂、シェリー、ウィリアム、ヴィリアンに全く疑問を持っていないのだ。
 これで自分達が初春をストーキングしていたことに気付かれることは無いと思った4人はとても安堵していたりする。

「さあ、そんなことよりも早く参りましょう。私と飾利はもともとあの二人にお呼ばれしていたのですから♪」
「あっ、ヴィリアンお姉ちゃん、そんなに引っ張らないで下さいよーっ! 火織お姉ちゃんやシェリーさん、白井さんを置いてムギュッ!」
「ダメでしょ飾利。私のことは『姉様』と呼んでくださいと言った筈です。さあ♪」
「ヴィ、ヴィリアン、ね、ねえさ、ま……。~~~~~~~~~~~っ!」

 上琴新居二号の前で抱きしめられながらの『姉様』呼びを強制され、初春は恥ずかしさで頭がいっぱいになっていた。
 そんな彼女を可愛いと思っている神裂、シェリー、ヴィリアンを見ていた黒子は、自分のことを棚上げして三人を変わった人だと位置付ける。

「ではそろそろ中に入りましょうか」
「そうだな。ああそうだ、ヴィリアン様。次は私が飾利を抱きしめる番だからね」
「もうですか? 分かりましたシェリー。では少ししたら変わりましょう。その後で神裂にもさせてあげるのですよ?」
「あ、あの~、わ、私の意思は? その、嫌ってわけじゃないんですけど、えっと、少し恥ずかしいというか……」

 自分の問いにスマイルで答えた三人を見て初春は思った、言っても無駄だということを。
 黒子はそんな彼女達を置いて上琴新居二号の扉を開けて中に入ると初春達もそれに続く。

「ところで白井さん。地下室への入り口ってどこにあるか聞いてます?」
「ええ。○○様から聞いた話だと確かこちら……に……」

 青ピから教えられた地下への入り口へと向かっていた黒子だが、あるものを見て言葉を失う。
 黒子が見たもの、それは美琴のパジャマを着てのんびり歩いてる風呂上りのレッサーの姿だった。

「あ、皆さん今来たんですね……って申し訳ありませんヴィリアン様! ヴィリアン様の御前だというのにこのような格好で出迎えるなどと……」
「それは別に気にしてませんから大丈夫ですよ、レッサー」
「ヴィリアン様がそう仰るなら……。ところでそちらの御坂さんと同じ制服を着た人はどなたですか?」
「この人は白井黒子さんです。美琴お姉さんの後輩にあたる人で美琴お姉さんの元ルームメイトです。白井さん、こちらはレッサーさんと……白井さん?」

 初春はレッサーに黒子を紹介した後で、黒子にもレッサーを紹介しようとしたが黒子の様子がおかしいことに気付く。
 今、黒子の頭には美琴のパジャマに身を包んでる目の前の少女に対する嫉妬が渦巻いていた。

(何ですの? この子は。黒子がお姉さまラブ(性的)を卒業したとはいえそのような羨ましいことを! 私だって着たかったお姉さまの寝間着をさも当然のように……!)
「あ、あの、大丈夫ですか? 初春さん、この人さっきから黙ったままキャーーーーーッ!!」
「こんの小娘がああああああああああっ!! お姉さまの寝間着をさっさと脱ぎやがれですのおおおおおおおっ! そして黒子がお姉さまの寝間着をおおおおおっ!!」

 久々に美琴関係で変態スイッチをONにした黒子がレッサーが着ている美琴のパジャマを剥きにかかると、レッサーも慌てて抵抗する。
 ちなみに二人が平和的に能力を使わずにもみ合っているのはこの家を傷付けたらどうなるか理解しているが故の無意識の防衛反応である。
 いきなり起こった黒子VSレッサーを無視して、4人は地下へと降りるのだった(初春は心配していたが)。


そして二人もゴロゴロと地下に落ちていった。

「お姉様の寝間着いいいいいいぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいぃ!!」
「ぎゃぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

久しぶりにユリの花を咲かせた白井は止まらない。ライオンだって怖じけづくだろう。
そんな白井を見たユリ三人衆(一人はただの妹好き)は、

*1)

と。心に誓うのだった……そんなところに。

「あれ?黒子はんやないの?」

ゴキッ!!白井の首が百八十度回転した(こ、怖ッッッ!!)。そこには愛しの……

「◯◯様ぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
「黒子はあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああん!!」

青ピの出現にレッサーの戦いは終わったのであった……

「そぉ、それにしてもぉ、なぁ、何だったんですかぁ!?」
「白井さんって今はあの人に夢中ですけど、昔はお姉ちゃん……御坂さんですけど、貞操を狙ってたんですよ?」
「それとこれが…………ッ!!まさかこのパジャマ!?」
「でしょうね、多分それのせいで白井さんのユリの花が開花したんでしょうね」
「ユリって怖い……」

自分は間違ってもあんな変態にはならないぞ!!と。神に誓うのだった……
…………………ってお前が言えないだろうが!!



そのころ、浜滝、ステイル、インデックスは土白がいる所に向かっていた。

「にしても、この地下は広すぎるな。」
「確かにそうかも。これじゃあ場所が分かっていなければきりが無かったかも。」

ステイルとインデックスはこの地下の広さに再度驚いていた。

「そんな事話している内に土御門達がいるところに着いたぞ。」

ステイルとインデックスが話していたら、土白がいる卓球場に着いていた。

「じゃあ開けるぞ。」

と浜面が開けようとしたら、中から土白の声が聞こえてきた。

『にゃー!!負けちまったぜよ。』
『じゃあ、元春が負けたから私の言う事を一つだけ聞いてね♪』
『負けたものはしょうがないぜよ。』

土白は卓球で勝負していたらしく、負けたほうが勝った方の言う事を一つだけ聞くことにしていたのだ。
その話を聞いていた4人はと言うと…

「なんか勝負していたらしいな。」
「そうね。はまづらちょうど勝負が終わったから邪魔しなくて済むから今のうちに入りましょ。」
「そうだな。じゃあ入るか。」

と言うと4人は土白のいる卓球の部屋に入っていった。



 一方、青ピとようやく逢えた黒子は周りがうんざりするほどのいちゃつきを満喫した後でレッサーの方に目をやる。

「さて、○○様の匂いや体の感触を堪能した所でようやく冷静になれました。というわけでレッサーさんとやら、失礼して」

 青ピの匂いとかで冷静になる黒子にそこに居た青ピ以外の面々は、黒子に対してかなり引いていた。
 しかしそんなことはお構いなしな黒子は、レッサーに近づくととんでもないことをやってのける。

「……へっ? きゃ、きゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」
「な、何が起こっうぎゃっ! 目が、目がーーーーーーーーっ!!」
「最初からこうしておけば良かったんですの。まったくどこぞの小娘風情が黒子を差し置いてお姉様の寝間着に袖を通すなど言語道断ですわ」

 黒子がやったこと、それは『空間移動』を使ってレッサーの着ている美琴のパジャマだけを移動、つまり脱がせたのだ。
 突然のことにレッサーがパニックになって大声を上げたのと同時に、青ピの目を潰す辺りは抜け目が無い黒子。
 みんなの前で下着だけになったことで涙目になってるレッサーを初春、神裂、シェリー、ヴィリアンがバリケードとなって守っていた。

「さて、この寝間着は私とお姉様の友情の証として」
「なにやってんのよこのバカ黒子がーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」
「お姉さごべらっ!!!!」

 黒子がレッサーから剥ぎ取った美琴のパジャマをいそいそと回収していると、レッサーの叫び声を聞いて駆けつけた美琴が走ってきた。
 下着で涙目になってるレッサー、レッサーに貸したはずのパジャマを持っている黒子を見た美琴は瞬時に状況整理、黒子をぶん殴る決断を下したのだった。
 美琴の当麻直伝右ストレートでぶっ飛ばされた黒子は廊下を3バウンドした後、綺麗に滑って壁に当たる寸前で止まると同時に意識も吹っ飛んだ。

「ったくあのバカは。ゴメンねレッサー、困った後輩で。ほら、これに着替えていつもの元気なあんたに戻んなさい。ね?」
「あ、ありがとうございます……」
「ゴメンね飾利、神裂さん、シェリーさん、ヴィリアンさん。出迎えに行けなくて」
「い、いえ、それは別にいいんですけど白井さんの方はいいんですか……?」
「いいんじゃない? 黒子ならあの程度じゃ死なないから♪」

 黒子を殴り飛ばす際、ちゃっかりパジャマを回収していた美琴はレッサーに渡したが、実はレッサーが少し美琴のことを認めていたことは知らなかったりする。
 初春は黒子のことよりも自分達の出迎えに出られなかったことを謝罪していることが疑問だったが、深く追求するのを止めた。

「うっわー、また派手にやったなー。おっ、飾利、神裂、シェリー、ヴィリアン。遅かったな。ようこそ新しい俺と美琴の愛の巣へ」

 そこへ家主の当麻が出迎えるが彼もやはり黒子の心配はおろか、未だに目を押さえて苦しんでる青ピの心配はしなかった、恐ろしいことに。

「とりあえず卓球場に行こうぜ。確か土御門や白雪がいるはずだからさ」

 こうして上琴、初春、神裂、シェリー、ヴィリアン、着替え終わったレッサーもまた卓球場へ向かうことに。
 なお、青黒の二人はまだダメージが回復していないので放置されることに。

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注釈

*1 (自分達もあそこまで行かないように気を付けよう