とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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その頃、残りの七人はと言うと、

「アン?」
「どうしたの?てミサカはミサカはあなたが何を見てるか聞いてみる」

ここは『ボーリングフロア』、レーンは十六レーンと言う数だ。一方通行、打ち止め、半蔵、郭はその第十三レーンを使っている。

「別に、ナンでもねェよ」
「それならよそ見しないでミサカの初投球見ててよね!!て。ミサカはミサカはあなたに忠告してみる!!」
「ハイハイ、頑張れよォ」
「よし!!それじゃあミサカのミサカの初投球!!ミサカ、いっきまーす!!ってミサカはミサカは思いっきり投げてみる!!」

そして打ち止めは思いっきり…………………………………………ガーター……

「な!!有り得ない有り得ない!!ってミサカはミサカは二球目行きますって気合いを入れてみたり!!」

だがまたしてもガーター……

「何で何で何で!?ってミサカはミサカはうなだれてみたり~」
「はっはっは!!アホ毛氏もまだまだですね!!さてここは私に任せてください!!」

ミサカのこれはアホ毛じゃない!!と言ってるが端から聞いちゃいない。

「郭!!行きます!!」

ボールがものすごい勢いで転がっている。
そして………………………………………………見事ストライク!!

「こんなもんですね、半蔵様~♪」
「よしよし、それじゃ次はアクセラな」
「ハイハイ、わかったよ」

そんなダルそうなことを言いながらもきちっとしたフォームである。

(一方通行……行きまァすッ!!)


 一方通行、ボーリングの玉のベクトルを操作して見事ストライク。

「おーっ! きれいなフォームでストライクだねってミサカはミサカはあなたのカッコよさにはしゃいでみたり♪」
「ま、まァ俺にかかればざっとこンなモンだ。言っとくが能力は使ってねェからな。これは俺個人の実力ってやつだァ」
*1

 一方通行は打ち止めにカッコつけたくて能力を使ってない風に言い、打ち止めはそれを信じるが半郭にはバレバレだったりする。
 第13レーンではほのぼのとした雰囲気でボーリングを楽しんでいたが、第10レーンはそうでもない雰囲気が。



 ボーリングフロアの第10レーン、そこには佐天、絹旗、建宮がいた。

「くっ、このような場所があるのならマイボール、マイシューズ、マイグローブを持ってくれば良かったのよ……」
「建宮さんってボーリング好きなんですか? 暑苦しい髪型のくせして」
「おうよ! わしのアベレージは280だから得意と自負してるよな。……って佐天、お前さんさっきキツイこと言わなかったか?」
「気のせいじゃないですか?」

 佐天は初春から真実を聞き出すまで、建宮にきつく当たることを決意していたりする。
 そこに元から建宮にキツイ絹旗が二人に声をかけ、一投目を投げることを宣言する。

「二人ともー、今から私が投げますから超見てて下さいよー」
「ゴメンゴメン。頑張れ最愛ー♪」
「涙子の応援でやる気超アップです! では……建宮と浜面超死にやがれですーーーーーーーーーっ!」

 絹旗の一投目、ボーリングの玉を転がさず、ブン投げて見事にストライク。
 『窒素装甲』を使用して投げたにも関わらず、レーンもピンも無事なことに普通ならツッコむのだが、別のことに建宮がツッコむ。

「ちょっと待てーーーーっ! 今の掛け声おかしいのよ! わしと茶色いのに死ねとか冗談にしてはきっついのよね!」
「そうだよ最愛。建宮さんはともかく浜面さんに死ねってのはあんまりだよ」
「これはボーリングのスコアアップに超必要な掛け声なんですよ、涙子。これでスコアアップ超間違いなしです」

 気のせいではなく佐天が明らかに自分に対して厳しいと思った建宮、ちょっとだけ泣きそうになった。
 続けて佐天の番だが、佐天は絹旗が言った通りに自分も掛け声を言いながら転がす。

「建宮さんの頭、つるっパゲになっちゃえーーーーーーーーっ!」
「おおっ超見事にストライクですよ! やりましたね涙子♪」
「いえーいっ♪」

 佐天のストライクに絹旗がハイタッチを求めると彼女もまたそれを受け入れる。
 二人の掛け声に落ち込みつつも、建宮はプロも褒めるような綺麗なフォームで投球、見事にストライクを決める。

「おーっ、ボーリング好きを自称するだけあってフォームに超無駄がない感じですね。やるじゃないですか建宮みたいなモンが」
「(これを飾利姫を見せたかったのよ……。そしてこの建宮斎字をカッコいいと抱きついて)ぬおっ! な、何しやがる!」
「ゴメンなさーい♪ ちょっと手がすべっちゃってー♪ 何となく建宮さんが妙なこと考えてると思ったらつい♪」

 妄想してる建宮に容赦無くボーリングの玉を放る佐天に、建宮も絹旗も何があったのか気になったが怖くて聞けなかった。
 そして佐天は決意する、とりあえずこのボーリングで建宮に勝利することを。



その頃、卓球場にいる浜滝、インデックス、ステイルはというと、土白にあのメモを言う事を忘れて、卓球をしていた。

「そういえば何でここに来たんだにゃー?」
「確かに。他の部屋にも卓球場があるのになんで私たちと一緒の部屋に入ってきたの?」

土白は他の部屋にも卓球場があるのに四人は、何で土白がいる部屋に入ってきたのか疑問に思った。

「あ、すっかり忘れてた。俺たちはお前らを探してたんだった。」
「で、俺たちに何の用件ぜよ?」
「用件って言ってもこのメモを見せに来ただけなんだけどな。」

浜面がそういうと、土白にメモを渡した。
そして数分後、読み終わった二人はと言うと…

「まさか、あの両親が俺たちの事まで考えてくれるとは思わなかったにゃー。」
「そうね、ここまで言われると嬉しいよ。」

「カミやんと友達になれて良かったにゃー。」
「なんだか私嬉しくて泣けてきたよ~」

土白がメモの感想を言ってたら月夜の目から涙が出てきていた。

「感動しているところ悪いけどよ、俺と滝壺は一方通行達の所にそのメモを見せに行ってくるからそのメモ返してくれないか?」
「分かったにゃー。」

と言うと、土御門は浜面にメモを返した。

「じゃあ俺達は行ってくるので。」

と浜滝がドアを開けたら、そこには上琴、初春、神裂、シェリー、ヴィリアンが居た。


「よっ、今からアクセラのところに行くところだ」
「んじゃ頼むぞ浜面」
「任せとけって」

レベル0の会話が終わるとそれぞれ会いにいくやつの元へ歩いていった。

「にゃー、これはどうもお招きいただきありがとうございますにゃー」
「いやー、ここは色んな意味で最高だねー」

何やかんや話していると。

「で、何のご用かにゃー?」
「用ってわけでもないのよね……」
「上条さん的には自分の家でブラブラしようかと思ってるんですけどねー?」
「確かにここは広そうですから、確かにいいかもしれませんね」
「では飾利、『バッティングフロア』なんてどうでしょう?」
「いやいや、そこは『創作フロア』だろ」

……またシスコン達の醜い争いが始まった。

「そういやヴィリアン、アックア……いや、ウィリアムどうした?」
「ウィリアムなら先ほど少々荒れてる方々を……」

そのタイミングにドアが開いた、ウィリアムである。

「勝手に上がらせてもらった、謝罪をするのである」
「まあいいっていいって」

そんな光景を見ながらも抱きつかれながらも話しかけられてる初春は。

(どうしてこんなグットタイミングで出てこれたんだろう……)

それは宇宙の法則と答えておこう。



「おーい! みんなー、見せたいものがあるんだけどよー……ってどうしたんだ? みんな」
「はまづら、きっとあそこのレーンのせい」

 ボウリングフロアにやって来た浜滝、目的はもちろん美鈴のメッセージを見せる為だがやけに静かなことに疑問を持つ。
 その原因は第10レーンの佐天、絹旗、建宮の緊迫した空気と全員のスコアにあった。

「静かになるのも当然ですよ。だってあの三人、今までパーフェクトなんですから」

 浜滝に説明したのは上琴達からいつの間にか離れたレッサーで、目的は絹旗に会う為だったりする。
 レッサーを連れて一打、半郭のいる第13レーンへ向かった浜滝は、このレーンのゲームが既に終了していることに気付く。

「よっアクセラ。……ってパーフェクトかよ! すげーじゃねーか!」
「まァそうなンだけどよォ……。アイツらに比べると大したことねェ気がすンだよなァ……」

 こちらのレーンで一方通行が何気にパーフェクト(スコア300)を決めていたりする。
 ちなみに半蔵は238、郭は157、打ち止めは33というスコアでゲームは終了している。

「大したことねえってお前、あっちはまだゲーム終ってねぇだろ? あいつらの何が凄いんだよ?」
「見てりゃ分かる」

 一方通行がそうまで言うので浜面も第10レーンに注目することにした。



 ボウリングフロアにいる人間から注目を集めていることにも気付かない佐天、絹旗、建宮が迎える第9フレーム。

「こ、ここまで来たら超負けたくないですね。いきます! 浜面と建宮のくせに超生意気なので顔面殴りたいですーーーーーーーっ!」

 絹旗の殺人投球が炸裂、見事にストライク。
 次の佐天は絹旗とハイタッチをした後で真剣な表情で構える。

「建宮さんなんかセクハラで訴えられちゃえーーーーーーーーーーーーっ!!」

 魂の叫びと共に投げられたボールは綺麗なラインを描き、こちらもストライク。
 建宮が手を差し出すと、佐天は力いっぱい差し出された手を叩く。

(いつつ……。まったく絹旗はともかく佐天が殺気立ってる理由が分からんのよ。だが! わしも負けてはおれん! 飾利姫にわしのスコアを褒めてもらう為にも!)

 そして建宮も他の二人と比べて地味ながらも、プロ並みの綺麗なフォームの投球でストライク、パーフェクト続行中である(他の二人同様に)。



 そんな三人を初めて見る浜滝とレッサー、滝壺とレッサーは驚きで言葉にならないが浜面だけはツッコミを入れる。

「おいいいいいいいいいいっ! 絹旗のやつ何言ってんの! あれ明らかに俺と建宮への罵詈雑言じゃねーか!」
「アレなんてずいぶんとマシなんだよってミサカはミサカは今までの絹旗の言った言葉を思い返してみたり」
「今のがマシなのかよ! くっそー、絹旗のやつ、あそこまで言うことねーじゃねーか……」

 絹旗に対して愚痴を言う浜面の肩に優しく手を置いたのは半蔵だが、郭、一方通行と共に慰めにならない慰めを受ける。

「浜面、気にすんな。絹旗の脳内ランキングじゃお前は別段格下って位置づけられてるだけだろ。俺は違うから安心しろよ?」
「そんなに落ち込まないで下さい浜面氏。絹旗氏の考え、分からなくもないですけど気にしなければいいだけの話です」
「まあ、何だ。お前だけダントツで扱い悪いってわけじゃねェンだから落ち込むなよ。……仕方ねェことだけどよォ」

 三人の無自覚の追い込みに浜面が更に落ち込むのを見て、滝壺が優しく彼を慰める。
 レッサーが密かに仲が良くなった滝壺を応援するなか、運命の(?)第10フレームが幕を開ける。


 絹旗は今までのように浜面と建宮に対する不満や悪口を言いながら投げようとした。

「よーっし! 最終フレーム、とっておきの超ひどい言葉で投げますよー! 浜づ」
「おっ! 最愛のやつパーフェクトじゃねーか! 最愛頑張れよー!」
「お、お兄ちゃんっ! ……あっ」

 ところがボウリングフロアにやって来た当麻の応援に緊張、ガターを叩き出してしまう。
 二投目も当麻の視線が気になり、今までのような掛け声は出せなくなり力を発揮できず5ピン倒すの精一杯で最終スコア275で終了。

「くうっ……。お兄ちゃんの目が超気になって力が発揮できませんでした。涙子、せめて建宮には超勝って下さいね!」
「まっかせて!(さすがに当麻兄さんと美琴姉さんの前じゃあんなことは言えないからなぁ……。あたしもちょっと厳しいかも)」

 絹旗にはああ言ったものの、佐天も上琴の目の前ではあんなことは言えないので不安になっていた(美琴も当麻と一緒に来ていたのだ)。
 しかし絹旗ほどの緊張は無かったので、スペアとその後で8ピン倒して最終スコアは288。
 それを見た建宮は条件は厳しいと思いつつも、勝利の可能性が高くなったことを確信する。

「(ふっ、今日はパーフェクト行ける気がするのよね! そして飾利姫にこのスコアを捧げるよな!)さあ、勝利の投球を今こ」
「うわー、広いんですねボウリングフロアって。あ、見て下さいヴィリアン姉さま。建宮さんが投げる所ですよ」
「本当ですね。今までパーフェクトとは凄いんですね、建宮は」

 ところがそこに突然現れた初春のお陰(?)で一気に緊張、ガターに直接ボールを叩き込んでしまう。
 ちなみに神裂とシェリーは喧嘩と言う名の卓球勝負の真っ最中(ウィリアムが審判、インデックスとステイル、土白が観客で)。

(ま、まさか、か、飾利姫の視線でここまで自分の体がままならなくなるものなのか……! くっ、まともに動け、わしの体よ!)
「……あれ? 建宮さん、急に動きが悪くなりましたね。建宮さーん、大丈夫ですかー?」

 初春が心配してくれることも今の建宮、いいかっこしたいという欲望に取り憑かれた状態では逆効果。
 プロ並みの綺麗なフォームは見る影も無く、二投目もガターに叩き込み最終スコアは270ながらも三人の中では最下位に。



「どう飾利? あたし建宮さんに勝ったよ! すごいでしょ?」
「え? ええ、凄いですけど……どうかしたんですか涙子さん?」

 建宮にボウリングで勝利したことを勝ち誇る佐天を初春は不思議に思っていた。
 そこで佐天はことのついでに初春に聞きたかったことを聞く為にヴィリアンから初春を引き剥がす。

「な、何をするのですか! 飾利は今、私と一緒に……」
「ゴメンなさいヴィリアンさん! 今から飾利ととっても大事な話があるんです! 後でちゃんと返しますから少し待ってて下さい!」

 佐天の真剣な表情にヴィリアンは何も言えず、初春を彼女に預けることに。
 初春を引っ張って別のフロアに移動する為にボウリングフロアから出る前に佐天特製金属バットを突きつけて宣告する。

「今から飾利とすっごく重要な話が有ります。絶対に誰も後を尾けたり盗み聞きしないで下さい! もしそれらをやってるって分かったらコレで頭割りますからね!」

 その宣告に上琴はおろか、その場に居た全員が納得せざるを得なかった。
 こうして佐天は初春を連れて、誰も居なさそうなフロアを探しに行くのだった。

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注釈

*1 絶対にベクトル操作やったな