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**二人の女、二人の愛(後編) ◆WXWUmT8KJE  斗貴子は今日三度目の、ルイズは初めての川のダイブを決めるのをコナンは見届けて、悔しげに俯く。  その彼の手を取るうるさい少女はもういない。  コナンは地面を握った拳で叩いた。 「クソ……クソッ!!」  何度呟いたか分からないほど、長い間コナンは地面を叩き続けていた。  拳には血が滲む。左腕が一切動かない。ヌンチャクを手放し、地面に叩きつけられた時に肩が脱臼したらしい。  痛みが走るが、それ以上に悔しさがコナンの胸を締め付ける。 「何で……俺は…………」  疑問を呟くが、答えはとっくに出ている。  ―― 覚悟って言葉は身を奮い立たせる言葉なんだよ。  かつて、幼馴染である少女、毛利蘭が殺人犯に向かって言った言葉を、あの場の状況に応じて自分流にアレンジした言葉が、コナンの胸を突き刺す。  覚悟が足りない。コナンの結論は悲しいまでに過去の自分が証明してしまった。  ルイズのように、非力でも誰かを逃がすために奮闘できることがある。  それを自分が出来ないのは、あの時の吉良や今のルイズのように覚悟が足りないからだ。  自虐的になっているコナンは、真実と違う答えを導く。  本当はただの偶然が重なっただけ。ルイズだからこそ、斗貴子を揺らがせることが出来ただけ。  それだけしか、違いは無かった。その違いが、天と地ほどもの斗貴子に対してのみ、差が出てしまった。  彼の瞳に、バラバラになったDVDのジャケットの文字が眼に入る。 『……なんだ!! 私立探偵・涼……』  探偵。誰も救えない、殺人を止めれない、殺し合いを止める手段を持たない自分には、重い言葉だった。  コナンが自分を責め続けて、数十分も過ぎた頃、人影が彼を発見する。  バイクの排気音を耳にしても、コナンは反応を示す気がなかった。 「お、おい! くど……コナン!! 無事やったんか!?」 「服部、お前の知り合いか!?」 「ああ、知り合いの子供や。良かったわ。お前と再会でき……どないしたんや? その怪我は?」 「服部…………」  コナンの覇気のない瞳に、服部はギョッとする。  服部の知る工藤は、こんな瞳をする男ではなかった。 「怪我をしているところをすまないが、この近くでルイズと名乗っていた少女を知らないか? 服部、アミバ、この少年を頼む。俺はルイズと言う少女を……」 「…………れなかった」  コナンを服部とアミバに任せようとした劉鳳を遮るように、コナンが小さく呟く。  その言葉を聞き逃したため、三人が耳を向ける。 「殺人が行われるのを、俺は止めれなかった!! それどころか、女に守ってもらうなんて……ちくしょう…………ちくしょうぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」  夕陽に向かって吠えるコナンの姿は、間に合わなかった三人を象徴しているかのように見えた。  赤い景色をもたらす夕陽は落ちていき、やがては夜の闇をもたらす。  それは、これから熱い魂を持つ三人に訪れる暗闇を示しているようだった。 【F-4 北東土手/一日目 夕方】 【江戸川コナン@名探偵コナン】 [状態]:全身打撲。左肩脱臼。疲労大。無力感。覚悟が足りないことを痛感。 [装備]:なし [道具]:基本支給品、スーパーエイジャ@ジョジョの奇妙な冒険、鷲巣麻雀セット@アカギ [思考] 基本:仲間を集める。 1:ルイズを守れなかったことと殺人を止められなかったことに後悔。 2:覚悟さん達と合流 3:ゲームからの脱出 4:ジグマールを警戒 [備考] ※メガネ、蝶ネクタイ、シューズは全て何の効力もない普通のグッズを装備しています。 ※自分達の世界以外の人間が連れてこられていると薄々感づきました。これから、証拠を集めて、この仮説を確認しようとしています。 ※川田、ヒナギク、つかさの情報を手に入れました。 ※ヌンチャク、バラバラになったシャンゼリオンのDVDは近くに放置されています。 【劉鳳@スクライド】 [状態]:疲労中、全身に小程度のダメージ、左肩と腹部にダメージ中、右拳骨折(包帯が巻いてある)、核鉄で治癒中 [装備]:ニアデスハピネス@武装錬金(核鉄状態) [道具]:支給品一式、4色ボールペン、色々と記入された名簿、スタングレネード×2 、タバサの眼鏡      タバサのデイパック(内容は液体窒素(一瓶、紙状態)、支給品一式 、色々と記入された名簿) [思考・状況] 1:コナンより真実を尋ねる。 2:コナンの態度よりまたも救えなかったのか?と不安。 3:近くにいるはずのルイズを探し、彼女を保護。平賀才人の伝言を伝える。 4:防人と合流、タバサのことを知らせる。 5:悪(主催者・ジグマール・DIO・アーカード・村雨)は断罪、弱者(シェリス、ルイズ、キュルケ)は保護。 6:シェリス・防人の知り合い・桐山の知り合い・核鉄を探す。 7:シェリスに事の真相を聞きだす。 [備考] ※絶影にかけられた制限に気付きました。 ※桐山・防人・服部・タバサと情報交換しました。 ※平次の策に乗る気はありません。 ※タバサの遺体を抱え、制服の袖の部分がタバサの血で濡れています。 ※E-6にタバサを埋葬しました。ネクロノミコンはそこに置いてあります。 【アミバ@北斗の拳】 [状態]:健康、疲労小、強い決意、今までの自分に強い自己嫌悪(多少軽減) [装備]:ジャギのショットガン@北斗の拳(弾は装填されていない)、携帯電話 、 [道具]:支給品一式(×3)(一食分消費済み)      綾崎ハヤテ御用達ママチャリ@ハヤテのごとく、ノートパソコン@BATTLE ROYALE(これら三つは未開封)      ギーシュの造花@ゼロの使い魔、神楽の仕込み傘(強化型)@銀魂 、      スティッキィ・フィンガーズのDISC@ジョジョの奇妙な冒険、空条承太郎の記憶DISC@ジョジョの奇妙な冒険 [思考・状況] 基本:ゲームの破壊、主催者の殺害。 1:コナンから事実の確認。 2:コナンの態度よりまたも救えなかったのか?と不安。 3:病院へ向かい、防人と合流。 4:ゲームに乗っていない人物と協力する。 5:ゲームに乗った人物と遭遇した場合説得を試みて駄目なら殺害する。 6:ケンシロウとラオウには出来れば会いたくないがいざとなったら闘う覚悟はある。 7:服部の策に乗り、脱出をネタに仲間を募る(一時的に保留)。 [備考] ※参戦時期はケンシロウに殺された直後です。 ※『スティッキィ・フィンガーズのDISC@ジョジョの奇妙な冒険』の説明書は存在しません。 ※服部・タバサと情報交換をしました。 ※スティッキィ・フィンガーズのDISC、空条承太郎の記憶DISCに興味を持っています。 【服部平次@名探偵コナン】 [状態]:健康。両頬が腫れている [装備]:スーパー光線銃@スクライド、ハート様気絶用棍棒@北斗の拳 、バイクCB1000(現地調達品) [道具]:首輪、「ざわ……ざわ……」とかかれた紙@アカギ(裏面をメモ代わりにしている)、支給品一式 、色々と記入された名簿。ノート数冊      才人のデイパック(内容は支給品一式、バヨネット×2@HELLSING、      紫外線照射装置@ジョジョの奇妙な冒険(残り使用回数一回)未確認) [思考・状況] 基本:江戸川コナンよりも早く首輪のトリックを解除する。 1:コナンから事実の確認。 2:コナンの態度よりまたも救えなかったのか?と不安。 3:近くにいるはずのルイズを探し、彼女を保護。 4:病院へ向かい、防人と合流。 5:シェリスを発見し、真実を明らかにする。 6:自分自身にバトルロワイアル脱出の能力があると偽り、仲間を集める(一時的に保留) [備考] ※劉鳳と情報交換を行い、シェリスの名前を知りました。 ※劉鳳、アミバ、タバサの事は全面的に信用しています。 ※自分自身にバトルロワイアル脱出の特殊能力があると偽るつもりです。 ※バトルロワイアル脱出の特殊能力は10人集まらないと発動しません。(現時点での服部設定) ※脱出作戦を行うかはどうかは考え中。 [共通備考] ※劉鳳、服部、アーカードの持つ名簿には以下の内容が記載されています。  名簿に青い丸印が付けられているのは、カズマ・劉鳳・シェリス・桐山・杉村・三村・川田・才人・  ルイズ・防人・カズキ・斗貴子・タバサ・キュルケ・コナン・服部 ・灰原  赤い丸印が付けられているのは、ジグマール・DIO・アーカード・散・村雨  緑色の丸印が付けられているのは、蝶野 □  殺し合いが行われる舞台でも、川の流れは依然変わらず。  破壊が行われようとも、血が流れようとも、その穏やかな流れは変わらない。  その流れは見た目よりも激しく、下手をすれば沈んだまま戻らぬ者もいる。  川原の岩に、白い手が伸びる。水を叩く音を立てながら立ち上がる者は桃色の髪を濡らし、咳き込みながら身体を起こす。  ブラウスが水を吸い込み、重石となってルイズに纏わりつく。斗貴子との戦いと自身の爆発により、フラフラだが二本足でしっかりと立つ。  土手に上がると同時に、踵を返してふらつく身体で杖を構える。ルイズの視線の先には静かに流れる川が映っているだけだ。  息を荒げ、倒れそうになりながらもその瞳だけは闘志を失わない。 (スギムラ、わたしの正義を今見せてあげる!!)  ずぶ濡れのデイバックを足元に落とした刹那、川より水柱が上がり、セーラー服と銀髪を濡らした斗貴子が殺意を持ってルイズを見下す。  ルイズの十数メートル前方で斗貴子は降り立つが、一瞬覚束ない足取りでバランスを取るのに手間取る。  さすがの斗貴子も、短い期間で三回川に落ちては体力を大幅に失う。  吉良や赤木との戦闘も尾を引きずっている。それでも狂気は衰えず、ルイズを見据える。 「決着をつけましょう。『わたし』」 「黙れ! お前と私は違う! カズキを蘇らせることを諦めた、お前などと!!」  苛烈な殺気を受けても、ルイズは笑みを浮かべていた。  自分の殺気など、物の数でもない。ルイズは心の中でそう呟いた。  相対する斗貴子を真っ直ぐ見据え、ルイズは呟き始める。 「トウホウにゲイゲキの用意あり……」  それは、覚悟がタイガーロイド、三影英介と対峙したときに宣戦した言葉。  それは、ルイズが初めて聞いた、戦いへと赴く自分を奮い立たせる言葉。 「――覚悟、完了!!」  ルイズは身体が勇気に満ち溢れ、羽のように身体が軽くなる錯覚を起こす。  病院でコナンが吉良に向かって叫んだ言葉を思い出す。  ―― 覚悟って言葉は身を奮い立たせる言葉なんだよ。 (本当にね。あの子供、なかなかいいこと言うじゃない。カクゴ、だからあなたはあの時こう叫んだのね。 スギムラの仇を討つために。自分を奮い立たせるために)  ルイズの瞳に曇りはない。杉村や覚悟のような信念を持ち、斗貴子に迫る。  コナンを守った彼女は、常に貴族らしくと心がけた信念を無意識に叶えた姿である。  直線的なルイズの動きを、斗貴子は見飽きたと言わんばかりに無防備に構える。  口が開く前に、今度は咽をつく。そしてサンライトハートで止めを刺せば、ルイズはおしまいだと判断した。 (早く終わらせる。でないと、私は……私は!!)  斗貴子はルイズの唇に集中して構える。  そして、ルイズの唇がかすかに動いたのを確認、力の限り地面を蹴る。  その斗貴子の動きを見て、ルイズは笑って急にブレーキをかける。  疑問符を浮かべる斗貴子の側頭部に衝撃が走った。  チカチカする視界が晴れた先には、水を吸い込んだデイバックを振るったルイズがいた。  斗貴子は内心舌打ちをする。水を吸い込んだデイバックは重く、斗貴子にも充分ダメージを与えれる凶器と化す。  ルイズの唇に集中して、武器の存在を失念した自分の愚かさを呪う。  結果、ルイズの接近を許してしまい、ついに斗貴子はルイズの爆発に巻き込まれる。 「ガァッ!!!!」  爆風より飛び出た斗貴子は宙を舞い、錐揉みしながら地面に叩きつけられた。  爆発の熱に肌は焼け、衝撃は全身の骨をバラバラにせんと軋ませる。  しろがねの回復力で修復が始まるが、この戦いの後はしばらく戦えないだろう。  斗貴子が振り返ると、自らの爆発でダメージを受けながらも、決して膝をつかないルイズがいる。 「なぜ……そんなに戦える! 私が見たところ、君は戦いの訓練を積んだことが無いはず!」 「わたしを助けてくれた人が言っていたわ。そこに正義があるのかって……。 もともと、友達の言葉だって言っていたけど、スギムラはこの言葉を持ってわたしを守ってくれたわ」  一歩、ルイズは斗貴子に近寄る。まだ斗貴子は地面に伏している。 「ラオウに襲われたとき、シンパチはわたしに人を殺そうと考えている姿、似合わないっていってくれた。 ギントキも、わたしにそんな顔をさせないために、強い奴に立ち向かったんだって。 キラだって、あんたが殺したマリアさんのこともあるのに、わたしたちを助けるために一人残ってくれたわ。 シンパチだって、弱いくせにわけの分からない物に立ち向かっていったわ。 コナンなんて、子供なのにわたしを助けようと、あんたに立ち向かったわ。 わたしだけッ!」  ルイズは叫ぶと同時に杖を振るう。その姿が、斗貴子にとって不快極まりない。  彼女の戦士としての本能がちくりと痛む。 「わたしだけッ! 何もしないわけにはいかない!!」 「だから、私を殺すのか?」  会話で稼いだ時間で動けるだけの体力を得たことを確かめ、斗貴子は立ち上がる。  ルイズが止めを刺しにこなかったのは彼女もボロボロだからだ。  最早気力だけで立っている状態なのだろう。  そう考えている斗貴子に向かって、ルイズが微笑む。  その笑顔は夕陽を受けて赤く、それでいて曇りなく、後光を刺したように輝いていた。  いつか見たカズキの満面の笑顔を思い出すかのような『いい笑顔』だ。 「違うわ。『わたし』を救うの」   その言葉に呆気にとられている斗貴子に、ルイズが再び突進してきた。  何度目か分からない突撃だが、斗貴子の身体は重く避けるための動きが出来ない。  もう一度、ニアデスハピネスに迫る爆発をくらえば斗貴子でもただではすまない。  なのに、身体はまだ満足に動けない。 (やら――れる?)  どうにかサンライトハートを逆袈裟に振るうが、狙いが逸れてルイズの左手首を切り離しただけだ。  ルイズは痛みで僅かに笑顔を曇らせるが、耐えて斗貴子に接近する。 (マズイ!)  しかし、斗貴子に対抗できる手段はない。ルイズは爆発を…… 「大丈夫。まだ、戻れるから……」  爆発を、発動させなかった。むしろ、斗貴子を優しく抱きしめる。  斗貴子の川の冷たさで冷えた身体に、ルイズの温もりが伝わってくる。 「カズキって人……本当に好きだったんでしょう? 悲しいよね。けど、受け入れるしかないの」 「黙れ! 黙れ!!」 「サイトが死んで、わたしも悲しかった。 その気持ち、痛いほど分かるから……お願いだから正気に戻って。カズキって人が悲しむだけだから……」 「黙れぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」  駄々をこねる子供のように、斗貴子にはルイズを否定する。  この温もりを受け入れれば、もう二度とカズキに逢えなくなる。  その恐怖心だけで、ルイズを突き飛ばし、脇腹にサンライトハートを突き刺した。  俯くルイズの表情は見えない。そのことに斗貴子は安堵のため息を漏らす。  しかし、ルイズはまだ死んでいなかった。デイバックの中に手を入れ、取った物を己の口元に運ぶ。 『カクゴォォォォ!!』  取り出したのは、仲間を集う時に使った拡声器。  これを使って何をするのか、突然のことで斗貴子は頭が回らなかった。 『わたしを殺したのは、銀髪銀眼の、顔に傷がある娘よ!!!』  斗貴子はルイズが最後に、仲間に警戒を促すために拡声器を使っていると判断した。  多くの人間にこの声が届けば人を殺しにくくなる。深くサンライトハートを突き刺すより早く、ルイズは最期の言葉を告げる。 『だけど彼女を許して、そして救ってあげて!! お願い、カクゴォォォォォォ!! みんなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』  押し込んだサンライトハートにより、ルイズの血が斗貴子にかかる。  拡声器を力なく落とし、崩れていくルイズの顔には、先ほどと変わらない笑顔が浮かんでいた。  凄惨な戦いを感じさせない表情。殺し、勝ったのは斗貴子なのに、敗北感に塗れる。 「私は…………」  斗貴子は力なく膝をつき、赤く染まる空を見上げる。  いつの間にか彼女の頬に涙が流れていた。 「――――――――――ッ!!」  斗貴子は哭いた。ただただ天に向かって、あらん限りの声で哭く。 「フ……フフフ…………フハハハハハ」  ひとしきり哭いた後、斗貴子は突如笑い出した。しかし、その瞳に狂気の色は薄れ、冷静になっていく。  やがてゆっくりと立ち上がり、ルイズの死体から離れる。  身体を休めるところを探さねばならない。そのため、拡声器が使われたこの場は危険だ。 「君はいいことを教えてくれたよ。さすがはもう一人の『私』だ。いいことを言う。 そうだな、このままじゃ私はカズキに嫌われてしまう。今気づけてよかった」  斗貴子はフラフラと暗くなってくる街を進む。  その足取りは覚束ないものの、一歩一歩確かに踏み続けた。 「そうだな、優勝したら、私はカズキと二人だけの世界に連れて行ってもらおう。 カズキも、私以外に愛する人さえいなければ、きっと私だけを愛し続けてくれる」  声はしっかりと発音され、目は正常に前を向き続ける。  ただ、その考え方だけが、昔の彼女と違っていた。 「カズキ、私は夢を見つけたよ。カズキと一緒に、二人だけで暮らし続ける。 他の何もいらない。それだけが私の望み。カズキ、拒否してもいい。だけど…………」  斗貴子の顔に影が落ち、皺を強調する。  ドブ川よりも濁った色を宿す瞳を歪ませ、口角を高く吊り上げる。 「そうなったら、私は君の愛も身体も何もかも奪うよ。 たとえ、世界が私たち二人以外、滅んでも」  ルイズの笑みとは対を成す、邪悪な笑顔。  それもまた、『イイ笑顔』だった。  かつて、白金という男がいた。  たった一人の女を手に入れるため、世界を滅亡まで追い込むことまでした男だ。  その男の望み、それはフランシーヌを手に入れること。  彼が溶け込んだ生命の水(アクア・ウィタエ)を斗貴子は飲んだわけではない。  しかし、最愛の人を失い、バダンによって歪められた戦士の使命は、白金と同じ精神状態にまで斗貴子を堕とす。  太陽の輝きを持つサンライトハートは、皮肉にも黒い太陽となった斗貴子の手に握られる。  サンライトハートの主にして、斗貴子の最愛の人、武藤カズキを殺した男、フェイスレスと化したかのような、斗貴子の手によって振るわれる。  人を殺すために。彼女の夢のために。  それは決して、武藤カズキが望んだことではなかった。 &color(red){【ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール@ゼロの使い魔:死亡確認】} &color(red){【残り31人】} 【F-3 東中央市街北 1日目 夕方】 【津村斗貴子@武装錬金】 [状態]:しろがね化、心臓代わりに核鉄、精神崩壊、判断力低下(本人は正常だと思っている)、あふれる多幸感     右手消失、全身大火傷、頭部に刺し傷 (核鉄としろがねの力で回復中)。衝撃により、骨にヒビ。 [装備]:核鉄(サンライトハート・待機状態・胸の中)@武装錬金 [道具]:支給品一式×2 [思考・状況] 基本:最後の一人になり、優勝者の褒美としてカズキを蘇らせ、二人きりで暮らす『夢』を叶える。 1:とりあえずもう少し休んで回復を図る。 2:可能ならば、なんらかの手段で戦力の増強を図る。 3:強者との戦闘は極力避け、弱者、自動人形を積極的に殺す 4:アカギ、吉良、勇次郎、軍服の男(暗闇大使)は最終的に必ず殺す。アカギは特に自分の手で必ず殺す。 ※全身に酷い火傷を負っており、右手も消失と、かなりの重傷です。 ※セーラー服はボロボロに焼け焦げており、所々に穴が空いています。 ※軍服の男(暗闇大使)は参加者の一人だと勘違いしています ※斗貴子が飲んだ液体は生命の水(アクア・ウィタエ)です  また斗貴子は生命の水の事は知らず、只の治療薬の一種と思っています ※しろがねとなったため、身体能力、治癒力が向上しています  また斗貴子はまだその事に気付いていません ※核鉄の異変に気づきました。 ※アカギがカズキを殺した張本人だと、思っています。 ※自ら自分の心臓を破壊し、核鉄(サンライトハート)を心臓の代わりとして埋め込みました。  そのため核鉄やサンライトハートが壊れると確実に死亡します。  既に「黒い核鉄」に「白い核鉄」を使用した後なので、ヴィクター化する可能性は皆無です。 [共通備考] ※ルイズの最後の訴えは、F-3東中央川沿いの周辺、1km四方に届いた可能性があります。 ※折れた軍刀、キュルケの杖、拡声器はルイズの死体周辺に放置されています。 [[前編>二人の女、二人の愛]] |162:[[三村信史は砕けない]]|[[投下順>第151話~第200話]]|164:[[気付かないのはお約束]]| |162:[[三村信史は砕けない]]|[[時系列順>第3回放送までの本編SS]]|164:[[気付かないのはお約束]]| |155:[[万事屋銀ちゃんの店仕舞]]|江戸川コナン|170:[[Don’t stop Don’t give up]]| |155:[[万事屋銀ちゃんの店仕舞]]|&color(red){ルイズ}|&color(red){死亡}| |157:[[男達、止まらず]]|劉鳳|170:[[Don’t stop Don’t give up]]| |157:[[男達、止まらず]]|アミバ|170:[[Don’t stop Don’t give up]]| |157:[[男達、止まらず]]|服部平次|170:[[Don’t stop Don’t give up]]| |151:[[小さな死 ~ La Petite Mort ~]]|津村斗貴子|167:[[ラオウ敗れる]]| ----

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