「トラップ発動!」(2009/07/11 (土) 19:14:15) の最新版変更点
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**トラップ発動! ◆5zoI.SnQGo
勇次郎は苛立っていた。自分の動きを妙な力で止めたあの老人に、首に巻きついている忌まわしい首輪に怒っていた。
はらわたが煮えくり返る。早く戦いたい、早く極上の料理を食らいたい、勇次郎は一刻も早く戦闘が始まる事を願った。
しかし、勇次郎の願いはいつまで経っても叶わない。
ゲーム開始からもう三時間程歩き回っているのだが、未だに他の参加者と出会っていない。
ゲームは始まってるのか?とつい疑ってしまう。勇次郎のフラストレーションはゆっくりと確実に蓄積されていった。
消防署にワックスを塗られた床と巨大な靴が擦れあう物音が響く。
地上最強の生物は署内に狩るべき獲物がいないことを確認すると、ゆっくりと腰を下ろし支給品の確認を始めた。
バトルロワイアルの中で生き残るためには、配られたランダム支給品をうまく活用する必要がある。
はたして勇次郎が求める最高の支給品とはいったい何か?
銃器か、爆薬か、それとも毒物か?刀を使うものにとっては長く、頑丈で振り回せるものが理想的だろう。
何が何でも生き延びたいと言う者には他者の動きを察知できるレーダーのような物が好ましい。
勇次郎は――
何も必要としていなかった。武器はすでにある。常に勇次郎のそばにある。
そう、彼の肉体だ。その拳はダイヤをも砕き、その脚力はサバンナの肉食動物にも匹敵する。
地上最強という称号を勝ち得た無類であり無敵の筋肉を全身にまとい戦いを貪欲に求める鬼。それが範馬勇次郎だ。
その肉体は下手な武器よりはよっぽど火力のある代物であるのだが、支給品を確かめないわけにはいかない。
と言うより、どうでもいい支給品を確かめる程、勇次郎は退屈していたのだ。
勇次郎はデイパックから三枚の紙を取り出した。
獲物を見つけられず、その闘争心を持て余している鬼の心を揺さぶる支給品はあるのだろうか?
どうやらこの紙を開くと支給品がでてくるらしい。どんな仕組みなのか見当もつかないが、元々細かい事を気にする勇次郎ではない。
勇次郎は紙の外側に書かれたメモを読んだ。
一枚目、日本刀
二枚目、自転車
使えない、勇次郎は心底思った。しかし三枚目の紙を見るなり彼の目が変わった。
いつまで経っても闘争と出会えない今の勇次郎にとって、うってつけの代物である。
勇次郎は三枚目の紙を握り、立ち上がった。デイパックと二枚の紙を署内に放置したまま、外に出る。
そして紙を開く。
「ククク、中々の大きさ。それに四発も」
中から出てきたのは打ち上げ花火である。市販の打ち上げ花火とはいえ、かなり巨大で爆発の規模もなかなか期待できそうだ。
勇次郎は打ち上げ花火と共に出てきたライターを使い、点火する。
まもなくして、夜空に美しい花火が轟音と共に咲いた。
爆発は思ったより小規模な物だったが、その光と轟音は少なくとも消防署の周り、地図で言う周囲8マスには確実に届いたはずだ。
勇次郎の目的は戦うことである。惨めに生き延びることではない。
参加者達は花火の轟音と光を確実に感知したはずだ。そして花火は必ず、様子を覗いに来る参加者や戦闘を求める参加者を集めるはずだ。
引き寄せられた参加者を待っていましたとばかりに歓迎し……殺す。
もし、誰も来なければどうする、もし戦うに値しない雑魚が来ればどうする?勇次郎はこれらについては余り深刻に考えてはいない。
誰も来なければまた違う場所で花火を使えばいいし、また適当に歩き回って探しても良い。
戦うに値しない雑魚が来れば無視すればいいだけのことだ。
(さて、しばらく待ってみるか……)
勇次郎は静かに地面に腰を下ろした。
今、静かな気配に包まれた消防署は血で血を洗う凄惨な戦場へと変化しつつあった。
【D-4 消防署の外 一日目 黎明】
【範馬勇次郎@グラップラー刃牙】
{状態}健康
{装備}ライター
{道具}打ち上げ花火3発
{思考}
1:花火に引き寄せられた参加者を待ち、戦うに値する参加者ならば戦う
2:しばらく待って誰も来なかったら何か他の行動に移る
3:首輪を外したい
4:闘争を楽しみつつ優勝し主催者を殺す
【備考】
デイパックと二枚の紙(日本刀と自転車)は消防署内に放置しています
D-4で打ち上げ花火が上がりました。周り(周囲8マス程度)に光と轟音が広がりました
|016:[[偽りの勝利]]|[[投下順>第000話~第050話]]|018:[[夜空にコインが煌めいて……]]|
|058:[[全滅エンド直行フラグ立ちまくり]]|[[時系列順>第1回放送までの本編SS]]|018:[[夜空にコインが煌めいて……]]|
|000:[[オープニング]]|武藤カズキ|042:[[オーガ=範馬勇次郎]]|
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**トラップ発動! ◆5zoI.SnQGo
勇次郎は苛立っていた。自分の動きを妙な力で止めたあの老人に、首に巻きついている忌まわしい首輪に怒っていた。
はらわたが煮えくり返る。早く戦いたい、早く極上の料理を食らいたい、勇次郎は一刻も早く戦闘が始まる事を願った。
しかし、勇次郎の願いはいつまで経っても叶わない。
ゲーム開始からもう三時間程歩き回っているのだが、未だに他の参加者と出会っていない。
ゲームは始まってるのか?とつい疑ってしまう。勇次郎のフラストレーションはゆっくりと確実に蓄積されていった。
消防署にワックスを塗られた床と巨大な靴が擦れあう物音が響く。
地上最強の生物は署内に狩るべき獲物がいないことを確認すると、ゆっくりと腰を下ろし支給品の確認を始めた。
バトルロワイアルの中で生き残るためには、配られたランダム支給品をうまく活用する必要がある。
はたして勇次郎が求める最高の支給品とはいったい何か?
銃器か、爆薬か、それとも毒物か?刀を使うものにとっては長く、頑丈で振り回せるものが理想的だろう。
何が何でも生き延びたいと言う者には他者の動きを察知できるレーダーのような物が好ましい。
勇次郎は――
何も必要としていなかった。武器はすでにある。常に勇次郎のそばにある。
そう、彼の肉体だ。その拳はダイヤをも砕き、その脚力はサバンナの肉食動物にも匹敵する。
地上最強という称号を勝ち得た無類であり無敵の筋肉を全身にまとい戦いを貪欲に求める鬼。それが範馬勇次郎だ。
その肉体は下手な武器よりはよっぽど火力のある代物であるのだが、支給品を確かめないわけにはいかない。
と言うより、どうでもいい支給品を確かめる程、勇次郎は退屈していたのだ。
勇次郎はデイパックから三枚の紙を取り出した。
獲物を見つけられず、その闘争心を持て余している鬼の心を揺さぶる支給品はあるのだろうか?
どうやらこの紙を開くと支給品がでてくるらしい。どんな仕組みなのか見当もつかないが、元々細かい事を気にする勇次郎ではない。
勇次郎は紙の外側に書かれたメモを読んだ。
一枚目、日本刀
二枚目、自転車
使えない、勇次郎は心底思った。しかし三枚目の紙を見るなり彼の目が変わった。
いつまで経っても闘争と出会えない今の勇次郎にとって、うってつけの代物である。
勇次郎は三枚目の紙を握り、立ち上がった。デイパックと二枚の紙を署内に放置したまま、外に出る。
そして紙を開く。
「ククク、中々の大きさ。それに四発も」
中から出てきたのは打ち上げ花火である。市販の打ち上げ花火とはいえ、かなり巨大で爆発の規模もなかなか期待できそうだ。
勇次郎は打ち上げ花火と共に出てきたライターを使い、点火する。
まもなくして、夜空に美しい花火が轟音と共に咲いた。
爆発は思ったより小規模な物だったが、その光と轟音は少なくとも消防署の周り、地図で言う周囲8マスには確実に届いたはずだ。
勇次郎の目的は戦うことである。惨めに生き延びることではない。
参加者達は花火の轟音と光を確実に感知したはずだ。そして花火は必ず、様子を覗いに来る参加者や戦闘を求める参加者を集めるはずだ。
引き寄せられた参加者を待っていましたとばかりに歓迎し……殺す。
もし、誰も来なければどうする、もし戦うに値しない雑魚が来ればどうする?勇次郎はこれらについては余り深刻に考えてはいない。
誰も来なければまた違う場所で花火を使えばいいし、また適当に歩き回って探しても良い。
戦うに値しない雑魚が来れば無視すればいいだけのことだ。
(さて、しばらく待ってみるか……)
勇次郎は静かに地面に腰を下ろした。
今、静かな気配に包まれた消防署は血で血を洗う凄惨な戦場へと変化しつつあった。
【D-4 消防署の外 一日目 黎明】
【範馬勇次郎@グラップラー刃牙】
{状態}健康
{装備}ライター
{道具}打ち上げ花火3発
{思考}
1:花火に引き寄せられた参加者を待ち、戦うに値する参加者ならば戦う
2:しばらく待って誰も来なかったら何か他の行動に移る
3:首輪を外したい
4:闘争を楽しみつつ優勝し主催者を殺す
【備考】
デイパックと二枚の紙(日本刀と自転車)は消防署内に放置しています
D-4で打ち上げ花火が上がりました。周り(周囲8マス程度)に光と轟音が広がりました
|016:[[偽りの勝利]]|[[投下順>第000話~第050話]]|018:[[夜空にコインが煌めいて……]]|
|058:[[全滅エンド直行フラグ立ちまくり]]|[[時系列順>第1回放送までの本編SS]]|018:[[夜空にコインが煌めいて……]]|
|000:[[オープニング]]|範馬勇次郎|042:[[オーガ=範馬勇次郎]]|
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