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**Contact ◆ozOtJW9BFA 拳を交え互いの正義を確かめ合った二人防人衛と劉鳳は、二人ともが総合公園の木に寄り添っている。 朝日の降り注ぐ総合公園は住宅街から外れており、澄んだ空気に満ちており樹木の温もりも人肌に心地良い。 だが残念な事に防人と劉鳳は、公園の安息を満喫出来る状態に無い。 彼等は行動方針を話し合う間も無く見付けた、オールバックの少年を木の陰から見張っていた。 「手に持つショットガンの引き金に指を掛けてはいるが、あの少年の動きは策敵のものじゃ無い。  こうして見ているだけじゃ、殺し合いに乗っているかは判断が付かないな」 「だから、様子を見ずとも直接問いただせばいいと言ってるだろう」 「そう焦るな劉鳳、それでまた俺達みたいに話がこじれたら不味い」 「あれは、お前が遊具を破壊したからだ」 「…………ま、まあとにかく接触のチャンスが来たみたいだぞ」 オールバックの少年が総合公園内に在る、コンクリート製の小さな建物に向かっていく。 「公衆トイレに入るみたいだな……お前まさか、トイレの中で接触するつもりか!?」 「ああ、どんな用であの中に入ったにせよ相手の隙を付いて近付く事が出来る。  もし待ち構えていれば、出方によって殺し合いに乗っているかも確かめられるしな。劉鳳は外で周囲を見張りながら待っていてくれ」 「待て! それなら俺が行く」 「いや、ここは俺に任せろ、考えが有る」 防人には特に少年との接触の際の、考えは無かったが 劉鳳が相手の人間性を見極めて交渉するという事に向いていないと感じ、一人で接触に当たる事とした。 防人は足音を殺し、オールバックの少年が入っていった男子用トイレの入り口に立つ。 (一番奥の清掃用具入れ以外の個室のドアは全て内側に開いているが、ここからでは中に人が隠れているかは判らないな) トイレの中に気配を感じ取る事は出来なかったが、それだけでは人が居ないとは判断出来ない。 防人は手前の個室から、一つ一つ順番に覗いて行く。 (全ての個室を見てみたが誰も居なかった、他に隠れられる空間も無い。となると後は……) 防人は入り口と反対側の壁にある、窓の前に立つ。 (あの少年の体格だと、通り抜けられそうだな……) 窓を押してみると、抵抗も無く外に開いた。 ◇ ◆ ◇ 「動くな」 劉鳳に背後からショットガンの銃口を押し当て、オールバックの少年―――桐山和雄は抑揚の無い声でそう警告した。 (この俺が背後に立たれるまで、接近に気付かないとは!!) 劉鳳の居る場所は公園内でも木が密集して生い茂っている為、周囲に死角が多く存在するとはいえ ホーリーで訓練と実戦経験を積んだ劉鳳は、気配や音だけでも周囲の敵を察知する事が出来る。 しかし桐山がショットガンを突き付けるまで、劉鳳はその存在に気付かなかった。 「何故、俺を尾けてきた?」 「銃を突き付けての問いになど、答える筋合いは無い!」 ショットガンを突き付けられても劉鳳は動じず、むしろ威圧的に返答する。 「答えなければ、撃つ」 「それはこっちの台詞だ! 銃を下ろさなければ、お前を断罪する!!」 更に威圧的な、劉鳳の言葉を無視して 桐山はショットガンの銃口を、劉鳳の右腕に移す。 ドン!! 桐山が放ったショットガンの弾は、両者に割って入る様に現れた 銀色の物体に銃身を逸らされた為、地面に撃ち込まれた。 「絶影!!」 銀色の物体から伸びる触手を、桐山は前に転がり込みながらかわし 起き上がりながら、劉鳳にショットガンの狙いを付ける。 「ブラボチョップ!」 そのショットガンが、防人に横合いから叩き落された。 拾い上げようと伸ばした手を、防人に掴まれ捻り上げられる。 「間に合ったみたいだな」 「礼を言うぞブラボー。もっとも、俺一人でもこいつを退けられたがな」 ◇ ◆ ◇ 桐山は自身の学ランで両手を縛られ、防人と劉鳳の間に座らせられていた。 「……つまり何故尾行してきたのかを問うてきた後、腕を撃とうとしたんだな?」 「ああ、だがそんな事を確認してどうするつもりだ?」 劉鳳にとって目の前の少年は危険な毒虫であり、一刻も早く断罪する以外に無い。 それゆえ防人が何を悩んでいるのか、理解出来ないでいた。 「事情は分かった、君を信用して開放しよう」 防人は桐山の戒めを、解きにかかる。 「何故だ!? こいつは俺を撃とうとしたんだぞ!!?」 「だが彼は、殺し合いには乗っていない」 「だからその根拠を言え!」 「彼は最初質問をして、すぐに撃とうとはしなかったんだろう? つまり単純に、俺達を殺すつもりは無かった訳だ」 「無害を装って、俺達に近付くつもりだったのかもしれん」 「それなら質問に答えないからといって、腕を撃とうとはしない筈だ」 「…………お前の言う通りかも知れないが、その男が俺達を信用出来まい」 「……ではこちらから、信頼を態度で示そう」 桐山を開放した防人は、ショットガンの引き金を桐山に向け差し出した。 「これは君に返そう」 「止めろブラボー! 自分が何をしているのか、分かっているのか!!?」 劉鳳は何時でも桐山を攻撃出来るよう、絶影を形成する。 ショットガンの銃口を自分に向けたまま、防人は桐山の目を見続けた。 変化の無い表情の中僅かに目を細めた桐山は、ショットガンを掴む。 「…………そうだな。俺もお前達を信じよう」 「ありがとう。俺は名簿には本名の防人衛で載っているが、キャプテン・ブラボーと呼んでくれ! 君の名前は?」 「自己紹介は後だ。もうすぐ放送が始まる」 桐山はデイパックから、地図と名簿を取り出す。 「もうそんな時間か、メモを取る用意をしないとな」 「…………何でキャプテン・ブラボーなんだ?」 「ブラボーな質問だ! 何故ならその方が、かっこいいからだ!!!」 「…………そうか……」 【A-6 総合公園/1日目/早朝】 【桐山和雄@BATTLE ROYALE】 {状態}健康 {装備}レミントン M31(3/4)@BATTLE ROYALE {道具}支給品一式 レミントン M31の予備弾24 {思考・状況} 1:放送を聴き、その後防人や劉鳳と情報交換する 2:A-6の西端に向かい、境界を確かめる。その後、変電所へ向かう 3:乗ってない人間を見つけ協力するなら仲間にする 4:襲ってきた人間に対しては一切の手加減をしない 5:首謀者を倒す。 基本行動方針 首謀者の思惑を外すべく、死者が一人でも減るように行動する 【A-6 総合公園/1日目/早朝】 【防人衛@武装錬金】 [状態]:健康、顔面に若干の腫れ [装備]:シルバースキン形コート@武装錬金 [道具]:支給品一式、ランダムアイテム(1~2、本人未確認) [思考・状況] 基本:弱い者を守る 1:放送を聴き、その後劉鳳や桐山と行動方針を話し合う 2:自分の知り合い、核鉄を探す 3:勇次郎と拳王には警戒 【A-6 総合公園/1日目/早朝】 【劉鳳@スクライド】 [状態]:健康 、顔面に若干の腫れ [装備]:なし [道具]:支給品一式、ランダムアイテム(1~3、本人未確認) [思考・状況] 1:放送を聴き、その後防人や桐山と行動方針を話し合う 2:悪は断罪、弱者(シェリス)は保護 3:カズマ、ジグマールについて考えるのは後回し [備考] ※絶影の制限による攻撃力の低下には気づいていません |059:[[ダイ・ハード――大胆に命の術を磨け!――]]|[[投下順>第051話~第100話]]|061:[[偽りの共闘]]| |059:[[ダイ・ハード――大胆に命の術を磨け!――]]|[[時系列順>第1回放送までの本編SS]]|061:[[偽りの共闘]]| |040:[[去るものは追わず]]|桐山和雄|078:[[フライトコードなし! A-6/ホテルへ向かえ!]]| |038:[[拳の雨降って地固まる]]|防人衛|078:[[フライトコードなし! A-6/ホテルへ向かえ!]]| |038:[[拳の雨降って地固まる]]|劉鳳|078:[[フライトコードなし! A-6/ホテルへ向かえ!]]| ----

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