とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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後輩の策略

黒子の災難」の続編です。


とある病院の一室にて一人の少女が必死に弁解をしていた。

「だから黒子本当にごめん。あのときの私はどうかしていたんだ」
「…………」

黒子がなぜ入院しているのは、先日の上条襲撃の際に美琴からお仕置きをうけ、気絶したところを上条に送ってもらった際に起きた
上条の「好きだから」宣言による美琴の暴走による火傷が原因でもあった。
「黒子、黙っていないで何か話してよ。確かに気絶しているところにまた私の電撃を受けて入院したことは本当に悪いと思っているんだから」
弁解を受けている黒子はずっと黙っていた。
(お姉さま…黒子は別にお姉さまの電撃に怒っているわけではないのですの…)
黒子が黙って考えていたのは上条の発言により美琴がRSPK症候群を引き起こしてしまったことであり、
この状態でお姉さまがあの殿方にお会いしたらまた同じような惨劇が…
そのようなことを考えていたところに二人の少女が病室に来た。

「白井さーん。怪我の具合はどうですか?」
「お見舞いに来ましたー」
病室に来たのは、黒子のジャッジメントの同僚初春と初春の同級生佐天だった。
「白井さん。火傷をおって入院だなんて、御坂さんに何をやったんですか?」
黒子が御坂にちょっかいを出して電撃を食らうのは日常茶飯事だったため、今回の入院もそれが原因だと思った初春は第一声にそんなことを話し始めた。

「あははは…私ちょっとみんなのジュース買ってくるから」
今回の黒子の入院の原因が自分の能力の暴走による原因だったため美琴は逃げるように病室から出て行った。
「初春、佐天さんお二人に相談があるのですの」
美琴がいなくなったのをチャンスと思い黒子は二人に今回の入院へのいきさつ
そして、上条の存在そして美琴が上条と会うとRSPK症候群を引き起こしてしまう危険性を話した。
二人は黒子の話を半ば信じられないと思いつつも美琴が自我を失うほどの意中な人がいることにも驚いていた。
「しかし御坂さんほどの人が能力を暴走させてしまうくらいの人がいたなんて驚きです。どんな人なんでしょう佐天さんも気になりますよね」
「私も気になる。その上条さんはどんな人でどんな能力を持っているんですか?」
二人から上条の話が出たところでいきなり病室のドアが開かれた。

「おー!白井。火傷はもう大丈夫なのか?もしかして昨日の御坂の電撃が原因か?」
「かかかか上条さん!どうしてここに?なんでわたくしが入院したことを知っているのですの?」
突然の上条登場に黒子は動揺した。
「今日土御門から聞いたんだけど。なんかお前がビリビリの電撃食らって火傷で入院したって聞いたからな。多少なりとも俺が原因でもあるからな」
「上条さん。そんな事はどうでもいいですの。今からすぐにここから逃げてください。お姉さまに見つかったらわたくし以上の被害者が出るかもしれませんですの」
黒子の逃げろと被害者が出る発言に上条は頭に?マークを浮かべていたところに、初春が叫んだ。
「大変です御坂さんがジュースを買って戻ってきました」

「上条さん!この病室から飛び降りてください」
「えっ?何でこの上条さんが飛び降りなくては…ってどわー」
黒子は上条の抵抗の言葉を最後まで聞かずそのまま病室の窓から蹴落としてしまった。
あっという間の惨劇に残りの二人は唖然とし黒子を見つめたが。落とした当人は
「あの殿方なら大丈夫でしょう」の一言で済ませてしまった。
「おまたせー、ってあれ?…どうしたの三人とも…何かあったの?」
そんな空気の中何も知らない美琴は、少しでも動揺を見せないようにして三人に声をかけたが、
普段接している三人とは少し違う雰囲気に少し緊張感を感じた。
「おほほほ…なんでもないですの。それよりお姉さまこのお二人には今回のわたくしの入院の件には話しましたのですの」
「えっ!話したんだ…」
「白井さんから話は聞きました御坂さん。お伺いしたいことがあるのですが」
窓から落とされた上条のことも気にしつつも初春は美琴にRSPK症候群の原因のことを聞きに入った。

「御坂さん。白井さんの火傷の原因はRSPK症候群によるものだと聞いたのですが、何が原因で漏電なんかが起きたのですか?」
「えっ…あの…その…」
美琴はまさか上条から好きだから発言により舞い上がって漏電を起こしたとは言えずもじもじしていたが、
「初春そんな回りくどい言い方じゃなくて。御坂さんその白井さんが言う上条さんってどんな人なんですか?」
「へっ」
美琴は驚いた。上条の名前が出たことに、そしてその名前が出るということは、漏電する前には黒子が意識を取り戻していてすべての事を聞かれていたことに。
「は…うわ……」
赤くほほを染め上げ何もいえなくなった美琴がそこにいた。そんな普段見れない姿に佐天と初春は面白がりさらに追求しようとしたその瞬間!
病室はまた緊張と恐怖に包まれた。

「おいっ!白井。見舞いに来た知り合いをいきなり窓から落とすというのか?お嬢様の習慣なのか!」
「………なんでアンタがいるの?」
「よっビリビリってお前何ビリビリしてんだよ!」

美琴は佐天からの質問に舞い上がっていたところに急に上条訪問で極度の緊張状態になり漏電しはじめたが
上条が慣れた手つきですっと美琴の肩に触れ

「お前なぁ、ビリビリするのは構わないけど時と場所を選べよな」
「悪かったわねこれも全てアンタがいけないんだから」
「って上条さんのせいにするんですか?御坂さんは」
二人のやり取りを見て三人は唖然と見つていた。

あの人、御坂さんの電撃をとめましたよね…」
「何なんですかあの能力」
上条の能力を初めて見た二人は言葉をなくしただ見つめているだけであったが。

「そうでした。あの殿方の能力は全ての能力を打ち消す能力だったことを忘れていましたの」
「それってどんな能力も聞かない能力者じゃないですか?都市伝説の」
「そういうことになりますわね。それよりあの殿方がお姉さまの方を触っていなければいけないのが気に入らないですが事故にならずによかったですの」
そういって黒子は上条に近づき

「先程のご無礼大変申し訳ありませんですの。実は今お姉さまは上条さんにお会いすると今のように能力を暴走させてしまう状態にあらせますの」
「へっ?やっぱり今のビリビリは俺のせい?」
「そういうことになりますの」
黒子から上条への謝罪とともに今回のいきさつを話し始めたが、そこに割り込むように初春と佐天が
「あっはじめまして上条さん。私白井さんと一緒にジャッジメントをしている初春飾利といいます」
「はじめまして私は佐天涙子です。初春とクラスメイトでその縁で御坂さんとお友達しています」
「あっご丁寧に上条当麻です」
「あっそうそう上条さん。さっき窓から落ちましたけど怪我のほうは大丈夫ですか?」
「私も驚きました。いきなり白井さんが上条さんを窓から蹴落としたので」
「いやあ不幸という名の日常に生きている上条さんにとってあれくらいの事で怪我をしていたら生きていませんよ」
初春たちの心配をよそに上条はあっけらかんと答え口論してから何もしゃべらない美琴に話しかけた

「なあ御坂。お前俺に会うと漏電するって本当か?昨日までは平気だったのに昨日俺が何かしたか?」
そんな問いをうけても美琴は上条に肩を触れられている状況に緊張し何もしゃべられずにいた。そんな二人の間に黒子がすっと割り込むように

「ちょうどよかったですの。上条さんとお姉さまにはお話したいことがあったので」
「おっ何だ白井。話したいことって」
「単刀直入に言いますと………上条さんこれからお姉さまにはお会いにならないようにしてほしいのですの」
「へっ?」
「えっ!」
「先程のこともありますがお姉さまが上条さんにお会いしたらRSPK症候群を引き起こしてしまうのですの。もしそれが病室ではなく人ごみの多い街中で発生していたら」
黒子は嫉妬したわけでもなくジャッジメントとして学園都市の治安を守るものとして二人に事情を話し始めた。

「そうだよな……悪かったな白井、今回のお前の火傷は俺のせいになるな。本当に申し訳ない」
上条は黒子に謝罪を述べると
「それと御坂、悪かったな俺のせいで人を傷つけちまって………今まで楽しかったぞ」
「えっ…違う…そんなわけじゃ…」
美琴は本当は上条のせいじゃないことを言おうとしたが言葉に出せず病室から出て行く姿を見ていることしかできなかった。

上条が出てしばらくの静寂の後、初春が怒りをあらわに
「白井さんひどいです!何もあそこまで言わなくてもいいじゃないですか。佐天さんも黙っていないで何か言ってください」
「………」
佐天は何かを考えているかのように黙っていた。
「あーもうっ!みんなしていいんですか!いいです私上条さんのところに行って話してきます」
怒りがおさまらない初春は上条を追いかけるべく病室から出ようとしたら
「いいよ初春さん。本当に私がいけないんだから……」
そう言ってすっと立ち上がり病室の入り口に立って三人に頭を下げながら
「今回みんなを危険な目にしたことを本当に反省している。ごめんなさい」
そう話し逃げるように病室から出て行った。

「白井さん今日の事は許しませんから。帰りましょう佐天さん」
美琴が出て行った後初春は黒子に怒りの捨て台詞をついて佐天をつれて出て行ってしまった。
一人病室に残った黒子は
「わたくしだってお姉さまの気持ちを知っていますの……でも治安を守るものとしてしょうがなかったですの」
そうひとりごちた

一方怒りのおさまらない初春は佐天をつれて喫茶店に向かいジャンボパフェを食べながら愚痴っていた。
「まったく白井さん確かにジャッジメントとしては合格ですが、親友としての言葉じゃないですよ」
「…………」
「佐天さん?さっきから黙っていますけど、どうしたのですか?」
初春は佐天が黒子が上条に忠告してから何もしゃべっていないことに不思議に思った。
「ねぇ初春。私思ったんだけどいいかな?」
「何ですか?佐天さん」
佐天はずっと考えていたことを初春に話しそしてこれからのことを話し始めた。
「いけますよ佐天さん。それなら明日にでも実行しましょう」

そして次の日
「初春さん駄目だって、あの公園に行くとあいつに会っちゃうから」
「大丈夫です御坂さん。ここは私たちに任せてください。絶対面白いことが起こりますから」

私たち?面白いこと?美琴の頭の中には?マークだらけになったが初春の言うことを信じてみた。
「じゃあ御坂さんこのベンチに座って私が合図するまで絶対目を開けないでください」
「?…目を閉じればいいの?」
そういって美琴は言うとおり目を閉じた。そして1分も経たないうちに左肩を触れられそれを合図と思い目を開けてみた。
「おがっ………」
そこには申し訳なさそうに上条が立っていた。
「じゃーん驚きました?」
上条の背中から初春と佐天が顔を出してきた。
「二人とも駄目じゃない。私がコイツに会うとみんなを危険な目に合わせ」
「大丈夫ですって」
美琴は二人にそう話し始めたが全部を話し終わる前に佐天から真相を聞かされた。
「御坂さんは好きな人の前に出ちゃうと能力を暴走させてしまうのですよね?」
「えっ……あの…その…」
「それだと御坂さんは一生好きな人の前には出られなくなっちゃいますよね」
「あっ……うん」
「しかし御坂さんは好きになっても周りの人に迷惑をかけない唯一無二の人を好きになったんじゃないですか?」
「へっ?……どういうこと?」
「あーーーもうじれったい。御坂さんは好きになっても大丈夫な人を一番最初に好きになったんじゃないですか」
佐天から衝撃の言葉をもらい絶句しているところに初春が
「御坂さん。私たちはもう答えを知っています。安心してここで御坂さんの気持ちを上条さんに打ち明けてください」
「へっ?答え?気持ちを打ち明ける?」
初春の言葉に動揺しつつも美琴は意を決して上条のほうを向いた。
向かれた上条のほうはすでに初春、佐天から事の真相を聞かれてそして自分の気持ちを話していたので恥ずかしい気持ちがいっぱいの表情でいた。
「…………」
「…………」

二人の間に沈黙の空気が流れたところでこれ以上我慢できないと思った佐天から
「もうっ!御坂さんも上条さんもお互い好きなんだから結果はわかっているんでしょ。さっさとどっちかが告白してください」
その一言に上条と美琴は顔を赤く染め上げ小さくなったが。そんな中小さい声ながらも美琴が
「あのね…私はアンタのことを好きで…アンタを思っただけでも漏電しちゃうくらいまいっているんだけど…」
少しずつ美琴は自分の気持ちを話し始めた。
「私みたいな女にはあんたみたいな人じゃなくちゃ駄目なんだよね。それでこれからずっとその右手で私のことを捕まえてほしいのだけど」
それをうけて上条は
「なあビリb…いや御坂、最近まで俺はお前から嫌われているんじゃないかと思っていたんだ」
「違うそんなこt」
「まあ最後まで聞け、いつも会うたびに電撃を飛ばすから俺に対して憎しみが強いかと思っていたんだけどな」
「それはあんたがいつも私のことをスルーしまくるからじゃない」
「俺が?いつお前のことをスルーしていたんだよ」
「あんたの頭の中をググっても検索件数ゼロ状態だったじゃない。いつもアンタに声かけてもするーしていたじゃない」
「おまえなぁいつも俺のことをアンタとしか呼ばないのがいけないんだよ。ちゃんと名前を呼んでくれりゃぁ振り向いたぞ」
「だって……そんなの恥ずかしいじゃない。それにいい加減私の声に気がつかないのもいけないんじゃない」
「ハイハイ。ツンデレみことたんが一生懸命ツンしているところを気がつかない上条さんが一方的に悪いですね」
「なによっ!それ」
「そうじゃねえか」
「うーーーっ」
「ふーーーっ」

なんだかんだでいつも通りに喧嘩に発展していく二人を見て傍観者となっていた二人は
「もうっいい加減にしてください二人とも」
「そうですよ。せっかく運命的な条件がそろった二人が結ばれたんですから素直に喜びましょうよ」
後輩から叱責をうけ少し反省した二人は

「後輩に心配されるようじゃ先輩としてはあまりよくないが……ここは先輩らしく」
そういって上条は美琴の左手を握り、顔を真剣な眼差しで見つめ
「御坂お前は俺の右に常にいろ」
美琴の願いを聞き入れた。
「あっうんお願い…その右手離さないでね」

カップル成立を見届けた二人は
「よかったですねこれで誰も怪我することなくハッピーエンド……ってあそこにいるのは…」
「あれ?初春…どうしたの…」
急にテンションが落ちた初春に心配した佐天は問い詰めたが、初春は青い顔をしながら思った
二人の間には最大級のボスキャラがいたことを…そしてそのボスキャラがこちらに向かってくることも。

「じゃあ御坂さん上条さんお幸せに……佐天さん行きましょう早くここから逃げないと」
「えっ?逃げる?なんで?」
「佐天さんあそこにいる人が誰だかわかりますか?」
「誰って…………逃げよう」

その後公園でどのような惨劇が行われたのかは……予想できるであろう


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