とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part02

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匿名ユーザー

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第2話『いざパーティ会場へ!』


 とりあえず今に戻ってどこかわからないホテルの一室。
 依然上条は上半身裸でベッドに腰をかけ、美琴は下着とYシャツ姿で毛布にくるまっている。

「そうだ……こんなかんじでパーティに参加することになったんだっけ……」
「こんなかんじがどんなかんじか俺にはわかんねーけど全部思い出したのか?」

 全部どころかまだ昨日あったパーティすら思い出せていない。

「あ、いやまだ全然……」
「全然って……じゃあどれくらい思い出したんだよ。」
「その……なんでパーティに行くことになったのかまで……」
「昨日ですらないのかよ!!そこはせめて昨日のこと思い出せよ!」
「う、うるさいわね!!今思い出すわよ………あ、ちょっと待って、服着たいんだけど…」

 続きを早く思い出したいがいくら部屋に暖房が効いているといっても今は12月、とにかく寒い。
 それに寒さだけなら能力でなんとかできるがYシャツと下着だけの格好でいつまでもいるわけにはいかない。

「服……多分洗面所にあると思うけど、俺取ってこようか?」
「いや、洗面所で着替えるんだし私が行くわ。」

 美琴は毛布にくるまったままベッドを降りてそのまま移動を始めた。端から見ればものすごく奇妙な様子だ。

「えーと、このドアね。」

 ガチャ、という音ともに美琴は洗面所と思われる場所にドアを開けた。

「は?」

 が、そこに広がった光景は洗面所だが洗面所とはいえない光景だった。

 人が倒れている、しかも1人ではない。
 そこそこ広い洗面所には刀を持った巨乳の女性、赤髪で三つ編みの少女、なぜか麦野、そして『妹達』が1人倒れていた。
 『妹達』はネックレスをしていることからミサカ10032号ということがわかる。

 だが倒れているといっても目立った外傷はなく攻撃されたようには見えない。
 もちろん生きているし眠っているだけのようだ。

「な、何これ……どうなってんの…?」

 全く意味がわからない、なぜ洗面所で倒れているのか、どうしてこの状況が生まれたのか、なんでこの4人なのか。
 次々と疑問が生まれる。
 そして1つ考えついたのが

(アイツがコレを……?い、いやそんなわけないじゃない!)

 もし4人を気絶させたのが部外者なら美琴と上条は何かされているはずだ。だが現に記憶以外は何ともないので部外者の可能性は薄い。
 となると美琴が何もしていないなら必然的に上条がこの状況を招いた可能性は高くなる。

 そのため美琴は上条がこの女の子達を気絶させたのかと一瞬だけ考えたがすぐに否定した。

(そうよそんなわけないわ、アイツが偽者でもない限りこんなことするわけ―――――)

 そこまで考えたところで洗面所内にある横の扉からガタッと音がした。まだ誰かいるようだ。
 美琴は倒れている人をまたぎ、おそるおそるバスルームと思われる扉を開けた。そこには――――――

「く、黒子…ッ!?」

 浴槽の中に眠っているルームメイト、白井黒子の姿があった。しかも黒子1人ではない。

「それに番外個体まで……」

 つまりどういう状況かというと浴槽の中で黒子が番外個体に抱きつき2人で眠っていたのだ。
 一応言っておくが浴槽に水は入っておらずもちろん2人は服を着ている。

「これ……どういう状況……?」

 もはや意味がわからないとかいうレベルではなくなってきていた。今でもこれが夢ではないかと思ってしまう。

 上条にわけを聞くためとりあえず置いてあった常盤台の制服を着ることにした。上条のYシャツを脱ぐことに惜しいと感じてしまったのは内緒だ。

「って冷たっ!何これ濡れてるじゃない……」

 なぜか制服は濡れていた。
 もちろん美琴には昨晩の記憶がないのでなぜ濡れているのかはわからない。
 正直あまり着たくなかったが他に着るものもなさそうなのでとりあえず濡れている制服に腕を通した。
 まあ美琴の能力を使えば数十分後には乾かすことができる。

 そして倒れていた4人をきれいに壁にもたれかけさせてから上条がいる部屋に足を進める。
 とにかく真相を知るためには上条から話を聞くしかない。
 が、

「……アンタ何してんの?」

 部屋に戻ると上条はベランダから何かを引っ張ろうとしていた。そのモノとは

「ああ、今気づいたんだけどベランダに浜面が干してあったから部屋に戻しとこうと思って。このままだと下に落ちかねないしな。」

 そう言いながら上条はぐったりとしている茶髪の少年の足を持ってズルズルと室内に引きずってきた。

「だ、大丈夫なのその人……」
「ま、浜面だし大丈夫だろ。で、制服はあったみたいだな。」
「いやあったけどさ……あれはなんなの!?なんで女の子があんなに倒れてんのよ!!説明しなさい!」
「ああ……そういや洗面所のこと忘れてた、説明するからとりあえず昨日のことを少しでも思い出してくれ。でないと説明しようがない。」
「昨日、昨日ね……えと、それで確かみんなでパーティに行って―――――」


◇ ◆ ◇ ◆ ◇


 パーティー当日、つまりは昨日のこと。
 この日は生憎の空模様、かなり冷え込み天気予報では雪が降るのではないか、とさえ言われていた。

 そんな寒空のもと美琴、佐天、初春、固法、春上の5人は『とあるパーティー会場』の前に到着した。
 佐天、初春、固法、春上は私服だがこんな日でも美琴は制服を着ている。
 私服を着ない理由は校則とかではなく上条に会ったときに変な反応をとられたくないからだ。

 そして婚后、湾内、泡浮はというとパーティーに行くための準備とやらで遅れた上、道に迷ったらしく今黒子が迎えに行っている。
 黄泉川、鉄装は別で行くらしい。

春上「ここが『とあるパーティー会場』……すごく大きな建物なのー……」

佐天「こりゃ1000人入る会場があるってのもマジだね。」

 そして美琴はここまで来たにもかかわらずどうやって上条と顔を合わせようか真剣に悩んでいた。

美琴(ど、どうしようついにきちゃった……普通に会うわけにはいかないし……あーもう!なんて声かけたらいいのよ!!あえて話さないってのは?……初春さんと佐天さんがいる時点で無理か……ていうか私としても話したいんだけどな……)

 いろいろ大変だ。
 するとそんなおかしな様子の美琴に固法が気づいたようで

固法「御坂さん大丈夫?何か顔赤くなってるわよ?」

美琴「え、顔赤い!?そ、そんなことないですよ!?」

初春「固法先輩、御坂さんは上条さんとうまく話せるか心配なんですよ。」

美琴「あぅ……」

 まさに図星だったため美琴は黙って顔を赤くすることしかできなかった。
 そんな美琴と見た初春は何か声をかけようとしたが別の声によって遮断された。

???「あのーすいませんでございますよ。」

初春「はい?え……」

 誰だろう、と思い声のするほうを見るて少し驚く一同。唯一春上だけは別に驚いていなかった。
 まあ美琴達が驚くのにも無理はない。
 そこにいたのは真っ黒な修道服の女の子とゴスロリを着た肌が黒っぽい女性、赤髪で三つ編みの少女、背が高くやや猫目な顔つきの修道女と金髪三つ編みでそばかすが特徴の修道女の5人が立っていた。

???「私たちは『とあるパーティー会場』という建物を探しているのですがここでよろしいのでございましょうか。」

美琴「あ、はい。そうですよ。」

???「ああ、ようやくたどり着くことができたのでございます。よかったですねシェリーさん!」

シェリー「あのなオルソラ……アンタが話聞かずにそこらへんふらふらするから遅くなったんだろうが!!」

???「ほんとですよ……ちょっとはこっちの身にもなりやがってください。」

オルソラ「あ、どうもご親切に教えていただきありがとうでございますよ。」

シェリー&???「「おい!お礼はいいから人の話を聞けっ!!(聞きやがってください!!)」」

 そしてその5人は言い争いをしながら建物へと入っていった。

佐天「……いやーシスターってパーティに参加するものなんですねー。禁欲ってよく聞くからパーティとかしないイメージがあったんですけどね。」

美琴「まあ……確かにね。1人は全然シスターっぽい格好じゃなかったけど。つかあのシェリーって女どっかで見た事あるような……」

春上「あの人たちも上条さんのパーティーに参加する人なの?」

固法「いや流石に別のパーティーじゃないかしら。」

 そりゃ誰だってシスターが上条のパーティに参加するなんて思わない。
 美琴を除いては。

美琴(なんか嫌な予感がする……)

 今までの経験からかなぜか美琴はあのシスター達と上条につながりがあるような気がしてならない。
 美琴がまた別の悩みを作っていると春上がむこうを指差し

春上「あ!白井さんなのー。」

美琴「へ?あ、ほんとだ。」

 春上の言葉に反応してむこうを見ると確かに黒子が歩いてこっちに向かってきている。
 その隣には婚后、湾内、泡浮の姿も見える。が、何やら騒がしい。
 黒子と婚后が言い争いをしているようだ。

 なんだろうと一同は思ったが理由は黒子達が近くにくればすぐわかった。

初春「な!?婚后さんどうしたんですかその格好!!」

婚后「格好?」

 原因は婚后の服装。その服装とはなんともド派手なドレスだった。
 湾内と泡浮も普段とは違う格好をしているが婚后ほどではない。
 婚后はとにかく派手だった。

黒子「全く……なんであなたはパーティー=ドレスという考えしかできないんですの?」

婚后「白井さん…あなたはこのドレスのよさがわからないんですわね。」

((((こ、これは目立つ…絶対目立つ!!正直一緒にいるのが恥ずかしいくらい目立つ!))))

 美琴、初春、佐天、固法は全力でそう思った。
 しかしここまできて一緒に行かないというわけにはいかないのでとりあえず9人は建物に入ることにした。


 ◇ ◇ ◇


 一同は上条のパーティーが開かれるという会場がある階へと進んでいた。
 このパーティ会場の建物は14階建てで上条のパーティが開催されるのは真ん中の7階らしい。

 9人が乗ったエレベーターは7階に到着し、静かにドアが開いた。
 エレベーターを降りるとそこはホール兼休憩室のようなスペースになっており、いくつかのソファーが置かれていた。
 有名なパーティ会場ということもあって結構高級感漂うソファだ。

 だが美琴達はソファを全く気にせず別の遥かに目立つモノをとらえていた。

春上「すごいドレスなのー……」

 エレベーターが開き真っ先に目に映った光景はソファーに座っている真っ赤なドレスに身を包んだお姫様のような女性だった。
 その女性は退屈そうにあくびをして足を組み替えたり時計を見たりしていた。

初春「な、なんですかあの人!まさかあの人も上条さんのパーティーに!?」

美琴「いや流石に別のパーティーでしょ。」

 誰もが流石にあれは上条のパーティの参加者ではないと思った。
 すると前に見えていた扉から若い1人の男が出て来た。その男はきょろきょろと周りを見渡したかと思うと赤いドレスの女性を見つけ側に歩みよった。

???「見つけましたよ!なんで外にいるんですか?我々にはちゃんと自分の席があるんですからそちらに座っていてくださいキャーリサ様!」

キャーリサ「中は人が多いからや「やだじゃありません!」だ……あーはいはい、わかったし。お前は頭が硬いし騎士団長。」

騎士団長「硬くありません!ほら早く行きますよ!!」

 そしてキャーリサと呼ばれていた女性は騎士団長と言うらしい男に連れられて扉の向こう側へと消えて行った。

初春「あそこの会場に入っていきましたね。えーとそれで私達の会場は……」

黒子「7番会場でしたわよね。」

固法「……7番会場ってさっきの人が入っていったとこなんだけど…」

「「「「「「「え?」」」」」」」

 固法の発言に全員の視線がさっきの女性が入っていった扉に集まる。
 そこには間違いなく『7番会場』と書いてある。
 さらに『上条当麻帰還記念パーティー会場』ともあるので美琴たちが間違えたわけではなさそうだ。

黒子「……あの人が間違えたのでしょうか?」

初春「それしか考えられないですよね……」

美琴「と、とりあえず入ってみない?私達が間違ってるってことはないんだしさ。」

 開始時間もせまっているし全員美琴に賛同しとりあえず入ってみることにした。
 美琴を先頭にして扉を開けると

美琴「うわっ……豪華過ぎじゃない?」

 そこはかなり広く豪華な会場だった。なんというか今までいたホールがかすむほどの高級感が漂っている。あらゆる装飾品によって飾り付けされ、絵画っぽいものまで壁にかけられている。
 いわゆる『学生が行う打ち上げ的なパーティ』を想像してきた美琴たちにとってかなり衝撃的だった。
 まあ会場内はバカ広い体育館を想像してもらいたい。

 そのバカ広い会場内にはいくつもの丸いテーブルと長い長方形のテーブルが設置されており、どうやら一部の人を除いて席は基本自由のようだ。
 このかんじからして長方形のテーブルに料理が置かれ、丸いテーブルで各自食事をとるということになっているのだろう。

婚后「け、結構大きな会場ですわね。」

固法「結構っていうかだいぶだと思うんだけど。」

 見れば見るほど驚きを隠せなくなる9人、さらによく見てみると

佐天「あ、御坂さん!あれさっきのシスターの人たちですよ!」

美琴「本当だ……やっぱり…」

 やはり美琴の予想は的中した。それによく見てみると

湾内「あの、シスターの方が多くいらっしゃるようですね。」

 湾内の言葉通り多くのシスターが会場内には見られた。もちろんシスター以外にも多くの人がいる。
 例えば全身黄色の服で顔にピアスをつけた女、いつぞやのクワガタ頭、赤髪の神父、青髪の大男、特攻服を着た少年、かなり際どい拘束服を身に纏った少女、青系のゴルフウェアのような服を着た体躯の良い男、騎士のような男達の集団、というか騎士etc.etc…

美琴「……これは婚后さんのドレスがかすむわね。」

 それほどの個性あふれるメンバー。あふれすぎている。
 みながあっけにとられていると

舞夏「おーみさかー、ちゃんときたんだなー!」

 舞夏がやってきた。いつもどおりのメイド服姿だがさすがに今日は掃除ロボには乗っていない。

美琴「ちょっと土御門!これ全員あいつの知り合いなの!?」

舞夏「全員ではないけどほとんどそうだぞー。」

 それを聞き一同はさらに驚いた。
 美琴と黒子以外は上条を知らないのでこれだけの人数を集められる上条がどんな人なのか想像もつかなくなってきている。
 すると舞夏は会場内に設置されている時計をチラリと見て

舞夏「まあもうすぐ始まるから席に座って待っててくれー。最初に乾杯もあるからなー。じゃ、私は今日ビデオ係りだから準備をしてくるぞー。」

美琴「あ、ちょっと!」

 美琴はもう少しこの状況について詳しく聞きたかったが舞夏は人ごみの中に消えて行った。

湾内「行ってしまいましたわね…それにしてもこれだけ大きなパーティーを開いたのに無料とはお金のほうは大丈夫なのでしょうか?

初春「それも……そうですね。一般の人がこれだけ大規模なパーティを開催しようとすればとんでもない額のお金がかかりますもんね。」

美琴「あ…そういやそうね…アイツ貧乏のはずなのに。」

佐天「ていうか一体上条さんて何者なんですか?」

 入り口付近でそんなことを話していたが邪魔になるということもあって適当な席に座ることにした。

佐天「さて……落ち着きましたので御坂さん、話を「おおー!!」……」

 佐天の言葉を遮ったのは小学生くらいの女の子、

打ち止め「予想以上にでっかーい!ってミサカはミサカはあまりの広さに感動してはしゃいでみたり!」

一方通行「おいはしゃいでンじゃねェぞクソガキィ。こんなもんたいしたことねェだろ。」

番外個体「いやたいしたことはあるでしょ、ミサカも結構驚いてるよ。……ん?お姉様?」

 落ち着く間もなく驚く材料が追加された。
 美琴達の席の近くを横切ったのは順番に打ち止め、一方通行、番外個体だ。
 そしてこの3人に1番早く気づいたのは黒子、次に初春。

黒子「な、なんですのこの小さなお姉さまと大きなお姉様は!?」

初春「あ!この子はいつしかのアホ毛ちゃん!」

 もちろん黒子以外のメンバーも驚いている。
 美琴に似た人が2人も入ってきたのだから当たり前だ。
 あと一応言っておくが美琴と一方通行の和解は成立しているのと、美琴は打ち止めと番外個体の存在は認識している。

美琴「一方通行!?アンタまで来たの!?」

一方「ンだよ、俺は来ちゃ悪いってのか?」

番外「へ~お姉様って結構ひどい性格しているね。」

打ち「そうだ!横暴だ!!ってミサカはミサカはこの人に対してひどい扱いをするお姉様に抗議してみたり!!」

美琴「い、いやそういうわけじゃ…なんか意外だと思って……」

佐天「それで、御坂さん!この2人は姉妹なんですか!?」

 この2人、というのはもちろん打ち止めと番外個体のこと。
 彼女たちはクローンであり正式な姉妹ではない。だがもちろんそれを言うわけにもいかないので……

美琴「そ、そうよ!2人とも私の妹なのよ!みんなには言ってなかったっけ?」

 重要な部分を隠して説明した。打ち止めと番外個体は実際に美琴の妹ということになるので嘘は言っていない。
 だが……

黒子「え?妹ですの?この大きいお姉様はどう見てもお姉様より年上に見えるのですが……」

美琴「あ……」

湾内「そう言えばこの方御坂さんのこと『お姉様』って呼んでらっしゃいましたね。」

 しまった、と思ってもすでに時遅し。
 美琴の友人sは不思議そうにこっちを見ている。
 どう弁解すべきか、美琴が軽いパニックに陥りかけていると―――

美琴「へ?」

 突然パッと電気が消え舞台に照明が集まる。
 全員の視線がそちらに集まると舞台横から出てきたのはスーツを着た金髪グラサン、土御門元春。

土御門「レディース&ジェントルマン!今日は『上条当麻帰還記念パーティー』によくきてくれたにゃー!!」

 少しざわめいたが土御門はそんなことは気にしない。

土御門「早速上条当麻登場……といきたいところだがその前に今回のパーティーの資金を出してくれた人を紹介するぜよ!!」

 土御門がそう言うとドレスを着た50歳くらいの女性が舞台に現れた。
 美琴はどこかで見たことがあるような、と考えたが答えが出る前に土御門によって紹介される。

土御門「この方は何を隠そうイギリスの女王様でエリザード様だにゃー。ではみんなに一言お願いするぜい!」

エリザード「うむ、まかせなさい。」

 土御門が「では」というころには会場の一部からは驚きの声があがっていた。
 驚いているのは上条のクラスメイトや先生、それと上条を知らない人たち。そしてそれは美琴たちも同じであった。

婚后「じょ、じょ、じょ、女王様!?本当に上条さんって何者なんですの!?」

黒子「……あの方しばらくいなくなっている間にどこで何をやっていらしたのでしょうね…」

泡浮「上条さんって世界的に有名な人なんですか!?今回参加している人も外国の人が多いですし……」

湾内「ひょっとして国際的権力者とか……ですかね……」

固法「そんなこと…………ありえそうで怖いわね……」

 あまりに驚きすぎて美琴たちはエリザードの話を全く聞いていなかった。
 美琴も当初のどうやって会おうなんて悩みとやつい今起きていた妹達の説明の件の考えも消え去っていた。
 黒子たちも美琴の姉妹のことを忘れるくらいだ。
 結局美琴達は最後の最後までエリザードの挨拶を集中して聞くことができなかった。

 挨拶が終わりエリザードは手を振って出て来た場所へ戻っていった。
 戻って行ったと同時にテンションを上げまくった土御門が

土御門「すばらしい挨拶どうもありがとうだにゃー!それではお待ちかね、今日の主役である上条当麻に登場してもらうぜい!」

 そう言って土御門は舞台袖に合図を送る。
 それとほぼ同時に会場中から一際大きい拍手が起こり、

上条「ど、どーも~……」

 舞台袖からかなり緊張した様子で制服姿の上条当麻が現れた。緊張のせいでありとあらゆる動作がぎこちない。まるでロボットのようだ。
 会場内は拍手から笑いへと変わりつつあった。

佐天「あれが……上条さん?」

初春「……思ったより普通の方ですね。」

 上条を見ることを楽しみにしていた初春と佐天は思ったより普通の高校生だったので微妙にがっかりしていた。ちょっとひどい。
 そして美琴はというと

美琴「あ……」

 上条の姿を見ると胸が熱くなり感情が高ぶるのを感じていた。
 今すぐ上条と話したい、最初にあえて上条と会わないなど考えていたがそんなこと上条を前にしては無理だった。

 美琴の胸は、高鳴る―――――


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