とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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佐天さんの能力




カラン カラ~ン

イラッシャイマセ~

初春「あっ!御坂さんこんにちは。
   こっち、こっちの席です。」

美琴「こんにちは、初春さん、佐天さん。
   早速だけど、佐天さん! メールで能力目覚めたって言ってたけどホントなの?」

佐天「えぇ、実は……」

美琴「やったじゃない!!
   おめでとーーー。本っっ当っっにおめでとーーーーー。」
  (両手で佐天さんの手をギュッと掴んでブンブン!)

佐天「あ、ありがとうございます。
   でも、ちょっと大げさですよ。」(///)

初春「そんな事ありませんよ、佐天さん。
   これは是非、お祝いしないと!!」

美琴「そうね。きちんとしたお祝いはまた後日やるとして……
   とりあえず、今日は私が全部奢っちゃうわ。
   二人とも好きなもの頼んでいいわよ。」

佐天・初春「「ありがとうございます。」」

美琴「ところで黒子はまだなの?
   みんなでお祝いしなくちゃいけないのに、一体なにやってるのかしら!!」

初春「あ~。
   白井さん。今日はたぶん来れないと思います。」

美琴「へっ?なんで?
   午後は非番のはずでしょ?」

初春「それが、夕べ白井さんが上条さんとケンカ……
   というか、白井さんが一方的にケンカを吹っかけてるところを固法先輩に見つかちゃって……
   今朝からずっとお説教うけてるんです。一日中……」

美琴「はあ、
   全く何やってるのよ。あの娘は……」

佐天「あのー。御坂さん?
   上条さんのことは心配じゃないんですか?
   白井さんの一方的な攻撃受けてたって話ですけど……」

美琴「ん?
   アイツなら大丈夫でしょ。
   黒子じゃ全然相手にならないわよ。きっと。」

佐天「白井さんじゃ、相手にならないって……
   上条さんって確か無能力者なんですよね?」

美琴「そ、そうなんだけどさ、
   アイツ、妙にケンカ慣れしてるから大丈夫ヨ キットー」(汗)
    

美琴「そ、そんな事より、佐天さん!
   いったいどんな能力に目覚めたの?
   早く教えてよ!」

初春「そう、そうです!!
   私もすっごく気になってたんです。」

美琴「へっ? 初春さん聞いてないの?」

初春「そうなんです。
   『御坂さんが来るまで教えない。』
   って全然教えてくれなかったんですよ。」


美琴「ふ~ん、そうなんだ。
   じゃあ今なら教えてくれるわよね?」

初春「ですよねっ!!」

佐天「えっ、えぇと……
   まだ、レベル1なんでレベル5の御坂さんの前でいうのは恥ずかしんですけど……」

美琴「そんなことない。
   佐天さんが一生懸命努力して得た能力じゃない!!
   レベルなんて関係ないし、
   恥ずかしがることなんて全然ないわよ!」

初春「そうですよ。
   そもそも、佐天さんの能力が目覚めたお祝いなんですから
   何の能力かわからなければお祝いしようがありません。」

佐天「じゃ、じゃあとにかく目の前のもの食べちゃってからにしようよ!
   ほら、早く食べないと初春のジャンボパフェ溶けちゃうかもしれないし……」

初春「むぅ
   じゃあ、食べ終わったら絶対に教えてくださいね!」




しばらく後

初春「みなさん、パフェもケーキも食べ終わりましたよね!
   紅茶もジュースも飲み終わって一息つきましたし、
   佐天さん。今度こそ教えてくださいよ!!」

佐天「う、うん…、えーと…
   じゃあ言おうかな……
   どうやら精神系の能力みたいなんだけど。」

美琴「ふんふん」

佐天「先生がいうにはですね……」

初春「言うには?」

佐天「『手を握った人が素直になる能力』なんだって……」

美琴・初春「「へっ?」」

佐天「だから、『手を握った人が素直になる能力』ですって!!」

美琴「あの~。それはどういう……」

佐天「具体的にいうとですね。
   気になるあの人の前では、ついつい攻撃的になっちゃうような意地っ張りさんでも、
   私に手を握られてこの能力にかかれば、秘めたる自分の想いに素直になれちゃうという……」

美琴・初春((………))


美琴「いやいやいや、ありえないでしょ。
   なによ。そのピンポイントでご都合主義な能力!!」

佐天「いやーー
   上条さんに対する御坂さんの態度(コント)を見てたら、
   どうにかして、御坂さんのお役に立ちたいという思いがヒシヒシと湧いてきてですね。
   そんな事を何度も考えていたら、いつの間にかこんな“自分だけの現実”ができちゃてましたー。」

美琴「私の役にって……」

初春「素晴らしいです。佐天さん!!
   そんな能力に目覚めるなんて、やっぱり、佐天さんは友達思いですね!!」

佐天「でも、今日は白井さんがいなくてホンット良かったです。
   白井さんがいたら邪魔されるの確実ですから。」

初春「まさに千載一遇のチャンスです!
   じゃあ、佐天さん。
   ぱぱっと、御坂さんにその能力かけちゃってください!!」

美琴「いやいやいや、全力で遠慮するから!!
   そもそも、あの馬鹿とは何でもないんだから!!」
   (///)

佐天 (この期に及んで素直じゃないなー)
  「あっ、今更手を隠しても無駄ですよー。
   もうすでに能力かけてありますから……」

美琴「へっ?
   でも、私、手握られてないわよ。」

佐天「握ったじゃないですか。
   『能力目覚めた』って私が答えたら、
   私の両手を掴んでブンブンしながら喜んでくれましたよね。」

美琴・初春「「あっ!」」

初春「あれ?
   でもさっき御坂さん、
   『あの馬鹿とは何でもないって……』
   ひょっとして、佐天さんの能力効いてないんでしょうか?」

美琴(ひょっ、ひょっとしてセーフ?)

佐天「ああ、実は私の能力って遅効性らしくて
   能力かけてから実際に効くまで30分くらいはかかるらしいんだ。
   だから効果が出てくるのはあと10分後くらいかな?」

初春「ひょっとして、なかなか能力のことを教えてくれなかったのって……」

佐天「うん、実際に効果が出る前に御坂さんに逃げられてもつまんないんで、
   どうにかして時間を引き延ばしてたんだけどうまくいったね!」

美琴(え、えぇ~(涙))

佐天「でも、まあレベル1だし大した威力はないんじゃないかと……」

美琴(ほっ)

初春「でも、『アリの一穴ダムをも崩す』って言いますよね。」

佐天「そうだね。御坂さんくらい想いが強いと、ちょっとしたことでどこまで崩れるかわからないかもね!」


美琴「ちょ、ちょ、ちょっ、ちょっとーーー
   じょじょじょ冗談じゃないわ!!
   早く元に戻してよ。 佐天さん!!」

佐天「えぇーと、
   戻し方はわかんないです。
   まだレベル1なんで……」

美琴「じゃじゃじゃあ、いつまで効果が続くの?
   いったい、いつになったら切れるのよ!!」

佐天「そこら辺はランダムみたいです。
   でも、計算上は効果が出始めてから短くて1~2時間、長くて1日くらいだって先生が……」

美琴「い、一日……」

初春「でも、短ければ1時間しか保たないんですよね。
   大変です御坂さん。
   すぐに上条さんの所に行ってください!!」

佐天「それも必要ないよ初春。
   上条さんにこの店まで来てくれるるようにさっき電話で頼んどいたから。
   もうそろそろ、くるんじゃないかな?」

美琴「いぃぃぃぃやぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」


店員「イラッシャイマセ~」


上条「おっ!佐天さんお待たせ~ 
   ってやっぱり御坂もいるのか…」

佐天・初春((キターーーーーーーーー!!!!!))

佐天「いや、いや。私たち全然待ってませんから大丈夫です。
   ねっ、初春。」

初春「はい! 大丈夫ですっ。
   ささっ、とりあえず飲み物でも注文しちゃってください。
   今日は御坂さんの奢りだそうですから好きなものいくらでも頼んでいいんですよ。
   そうですよね!御坂さん!」

美琴「う、うううううん。そう。」

上条「いや、流石にそういうわけには……」

初春「遠慮することないんですよ。上条さん。
   それに、人の好意を受け取らないのはかえって失礼です!!」

佐天(“好意を受け取らないのは失礼”とか、うまいなー。初春)

上条「じゃ、じゃあブレンドを……
   ゴチになります。ミコトセンセー。」

美琴「バ、バッチこーい!」



上条「ところで佐天さん。俺に何か話があるってことだったけど……」

佐天「あっ、それですけど実は私じゃなくて、御坂さんがお話があるそうです。」

美琴「ちょっ! 待っ!」

上条「へっ、そうなの?」

初春「はい! そうなんです。
   と~っても大事なお話があるそうですから、最後まできちんと漏らさず真面目に聞いてあげてくださいね。」

上条「あ、ああ。それはいいけど……」

初春「それじゃあ、私たちがいたら話しにくいお話もあるでしょうから、私たちは席をはずしますね。
   御坂さん。 ご馳走様でした。」

佐天「ご馳走様でした~。」

美琴「ちょっ、二人ともいっちゃうの?!」

佐天(ヒソヒソ声で)
  「とにかく落ち着いてください、御坂さん。
   私の能力は御坂さんの背中を少し押すくらいの力しかないんですから…

   もっとリラックスして、本当に言いたいことを上条さんに聞いてもらえばいいんですよ。
   じゃ、応援してますから頑張ってください。」

美琴(わ、私が本当に言いたいこと……)(///)

佐天「じゃ、上条さん、
   御坂さんのことよろしくお願いします。
   また今度お会いしましようね!!」

上条「あ、ああさいなら。」

初春・佐天「「さようならー。」」




佐天「ところで、初春。
   本当にこのまま帰っちゃうの?」

初春「そんなわけないじゃないですか!!
   奥の席でこっそり観察するんですよ。
   天井の防犯カメラと机の裏に仕込んだ隠しマイクで、録画も録音もばっちりです!!」

佐天「デスヨネー」




上条「あのー、 それで御坂?
   あらためて俺にお話というのはどういう……」

美琴「ちょ、ちょっと、待って!」

上条「へっ?」

美琴「黙って! お願いだから少し気持ちの整理をさせてーー!!」(頭抱えて体クネクネ)

初春・佐天(ああー、御坂さんそんなに暴れちゃ。)

上条「危ねぇっ!」


ガッシャーーン!!


美琴(あれっ? 痛くない?)

上条「痛っっ。 
   大丈夫か?御坂。」

初春・佐天(うわっ!御坂さんを庇って自分が下に倒れるなんて……
      上条さんってやっぱり優しい……)

美琴「ゴ、ゴメン。」

上条「いや、いいから気にするなって。」

美琴(そうじゃない。
   私が言うべき言葉、言いたい言葉はこんなんじゃない……)

上条「それより、ケガはないか?」

美琴「うん、大丈夫。」
  (違う!私が言いたかった言葉はこんな言葉でもない!!)

上条「そっか、良かった。」


店員「お客様、大丈夫ですか?
   お怪我は?」

上条「いや、大丈夫です。
   すいません。お騒がせしちゃって……
   あっブレンドのおかわり、お願いします。」

店員「は、はい。畏まりました。しばらくお待ちください。」

美琴(言わなきゃ!
   いつも、言いたかった言葉。
   それでも言えなかったあの言葉を……)

上条「はぁ、全く気を付けろよなー。みさk」

美琴「あ」

上条「ん?」

美琴「あり…、ありが とう……」
  (言えたっ!!)

上条「だから、気にするなって!
   俺はお礼をされるようなことはしてねぇよ。」

美琴「そんなことない!!」

上条「へっ?」

美琴「今のだけじゃない。
   私は、いつもいつもアンタに守ってもらうたびに
   お礼を言いたかった!
   ありがとうって言いたかった!」

上条「み、みさ、、、か……」

美琴(言える! 今なら言える!!)
  「あのとき、アンタは命がけで私やあの子達を守ってくれた。
   それだけじゃない。
   大覇星祭の時も、初めて会った時やセブンスミストの時もアンタは私を守ってくれた。
   アンタに初めて会ったとき、不良達に囲まれて、周りのだれもが見て見ぬふりをして去っていく中、
   たった一人で助けようとしてくれたアンタみたいな人が実際にいるんだって知った時の私の気持ちがわかる?」

上条「でも、お前なら不良が何人かいたって大したことは……」

美琴「それは結果論でしょ!
   あの時は私もわからなかったけど、今ならはっきりとわかる。
   嬉しかったのよ!!
   アンタみたいな お人よしのお節介が実際にいるんだってわかって。
   この街にもアンタみたいな奴がいるんだってわかって……」

初春(命がけで女の子を守るって本当に王子様じゃないですか!
  (顔はイケメンじゃないけど……))

美琴「あの子達のときだって、大覇星祭のときだって、もしアンタがいなかったら私は絶対に死んでた。
   命の恩人なのよ!アンタは!!
   しかも一度だけじゃない。何度も何度も助けてくれて…
   それに私だけじゃない!あの子たちだって、黒子だって、初春さんだって
   アンタがいなかったらみんな死んでた。
   あんたは何人もの、みんなの命の恩人なのよ……」


佐天「初春、上条さんに助けてもらったことあったの?」

初春「そんな覚えないんですけど……」

佐天「じゃあ知らない間に助けてくれて、知らない間に去って行ったってこと?
   まるっきり正義のヒーローじゃん!」
   (顔は普通だけど……)


美琴「そんな、そんな私の恩人なのに、
   『お礼されることなんてしていない』
   なんて言うなぁ、バカァ。」(涙)

上条「悪い、御坂。 ゴメンな。」

美琴「謝って欲しいわけじゃないわよ。バカ。」

上条「いや、でも、
   俺は本当にいつも自分のために自分のやりたいことをやってきただけなんだぜ。
   それなのにまさか御坂にありがとうって言われるなんて、なんか嬉しいやら恥ずかしいやら……」

美琴「恥ずかしがることなんてないわよ。
   アンタは堂々と胸を張っていればいいの!!」

上条「そうはいってもなー。こんなに面と向かって感謝されたことなんてあまりないもんで……」

美琴「ひ、人の好意は素直に受け取らないとかえって失礼なのよ!!
   初春さんも言ってたでしょ!!」

上条「へいへい、ミコトセンセーの言う通りもらえるものは素直にもらっておきますよー。」

美琴「茶化すな! バカ!!」

上条「でもお前こそ俺の命の恩人だろ、僧正の時なんか……」

美琴「私なんて、お荷物にしかなってなかったじゃない……」

上条「なに言ってんだ。お前が居なければ俺は絶対にやられてたし、皆が無事だったのもお前のおかげだろ。
   改めて言うぞ、あの時、俺やみんなが無事だったのはお前のおかげだ。ありがとな。」


初春「なんか、私達が知らない間にお二人の間で大変なことが起こってたみたいですね…」

佐天「でも、お互いがお互いを助け合ってるなんて、なんかいいよね、初春!」


上条「それにその他にも御坂にはいろいろ感謝してるしな。」

美琴「ふぇ?」

上条「夏休みの宿題や、地下鉄のシャッターのこと教えてくれたじゃねーか。」

美琴「そんなんじゃ釣り合わないわよ……」

上条「あと、ロシアやハワイでも助けようとしてくれたり、
   『今度は一人じゃない』とか、『アンタと私は同じ道を進んでいる。』とか言ってくれたじゃねーか。
   あれ、すっげー嬉しかったんだぜ。」

美琴「その割にいつも、一人で突っ込んでってるじゃないの、バカ。」

上条「ワリィ…」

佐天(ロシアとかハワイって、いつの間にかに上条さんと海外へ逃避行してたんですか。御坂さん!)


上条「でも、御坂にそんなに感謝されてたなんてやっぱりいまだに信じられないんですが……」

美琴「感謝だけじゃないわよ!!」

上条「へっ?」

美琴「アンタへの気持ちは感謝だけじゃないっつってんの!!」

佐天(おおー。ついに言うのか、言ってしまうのか……)
 
初春(御坂さん、頑張って!!
   王子様のハートをつかむのはもうすぐです!!)

上条「あのー。それはどういう。」

美琴「アンタ、いつも私にタメ口で話しかけるでしょ。」

上条「ひょっとして、いやだったか?」

美琴「誰がいやだって言ったのよ。逆よ逆!!」

上条「逆?」

美琴「私って“レベル5”だの、“超電磁砲”だの“常盤台のエース”だの呼ばれてるけどさ……
   そのおかげで、学校の友達はおろか先生たちにまで一歩引いた目で見られてるのよね……」

美琴「“御坂さん”って呼ばれるのはまだマシ。
   “御坂様”とか呼ばれたりすることもしょっちゅうでさ。」

美琴「もちろん尊敬してくれるのは有難いし、慕ってくれてるっていうのもわかるんだけど、
   どこか壁があるっていうか……」

上条「でも、おまえには友達がたくさんいるじゃないか。」

美琴「うん。
   黒子はもちろん、初春さんや佐天さんに春上さん。
   あと、婚后さんや湾内さんと泡浮さんとか親友といえる人はたくさんいるわ。
   でもやっぱりみんな“さん”づけや“様”づけなの……」

佐天・初春(御坂さん……)


美琴「佐天さんたちは後輩だし、他校の生徒だから“さん”づけじゃないと呼びにくいっていうのはわかるんだけどね。
   でも、せめて同級生の婚后さんにはもっと気楽に呼んでほしいなぁとか思ったり……」

美琴「私のことを呼び捨てで呼んでくれる人って、アンタと両親を除くと本当に少ないのよ。
   しいて挙げれば、土御門(舞夏)と寮監それに警備員の黄泉川先生くらいかなぁ。」
(あっ、フェブリもそうか…)

上条「インデックスからは“短髪”って呼ばれてるじゃねーか。」

美琴「どっちかっていうと悪口でしょそれ。
   でもまぁ、“御坂様”って呼ばれるよりはいいか……」

佐天・初春(みっ御坂さんのことを“短髪”呼ばわりって……)

美琴「とにかく、私のことを“超電磁砲”じゃなくて、等身大の“御坂美琴”としてみてくれるのは
   両親以外ではアンタくらいなのよ。
   ただの女子中学生として見てくれるのはね。」

上条「いや、そんなことはないだろう。
   なんのかんのいっても、お前が中学生なのは変わらないわけだし……」

美琴「そんなことあるのよ!!
   だっ、だからアンタみたいに、ただの中学生として見てくれる人は私にとって貴重なの。」

佐天(やっぱり、御坂さんは自分のことを一人の女の子として見てくれる人に惹かれるタイプだったかぁ)

上条「つまり、どういうことなんでしょう……」

美琴「つ、つまり、アンタは私にとってと、特別だってことよ。」

上条「それは、褒められてると受け取ってよろしいのでしょうか?」

美琴「そ、そうよ! 特別だって言ってるじゃない!」

上条「それは、光栄です……」

美琴「つまりアンタは私の恩人で、私を一人の女の子として見てくれる貴重で、特別な人なの。
   そ、それに、私の全力を受け止めてくれる世界でただ一人の人なんだから!!」

佐天・初春「「おおーーーー」」

上条「そこまで、上条さんを評価していただけるとは、誠にありがとうございます。」

美琴「まだ、わかってないわね……」

上条「いやいや、実は御坂さんが上条さんを評価していただいていたことは重々わかりましたから……」

美琴「“評価”なんて、言葉が出てくること自体わかってないって言ってんのよ!!」

上条「じゃあ、やっぱり評価してくれてねーの?」

美琴「違うわよ!!」

上条「じゃあ、なんだっていうんだよ。
   上条さんはバカなのではっきり言ってくれねーとわかんねーんだって……」

佐天・初春((上条さん……))

美琴「いい!!、
   私はね、アンタのことが だ、だ、大……」

佐天・初春((いけ、御坂さん。もう一息))



店員「ブレンドコーヒーのおかわり、大変お待たせいたしました~。」

  
佐天・初春((なんで、このタイミングでーーー!!))


上条「あっ、すいません。そこ置いといてください。」

店員「畏まりました。ごゆっくりどうぞ。」

店員(ヒソヒソ声で)
  「お客様、頑張ってください。応援してます。」

美琴「ひゃっ、ひゃい!!」

佐天(応援してるならもうちょっとタイミング考えてよ。お姉さん……)

上条「あ~、御坂。
   それで、さっきの続きは?」

美琴「つ、つぢゅき!?」

上条「たしか、『ダイ』なんとかだとか?」

美琴「い、いひゃ、そにょ、だきゃら……

   だ、だだだだ、、大、大しゅ、しゅ、しゅ……」( ふにゃーーーー)


上条「うぎゃーー。こんなところで漏電すんなーーーー。」
  (パキーーン(幻想殺し発動))


佐天「あー、惜しい!」

初春「もう一息だったんですけどねー。」




上条「はぁ、こんなところで気絶して寝てたら風邪ひくぞ、全く……」
  (よいしょっと)

初春「ひざまくら、ひざまくらですよ。
   佐天さん!!
   しかも、毛布替わりに上着を掛けてあげてます。」

佐天「でも残念。
   気絶してちゃひざまくらされても覚えてないよねー。」

上条「ったく、お前が言いたいことがあるってんだったら
   上条さんはいつでも聞いてあげるんですがね。
   気絶しちゃしょうがねぇだろが……
   しかし、結局何が言いたかったんだ?
   だい、大、ダイ?
   ダイナミック・ダイクマー?」

佐天・初春「ンなわけあるかーーーーー!!!!!」
      (ガタン!!!)

上条「へっ?」

佐天・初春「「あ”っ!!」」

上条「あの~初春さんに、佐天さん。
   お二人は先ほどお帰りになられたんじゃなかったでしょーか?」

佐天「い、いえ。あの~。」

上条「ひょっとして、御坂のことが心配だったとか……」

初春「そ、そう。そうです。
   ちょ、ちょっと御坂さん思い詰めてた(テンパってた)
   みたいだから心配で(面白くて)……」

上条「思い詰めてたって、コイツまた何か事件とか抱え込んでんじゃ!!」

佐天「あ、いやそーゆーのじゃないですから大丈夫です。」

上条「ホントに?」

佐天「ええ本当です。そこは私たちが保証します。ねっ、初春!」

初春「ええ、保証します。
   それに、もし何かあったら上条さんが支えになってくれるんですよね!
   (もちろん私たちも全力でサポートしますけど。)」

上条「そんなの当たり前じゃねーか!
   でもこいつ、何かあっても頼ってくれねぇんだよ。
   一人で黙って抱え込んで……」

佐天「じゃあ、これから御坂さんのことで何かあったら私たちから連絡しますね。」

上条「ホントかっ!
   でも、御坂のことだけじゃなくて佐天さんたちにも何かあったら教えてくれよ。
   俺にできることならいくらでも助けるから。」

初春「ありがとうございます。
   でも私たちに気を遣う暇があるんだったら、もっと御坂さんを見てあげてください。」

佐天「そうです。
   私たちなんてほっといていいですから。」

上条「いや、そういうわけにはいかないだろ。
   大体、もし君たちが困っててるのにほっといたら俺が御坂に怒られちまう。」

佐天「いやいや、私たちの悩みなんて大したことないですから大丈夫ですって。それより御坂さんをですね……」

上条「悩みに大きいも小さいもあるかよ!
   それに困ってる奴がいたら助けるのが当たり前だろ。」

佐天・初春(………)

佐天「あのー
   ひょっとして上条さんって、困ってる人がいたらそれが誰でも、
   どんなに無茶な厄介ごとでも助けなきゃいられない人ですか?
   御坂さんだけにじゃなくて……」

上条「そんなの当たり前だろ、困ってる人に区別なんてあるかよ!」

佐天「そ、そうですね……」
   (思考回路が御坂さんそっくり……
    こりゃ、御坂さんが惹かれるわけだわ……)


初春「………
   あ、あの、ちょっと上条さんにお伺いしたいんですけど……」

上条「んっ? なに?」

初春「先ほど上条さんが私の命を助けてくれたって御坂さんが言ってましたけど……」

上条「へっ?
   あの話、聞こえてたの?」

佐天「い、いやー
   この子、結構地獄耳なんで……」(汗)

初春「すいませんが、私、そんな大事なことがあったなんて覚えがないんです。
   よろしければ、何があったのか教えていただけませんか?
   命を助けてもらったのに覚えていないなんて、大変失礼で申し訳ないですけど……」

上条「あ~~。
   いや、悪いけどちょっと事情があって俺もそのこと覚えていないんだわ。」

初春「ま、まさか助けて頂いたときに頭を打って覚えてないとか……」

上条「い、いや、そういうわけじゃないみたいだけど……」

初春「でも、助けていただいたことは間違いないんですよね!」

上条「いや、何分覚えてないんで本当に初春さんを助けたのかどうかは……」

初春「いえ、信じます。」

上条「えっ!」

初春「御坂さんが、そんな大事なことで嘘を言うはずありません。
   だから、上条さんが私の命を助けていただいたのは間違いないんだと思います。だから……
   命を助けていただいて、本当にありがとうございました。   
   それから、御坂さんや白井さん、私の大切なお友達たちも助けていただいてありがとうございました。」

佐天「私からも、お礼をいわせてください。
   初春や、御坂さん、白井さんを守っていただいてありがとうございました。」

上条「い、いや、
   俺は自分が勝手にやりたいことをやっているだけだから……
   初春さんのときも、多分そうだと……」


佐天「あの、上条さん……
   ひょっとして誰かからお礼を言われたらいつもそう答えてるんですか?
   初春や御坂さんが言うように人の好意は素直に受け取らないと……」

上条「いや、だって実際俺がやりたいようにやってるだけでお礼を言われたくてやってるわけじゃ……」

佐天「それでもです!!
   上条さんがそんなだから、御坂さんは今まで言いたかったお礼を言えなかったんですよ。
   今までずっと言いたくても言えなかった御坂さんの気持ちを少しは考えてください!!」

上条「御坂の気持ち……」

佐天「お礼を言いたいのに言えない。それがどんな気持ちか上条さんにもわかるでしょ。
   それがどんなに辛くてもどかしいことなのか。」
  
上条「……
   ひょっとして、俺は御坂にずっと辛い思いをさせてきてたのか……」

佐天「そうです!
   上条さんがもう少し御坂さんのことをわかってあげられてたら、
   そんな辛い思いをさせなくても済んだんです。
   それに、お礼だけじゃない。
   御坂さんは他にも上条さんに言えない想いを心に抱えてるんですよ。
   お礼よりももっと大きな想いを……」

上条「もっと、大きな想い?」

初春「ええ、そうです。
   御坂さんはきっと、上条さんに助けられた時から……
   いえ、きっとそれよりも前からその想いを持っていたはずです。」

上条「そんなに前から、俺は御坂に辛い思いをさせているのか?」


初春「ええ、きっと……
   だから、上条さん、どうか御坂さんの想いに気づ…」

上条「……
   俺はもう、御坂と会わない方がいいのかもしれないな…」

美琴(ビクッ!!)

初春「なんでそうなるんですか!!
   上条さんはそれでいいんですか!!」

上条「そりゃ、俺だって御坂と会えなくなるのは寂しいよ。
   だけどしょうがねぇじゃねえか!
   俺と会うたびに御坂が辛い思いするってんなら会わないのが一番御坂のためだろ。」  

初春「上条さんは……

上条さんは御坂さんにとって王子様なんですよ。
   なのに、なんでそんな事……」

上条「なんだ?
   その王子様って?」

初春「上条さんのことですよ!!
   命懸けで女の子を救うなんて、王子様そのものじゃないですか!!」

上条「俺がその王子様だってのか?
   いままで誰からもそんなこと言われたことねーぞ。
   ましてや御坂みたいな超絶お嬢様が、俺みたいなバカで不幸で貧乏で無能力者の上条さんを王子様なんて思うわけが……」

バチーーーーン(佐天さんの平手打ち炸裂!!)

美琴(ビクゥッ!!)

上条「不幸だ……」

佐天「目は覚めましたか?」

上条「突然なにすんだよ! 佐天さん。」

佐天「叩いたことは謝ります。 すいません。
   でも、上条さん全然わかってないじゃないですか!
   私たちは御坂さんをもっとよく見てください、御坂さんの想いに気づいてあげてくださいって言っているんですよ。
   それなのになんで御坂さんと会うのをやめようとしたり、まるで御坂さんが上条さんを見下してるみたいなことをいうんですか!」 

上条「御坂が俺のことを見下してるなんて思ってねーよ。
   御坂はそんなことを考えるような奴じゃねーってこともよくわかってるよ。
   でも、上条さんの不幸は筋金入りだ。
   そんな俺に感謝してくれてるってだけでも奇跡なのに
   ましてや王子様だなんて思ってるわけねーじゃねーか!」

佐天「やっぱりわかってないじゃないですか、
   御坂さんにとって不幸かどうかとかレベルがどうかなんていうのは全然問題じゃない。
   御坂さんにとって一番大事なことは
   御坂さんを色眼鏡で見ずに対等な人間として扱ってくれる人かどうか、
   そして、御坂さんと同じようにまっすぐ前を見て進んでいける人かどうか、
   一緒に同じ道を歩んでいけるような人かどうかなんですよ。
   そんな人、上条さん以外にいるわけないじゃないですか!」

上条「いや、他にもきっといるだろ。」

佐天「無理ですよ。どんなに探したって絶対にいません!」

上条「そんなわけないだろ、現に佐天さんたちだって御坂の支えになってるじゃないか。」
   
佐天「もちろん私たちだって御坂さんの支えになりたいですし、頑張っているつもりです。
   でも、駄目なんです。
   御坂さんが本当に悩んでいたあの時、私たちじゃ何の役にもたてなかった。
   御坂さんが悩んでいることはわかっても、どうして悩んでいるのかも分からなかった。
   私たちじゃ御坂さんの相談にのるどころか、愚痴を聞くことさえできなかったんです。
   でも、上条さんは違うんでしょ!
   あの時、御坂さんを助けたのは上条さんなんでしょ!
   御坂さんの命を救ってくれたのはあの時なんでしょ!」

上条「……」

佐天「本当は御坂さんにあの時何があったのか、どうやって御坂さんを助けたのか聞きたいですけど、聞きません。
   きっと私たちには絶対に話せないようなことなんでしょうから……」

上条「悪い……」

初春「そこで謝るってことはやっぱり夏休みのあの時、御坂さんを救ってくれたのは上条さんなんですね。」

上条「……ああ。」

初春「やっぱり、王子様じゃないですか。」

上条「いや、だからその王子様ってのは違うって。」

初春「どうして!!」

佐天「あーーーもうっ
   王子様かどうかなんてどうでもいいです!!
   それより、ちゃんと御坂さんの気持ちを考えてくれるんですよね!!」

上条「だから、御坂が辛い思いをしないように会わないようにしようと……」

佐天「だから、それじゃダメだつってんでしょうがっ!!
   あぁっ、もう!
   鈍感なのはわかっていたけどここまで酷いとは……」

上条「アノー、サテンサン
   本人を目の前にしてその言いぐさはどうかと……」

佐天「まさか鈍感じゃないとでも言うんですか!!」((両手をテーブルに) バンッ!!)


上条「ちょっ!
   そんな音立てたら御坂が起きるって!」

初春「そんな心配無用ですよ。
   御坂さんとっくに起きてますから。」

上条「へっ、ウソ!」

佐天「ウソじゃないです。
   上条さんがもう会わないとか言い始めた時には既に起きていましたよ。
   そんなことにも気づかないなんて鈍感な証拠じゃないですか!」

上条「……」

佐天「御坂さん、とっくに起きてるのはわかってるんです!!
   今ここで、きちんと気持ちを伝えてください!
   でないと本当に上条さんと会えなくなりますよ。それでいいんですか!!」

美琴「ダ、ダメ!」(ビクッ)

上条「み、御坂。
   やっぱり起きて……」

美琴「あっ。」

佐天「もう寝たふりしてもダメですよ。
   さあ、キッチリ上条さんに気持ちを伝えてください。」

美琴「で、でも…」(ゆっくり起き上がる)

佐天「御坂さん。 勇気を出してください。
   大丈夫、本気でぶつかればきっと上条さんは受け止めてくれますよ。
   今までだってそうだったんでしょ。」
   (両手をギュッ)

美琴(佐天さんの手…
   さっき私に勇気をくれた手がまた私の手を握って……)

佐天「上条さん
   今度こそ聞いてもらいますよ、御坂さんの本当の想いを…」

上条「お、おう。」

佐天「さ、手を握っててあげますから、落ち着いて御坂さんのペースでお話してください。」

美琴「あ、ありが とう…」


美琴「………
   あ、あの……あのね、
   えと……
   その……」(涙)


上条「御坂…
   ゴメンな……」

美琴「えっ……」

上条「俺、お前が俺と会うたびに辛い思いをしてたなんて気づかなくて……」

美琴「ち、ちがっ」

上条「それどころか、佐天さんに言われた今でもお前が何に悩んでるのかわからないなんてさ。
   友達失格だよな。」

美琴「失格なんかじゃない!!」

上条「えっ?」

美琴「私はアンタといるだけで胸が踊った。
   アンタといるだけで幸せだった。
   アンタが笑ったとき、アンタが私を頼ってくれたとき
   どんだに嬉しかったか……
   そりゃ、腹の立つときもあるわよ!
   でも、それはアンタが一人で突っ走っちゃったときとか、
   他の女の子と一緒にいるときとかで……
   とにかく!
   私はアンタに笑って欲しいの!頼って欲しいの!
   アンタとずっと一緒に、同じ道を歩いて行きたいの!!
   会えないなんて絶っっ対にイヤッッッ!!!」


上条「……つまり、これからもお前と会っていいのか?」

美琴「当たり前でしょ!
   私はアンタと一緒にいる時が一番幸せなんだから。」

上条「じゃあ、俺と会うたびに辛かったって話は……」

美琴「そ、そんなの気にしなくていいの!!
   私は、アンタと会えない方が何十倍も何百倍も辛いのよ。
   アンタがイヤって言っても一生離れたりなんかしないんだから!」

初春(ヒソヒソ声で)
  「さっきから、御坂さんスゴイこと言いまくってますよね。
   自分で気づいてないんでしょうけど……」

佐天「ホントにね!
   このまま、最後まで突っ走ってほしいけど……」

上条「でもお前だって知ってるだろ。俺の傍にいたら不幸に巻き込まれるぞ。」

美琴「今更、なに言ってるのよ!
   アンタが不幸なんて百も承知よ。

   何度でも言うわよ!
   『私はアンタと一緒にいる時が一番幸せなの。』


   私だけじゃない、
   きっとあの子達も、あのちっこいシスターも、
   
   アンタが助けた人たちはみんなアンタと一緒にいると幸せになれるのよ。
   もっと、自信を持ちなさい!」

初春「そ、そうです。
   私だって、上条さんと一緒にいると楽しいです。」

佐天「私も上条さんとお話ししていると楽しいですよ。」
   (特に、御坂さんの反応を見ている時が……)


美琴「ほら!
   アンタは周りの人みんなを幸せにすることができるのよ。

   一緒にいると不幸に巻き込むなんて、これっぽっちも気にする必要なんかないんだから!」

上条「俺がみんなを幸せにって、
   俺は子供のころ疫病神って言われたって……」

美琴「まだ言うか!

   いいっ?
   アンタが不幸だろうが何だろうが、そんなの私は気にしない!
   アンタが助けたたくさんの人たちもきっとそんなの気にしない!

   それでも、アンタがどうしても気になるっていうんだったら、
   私がアンタを幸せにしてみせる。

   どんな事が起こったって、一生かかったって、
   アンタの不幸を帳消しにして心から忘れちゃうくらい、
   絶対幸せにしてみせるんだから!」

上条「御坂、お前どうしてそこまで……」

美琴「そんなの決まってるじゃない!!
   アンタのことが好きだからよ!」

   佐天・初春(言ったァァァァァァ!!!!!)

上条「へっ?
   御坂が俺のことを好き?」

美琴「あ"っ!

   ち、ちちちち違うの!
   そ、そそそそそそうじゃなくて
   と、とにかく
   い、いい今のな……」

上条「やっぱり違うのか?」

美琴「いや、その、だから……」(///)

佐天「違いません!!

   御坂さんは、上条さんと会えないと辛くて胸が張り裂けそうなくらい
   上条さんのことが好きなんです!」

初春「そうです!
   『上条さんと一緒にいる時が一番幸せ』で、
   『上条さんを一生かけてでも幸せにしてあげたい』くらい
   上条さんのことが大好きなんです!!」

上条「そうなのか?
   御坂。」

美琴「う、うん……」(///)

上条「じゃあ、俺に言えなかった辛い想いってのは……」

佐天「『上条さんに自分の想いを伝えたい、告白したい。
    でも、恥ずかしい(/ω\)
    今の関係が壊れたらどうしよう。』

   って考えてしまう切ない乙女心に決まってるじゃないですかぁ。」

上条「御坂……」


佐天「それで、上条さん。
   お返事は?」

上条「えっ?」

初春「御坂さんに対するお返事にきまってるじゃないですか。

   上条さんは御坂さんのことどう思ってますか?
   もちろん、お付き合いOKなんですよね?」

上条「俺は……」

美琴「待って!
   それ以上言わなくていい……」

上条「へっ?」

美琴「アンタが私のことそういう目で見てないことはわかってる。
   アンタにとって私はただの年下のガサツな女の子で、
   せいぜい、友達か腐れ縁がいいところ……

   私がアンタを好きだったなんてこと、今まで考えたことも無かったでしょ?」

上条(……)

美琴「それが、こんな場所で突然告白をされて、
   しかもすぐそばには私の親友が二人もいる。

   こんな状況じゃ、優しいアンタは自分に正直な答えを出せない。」

上条「ちょっと待て、みさ…」

美琴「私は嫌なの!

   こんな泣き落としみたいな状況で、アンタが自分の気持ちを抑えてしまうことが……

   アンタはいつも、周りの人たちのことばっかり考えて自分のことは考えようともしない!
   せめて恋愛のことくらい周りを気にせず、自分に正直になって欲しいのよ!!」

初春(御坂さん……)
佐天(なんて健気……)

美琴「それじゃ、私帰るわね。
   お代は全部出しておくから……」

上条(腕を掴んで)
  「待てよ、御坂。」

美琴(……)

上条「確かに俺はお前の気持ちに全く気付いてなかったし、
   お前のことは、気兼ねなく話できたり馬鹿やったりできる友達くらいにしか思っていなかった。」

美琴(やっぱり……)

上条「それだけじゃない!
   突然、故障自販機をけり倒すわ、周りのことも考えず電撃ぶっ放すわ、こっちの都合も考えずに振り回すわで、
   ホント、迷惑な奴とも思ったよ。」

初春(御坂さん、上条さんの前でそんなことしてたんですか……)
佐天(ま、まあ、ある意味御坂さんらしいというか、なんというか……)

上条「でもな、お転婆だけど
   実は周りの人が困っているのを放って置けない、周りの人を守るためなら自分が傷ついてもいい
   って考えるような優しい奴だとわかったとき。

   自分が泣け叫びたいような状況でも、周りに心配かけないように堪え続ける頑張り屋だとわかったとき。

   本当にお前の味方で良かったと思ったよ。」

美琴(……)


上条「そんな奴が、
   『俺と一緒にいる時が一番幸せ』と言ってくれた。
   『一生かけても俺を幸せにする』と言ってくれた。

   何よりも、
   『俺のことが好き』と言ってくれたんだ。

   なんとも思わないわけねーじゃねーか!!」

佐天(こ、これは!)
初春(この流れは、イケます!!)

上条「もう一度聞くぞ、御坂、
   俺の傍にいたら不幸に巻き込まれるぞ。
   それでもいいんだな!!」

美琴「そんなの気にしないって言ったでしょ。
   私はアンタの傍にいられないことが一番不幸なのよ。」

上条「……
   わかった。

   俺は一生かけてもお前を幸せにしてみせる。
   ずっと、傍にいて欲しい。」

美琴「何を今更、
   アンタからは一生分の幸せなんてとっくの昔に貰ってるわよ。

   今度こそは私がアンタを幸せにする番なんだからね!」

上条「何言ってるんだ?
   お前が傍にいてくれるんだったら、それだけで幸せに決まってるだろ。」

美琴「う、うん。 私も……」(///)

佐天「あの~~
   既にラブラブなところ申し訳ないんですが……」

美琴「な、なにっ!
   佐天さん。」

佐天「聞くまでも無いことかもしれませんけど、
   肝心の上条さんのお返事がまだ聞けていないみたいなんですが……」

上条「そ、そんなの言わなくてもわかるだろ!!」

初春「いや、いや、
   今までの上条さんのパターンから考えると、
   はっきりおっしゃっていただかないと、どんなどんでん返しがあるかわかりませんし……」

上条「こ、この場で言うのかよ!!」

佐天・初春「「はいっ!
       ハッキリ、クッキリ、キッパリお願いします。」」

上条「わかったよ!!
   あ~~、み、御坂美琴さん。」

美琴「ひゃっ、ひゃい!!」

上条「いや、そのー
   まずは本当に悪かった、今まで気づいてやれなくて……
   ゴメン。」

美琴「そんな……」

上条「でも、今日お前の話を聞いて初めて自分の気持ちに気付いたよ。
   お前ともそこそこ長い付き合いなのに、何やってたんだろうな俺。」

美琴(……)

上条「御坂、
   こんな、鈍くて、馬鹿で、貧乏で不幸な俺だけど、
   こんな俺でも良ければ、
   
   こ、恋人になってくれませんか?」

美琴「はい。」(///)





初春「本当に良かったですね。御坂さんたちが結ばれて。」

佐天「本当にね。
   あ~あ、私も彼氏欲しいなあ。」

初春「佐天さんなら、いつか出来ますよ~~
   
   それにしても、あの御坂さんが告白しちゃうなんて、
   佐天さんの能力って本当にスゴイですね!

   本当にレベル1なんですか?」

佐天「何言ってんの初春、私はレベル0のまんまだよ。」

初春「えっ、だって能力に目覚めたって……」

佐天「あ~、あれね。あれはウソ!」

初春「え、えぇぇぇーーーー!!」

佐天「大体さあ、レベル0とはいえ私の能力は空力系だよ。
   精神系の能力になんか目覚めたら多重能力者になっちゃうじゃん?」

初春「そ、そういえば……
   でもなんで能力が目覚めたなんてウソを……」

佐天「だって、御坂さんって最近益々上条さんへの想いが強くなってたみたいじゃん?
   見ているこっちが痛々しくなるほどにさ。

   だから、少しでも背中を押してあげられればと思って……」

初春「そうだったんですか……
   佐天さん!
   やっぱりあれは佐天さんの能力ですよ。」

佐天「いや、だから私の能力は空力系だって……」

初春「いえ、確かに能力ですよ。
   
   確かに超能力ではないかもしれませんが、
   御坂さんの力になりたいっていう佐天さんの想いが形になったちゃんとした能力です。」

佐天「そうかなあ。」

初春「そうですよ、
   だって、あの御坂さんを動かしたんですから、
   レベル5にも負けない立派な能力です!!」

佐天「……
   うん、そう思うことにする。
   ありがとね初春。」

初春「はい!」


おわり










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