零式防衛術外伝 すごいよ!!散さん

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mangaroyale

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零式防衛術外伝 すごいよ!!散さん ◆ozOtJW9BFA


「散君、先程上がった花火ですけど、多分この消防署から打ち上げられた物ではないでしょうか?」
「そうだな、おそらくあの花火は人を呼び寄せる為の物。ならばあれを打ち上げた者は、推測される打ち上げ地点から近く
 地図上に記載された建物でもある、消防署で待ち構えていると見ていいだろう」

私は先刻出会ったマリアと地図を見ながら、先程上がった花火が何処から打ち上げられた物かを話し合っていた。
我々の目的は簡単に言えば人捜しだ、ならば人の集まりそうな所を捜して回ればよい。
そこで我々は手近な所である、花火が打ち上げられた場所に行く事とする。

「しかしマリアよ、お前の捜し人は殺し合いの最中に花火を上げる程、奇特な人間なのか?」
「ええ、他の二人はともかくナギ……お嬢様は頭の良い子なんですけど、それ以上に天然で思い付きで行動する所があって……」
「………マリアがそういうのだから、相当なのだろうな。まぁいい出発するぞ、散について参れ」

「でも私達二人だけで行って、危ない人に会った時はどうしましょうか?」
道中マリアが、心配事を口にする。
「マリアよ、この散は零式防衛術の奥義を極めた身。そのような心配は不要だ」
言い終えてからマリアに対する、自分の発言の迂闊さに気付いた。

「散君。私、ナメッ○語はちょっと…」
「……ナメッ○語の話などしていない」
「あ…つっこんだら負けって遊びですか?」
「遊んでなどいない!」

不退転の現人鬼として、人類抹殺の儀を掲げるこの散は
味方からは畏怖と敬愛の対象として畏れられ、敵からは恐怖と憎悪の対象として恐れられてきた。
だがマリアが今私に向ける視線は、さしずめ『かわいそうな人を見る目』だ。
本来この散にかように無礼な態度を取る者は、螺旋で以って死滅せしめるところだが
この死合における、私の目的を達する為に生かしておいている。
だがやはりマリアには、我が不退転の力の一端でも見せてやらねばならないようだ。

私は近くに有った、空のゴミ箱に歩み寄る。
「マリアよ。現人鬼の力の一端、篤と見るがいい」
ゴミ箱を目前に置き、右足を少し後ろに上げ 「あ、何かしらこの音は?」 右足を天まで蹴り上げた。
ゴミ箱は私の蹴りを受け、目視出来ない彼方まで飛んでいった。いかなマリアとて、これで私が不退転の存在であると知れただろう――

「散君。今、大きな音がしませんでしたか?」
「…………爆発音だ。マリアよ、向かうぞ」

この死合に勝利した暁には、マリアに我が螺旋の威力を篤と教えてやろう。
文字通り、その身に叩き込んでな。

◇ ◆ ◇

村雨良――ZXは、先刻打ち上げられた花火の元を探していた。
(この辺りだと思ったのだが……誰も居ないな……)
ZXが探索している場所は花火が打ち上げられた消防署の付近ではなく、D-4エリアの東部であった。
改造人間であるZXは、変身せずとも常人を凌ぐ知覚能力と運動能力を持つ。
本来ならば、花火の元を探しあぐねる事など有り得ない。
だが今のZXは、それらの能力が制限されていた為
長距離を移動する際の距離感や、それに伴う方向感覚にも微妙な狂いが生じていた。
(行き過ぎたのかもしれないな……少し戻ってみるか)

(どうやら俺の能力が、弱まっている様だ。……………爆発か!?)
ZXはD-4エリアの東部から南下している途中に、爆発音を耳にする。
散とマリアが聴いたのと、同じ爆発音を。

◇ ◆ ◇

「「美形だ(ですね)!!!」」
爆発音を元を探索していた散とマリアは負傷者を見付け、その日も同時に叫んだ。
いや二人は今日始めてあったばかりだが、とにかくそう叫ばざるを得ない程の美形が気絶し横たわっている。

周囲の地面は所々が焼け半壊した戦車なども転がっており、この場で激しい戦闘があった事を示している。
「………散君、あれ……」
口元を押さえ震えるマリアの視線の先には、全身が焼けただれ上半身は原型を留めぬほど潰された死体があった。
マリアが恐る恐る近付き、その死体を観察する。体型等から、彼女の知人では無いと分かる。

「周囲には他に誰もいないようだし、仕方ない、まだ息が有るこの美形を病院にでも運んでやるか」
凄惨な光景にも動じる様子も無く、散は美形を抱えた。
「マリアよ。何を呆けている、散について参れ」
「……あ。は、はい」
散に声をかけられたマリアは、我にかえり返事をする。
そのマリアの後方に5m程離れた民家のブロック壁が、内側から弾けるように破壊され
変身を遂げたZXが中から飛び出し、マリアとの距離を一瞬で詰め殴り掛かってきた。
マリアの顔面に当たる直前まで拳を伸ばした体勢のまま、ZXは横に飛んでいく。
正確には散に横合いから、蹴り飛ばされた。
ZXは民家のブロック壁を突き破り、木製の壁に突き刺さる。

「マリアよ。先程地図を見た時にF-4エリアに、病院の存在を確認出来た。
 お前はそこの美形を運び、病院へ行け。私も後から、そちらに向かう」
「…え?散君はどうなさるんですか?」
「私はあいつの相手をしてやる」

さしてダメージを受けた様子も無く、ZXが民家からゆっくりと歩み出てくる。
「早く行け!我らの戦いに巻き込まれれば、お前や美形など塵と化すぞ!!」
「は!はい!!散君も無理をなさらないで下さいね!」
散の叩きつける様な気勢を当てられ、マリアは慌てて美形に駆け寄り
美形を背負って、その場を離れていった。

散は感心していた。大の男を背負い走り去っていった、マリアの意外な体力に。
「……キサマの…」
散はZXの声に、向き直る。
マリア以上にZXは、散の感心を買った。
ZXに放った散の一撃は、膝は伸びきり体重は乗った一切の躊躇の無い一撃だった。
それを受けてなお、ZXにダメージの後は見受けられない。

「キサマの痛みを見せてみろ」
「笑止!! お前は我が滅技で以って、痛みを感じる間も無く殺してくれる!」

【E-5 北西部/1日目/早朝】
【葉隠散@覚悟のススメ】
[状態]:健康
[装備]:零式鉄球聖衣形態
[道具]:支給品一式、ランダム支給品内容、個数ともに不明(本人も確認してない)
[思考]基本:主催者の思惑を覆す。
1:村雨良を殺す。 
2:1の後病院へ行き、マリアと合流する。
3:強者は殺す、弱者は生かす。ただし、この死合が終わったあとには殺す者もいる。
4:この死合で優雅な勝利を収める。

【E-5 北西部/1日目/早朝】
【村雨良@仮面ライダーSPIRITS】
[状態]:正常
[装備]:無し
[道具]:支給品一式、不明支給品1~3品(本人未確認)
[思考]
基本:殺し合いに乗る
1:散を殺す
[備考]
能力制限は不明(後の書き手さんまかせ)です
参戦時期は原作4巻からです
村雨静(幽体)はいません

「ここまでくれば、大丈夫ですよね……」
高い身体能力を持つ、マリアといえど
美形――マーティン・ジグマールを背負ったまま、病院まで走り続ける事は出来ない。
マリアは散とZXの姿が見えなくなると、民家の壁際に美形を下ろしその隣に座る。

(散君を一人で残してきてしまったし、やはり私も戻った方が良いのかしら
 でもいれ違いになっても困りますし、怪我人を置いていく訳にもいきませんし……)
マリアは身体を休めながら、今後の行動方針について頭を悩ませていた。

◇ ◆ ◇

わたし、吉良吉影は池の公園から少し離れた所にある民家で、身を休めていた。
偶然立ち寄っただけの家だが、これがなかなか良いベットが置いてある。
周囲に人の気配も無かったし、今夜も安心して熟睡出来ると思っていた。
…………何処かの馬鹿が、近くで花火を上げるまでは。

殺し合いの中で花火を上げるなど、自殺志願か罠でも張ったのか状況が飲み込めていないのか
いずれにせよ平穏に過ごす事を望むこの吉良吉影が、そんな輩の近くにはいられない。
わたしは荷物を纏めて、花火が上がったのと逆方向に移動を始めた。
充分に距離を取ったと思ったら、今度は近くで爆発音が鳴る。

わたしはまたその場からの移動を、余儀なくされる。
全くこんな時間に大きな音を立てて、周りの迷惑というものを少しは考えないのか?
どうしても騒ぎたいのならこの『吉良吉影』から、離れた所でやれ。
おかげで一睡することも無く、日の出を迎えてしまったではないか。

いらつきながら寝床を探す内に、メイド服の女性と重症を負ったと思しき男を見付ける。
こちらに気付いていない二人を、彼女等が背を預けている民家の陰から観察する。
男の方は気を失っているらしく、思わず叫びたくなる様な……実際心の中で叫んだ程の『美形』だ。
だが幾ら美形でもこの吉良吉影、男になど興味は無い。
問題は女の方だ。

彼女等はその様子から、何らかの『トラブル』に巻き込まれた事が容易に推測出来る。
ならば彼女等と接触すれば、わたしも『トラブル』に巻き込まれかねない。
何かの『トラブル』に巻き込まれ頭を悩ますなど、この吉良吉影が最も嫌う事だ。
彼女等はわたしの存在に気付いていないのだから、今の内にさっさと離れるべきだ。
そんな事は充分過ぎるほど、分かっている。

しかしわたしは彼女のそれから、目が離せない。
まるで玉の如く、肌理細やかなそれ。
そこから伸びる指は、すらりとしなやかで
その先には、余計な装飾が無くとも美しく整った爪が艶を放っている。
目の前のメイド服の女性の手は、この吉良吉影の心の『平穏』を乱す程に美しいのだ。

【E-4 南部/1日目・早朝】
【吉良吉影@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、ランダムアイテム×0~3(全て未確認)
[思考]
基本:普段どおり平穏に過ごす。
1:マリアの手が気になる。
2:自身を追うもの、狙うもの、探るものなど自身の『平穏な生活』の妨げになると判断した者は容赦なく『始末』する。
[備考]
※『バイツァ・ダスト』拾得直後からの参戦です。
※支給品はまだ何もチェックしていません。そのため承太郎が殺し合いに参加していることに気づいていません。
※スタンドの能力制限や『バイツァ・ダスト』が使用不可能であることに気づいていません。

【E-4 南部/1日目・早朝】
【マーティン・ジグマール@スクライド】
[状態]:全身ボコボコ、歩くのがやっとの重傷、美形状態、極度の疲労、気絶
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
基本:生き延びて全宇宙の支配者になる。
1:誰かに匿ってもらう。(美貌が使えそうなら使う)
[備考]
※人間ワープにけっこうな制限(1~2mほどしか動けない)が掛かっています。
 連続ワープは可能ですが、疲労はどんどんと累乗されていきます。
 (例、二連続ワープをすれば四回分の疲労、参連続は九回分の疲労)
※ギャラン=ドゥに関しては次の書き手さんにお任せします。当分は出てこれないと思います。
※戦車(ティーガー(P)駆逐戦車)は爆発に巻き込まれました、操縦等は不可能だと思われますが。部品は何かに使えるかもしれません。
※また、ジグマールのデイパックは爆発に巻き込まれ、殆ど原形を留めていないままどこかへ飛散しました。
未確認支給品(0~1)も無事ではないと思われます。
※破壊の杖@ゼロの使い魔(残弾なし)はE-5の戦車の近くに放置されています。

【E-4 南部/1日目・早朝】
【マリア@ハヤテのごとく!】
[状態]:健康
[装備]:本部の鎖鎌@グラップラー刃牙
[道具]:支給品一式、犯人追跡メガネ&発信器×3@名探偵コナン
[思考]基本:殺し合いはしない
 1:散を置いて病院に行くか、散の元に戻るかで迷っている。
 2:ナギ、ハヤテ、ヒナギクの捜索
 3:黒髪の少年(葉隠覚悟)を探す
 4:範馬勇次郎と金髪の男(ラオウ)を警戒
 5:散の事を女装した男だと思っています。


039:北斗神拳の恐怖 投下順 041:ふたりはスカーフェイス
035:嫌なこった 時系列順 042:オーガ=範馬勇次郎
026:繰り出す螺旋の技、その極意は温度差の魔拳 葉隠散 066:葉隠散には夢がある
019:月光下 村雨良 066:葉隠散には夢がある
006:殺人鬼の日々の過ごし方inロワイアル 吉良吉影 043:マリアさんが見られてる
035:嫌なこった マーティン・ジグマール 043:マリアさんが見られてる
026:繰り出す螺旋の技、その極意は温度差の魔拳 マリア 043:マリアさんが見られてる



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