「戦火の中犯される娘達」SS保管庫

敗戦国の義務

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
x月xx日。
 A国の最新戦車軍団がB国の首都を蹂躙した。
攻撃を受け火の手が上がる最高議事堂。
それはB国が降伏した瞬間でもあった。

 占領軍は残されたB国民の完全を保証し、国の開放を宣言した。
開放、それは響きのいい言葉であったが敗戦国民の女性の体を開かせて働かせる。
文字通りの開放政策でしかなかった。

 元々、B国は貞操意識が高く、他人の前で肌を晒すなんてありえない保守的な女性たちが多かった。
そんな国民に対して、これからは裸を見せろと言われればどこでも肌を晒し、
抱かせろと言われれば抱かせる。そんな生活をすることを義務付ける、
この占領軍の政策は国民の生活を地獄に変えるのにそう時間はかからなかった。

 占領軍に守られた国。敗戦国なのに命の危険もない生活。
それは占領軍や海外客に取ってみれば非常に魅力的な国に見えた。
外からくる人には楽園。元々住んでいた女性には地獄。
B国はそういう国へと変貌していった。
 傭兵部隊隊長のカートは数多くの戦火をくぐり抜け、
母国まで後少しのところまで戻ってきた。
懐かしい国の空気を感じる。

「もうすぐ帰るぞ。みんな、無事でいてくれ」
 カートは国に残した妻と、3人の娘たちのことが心配だった。
自宅がある街は、最後まで戦火に巻き込まれなかったと聞く。
それを証明するかのように手紙も届いている。
だが、占領軍が打ち出したあの女性を働かせる政策。
今の国の状況を聞くとカートは居ても立ってもいられなかった。

 本来、傭兵部隊は戦場から戦場へと移動する。
戦争が終わったB国に行く事はない。
どうしても国に帰りたいカートは部隊の疲労を口実にB国の慰安許可を貰い、
総勢50人の傭兵部隊ごと母国へと向かっていた。

「隊長、そろそろB国ですね 」
 ミニキャンプを作り終えた副隊長のブランコが隊長のカートに話しかける。
カートとブランコは長年の隊長と部下の関係であり、
心を許す親友でもあった。

「そうだな。それよりB国の新しい情報は入っていないか」

「部下に情報を集めさせていますがちょっと酷いですね」
 ブランコは少し顔をしかめた。
B国の状況は、傭兵部隊の間でも話題になっていた。
どんな女でも、金を出せば抱ける国。
その政策のもとで、各地にあった宿屋は売春宿へと建て替えられられているとも聞く。

「そんなに酷いのか」

「治安は非常によくて命の意見は全くありません。あの政策のよるガス抜きが上手くいっているようです。
 ただ、それだけに元いた住民。女性たちの扱いが…」
ブランコは、隊長の心情を考えながら、一つ一つ言葉を選び話した。
隊長の家族がいる街のことは、まだ分からないが、
首都と同じ政策のもとで、治安が維持されていることは十分に予想できた。
もし、そうなら隊長も家族も辛い目に合っている可能性は非常に高い。

「ところで部下の対応はいかがしましょうか」
 ブランコは言い難い、もう一つの質問をする。
拒否されるのはわかっているが、この条件だけは飲んでもらわなくては困る。

「と、言うと?」

「部下の間ではB国に行く事を喜んでいる人もたくさんいます。
B国の状況は部下の間でも周知の事実であり、今から女が抱けると楽しみにしている隊員も数多くおり…」
「駄目だ。そんなことは許さん」
 カートを大声で副隊長の話を拒否した。
もし、情報どおりの扱いを家族が受けているとすれば、
この部隊の誰かが自分の妻や子供を抱くという可能性も0ではない。
そんなこと認められるはずがなかった。

「隊長、冷静になってください。今回この部隊がB国に来られたのは部隊への休養が口実です。
あそこで部下たちを休ませてリフレッシュされる名目で、我々は部隊を動かしたのです。それを台無しにする気ですか」

「しかしあそこには」
 いつにない強い調子で話すブランコにカートは驚いていた。
確かに冷静さを欠いているかもしれない。

「現実を理解してください。我々がB国の国民を抱くというのは何一つ違法性がない正当な権利なんです。
その権利を部下から奪い取ることは隊長でも無理です」
 大声を出して拒否をしたカートに負けじとばかり大声で反論するブランコ。
カートの心配は自分の心配でもあるが部隊全体のことを考えれば、
ここは我慢してもらうしか無かった。


「……わかった。だが、部下たちは首都から動かないように指示を出してくれ」
 カートはブランコの正論を覆す材料がなく、渋々承諾した。
カネを払い、B国の女を抱くことは、国が認めた権利。
その権利を使い、楽しむ部下たち。確かに何一つ問題はない正当な行為だ。
たとえ、それが女性たちの意志に反していても法的にはなんら問題がない。

この行為を隊長権限で止めれば、部隊の忠誠度は下がり部隊維持も困難になるだろう。
残念ながら、副隊長の言い分は何一つ間違いがなかった。

「首都から隊長の街までは200キロ近くあるのでその心配はないでしょう。
私だって隊長の家族には何度も世話になった大切な人たち。彼女らを守りたい気持ちは私も同じです」
 ブランコは、カートの家で何度も食事をしたことがあった。
常に暖かく迎えてくれたカートの奥さん。冗談ばかり言って場を和ます元気な娘さんたち。
彼女らを守りたい気持ちは旦那のカートに負けないつもりだった。

「わかった。部下のことは一任する。一緒に家族を助けに行こう」
「ハイ」

 意見の違いはあっても常に困難の乗り越えてきた2人。
今回も彼と一緒なら大丈夫だ。
そう願いながら部隊はB国へと進んでいった。
B国首都、夕方

「フレンダだな」
 占領軍の制服を着た中年の外国人が、帰宅途中の若い女性に声を掛けた。
女性は男の目的を予想し、逃げ出そうと考えたが、
無駄だと悟り、諦めて男の言葉をじっと待つ。

 その女性の名はフレンダ。
カート家の長女であり、この春から首都にあるマスコミ関係の、
会社に就職した、ごく普通のありふれた国民であった。
そんなフレンダにも、占領軍が課せた女の義務は容赦なく襲いかかっていた。

「そうですが、なにか」
 フレンダはその恵まれた高い身長を生かし、
相手にナメられないように、鋭い目付きで相手の用事を問う。

保守的な傾向が強いB国の女性には珍しく、フレンダは自立心が高かった。
周りはどこも男社会。そんな環境で男に頼らない自立した生活。
男なんかに負けないを一心に頑張ってきた。
 そんな矢先に戦争、敗戦。そして男に抱かれる義務。
女を忘れようと必死に生きてきたフレンダにとっては女性を性の道具にしか見ない、
この政策は、とても受け行けられるものではなかった。

「要件はこれだ」
中年軍人は一枚の書類をフレンダに見せた。

(やはり、これなんだ……)
 フレンダはその書類を見て、悔しさのあまり口を噛み締める。
それは、フレンダに対する性行為許可書。
フレンダを抱くことを国が許可した正式な書類。
どういう手順を踏んで、この性行為許可書が発行されるか、B国の女性はしらされていない。
ただ、この許可書を持つ男が現れたら抱かれること。住民への説明はこれだけだった。
もちろん拒否はできない。拒否した女性は当局に連れて行かれて二度と返ってこなかった。

「それじゃ行こうか」
男は脇道へとフレンダを連れて行く。

「その壁に手を付けて尻をつきだしな」
「せ、せめて何処かの宿屋で」
 フレンダはこんな外で犬のように性行為をされることに恐怖を覚えた。
初めて男に抱かれた時が外だったからだ。
あの時に受けた心と体の傷は未だにフレンダを精神を蝕んでいる。

「いいから早く手を付ける。国民の義務を忘れたか」
「く、」
 震える手を壁につけて腰を曲げお尻を突き出すような体位を取る。
父親譲りなのかフレンダは女性にしては身長も高く体つきもいいが、
心そのものは普通の若者となんら変わらない。
命令に逆らうなんて出来るはずもなかった。

「ほほう、いい尻だな。運動でもしているのか」
 軍人はスカートを捲り白のパンツを一気に引きずり下ろす。
羞恥を与えるかのごとく性器を指で開き中を覗き込む。
「へぇ、綺麗だな。順番待ちだったし処女では無いだろうけど殆ど新品ではないか。
それではいただきますか」
「え、まだ早い……、いたぁぁぁぁぁぁ」
 濡れてもいないフレンダの性器に男のものが突き刺さった。
男はフレンダのここを殆ど新品と言った。
まだ開発されていないところを乱暴に蹂躙する。
男にとってこれほどの喜びはなかった。
「痛い痛い。もうやめて。こ、壊れる」
 男は乱暴に腰を振った。
相手のことを全く考えない、乱暴なセックスだった。
男が腰を突き出すたびに悲鳴を出し、体を震わすフレンダ。
「おっと、忘れていた。写真を撮らないと」
 突然、男は腰を動きを止め、繋がったまま、器用にカメラを取り出す。
フレンダの顔をこちらに向けさせて、男と女が繋がっているところと顔が映るように写真に撮る。

 フレンダは、自分の屈辱的なシーンが撮られているのを何処か他人事のように感じていた。
性行為許可書を持つ男は、必ず途中で写真を撮る。
初めて現れた男は、破瓜の血が写るようにと何度も撮り直していた。
2人目の男も途中で写真を撮っていた。
この作業にどんな意味があるのか、フレンダはもちろん知らされていない。
だが、ろくでもない目的があることだけは確信していた。

再び腰を乱暴に振る男。
「あぅ、あ、あ、あ」
 頬から汗が落ち、恥部を守ろうと強引に分泌された粘っこい液体は太ももへ垂れていく。
フレンダは抵抗を止めて、男の動かすままになっていた。
抵抗を諦めたわけではない。ただ抵抗する力がもう残されていなかった。
「俺は中出しは好きじゃないんだけど中で出せと言われているから中で出すぞ」

「あ~~~~~」
 お腹の中で男のものが広がっていくのをフレンダは感じた。
外に出して、とは言わなかった。これまでの2人にも頼んだが結局、中に出されたからだ。
プライドを捨ててまで、頼み込んでも変わらないなら、頼む必要はない。
フレンダはこの国で暮らす女の考えを、気が付かないうちに、身につけようとしていた。

「なかなか良かったからまた抱きたいけど、一度許可が降りた女とはもうやれないんだ。
つまりこれでお別れだ。楽しかったぜ。じゃな」

中年軍人は決められた金額が入った封筒を置き、フレンダの元から去っていく。

 汚い路地の隅っこで半裸のまま座り込むフレンダ。
股間からは男が出したものがゴボゴボと溢れていた。

 フレンダは朦朧とする意識の中で男が置いていった性行為許可書を手に取る。
男の国籍、フレンダの名前、そして今日の日付が書かれていた。
フレンダが、この用紙を見るのはこれで3回目。
そして、生まれてからここまで、男に抱かれた回数も3回だった。

「くそ、私は負けない。いくら抱かれても心は決してくじけない。
こんなことする占領軍が罰を受ける日は必ず来る」

 辛い時はいつでも助けてくれた尊敬する父。
フレンダは何処にいるかわからない父のことを、
ふと、思い出していた。

国境
カートはB国に帰ってきた。数年ぶりに見る我が母国。
だが、国境で警備しているのはB国の国民ではなく占領軍の外国人たち。
国が蹂躙されるとはこういうこと。他国でも何度見てきた光景ではあったが、
いざ、自分が愛した国で起こるとカートはその理不尽さにやるせない思いを感じた。

「報告します。先ほど入国許可が出ました。あとA国が我々のために歓迎会を開いてくれるそうです」
「歓迎会? なぜだ」
 カートは予想外の展開に少し戸惑った。
確かに、この占領軍の中心にいるA国とは何度か仕事を引き受けたことはあるが、
そこまで特別扱いしてもらう心当たりはなかった。

「よくわかりませんが、おそらくマール部隊がらみかと。あの部隊はA国の危機を救った英雄扱いですから」
「マールとうちでは同じスポンサーの元で動いているぐらいしか共通点はないぞ。流石にそんな歓迎会には
出られない。上手いこと断ってくれ」
「わかりました」

 数時間後、カートは3年ぶりに母国の首都を入り、その有様を見た。
それは数ヶ月前まで戦車が走り、戦場になっていたとは思えないほど、綺麗な町並みだった。

信号待ちで車が止まり人々が道路を横断していく。

 カートはその光景を驚きの表情で見ていた。
数多くの占領地を見てきたがこんな状態は見たことがない。
多くは無いが人も歩いているし、店も開いている。
あんな政策が行われているのに、女たちの姿もある。
なぜ、こんなに治安がいいのかカートは理解できなかった。

「どうも、一般人がB国の国民を抱くには、許可を請求しないといけないらしいですね」
ブランコは車を運転しながら助手席にいるカートの疑問に答えるかのように首都の現状を説明した。

「というと?」

「例えば、あそこにいる女性を抱きたいと思ってもすぐに抱いてはいけない。
まず役所に申請書を出して、あの女性を抱く性行為許可書を貰ってから初めて抱ける。
許可は相手に問題がなければすぐに降りるが、女性に先客がいれば待たされる。
こうやって、一人の女性に男が集まる状態を避けつつ、男の暴走も抑えているようですね」
ブランコは占領軍の高度な性管理体制に少し興奮したような表情を見せながら話した。

「つまり、一種の売春宿みたいなものか。この国の女性はただ住んでいるだけで、
売春宿の娼婦のように男が選んでくるのを待っている状態と」

「ちなみに性行為の自由がないのは男も同じです。無許可で女を抱けば重い罰則に課せられます。
例え本人たちの同意があってもそれは同じ。つまり恋人や夫婦の間でも許可とお金が必要なんです」

 カートのその話を聞き、違和感を覚えた。
男たちに女を自由に抱ける法的権利を与えて、一種のガス抜きをさせる。
これはわかるが、本人たちが同意している性行為まで禁止するのはどういう意図なんだろうか。
性行為とは、欲望を開放するだけではない。子供を作り次の世代を作る重要な行為だ。
それを国がコントロールしようとしてるのか? カートは、なんらかの巨大な計画の影を感じた。

「隊長、これを」
 ブランコは運転しながら器用に一枚の証明書と手のひら大の記憶メディアをカバンから取り出しカートに渡す。
カートは貰った証明書を見て顔を少ししかめる。
証明書には、フリー性行為許可書と書かれていた。
「これは、信頼が出来る高い地位の人達が持つ、フリー性行為許可書です。
これを持つ人は、いちいち役所に許可は求めなくても、その場で見せるだけで犯す権利が得られる。
もちろん、事後報告は義務付けられていますが、自分の意志で好きな国民を抱ける、まさに特権階級の証です。
それだけに、持てる人も少ないらしいですけど、
A国は、わが部隊全員分の許可書を発行してくれました」

「全員分だと。うちの部隊は50人もいるんだぞ」
 占領軍の意図をカートは掴みかねていた。
短期間しか在住しない外人だらけの傭兵部隊になぜそんな特権を与える。
マール部隊の感謝だけでは、説明つかない占領軍の行動に、
カートは、不気味さを覚えていた。

「あと、首都に住む全住民の個人情報が入ってる記憶メディアも借りてきました。
我々がほしいのは、隊長の実家のある街のデータなので、あまり役には立たないとは思いますが」

「これか。個人情報とは具体的にどんなデータが入っているんだ」

「占領直後に実施された健康診断の情報です。身長と体重。
そして全裸写真まで住民のプライバシーの全てが入っているようです」
ブランコはどこかいやらしい男の顔をしながら、
借りてきた記録メディアのことを自慢気に話した。

「占領軍は住民を裸にして裸体写真まで撮ったのか。人権を一切無視した奴隷政策に近いな」
 その話を聞いてカートは家族ことを思い出していた。
自分の愛する家族が男たちの前で裸になり、写真を撮られ、その裸体データが無造作に配布される。
それは想像したくもない悪夢の予想であった。

「この記録メディアは必要ない。お前の好きにしろ」
 カートはこんなものはいらんと言わんばかりに記憶メディアを車の小物入れに入れると、
ブランコは少し含みのある苦笑いをしながら「はい、わかりました」と言った。

「まったく、なんて国だ」
胸糞悪いデータを手放して少しホッとするカート。
その時、カートは夢にも思わなかった。
この記録メディアには愛すべき娘であるフレンダの全裸画像も入っていたことを。
性管理部署
それは、旧市役所を一角を流用して作られた国の新しい部署。
国民の性生活を指導監視し、性行為許可書を発行する、
占領統治政策の重要機関であった

「姉ちゃん。いつもの人を呼んでくれや。義務の証拠を撮ってきたと言えばわかるからさ」
 中年軍人は、手に持った写真を見せながら、受付の女性をけしかけていた。
受付はその写真を見て怪訝な表情を見せる。

 B国の女性が後ろから性行為を強要されている写真。
予想外に男の大きなものが、女の秘部へと突き刺さっている。
女のあそこは、避けていないのが不思議なほど限界いっぱいまで広がっていた。

軍人はそんな写真を、周りの無関係な人たちにも、自慢気に見せびらしていた。
この写真の女性が見れば、卒倒するような適当な写真の扱いだったが、
受付は文句を言える立場にもなく、冷静に対処する。

「わかりました。3番窓口へと移動してください」
 受付のリンダはメガネをやや下げて相手に表情を悟られないように、
男が求める担当がいる窓口へと誘導した。

(また女を泣かせてきたのね。気持ち悪い男)
 リンダは旧市役所時代からここにいる数少ないB国の国民だった。
他の市役員は、自国の女を売るようなこの仕事を嫌い次々と辞めていき、そして身を落としていった。
もちろん、リンダもこの仕事には好感を持っていない。
だが、給料が高く安定している占領軍の仕事を捨てるほどの抵抗感も感じていなかった。
3番窓口

「いやぁ、いい女だったぞ。どんな難有りを押し付けられたかと思っていたからびっくりしたぜ。
胸はデカイし、あの反抗的な目付きもいい。中に出された時の悔しそうな表情。
その表情とは裏腹にあそこがキュウと締め付けて俺の子種を一滴たりとも逃さないとする体の反応。
もうゾワッとするものがあったぞ」

 男は性管理部署の係員に向けて、昨日の女の体の良さを強く語る。
撮ってきた写真を見せながら特にこの尻がいいと力説していく。
 中年軍人は上機嫌だった。
自分が希望する女を抱くためには、まずこの女を犯すことが条件と役所で言われた時は、
どうなることかと思ったが、その女は予想に反して偉い美人だった。

「それはよかったですね。貴方みたいなイグーシ人は貴重なので余計な手間をかけさせて申し訳なかったです」

 性管理部署の係人は自分の担当する地区の住民に決められたノルマの種付けが出来てホッとしていた。
敗戦国民の全ての女性は体を開かなくてはならない。
この女は不人気だからといって、誰にも抱かれなかったりすることは許されない
ここは国の女性が平等に犯されるように男を指導する役目もいなっていた。

「そういや、あの女にとって俺は何人目だったんだ。順番待ちとか言うわりには処女みたいな体だったが」
「えっと、3人目ですね。最初は同じ国民の男。2人目は当局が指示した外国人に抱かれています」
「なんだ、前も俺と同じ外国人だったのか。外国人が続くというのはよくあることなのか?」

「…… ところで次はこの女性とかどうです。学校の先生で年は多少いっていますが前の人の評判もよろしいですよ」
 係員は話題を強引に変えた。
軍人がタブーとも言えるものに、触れようとしていたからだ
この話題を続けると、この軍人はおろか係員にとってもやぶ蛇になりかねない。

「いや、それより受付をやっているあの女がいい。あれもB国の国民だろ。
さっき、俺の顔を見たら嫌な顔をしやがった。あんな女を抱くのが俺は好きなんだよ」
 この軍人もダテにこの年まで生き残り、財を築いたわけではない。
あっさりと相手の空気を読み、違う話題に切り替えた。

「受付ということはリンダですね。かしこまりました。すぐに手続きを開始します」
 この担当にとってリンダは旧市役所時代からの同僚であり知り合いではあったが仕事は仕事。
私情は挟まず彼女の性行為許可書を発行する手続きを進めた。

許可の文字がモニターに出る。

これにより彼女は泣くことになるだろう。
いくら占領軍の役所で働かせてもらっている恵まれたB国の国民と言っても、
女の立場は何も変わらなかった

「手続きが終わりました。リンダの性行為許可書です。どうぞ」
「早いな。身内だから早いってか。必要な金額は……こんなもんか。
あまり高い女ではないんだな。まあいい。それじゃ行ってくるわ」
「……」

 軍人がリンダの元へと移動し話している。
リンダの驚いた表情。
なんとも言えない表情をし、担当がいる方向を見ている。
今から数時間後には、男がリンダの悲惨な写真を持って、ここに戻ってくるだろう。
そして、その写真を見せながら、リンダの体のここがいいとかいう自慢話が始める
担当はその話を聴きながら、リンダが犯されている写真をデーターベースに登録し、
義務完了の作業を黙々とやる。

それは、リンダの同僚として、辛い時間になるだろう。
しかし一人の男として、楽しみな時間になることも確信していた。
「ほれ。あんたの性行為許可書。これであんたは俺のものだ」
 中年軍人は自慢げに性管理部署の受付に座るリンダに用紙を見せつけた。
 リンダは一瞬何のことかわからなかった。
 むろん性管理部署の受付としてこの用紙を見ない日はない。
 淡々と用紙に判を押し、男がB国の女性を犯してもいい許可書を発行してきた。
 だが、目の前の外国人が持つこの見慣れた用紙には、自分の名が書かれている。
 それはあまりに現実離れしているように感じた。

「まさか」
 リンダは後ろを向き、同僚のヤンを探した。
 ヤンは奥のほうで手を合わし、ごめんのポーズを取っている。
 その様子を見たリンダは愕然とし、ヤンに裏切られたと思った。
 ヤンは旧市役所時代からの友人で男女の仲でこそなかったが、
それなりに上手くやってきたつもりなのに。なぜなんだと。

「おい。メガネのねえちゃん。早くどこか行ってやろうぜ。それともここでやったほうがいいのか」
 身を乗り出しながら中年軍人はリンダに迫る。
 中年軍人が言った『ここでやる』が脅しでないことはリンダが一番わかっていた。
 この性行為許可書に場所の制約は書かれていない。
 つまりここで行為が行われても誰も止めることが出来なかった。

「ではこちらにどうぞ」
 冷静を装いなぎらリンダは4階にある旧仮眠室へと男を案内した。
 旧仮眠室。
 もともとは職員が仮眠を取るためにベッドが一つぼつんと置かれているだけの部屋であったが、
ここが性管理部署になってからは緊急時の義務活動のための寝屋となっていた。

「へぇ。やるための部屋とかあるのか。流石はお役所。根回しがいいねえ」
 男は上機嫌で周りを見渡す。

 喜ぶ男とは裏腹に、リンダはベッドの前で立ち尽くしていた。

「なぜこんなことに。ここまで上手く立ち回ってきたのに」
 ベッドを見ながらリンダは悔しさのあまり唇を噛みしめる。
 占領国の職員として働いているとは言えリンダもB国の国民。
 もちろん占領国が決めた敗戦国民の義務から逃げることは出来ない。
 しかし職権乱用で先延ばしにすることは可能だった。
 リンダはあの手この手を駆使し、自分に当たるはずの男を他の女性に振り当てたりして、
なんとか義務の行使を最初の自国民の男だけに押さえてきた。
 女の義務規約、最初の1人は自国民の男にすること。

 これは占領国上層部の方針であり、性管理部署の職員ですらその理由は知らされていない。
 しかし、数々の性行為証明書を処理していくうちに職員の間で一つの仮説が囁かれた。
 つまりこの規約はB国の女性のことを配慮して作られたと。

 現在、女の義務は首都に住む16歳から40歳までの敗戦国の女性に対して行われていた。
 制度導入から10ヶ月経った今、女の義務を行ったものは全体の98%に上る。
 平たく言えば首都に住む結婚適齢期の殆どの女性は、B国民の義務という名の望まぬ性行為をその身に受けていた。
 だが、大きな混乱は起きてはいない。
 もちろんここまで平穏に達成率を上げるために色々な対策があった。
 その策の一つに処女対策があったのではないかと言われている。

 元々、この国は保守的な考えが強く結婚まで処女を守る女性も少なくなかった。
 実際に初めて女の義務を行った未婚の16歳から25歳までの性行為証明写真を見ると、
実に8割近くの性器に破瓜の血が確認できた。
 つまりこの最初の1人はB国民の方針は、せめて初めての男ぐらいは自国民にしてショックを柔られようという、
占領国の優しい配慮だという説だった。

 でも、リンダにはとてもそうとは思えなかった。
 幸いなことにリンダにとって、初めての女の義務は初めての男ではない。
 たった1回とは言え、大学時代に初体験は済ませていた。
 それでも初めての女の義務はあまりに辛く、恥辱に満ちたものだった。
 見たことも無い初対面の男に身体を開く。誰のモノかもわからない精液の流し込まれる。
 自国民の男だったからその苦痛が小さかった。配慮されていたとはリンダにはとても思えなかった。

「覚悟は決まったか。そろそろ脱いでくれや」
 一向に動かないリンダに対して痺れを切らせた中年軍人が催促する。
 見れば男のほうは既に全裸になっており準備万端であった。

「くっ……」
 もう逃れることは出来ない。
 リンダにとって2回目の女の義務が始まる。

 リンダは男に背を向けたままメガネを机の上に置く。
 震える手でスカートに手を回し、ファスナーを下ろす。
 そしてゆっくりと手を離し、スカートを床に落とした。
 スカートが床に落ちると昨日買ったばかりの黒いパンツが現れる。
 男は晒されたリンダの真っ黒なパンツを見てヒューと口笛を鳴らす。

「いいね。昨日の女みたいな小娘もいいがあんたみたいな年増も好きよ」
 リンダは『私はまだ20代よ』と言いたいのを必死に我慢しつつブラウスとシャツを脱いでブラを外す。
 ブラを外すと形のいい乳房がぷるんと揺れながら表にでる。

(私はなぜこんなところで裸になっているんだろう)
 リンダは視界に入った自慢の乳房を見て自問自答をした。
 自分の身体は自分だけのもののはず。
 こんな、どこの男かもわからないものが触っていいはずがないのに。

 だが、占領国が決めた国策である女の義務には逆らえない。
 もし逆らえばどうなるのか。
 占領国の職員としてそれはイヤと言うほど理解していた。
 覚悟を決めたリンダは最後の一枚である黒パンツに手を掛けた。
 その瞬間、今まで押さえてきた感情がリンダの頭の中を駆けめぐる
 恥ずかしい。やはりいやだ。あんな男のものを入れるなんて耐えられない。早く逃げなくては。
 リンダの顔は羞恥で赤くなり足はがくがくと震え出す。
 逃げたくても身体はまったく動かなかった

「なにまた固まっているんだよ。これまで散々占領軍に協力して国の女を犯す片棒を担いできたんだろ。手本を見せろ」
「わ、わかっているわよ」
 男の声を聞き、我に返ったリンダはようやくパンツを下ろす。
 全裸になったリンダはそのままベッドに横たわりその裸体を男の前に晒した。
 身体は隠さなかった。
 顔を横に向け、ただじっと男の反応を待った。

「ほほう。意外と胸があるな。陰毛もジャングルだし、やはり大人女はこうでないとな」
 男は大喜びでリンダの上に覆い被さった。
 ボリュームある胸の谷間に顔を埋めながら男はぼそっと言う。

「でも時間がないから唾でな」
 リンダには最初なんのことかわからなかった。
 しかし男が手に唾を吐き出し己のモノに擦り付けているところを見てピンと来る。

「嫌、ちょっとまって。あっ」
 リンダの制止も聞かずに男の子供の手首ほどある図太いものがまったく塗れていないところに捻り込まれる。
 下半身に杭でも埋め込まれたような衝撃がリンダを襲う。
 リンダの身体は苦痛に震えエビ反りのように跳ね上がる。
 男はリンダの反応を楽しみながら奥へ奥へと図太いモノを入れていく。
 男のモノが奥へと進むたびにリンダの視界はスパークし稲妻が走った。

「や、め。は、早く抜いて」
 リンダは無我夢中で男の身体を叩き、爪で引っ掛けた。
 中年軍人はリンダの必死な抵抗を鼻で笑う。
 そしてトドメと言わんばかりに「ふん」の掛け声とともに、
図太いものを根本まで一気にたたき込む。
「かぱっ。かぁ」
 図太いものを全て捻り込まれたリンダは白目をむき金魚のように口をぱくぱくさせた。

「ふう。やっぱ女は塗れていない時に入れるといい表情をするな。昨日のフレンダに負けないぐらい色っぽい顔しているぞ」
 リンダの放漫な乳房を両手で鷲掴みしながら男は満足そうに呟く。

「ふ、フレンダ?」
 混沌とする意識の中でリンダは受付で見た若い女性が後ろから犯されている写真を思い出していた。

「さてとお勤めを終わらせますか」
 中年軍人はあらかじめ用意しておいたケータイを持ちだし、
限界まで広がっているリンダの性器部分にかざす。

カシャ

 擬似的なシャッター音が鳴り響く。
「あっ」
 撮られた。リンダは自分の恥ずかしいところを写真に撮られ動揺した。
 前回の女の義務は自分が担当をやり1人で事務処理を完了させた。
 だから同僚たちに証明写真は見られなかったが今回はそうはいかない。
 この男の担当はヤンだ。ヤンがこの写真を見て女の義務の確認作業をやる。
 ヤンはこの写真を見て何を思うだろうか。興奮するだろうか。
 それとも軽蔑するだろうか。どちらにしてももう元の友人関係には戻れない。
 そんな気がした。
 男が乱暴に動く。
 ベッドがギシギシと揺れ、再び悲痛の声が漏れる。

「あぎゃぁぁっ、い、痛いやめて」
 男のモノが膣の奥に達するたびにリンダの体は跳ね上がり、
痙攣するかのように震えた。
 まさに野獣のようなセックス。
 リンダがこれまで体験した数少ないセックスなんて子供のお遊びにしか思えないほどの荒々しい男の動きだった。

「そろそろか」
 男の動きが止まる。
 リンダは男が射精の体勢に入ったことを理解し、思わず目を閉じた。
 ここで殆どの女性は外に出して頼む。泣きまくってお願いする人も多いと聞く。
 しかしそれが無駄であることは性管理部の職員であるリンダが一番よく理解していた。
 なぜから男に外だしは一切許されていないからだ。
 それどころか規約として射精後はすぐ抜かないこととまで書かれている。
 これは女の中に子種を少しでも多く入れる処置だと言うが、
なぜここまでやるかは知らされていない。

「うっ」
 男が精を吐き出した。
 男の膨大な精液はあっという間にリンダの小さな子宮口を満たし、その中へと進入する。
 みるみるうちに子宮を満たしていく男の精液。

「い、いや」
 リンダは自分の体の中から汚れが広がっていくのを感じた。
 男の気持ちの悪さ。そんな男に犯された精神的な嫌悪。そういった悪寒に全身が支配される。
 そしてリンダは今日初めての涙を流した。

「おっと。もうこんな時間かよ。はよ帰らんとな」
 中年軍人は泣くリンダを気にせず自分1人だけ後始末をし服を着る。
 そして全裸のままベッドで泣いているリンダに向かって、
黙々とシャッタを切りまくった。
 顔から足先まで映っている写真。
 精液がべっとりと垂れ下がっている性器から太股のアップ写真。
 男の唾や噛痕が付いた乳房をアップで写した写真。

「じゃなー。なかなか楽しかったぞ。やっぱ当たりが続くと気分いいわ」
 規定の写真を取り終えた中年軍人は決められた封書を机の上に置き、
上機嫌で扉を開け部屋から出ていった。
 部屋に一人残された全裸のリンダ。
 涙は未だに止まらない。

 B国の女性が可愛そうだから最初の男は自国民にしてくれている説。
 リンダは今でもその説が真実だとは思っていないし、絶対に違うと確信している。
 しかし自国民と外国人のセックスの違いは、今回嫌と言うほど味わった。
 初めての女の義務で現れた自国民は、まさに欲望のまま女を犯す男だった。
 女の身体をこじ開け、女の立場を教えるようなセックス。
 だが、外国人はそうではない。
 明らかに女の身体を汚すためのセックス。子供を孕ますためのセックスだった。

 見たこともない遠い国の人種に抱かれて精液を入れられる。
 この女の義務は首都に住む女性だけに行われている方針だが、
来年からはB国全土に広がるという。
 それは女性に対する冒涜以上にB国の文化、人種への否定に繋がる行為に思えた。
  「これからどうしよう」
 リンダはどういう顔をしてヤンに合えばいいのかわからなかった。
 それに自分の担当がヤンになったということはもう裏工作が使えないということでもあった。
 つまり、じきに3回目の女の義務もやらなくてはいけない。
 女の義務が日常となった場合、自分はどうなるのか。
 定期的に外国人の玩具となりその精を受け、妊娠におびえる日々に耐えられるのか

 リンダはベッドから立ち上がる。
 そして男が残していった封書を開けた。
 封書を開けると金銭とリンダの名が書かれている性行為許可書が出てきた。

 この封書に入れる書類や金銭の額。
 性管理部署の受付としてリンダが何十回、何百回と男たちに説明してきた女の義務の決まり事。
 B国の女性を犯す際のアドバイスをしたのも一度や二度ではない。
 そのことを思い出しリンダは思わず「ぷっ」と吹き出す。
 そして小さな声で呟いた。

「自業自得ね」と。

終わり

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