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**襲来!蝶男の帝王舞(後編) ◆WXWUmT8KJE  クルーザーの排気音が唸ると同時に、前輪を上げてウィリー状のままヘルダイバーへと迫る。  鉄槌のごとく振り下ろされた前輪を、ヘルダイバーは潜り抜けて、クルーザーはコンクリートを粉々に砕いた。  クルーザーの持ち主、ZXは余裕で回避するパピヨンを歯噛みしながら睨みつける。  視線を受けたパピヨンはピューッと、口笛を吹いた。  パピヨンはそのまま勢いを増すヘルダイバーで雑居ビルの壁を走る。その後をクルーザーは追いかける。  ヘルダイバーがビルの壁の端に達して、宙へと舞う。そこに、雷鳴のごとくバイクの排気音が響いた。  刹那、ヘルダイバーにクルーザーが迫る。白い巨体で吹き飛ばすつもりなのだ。  単純にして強い。  シンプルな攻撃に、ヘルダイバーが捉えられた。 「武装錬金」  パピヨンが呟くと同時に、ニアデスハピネスのアナザータイプが背中に蝶の羽を形作られる。  空を飛ぶときと同じ要領でヘルダイバーの車体を方向転換、正面から激突するために、前方へヘルダイバーを走らせる。  車体と車体がぶつかり合い、互いに仮面ライダーの相棒を勤めた馬力を競い合わせる。  数瞬の拮抗、互いにすれ違い、前輪を地面を噛ませ、後輪を滑らせる。  二度目の対峙。  エンジンのアイドリングが無人の街に響く中、黒と白のバイクをそれぞれ抑えて、互いに隙を探り出す。  数秒にも永遠にも感じる対峙の時。  風が、砂埃が舞う。パピヨンの背後の遥か向こうの地平線に暗雲が雷を伴っているのを見えた。  ここは…… 「気がついたか。ここは奴らの居城が見える地点だ」  パピヨンの声に、ZXは無言。構わず、パピヨンは続けた。 「俺は手に入れる。奴らの力を、組織力を。愛などいらない。俺に必要なのは、渇きを癒す『畏怖』だけだ!!」  ぐにゃりと、パピヨンの周囲が歪んだ錯覚をZXは受ける。  一際大きく、クルーザーの排気音を鳴らした。 「いくぞ……パピヨン」 「フン。いいだろう。受けてやる」  ブオン!!と熱風と共に、二つのバイクのエグゾーダスノイズが重なる。  宙に黒と白のバイクが舞い上がった。 「クルーザーアタック!!」  かつて、クルーザーを駆った男と同じ言葉をZXは言い放つ。  昔の自分の愛車に乗る、帝王を宣言する蝶へと向かって。 □ 「……そう……かい…………」  すべてを教えられたデルフリンガーはグランドの中央で沈黙している。  その重苦しい声色に、かがみはどう声をかけていいか分からなかった。 「あいつさ……無茶してさ。ガンダールヴだっていっても元は子供だったんだぜ。 ご主人様のために無茶をする奴だけど……けど、死んでいい奴じゃなかった……」 「分かっているわよ! みんな……死んでいい人は……そりゃ、勇次郎やアーカードみたいに酷い人たちもいたけど、いなかったんだから」 「デルフリンガーさん、かがみさん……」  エレオノールが何かを言いたげに口を開閉させるが、結局は言葉を紡ぐことはなかった。  村雨の庇護をしたいのだろうが、エレオノール自身も人を殺しているため、負い目を感じて何もいえないのだ。  すでにパピヨンを伴ってZXが駆けてから、三十分は経った。 (村雨さん、大丈夫かな?)  かがみは不安げに校門を見つめるが、バイクの轍が二つ視界に入るだけ。  再びデルフリンガーに視線を戻そうとするかがみの耳朶を、バイクのエンジン音が打つ。  すぐに校門から出て道路を確認すると、傷だらけの村雨がクルーザーにまたがりながら現れた。 「……おかえりなさい」 「ただいま」  それ以外、かがみにはかける言葉が思い浮かばなかった。 「よく戻ってまいりました。パピヨンは……?」 「すまん、取り逃がした」 「パッピー……」  村雨はポン、と御前の頭部を叩いた。落ち込んでいる彼女の姿は痛ましい。 「おい……」  村雨が視線を移動させると、殺気をぶつけてくる剣に気づく。  それもしょうがない。彼には怒る資格がある。村雨は無言で彼に近寄った。 「……お前が、俺の相棒を殺したんだってな」 「ああ」  庇護しようとするかがみとエレオノールを左手で制して、村雨は姿勢を低くして視線の位置を落とす。  デルフリンガーの目がどの位置にあるのか分からないが、目と目を合わせるために姿勢を低くしたのだ。 「……お前がどういう状態かは、あの嬢ちゃんたちから聞いた。でも、俺はお前さんを許せねえ」 「そうか」  覚悟はしていた。デルフリンガーの怒りを。  もともとはジョセフや劉鳳がもつべきだった怒りだ。甘んじて受ける。 「デルフリンガー。俺をお前が殺しても構わない」  村雨の声に、かがみが驚きの表情を浮かべる。エレオノールは厳しい目つきで村雨を射抜いた。  そんな中、村雨の決意は揺らいでいない。 「だが、俺を殺すのはせめて、バダンを倒してからにしてくれ。俺に……昔の俺がやった罪を購えるとは思っていない。 俺はまだ戦わなければならないからな」 「知るかよ、そんなこと」 「おめ……いい加減にしろよ!!」  デルフリンガーの態度に、御前が耐え切れず絡みつく。エレオノールに止められているが、それでももがくのをやめない。  村雨は御前に感謝をしつつも、デルフリンガーの断罪の視線から逃げない。 「おめーは俺の相棒を殺した。俺は絶対許さねえ。だから……」  デルフリンガーの声が一旦止まる。怒りに真っ赤な御前を無視して、時は流れる。 「だから、お前、俺を使いやがれ! 戦い続けやがれ! あきらめることは絶対認めないからな! 相棒を、貴族の嬢ちゃんを巻き込んだクソヤローを、本当にお前が潰すのか見極めてやる!!」  デルフリンガーの言葉に、周囲が言葉をなくす。  フッと、村雨は微笑んで、デルフリンガーを引き抜いた。 「……バダンを潰すまで、よろしく頼む」 「絶対、お前だけは『相棒』って呼ばねえからな!」  フッ……と微笑んだ村雨は立ち上がろうとして、ガクッと崩れた。  間一髪、エレオノールが肩を貸し、村雨を見つめる。 「勇次郎にパピヨン、連戦が堪えたでしょう。一旦手当てをしに、校内へ入ります。かがみさん、手伝ってください」  かがみが頷き、三人と+2は校舎へと向かった。 □ (村雨くんが学校に向かっている……)  白い壁に囲まれた、ディスクと資料整理棚という簡素な研究室の一角で、首輪管理用の画面を除いている中年の男。  固太りにメガネをかけた、白衣の彼の名は、バダンの研究者伊藤博士であった。 (盗聴器とガモン大佐の様子から察するに、彼は記憶を取り戻している。これはチャンスだ。 彼に首輪の解除法を教えれば、バダンに反撃の狼煙を上げれる)  伊藤博士のメガネのフレームが光る。もっとも、そんなことをすればバダンに自分の裏切りがばれてしまう。  伊藤博士は自分が監視されていることを知っている。自分の命はないのだろう。 (だから、なんだ?)  このバトルロワイヤルにおいて、すでに五十人もの人間が死んだ。  さらに、今回のバトルロワイヤルを円滑に進めるため、罪もない人々が犠牲になっている。  なのに、自分だけ命を危険に晒さないのは彼らに申し訳ない。  『首輪の解除法を記入したマニュアル』をメールに添付して、送信にカーソルを合わせる。宛先は、バトルロワイヤル会場に放置されているパソコンすべて。  これを押すと同時に、自分を殺しに刺客が現れるのだろう。前回はコンピューター室にいる人間が殺し合いに乗っているかどうか、判断できないためチャットを通しての解説だった。  今回は、自分が知る青年に戻った、よく知る人物がいる。  伊藤博士は目を瞑り、深い深いため息を吐いた。  やがて、意を決し、指をマウスに押し込む。カチリ、と普段は気にしない、小さな音が大きく聞こえた。 (届いてくれ、希望よ)  そう遠くない未来に、自分の叛意はバダンに伝わる。僅かな余命、伊藤博士はソファにもたれて待ち続けた。  数分後、警報機が鳴る。 「馬鹿な……私が送ってから、まだ十分も経っていないのに…………」  伊藤博士はバダンの見せる対応の早さに歯噛みする。これでは、首輪の情報が渡ったことを知り、巻かれているうちに爆破されるかもしれない。  絶望が伊藤博士を襲う中、アナウンスが響いた。 『侵入者あり! 侵入者あり! 直ちに迎撃を開始せよ!!』  侵入者、の部分に伊藤博士は疑問を持った。これは自分のことではない。  だとすれば、誰が?  疑問が駆け巡る中、壁が爆砕した。 「げほ、げほ!」 「バダン研究員だな」 「き、きみは……ライダー…………マン?」  伊藤博士の目の前で、ヘルダイバーにまたがる青年がチッチッチと指を振る。  後ろから襲い掛かる蜘蛛男の周囲に黒色の粉末が舞い、爆破する。  襲い掛かる粉塵に咳き込む伊藤の前で、見せ付けるように青年がライダーマンヘルメットを取った。 「帝王・パピヨン、もっと畏怖をこめて♪」  村雨を部下にすることを一旦諦め、バダンを手に入れるために伊藤博士……いや、研究者を確保しに来たパピヨンが告げる。  今回の突入は、あくまでもバダンの戦力の把握と研究者。突入したときに最初に得た研究室の情報から、ここまでヘルダイバーで一直線へと迫ってきたのだ。  村雨たちに優位に立つには、目の前の男は必要だ。同時に、バダンの戦力を確認するのもいいと感じたのだ。  『蝶人』パピヨンなら、そんな策は無謀だと切り捨てただろう。だが、今は『帝王』パピヨンだ。  敵本拠地に侵入できるのに、行わないのは『帝王』が通る道ではない。おまけに、仮面ライダーなる力もある。いざという時は退けばいい。  パピヨンの支配を止めるものなど、ありはしない。  こうして、伊藤博士は、初めて悪意に満ちた仮面ライダーを見ることとなった。 【マップ外/サザンクロス内部 二日目 朝】 【パピヨン@武装錬金】 [状態]:全身に軽い打撲。左腕に被弾。核鉄の治癒力で回復中。ドブ川の濁ったような瞳。帝王への決意。首輪が解除されました。 [装備]:ライドル@仮面ライダーSPIRITS、マイクロウージー(9ミリパラベラム弾32/32)、予備マガジン2、     猫草inランドセル@ジョジョの奇妙な冒険、アラミド繊維内蔵ライター@グラップラー刃牙     サンライトハート(核鉄状態&首輪@パピヨンが巻かれている)@武装錬金     ニアデスハピネス・アナザータイプ=核鉄(激戦)@武装錬金、ヘルダイバー@仮面ライダーSPIRITS     ハルコンネン(爆裂鉄鋼焼夷弾、残弾1発、劣化ウラン弾、残弾0発)@HELLSING、ライダーマンのヘルメット@仮面ライダーSPIRITS [道具]:支給品一式、チョココロネ(残り4つ)@らき☆すた、     地下鉄管理センターの位置がわかる地図、地下鉄システム仕様書     ルイズの杖、参加者顔写真&詳細プロフィール付き名簿、首輪探知機@BATTLE ROYALE、     ターボエンジン付きスケボー@名探偵コナン     首輪(鳴海)、解除済みの首輪の残骸×2(赤木、川田)、ツールセット、不明支給品1(未確認) [思考・状況] 基本:BADANを打倒し、DIOにも届かなかった「真の帝王」の地位を手にする。 1:バダン研究員を確保。バダンを掌握する。 2:「部下」になり「帝王パピヨン」に忠誠を誓うのなら、他の参加者の首輪も「解除してやってもいい」 3:赤木、大首領に自分を舐めたことを後悔させる。 [備考] ※参戦時期はヴィクター戦、カズキに白い核鉄を渡した直後です ※スタンド、矢の存在に興味を持っています。 ※詳細名簿を入手しました。DIOの能力については「時を止める能力」と一言記載があるだけのようです。 ※こなたの死体を『食べ』ました。 ※覚悟、アカギのことを快く思っていません。 ※首輪の構造を理解しました。少なくとも、死体(川田)の首輪の分解には成功しました。  ちょっとした神棚と簡単な工具さえあえれば十分に解除の条件は揃うようです。  首輪の外装を外し、電源をオフにすれば外せます。しかし、制限装置、闘争心誤読装置は沈黙しません。  スタンド適正付与装置はどうなるか、不明です。少なくとも、首にまかない限りはスタンドは使えません。  また、首輪がなければ核鉄は武装錬金世界出身者以外の闘争心には反応しません。 【伊藤博士@仮面ライダーSPIRITS】 [状態]後頭部に異変、少し興奮気味 [装備]無し [道具]無し [思考・状況] 1:バダンに反抗する覚悟を決めた。 2:突然のパピヨン登場に混乱 [備考] ※首輪をしていません。 ※解除された首輪が、自室の棚に隠してあります。 ※赤木しげるは、大首領により殺害されたものと判断しました。 【首輪について】 ※エネルギー抑制装置 = 身体能力、異能力を弱体化させる装置。電源でなく、生体エネルギーにより作動。  スタンド適正付与装置 = 嵌めた者を強制的に、全てのスタンドDISCに対する『適性』が存在する状態にする装置。電源でなく、生体エネルギーにより作動。  起爆装置 = 爆薬を爆発させる装置。マップ外や禁止エリアに入った場合三十秒以内に安全地域に戻らねば、作動。また作動スイッチを押されれば、十秒ほどで作動。  盗聴器 = 振動を計測。その振幅を変調・音声として出力させる。  GPS = 上空の衛星に信号を送り、それを受信機で受け取ることで、現在位置を知るシステム  闘争心誤読装置 = 核鉄を誤起動させる装置。ただし、これがないと武装錬金世界出身の人物でないと、核鉄を発動できない。なお、機能は               ・闘争本能を読み違いさせているのは核鉄のみ。               ・シリアルナンバーごとに核鉄を誤読させている。            である。電源でなく、生体エネルギーにより作動。  生存感知装置 = 生存を感知する装置。 ※上記の七つの装置に加え、爆薬が内蔵されています。 ※能力制限装置は、制限する能力と制限の度合いを選択可能です。 ※現在参加者に嵌められている首輪は、強者と弱者の格差をなくすように働いています。 ※その為に弱者には軽い制限、強者には重い制限がかけられています。 ※首輪が解除、或いは装着している者が死亡した場合、首輪はGPSを除く全機能を停止します。  ただし、爆弾のスイッチをオフにした場合は、GPS、起爆装置、盗聴器、生存感知装置の機能停止します(ガモンの首輪はその原理を利用)。 【起爆装置作動スイッチについて】 ※スイッチを押せば、十秒ほどで起爆装置が作動します。 ※最初に徳川光成がルールの説明を行った部屋にあります。取り外し不可。あの場でルール説明を行ったのは、その為。 【イヤホンについて】 ※チャンネルを合わせれば、その番号の首輪内の盗聴器が捉えた音が流れます。 ※チャンネル01なら赤木しげる、チャンネル18なら愚地独歩と、チャンネルは名簿順です。 【探知機について】 ※GPSより送られた信号を元に、首輪を装着した者の居場所を映し出します。 ※空条承太郎に支給された探知機と原理は変わりません。しかし、索敵範囲がマップ全体です。 □  コンピューター室に、彼らが来たのは理由がある。  川田という青年を埋葬するためだ。戦場となった場所に、彼の死体があるのでは、と推理したのだ。  村雨の怪我を治療してからの方がいい、と主張するかがみとエレオノールを押しのけ、核鉄で回復するからと村雨は言った。  室内の半分が焦げて、窓に近い方のパソコンが吹き飛んでいるのが分かった。  酷い有様だ、と思った彼らの視界に、起動していたパソコンが入る。  パピヨンと赤木が、伊藤博士と接触しようとしてつけたままのパソコンだ。  そこに、メールが届いたことを告げる電子音が響いた。 「これは……?」 「『Dr.伊藤』より、親愛なる村雨くんへ……?」  希望の紙は戦士に届く。興奮した様子で、三人はメールを開いた。 「首輪の解……もが」  うっかりもらそうとするデルフリンガーを黙らせ、三人と御前は顔を合わせる。  伊藤博士という人物がもたらした、首輪の構造図と、その解除方法が示された資料。  かがみがペンを取り出し、紙に文字を躍らせる。 『信用できる?』  村雨はその文字を確認し、黙考。数十秒を費やした後、答えを書き出す。 『大丈夫だ。俺の父さんの親友、海堂博士の研究仲間だった。この人は信用できる』 『……なら、首輪を解除しましょう』 『でも、失敗したら……』  かがみの弱気な態度に、エレオノールは元気付けるように胸をたたく。 『任せてください。私が最初に実験台になって、安全かどうか確かめますから』 『ちょ! エレノン!!』 『御前、村雨さん、かがみさん、この中では一番信用できない私だからこそ、意味があるのです』 『どういうことだ?』 『首輪の反応が消えたら、バダンの連中も警戒をします。 ですが、あなた方の信用が薄いと推察されやすい私と小芝居をして、私が殺されたことにするのです』 『なるほど!! エレノンすげー!』  御前がぽん、と手をたたいてエレオノールを褒め称える。  エレオノールは紙に文字を躍らせる。 『さあ、準備ができ次第、行いましょう』  テキパキと行動するエレオノールに感心しながら、村雨は視線を落とす。  エレオノールの文字は……意外と汚かった。 「どうでもいいけど、こういうとき俺は何もできないよな……」  そりゃ剣にはペンを使う手も、口もないしな、と村雨は内心突っ込んだ。  口にするとデルフリンガーがうるさいだけなので、黙っていたが。  学校の見取り図より、武道館に辿り着いた彼らを迎えたのは川田の死体だった。  口元を押さえるかがみに少しはなれるようにいい、片付ける。  かがみはその場にある妹の遺品を見つけ、同時に医療具など放置されていた道具を拾っている。  校庭に簡易な墓を作り、黙祷をささげた。川田章吾、彼の判断は褒められたものではない。  その上、パピヨンの思考すら曲げるきっかけになった。  村雨は間に合わなかったことを謝りながらも、決して本郷を裏切るような真似だけはしないと、墓前に誓う。  踵を返し、武道館へ足を踏み入れた村雨を、かがみを人質に捕った『真似』をするエレオノールが視界に入る。 「支給品をすべて渡せ! 村雨良!」 「裏切るのか、エレオノール」 「私はやはり生き残る! 人間となれたのだから!! そのために、支給品をよこせ。かがみの命が惜しければな!」 「分かった、支給品を引き渡す。かがみと交換だ」 「いいだろう!」  エレオノールと村雨は互いに頷いて、近寄る。  お互いの距離が詰まったとき、村雨がエレオノールの腕を掴んで、地面に派手な音を出しながら、されどダメージが残らないように投げ飛ばす。 「不用意に近づいたのが運の尽きだ」 「こ、殺せ」 「いわれなくても、今殺してやる。さすがに、二度の裏切りは許せない」  そういいつつ、エレオノールの隣で神棚と共に清めの手順をとるかがみに視線を向ける。  ステルスが解けたのを確認して、継ぎ目に工具を当てた。外装が外れたと同時に、爆薬と思わしきブロック部品の電源をオフにする。  この間、十分弱。カラン、と落ちた首輪を見つめて、三人は何も考えられず、ほうけたように首輪を見つめる。  同時に、空に浮いていた御前も核鉄となって、落ちた。  校門にクルーザーを押して歩く村雨の周囲に、首輪をベルトのように巻いている御前が目に入る。  当初、声こそ出すのをこらえたものの、核鉄を発動できない状態にエレオノールは不安そうな目をしていた。  パピヨンが行っていた行為を思い出し、核鉄に首輪を巻くと、発動できた。  再び御前が姿を見せたときのエレオノールの喜びは、傍から見て微笑ましい。 「かがみ、みんなと合流をするぞ」 「うん、ここにはもう用はないしね」  つかさのリボンをかがみはギュッと握りながら呟いた。 『そして、みんなの首輪の解除を』 『ええ、私だけが自由とは、申し訳ありませんし』  そう、村雨たちの首輪はまだはまっている。理由は、バダンに首輪解除が可能になったことを知らせないため。  合流した際に、みんなの首輪を外す。そして、目指すはバダンの本拠地。 (待っていろよ。パピヨン。俺が必ず、お前が間違っていることを証明してみせる!)  村雨はバイクを加速させて、突き進む。  反撃の狼煙は、今上がった。 【C-4 学校・校門 二日目 朝】 【村雨良@仮面ライダーSPIRITS】 [状態]全身に無数の打撲、頬に軽い腫れ 全身に更なる重度の打撲傷を負う 胸に貫通痕 核鉄の治癒力により回復中 [装備]十字手裏剣(0/2)、衝撃集中爆弾 (0/2) 、マイクロチェーン(2/2) 核鉄(ピーキーガリバー)@武装錬金     デルフリンガー@ゼロの使い魔。工具 [道具]地図、時計、コンパス、 女装服     音響手榴弾・催涙手榴弾・黄燐手榴弾 支給品一式×3、ジッポーライター、バードコール@BATTLE ROYALE     文化包丁、救急箱、裁縫道具(針や糸など)、ステンレス製の鍋、ガスコンロ、     缶詰やレトルトといった食料品、薬局で手に入れた薬(救急箱に入っていない物を補充&予備)     マイルドセブン(5本消費)、ツールナイフ   [思考] 基本:BADANを潰す! 1:ハヤテの遺志を継ぎ、BADANに反抗する参加者を守る 2:繁華街のホテル(E-2中心部)で再集合。 3:パピヨンを止める。 4:仲間の首輪を外す。 5:かがみを守る [備考] ※傷は全て現在進行形で再生中です ※参戦時期は原作4巻からです。 ※村雨静(幽体)はいません。 ※連続でシンクロができない状態です。 ※再生時間はいつも(原作4巻)の倍程度時間がかかります。 ※D-1、D-2の境界付近に列車が地上と地下に出入りするトンネルがあるのを確認しました。 ※記憶を取り戻しました ※光成がBADANに脅されていると考えています。また、BADAN側にも強化外骨があると推測しています。 ※勇次郎の放送を聴きました。 ※エレオノールから改心に至る事情を聞きました ※ラオウ、勇次郎との戦闘を経て戦闘技術が劇的に向上しました ※神社で立ったまま微笑んで死ぬ死体(劉鳳)を見ました。 ※ジョセフと和解しました。 ※怒り等感情に任せて行動しないよう自制する事を覚えました ※首輪の構造、そして解除法を得ました。 ※ちょっとした神棚と簡単な工具さえあえれば十分に解除の条件は揃うようです。  首輪の外装を外し、電源をオフにすれば外せます。しかし、制限装置、闘争心誤読装置は沈黙しません。  スタンド適正付与装置はどうなるか、不明です。少なくとも、首にまかない限りはスタンドは使えません。  また、首輪がなければ核鉄は武装錬金世界出身者以外の闘争心には反応しません。 ※川田章吾の死体は、埋葬されました。 【柊かがみ@らき☆すた】 [状態]:全身に強度の打撲、左腕欠損(止血済み)、休息により(?)それなりに回復 、核鉄の治癒力により回復中 [装備]:巫女服 [道具]:二アデスハピネス (核鉄状態)@武装錬金 ニードルナイフ@北斗の拳 つかさのリボン [思考・状況] 基本:BADANを倒す 1:みんな元気になれっ……もちろん自分も 2:村雨と行動を共にする 3:神社の中にある、もう一つの社殿が気になる。 4:仲間の首輪を外す。 [備考] ※光成がBADANに脅されていると考えています。また、BADAN側にも強化外骨があると推測しています。 ※勇次郎の放送を聴きました。 ※零の暗雲についての推測を知りました。 ※かがみの主催者に対する見解。 ①主催者は腕を完璧に再生する程度の医療技術を持っている ②主催者は時を越える"何か"を持っている ③主催者は①・②の技術を用いてある人物にとって"都合がイイ"状態に仕立てあげている可能性がある ④だが、人物によっては"どーでもイイ"状態で参戦させられている可能性がある。 ※首輪の「ステルス機能」および「制限機能」の麻痺について かがみがやった手順でやれば、誰でも同じことができます。 ただし、かがみよりも「自己を清める」ことに時間を費やす必要があります。 清め方の程度で、機能の麻痺する時間は増減します。 神社の手水ではなく、他の手段や道具でも同じことが、それ以上のことも可能かもしれません。 ※ステルス機能について 漫画版BRで川田が外したような首輪の表面を、承太郎のスタープラチナですら、 解除へのとっかかりが見つからないような表面に 偽装してしまう機能のことです。 ステルス機能によって、首輪の凹凸、ゲームの最中にできた傷などが隠蔽されています。 ※S1駅にハヤテのジョセフに対する書置きが残っています ※神社で立ったまま微笑んで死ぬ死体(劉鳳)を見ました ※村雨との協力を申し出てくれた服部に感謝しています ※首輪の構造、そして解除法を得ました。 ※ちょっとした神棚と簡単な工具さえあえれば十分に解除の条件は揃うようです。  首輪の外装を外し、電源をオフにすれば外せます。しかし、制限装置、闘争心誤読装置は沈黙しません。  スタンド適正付与装置はどうなるか、不明です。少なくとも、首にまかない限りはスタンドは使えません。  また、首輪がなければ核鉄は武装錬金世界出身者以外の闘争心には反応しません。 【才賀エレオノール@からくりサーカス】 [状態]:疲労小 全身に火傷(ほぼ完治)。首輪が解除されました。 [装備]:エンゼル御前(展開中&首輪@エレオノールが巻かれている)@武装錬金、あるるかん(白金)@からくりサーカス(頭部半壊、胸部、腹部に大きな損傷、全身にへこみと損傷あり) [道具]:青汁DX@武装錬金、ピエロの衣装@からくりサーカス、支給品一式、生命の水(アクア・ウィタエ) [思考・状況] 基本:自分を助けてくれた者、信じてくれた者のためになんとしてでも主催者を倒す。 1:仲間達と共に行動する。 2:夢で見たギイたちの言葉を信じ、魂を閉じ込める器を破壊する。 3:ナギの遺志を継いで、殺し合いを潰す。 4:一人でも多く救う。 5:仲間の首輪を外す。 [備考] ※ジグマール、村雨達(村雨、かがみ、覚悟、ヒナギク、独歩、服部、ジョセフ)と情報交換をしました。 ※参戦時期は1巻。才賀勝と出会う前です。 ※夢の内容はハッキリと覚えていますが、あまり意識していません。 ※エレオノールが着ている服は原作42巻の表紙のものと同じです。 ※ギイと鳴海の関係に疑問を感じています。 ※フランシーヌの記憶を断片的に取得しています。 ※「願いを叶える権利」は嘘だと思っています。 ※制限についての知識を得ましたが、細かいことはどうでもいいと思っています。 ※自転車@現実は消防署前に落ちています。 ※才賀勝、三千院ナギの血液が溶けた生命の水を飲みました。2人の記憶をある程度取得しました。  才賀正二の剣術や分解などの技術は受け継いでいません。 ※エンゼル御前は使用者から十メートル以上離れられません。 それ以上離れると核鉄に戻ります。 ※独歩の言葉が聞こえたかは不明です。 ※首輪の構造、そして解除法を得ました。 ※ちょっとした神棚と簡単な工具さえあえれば十分に解除の条件は揃うようです。  首輪の外装を外し、電源をオフにすれば外せます。しかし、制限装置、闘争心誤読装置は沈黙しません。  スタンド適正付与装置はどうなるか、不明です。少なくとも、首にまかない限りはスタンドは使えません。  また、首輪がなければ核鉄は武装錬金世界出身者以外の闘争心には反応しません。 [[前編>襲来!蝶男の帝王舞]] |241:[[神社にて]]|[[投下順>第201話~第250話]]|243:[[帝王無双BADAN~白蛇対峙~]]| |241:[[神社にて]]|[[時系列順>第6回放送までの本編SS]]|244:[[ふしぎなおくりもの]]| |234:[[STILL LOVE HER ~失われた未来~]]|蝶野攻爵(パピヨン)|243:[[帝王無双BADAN~白蛇対峙~]]| |237:[[信じるということ/GET WILD]]|才賀エレオノール|245:[[チェイン]]| |237:[[信じるということ/GET WILD]]|村雨良|245:[[チェイン]]| |237:[[信じるということ/GET WILD]]|柊かがみ|245:[[チェイン]]| ----

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