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反逆者 ◆xsR5u1lNRk氏


「それで……俺は合格かい?」
「ああ、何も文句は無い……!」

試験は終わり、アカギの本質は見抜かれた。
彼は紛れも無く本物っ……!
天才と呼ぶに相応しい存在っ……!!
原田は心の底から、彼と組みたいと実感した。
目的も完全に一致、行動を共にするには十分な理由がある……がっ……

「しかし……これでは不公平やな……」

原田は話を切り出さず……そう、ここはこれで正解っ……!
その理由は大きく分けて二つあるが、ここで原田が口に出したのは一つのみ。
不公平だからということ……これが大きな問題なのだ。
現状、互いの立場は対等ではない……! それでは駄目っ……!!
アカギと同じく、原田も示さねばならない……!!
その実力……本質をっ……!!
それで初めて両者の立場は平等っ……!
共に歩む権利が生まれるっ……!!

「ククク……分かっているな……」

アカギもそんな原田の選択を肯定する。
不平等なままでの共闘は、いつそれを盾にされるかが分からない。
相手に不信感を抱かせることにも繋がりかねない。
それは共闘において最悪……!
ならばその不平等は即座に取り除くべき、それが最善。
つまり……アカギも今、原田に試験を課す必要がある……
がっ……!!

「だが……もう十分だ」
「何……?」

アカギ、それを拒否っ……!!
しかしこれは、不平等なままに進むという意志には決して非ず。
そう……彼は既に試験を終えていた……!
見抜いていた……原田の持つ実力を……!

「あんたの持つ大方の実力……それは一人麻雀の手腕を見れば明らか。
看破こそしたが……あの条件下で見れば、あれは中々の良手……!
それなりの実力が備わっているからこそ成せるもの……!!」
「……」
「だが……それ以上に決定的だったのがさっきの発言……不公平という言葉……!
あの一言を口にせずただ協力を持ちかけてくるようならば、俺はあんたを見限っていた。
一時の勝利に浮かれ……先に立つ真に重要な事を見抜けぬ男……半端者とな……!
ましてや……他人に強要をする者は、強要されてもいい立場にある……そう言ったばかり……!!
その上で事実を認識できちゃいないなんて、愚の骨頂……!!
ククク……原田さん、あんたは十分すぎるよ……勝負への理解が出来ているっ……!!」
「……ククク……そういうことかい……!」

一人麻雀はアカギに課せられた試験であると同時に、アカギが原田を観察する機会でもあった。
実力面はそれで十分把握出来る……しかし、寧ろアカギにとって重要だったのはこの次……!
不平等であるという現状を、原田が認識できていたという事……!!
彼は物事が好転しようと浮かれず、なおも冷静に事実を図れる人物……このゲームを切り抜けられるだけの人材っ……!!
故にアカギは認める……!
原田は行動を共にするに値する存在であるとっ……!!

「……試験はこれで終わりだ。
出ようや、アカギ」
「ああ……」

その後、二人は何も言葉を交わさずギャンブルルームを後にする。
試験を終えた今、ここに長居する理由は無い……正確に言えば、長居をする事は出来ない。
金の事も勿論あるが、それ以上に厄介な問題が一つ……これが二つ目……!
すぐに共闘を申し出れなかった、第二の理由……!!

「やろうやないか、アカギ……最高のギャンブルっ……!!」
「ククク……ああ……そうだな……!」

二人はここで初めて、互いが目指すものを口にする。
そう……ギャンブルルーム内には係員として主催者の手の者がいる……!
迂闊に反逆の意志は出せなかったのだ……!!
何かしらのペナルティをその場で課せられる可能性が、無きにしもあらず……そんな状況では当然のこと……!
無論、こうしてルームの外へと出た後にも危険性は付きまとう。
盗聴や監視で見張られているのは間違いない……少なくとも、首輪からの盗聴は確定と見ていい。
だが、それでも直接主催者側の人間の前で口にするのとでは断然危険度は違う……!!

「さて……それじゃあ、まずは仲間集めといくか?」

原田は仲間を集める様アカギへと告げる。
しかし、その指は自身の首輪を指差して……言葉は主催者を欺く為の罠……こちらが本命……!
アカギは変わらず微笑を浮かべたまま、静かに頷く。
反逆の大前提として、首輪の解除は必須事項。
相手と戦える立場にならなければ、話にならない……!

『生憎、俺達には専門的な知識も技術も無い。
この手の機械に詳しい奴と合流が出来れば幸いだが……心当たりはあるか?』
『いや……一応一人、刑事がいるが……爆弾処理は担当じゃないんでな……』

首輪を解除出来る可能性がある人物の捜索。
それが真っ先に思い浮かんだ行動方針……しかし、二人の知人に該当者は無し。
ならば自力で探し出すしかない。
そう思われた、その矢先……アカギが口を開く。

『だが……満更、心当たりがないというわけではない……
このゲームを開いたのが、俺の想像通りの人間であるならな……!』
『なに……? それはどういう意味や?』
『ククク……原田……お前は生き死にの博打を経験した事があるか……?』

ここでアカギ、原田に問う。
質問を質問で返す、まるで答えになっていない行為……しかしこれは重要な問い……!
原田はそれを即座に理解し、返答す……自身にとっては愚問への答え……!!

『死線をどれだけ越えたかなんざ……多すぎて覚えちゃいねぇな。
そういう意味では……俺も主催者どもと同じか……!』

関西最強の代打ちにして、最大規模の暴力団を纏める長。
潜ってきた死線など覚えちゃいない……日常が死と隣り合わせにも等しかったのだから……!
そして、ここで原田は同時に把握……!
アカギの問い、その真意をっ……!!

『そう……主催者は死と隣り合わせに近い……!
傍らでその様を見て、楽しんでいるんだからな……!
そして今回だけではない……恐らくは多すぎて覚えちゃいられない程……!!
人に殺しを強要する様な連中……狂人の類っ……!
そんな奴等が……これがはじめてのわけが無いっ……!!』
『もっとも……命までは取らないとしたケースもあったはあっただろう。
その場合に考えられるのは、指……首輪の代わりに時計でもつけて、手を吹き飛ばしでもしていたか……
まあ……首輪だろうが時計だろうが……形はどうでもいい。
重要なのは一つ……類似した何かが過去にも使われていた可能性……それが大いにあることっ……!
主催者が以前に開催したゲーム……それに参加した経歴がある者か……もしくは主催者側の立場にあった参加者……!!
このどちらかとの接触……それこそが最優先事項っ……!!』

アカギはこの首輪に類似した存在があると推理。
それを知る人物との接触こそが必須と踏む……!
そしてこの推理……ずばり的中っ……!!
この会場にはいる……!
帝愛グループが開発した拘束具……針具と腕時計の存在を知る者、多数っ……!!

『だが……簡単に教えてくれる相手ばかりとも限らないんじゃないか?』
『確かに、それは最もな意見だ……いや、一番可能性が高いとみていい。
主催者側の参加者が、情報をほいほい明かす……ありえるわけが無い……だが……!!
ならば……引き出せばいいだけのことっ……!
その為の武器が……俺にはある……!!』

そう言い、アカギは自身の支給品に手を伸ばす。
大きなジェラルミンケース、その鍵を開き中を見せる。
途端、原田に衝撃が走るっ……!!
ケースの中身は、このゲームの生命線……金っ……!!
一千万を軽く越えている……ぱっと見で、雄に五億っ……!!
しかし……冷静に考えればこれはありえない。
こんな大金が普通に支給されるわけがなく、勝負で手に入れたにしては時間が足りなさ過ぎる……!
ならば考えられるのは一つっ……!!

『偽札か……!!』
『ククク……そう……これはこのゲームにおいて、最強の武器の一つ……!!』

ケースの中にある札束、その実態は偽札っ……!!
目に入る一段目はカラーコピー、その下は全て新聞紙……!!
金こそが重要なファクターとなるこのゲームにおいて、これは強烈な罠っ……!!
そして偽である事を知らぬ者からすれば、最高の取引材料……情報を引き出すには十分っ……!!

『もっとも、これが通用しない相手も中にはいるかもしれない……それが少々厄介だが……
このゲームの穴……それを利用すれば、不可能ではない……!』
『穴……?』
『ああ……致命的といってもいい……!
例え、主催者の息がかかった者でも……外せない足枷っ……!!
ギャンブルルームでの取り決めだ……!!』

アカギは見抜いていた……主催者が犯してしまっている、最大のミス……!
『ギャンブルルームでの結果には、どうあっても従わねばならない』
『ギャンブルで賭けるものは何でもいい』
この二つ……この制約は一見、何て事が無い様に思われる。
しかしその実……これは致命傷っ……!!

『賭けるものは何も、金や支給品だけじゃない……情報も立派な資財……!
口を割らないならば、勝負で割らせればいい……!!
そして……それだけではない……あわよくば更なる望みが出せる……そう、これが穴……!!
俺が勝てば殺しを止めろという……相手の方針そのものを変える要求だって呑ませられる……!!
これを利用すれば……ゲームの転覆とて狙える……!!』

アカギはこのゲームの致命的な穴を見抜いていた。
ギャンブルルームでの取り決めは何があろうと守らねばならない……このルールは絶大……!
ゲームに乗っている人間に殺しをやめろという要求……そんな理不尽が通るっ……!!
無論それに匹敵するだけのものを賭けなければならない……リスクは高い……がっ……それでも十分……!!

『ククク……確かにコレは、致命傷やな……!
言われてみればその通り……どんな人物であろうと、こちら側に引き込める可能性があるとあっちゃ……ゲームは台無しだ……!』
『主催者は恐らく……まだこのキズに気付いていないか……気付きながらも無視っ……! 微々たる物だとしか捉えていない……!!
これは後々奴等の首を絞める……その時にはもう遅いっ……!!
その時にはもう、ゲームは中盤戦……ルールを今更変えれるわけがないっ……!!
決まりだ……今後の方針……!!』

完全に方針は固まった。
主催者が過去開催したゲームを知る者、その参加者との接触。
首輪に類似した器具が使われていたかどうかの確認……!
素直に情報を引き出せぬ場合は、偽札での交渉……ギャンブルでの実力行使っ……!!
使える人間ならば味方に引き込むっ……!!

「なら……人が集まりそうな場所か……
だがあまり集まりすぎても危険やから、適度に集中してくれるのが望ましいな……」
「且つ、拠点に出来れば言う事は無し……」

ここで、両者が開口。
これ以上は筆談でなくとも問題が無い領域。
一先ずは向かうべき地点を定めなければならないが……これは既に、目星が着いている。
人が適度に集まりやすく、更には対主催者の拠点ともなりえる地点……それはここ……!!

「F-6……もう一つのホテル……!
ここだ……ここが条件を満たすに最適っ……!!」

出発点とは別にある、もう一つのホテル。
物資の補給が可能な売店、怪我の治療に使える医務室。
他にも利用できるものは多々……拠点としては最適の場といえる……!
それなりの人数は、ゲームに乗った乗らないに関わらず必然的に集まる……!!

「一応、最初に居たホテルも同じ条件ではあるが……ここは駄目だ……」
「ああ……出発点にすぐ戻ろうとする奴はそうはいないし、仮にいたとしても無駄や。
俺が主催の立場なら、ここは真っ先に禁止エリアにする……」

二人は出発点のホテルは即座に封鎖されると判断。
主催者がこの会場内にいるとすれば、ホテルは最も怪しき場所。
禁止エリアにして、何者も近寄れないようにするのは確実……!
もっとも、主催者が会場の外にいるならば話は別になる……がっ……!

「どうせ見るなら特等席……そう考えるのが当然やろうからな……!」

それはない……!
主催者は確実にホテルにいる……あのホテルは言うなれば特等席……!!
会場の中央、もっとも観戦に適した場っ……!!
こんな悪趣味なゲームを開く連中ならば、確実にそこを根城とする……!
場の空気を身近で味わいたい筈だからっ……!!

「ククク……ならすぐに引き摺り下ろしてやるよ……!!
もっといい特等席……同じ土俵に……!!」

二人は歩き始める。
目指す事は唯一つ……!
優勝賞金も何もいりはしない……望みは唯一つ……!!


主催者殺しっ……!!


圧倒的な力を持つ絶対的強者への反逆、その末の勝利。
この場において、これ程心の躍る勝負が……熱くなれる勝負があるだろうか……!
故に二人は乗る……!!
主催者の持つ地位も権力も興味は無い……!
ましてや、正義や悪といった倫理観など論外っ……!!
ただ純粋に勝負に興じたい……熱き流れの中で生きたいからっ……!!
それは常人からすれば、正しく狂気の沙汰。


だが、彼等からすれば……! これこそが面白いのだ……!!
そうっ……!!


狂気の沙汰ほど面白いっ……!!


【D-3/アトラクションゾーン/午後】
【赤木しげる】
 [状態]:健康
 [道具]:五億円の偽札 不明支給品0~2(確認済み)支給品一式
 [所持金]:900万円
 [思考]:もう一つのギャンブルとして主催者を殺す F-6のホテルに向かう
※過去に主催者が開催したゲームを知る者、その参加者との接触を最優先に考えています。
 接触後、情報を引き出せない様ならば偽札を使用。
 それでも駄目ならばギャンブルでの実力行使に出るつもりです。
※危険人物でも優秀な相手ならば、ギャンブルで勝利して味方につけようと考えています。
※首輪に似た拘束具が以前にも使われていたと考えています。
※主催者はD-4のホテルにいると狙いをつけています。

※五億円の偽札
五億円分の新聞紙の束がジェラルミンケースに詰められています。
一番上は精巧なカラーコピーになっており、手に取らない限り判別は難しいです。

【原田克美】
 [状態]:健康
 [道具]:不明支給品0~3(確認済み)支給品一式
 [所持金]:900万円
 [思考]:もう一つのギャンブルとして主催者を殺す F-6のホテルに向かう
※過去に主催者が開催したゲームを知る者、その参加者との接触を最優先に考えています。
 接触後、情報を引き出せない様ならば偽札を使用。
 それでも駄目ならばギャンブルでの実力行使に出るつもりです。
※危険人物でも優秀な相手ならば、ギャンブルで勝利して味方につけようと考えています。
※首輪に似た拘束具が以前にも使われていたと考えています。
※主催者はD-4のホテルにいると狙いをつけています。



026:人殺し 投下順 028:刃と拳
026:人殺し 時系列順 028:刃と拳
018:試験 赤木しげる 045:余裕
018:試験 原田克美 045:余裕







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