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変化 ◆.Gw5emrGiE氏


うふ……ふふふ……

有賀研二の笑いは止まらない……!!
有賀は標殺害後、次なる標的を求めアトラクションゾーンを彷徨していた。
そして先程の放送……現在地C-4のすぐ近く、B-3が禁止エリアに指定された。
有賀にとってこれ以上ない幸運っ……!!

死から逃げ惑う赤ん坊……一人も逃さないよ……!!
うふふふ……

有賀は地図を取り出し禁止エリアをチェックすると、急いで狩場を探しに歩き始めた。


おっちゃん……美心……!!

放送で知らされた敗者……その三分の一もがカイジの知った名前だった。
特に美心……死んだ状況は分からないが、カイジは自分が殺した様な気がした。
ボロッ……ボロッ……と目から涙が溢れる。
世界が歪む。
圧倒的に悪い思い出が多い人間でさえ、浮かんでくるのはその笑顔ばかり。
全くの他人であった山口の死にさえ、想像以上にショックを受け、心の底から哀しんだ。
どんな関係であろうとも、繋がっていた人間の死はカイジの心を蝕む……!!

「ウワアアアァァァァ……!!」

カイジ、遂にその絶望に押さえつけられ、地面にうずくまってしまう。
そんなカイジを見る沙織は至って冷静だった。
そして、困った。
心神が衰弱した者を扱うのは面倒……だが、生きる為にカイジと離れる訳にはいかない。
カイジに気付かれぬ様ため息を吐くと、落ち着いた声で話し始める。

「カイジくん……近くが禁止エリアになってしまったわ。
人が此方に流れてくるかもしれない、離れましょう。
でも、誰かと会ってしまいそうよね……どうしよう……」

然り気無くカイジの意見を煽る。
しかしカイジ……返答せず……!!


「……カイジくん?
カイジくんってば!!」

呼び掛けても反応しないカイジに、沙織はつい語尾を強めてしまった。

「……田中さんは……知り合い、死ななかったの……?」

「……え……?
一応、付き合いのあった人は居たけど……でも大丈夫よ!!
森田くんの名前はなかったし、きっと助かるわ!!」

暫し沈黙……!!
そして漸く顔を上げたカイジの目には、軽蔑の色が浮かんでいた。
しかしカイジが反応を示したことに喜んだ沙織は、それに気づくことが出来ない。
にこりと微笑み、カイジの目の前に手を差し伸べた。

「俺は……無理だよ……」

そう一言呟くと、カイジは沙織の手を取ることなくゆっくりと立ち上がった。
その目から溢れ出す涙は止まらない。
沙織の口から、美心という名前を聞くことはなかった。


クフッ……森田くん、丸見えだよ……!!

ウージーを手に、顔いっぱいに笑みを浮かべる男……有賀……!!
彼の目に映るカイジの姿は、あの日の森田とそっくりだった。

うふふ……やっぱり僕はついてる。
こんなに早く森田くんに会えるなんて……!!
カカッ……カカカカ……

有賀はカイジ達の後方……約50メートルの地点に居た。
しかしそれは直線距離での話。
ここ、アトラクションゾーンには多くの障害があり、有賀はメリーゴーランドの反対側からカイジ等の動向を伺っている。
向こう側から此方に気付くことは到底出来ない……!!
しかし、二人……というのは少々良くない。
片方を殺しているうちに、もう一人が攻撃してくるかもしれない。
逃げられてしまうかもしれない。

駄目っ……そんなの、駄目っ……!!

有賀は二人を殺す方法を模索しながら、カイジ達を観察し続ける……


どうする……田中さんは、もう……信用出来ないっ……!!
しかし……こんな場所に女の娘を一人置いていくことなんて……

カイジの直感は叫んでいた。
沙織は、いざとなったら自分を……棄てる……!!

「見て、カイジくん。
メリーゴーランド、綺麗……」

周りは暗くなってきている。
前に現れたメリーゴーランドは、この場に似合わない神秘的な光を放っていた。
カイジの心境を知らない沙織は、何時もより高い声で言った。
光に照らされたその笑顔も、カイジには仮面にしか見えなかった。

ダダダダダダッ……!!

重たい銃声。

「グッ……!!」

銃声と叫び声が交差する。

「カイジくんっ……!?」

鮮血を放ちながら、カイジは沙織の視界から消えた。

「痛ぇ……!!」

不幸中の幸いか、カイジは足にのみ二つの穴を空け地面にうずくまっていた。


「田中さん……逃げろ……!!」

カイジは足に怪我を負っているにも関わらず、沙織を急かした。

「カイジくんっ!!
一体なに……!?」

「俺はいいから……早く……!!
きっと、誰か敵が……」

「カイジく……」

「カカカカッッ……」

沙織の声に重なる、不気味な笑い声。
その声の主は、二人の背後から訪れた。
カイジは座りながらも、沙織を守るように自分の背中の後ろに回す。


「……あれ、君……森田くんじゃないね……?」

「森田……くん……?」

ヘルメットを被った男から発せられた名前に、沙織は思わず反応する。

「取り敢えず……鞄、頂戴……!!」

有賀はウージーの先で二人の鞄を指した。
ウージーにボウガンで抵抗しようにも、スピードで完全に劣る。
沙織は観念し、カイジの鞄を掴み両手を使って有賀の方に放り投げた。
そして次に自身の荷物も……しかし先程のカイジの鞄とは少し違う。
沙織は偶々サイドポケットに入れておいたペンを、有賀に気付かれぬ様に服の袖に忍ばせてから鞄を渡す。

こんなものじゃ、武器にはならないかもしれないけど……

沙織の手に汗が滲む。

有賀は沙織にウージーを向けながら二人の鞄を探ると、ボウガンとその矢を取り出し自らの鞄に移す。
そして候補者一覧を見るとニヤリと笑い、こちらも鞄に放り込んだ。

「じゃあ、君はもういいや。」

有賀は二人分の鞄を沙織に投げ付けながら言った。
金や他の支給品には目も向けなかった。
鞄は沙織の足に当たり、沙織はムッとした表情を見せた。
それを見て心配そうな表情をしているカイジに、沙織は手を差し出した。

ダダダダダダッ……!!

銃弾が天を切る。

「クク……クカカ……
駄目っっ……!!
駄目だよ……君……!!
僕が移動していいって言ってるのは君だけさ。」

ヘルメット越しにでも、有賀が笑っているのが分かった。

「なっ……!?
カイジくんの怪我の処置しないと……!!」

有賀は笑い続けている。

「そこの、カイジ……くん?
助けたいなら、君が交代……!!
そうしたら、カイジくんは逃してあげる……!!」


カイジは頭を鈍器で殴られた様な感覚がした。
人は誰だって自分が一番可愛いもの。
しかも沙織は、先程の会話で人一倍その気持ちが強いことが伝わってきた。

クソッ……クソッ……!!
死にたくねえ……!!
死にたくねえよ……!!
本当に……ここで終わっちまうのか……!?

カイジの目から流れる涙は止まらない。
身体は撃たれてからガタガタと震え続けたままだ。

「さあ……行きなよ……!!
行かないと、二人共殺しちゃうよ……?」

もちろん有賀に、どちらかを生かす気などない。
背中を向けた瞬間……発砲……!!
しかし誰でも、こんな状況に置かれたら一目散に逃げてしまうだろう。
そう、沙織もそのつもり……だった。

わたし……カイジくんを見殺しにするの……?
ずっと守ってくれたカイジくんを……?
……当たり前よ!!
しょうがないの……カイジくんも納得してくれるわ。
だって、二人共此処で死んだら……それこそ無駄死にじゃない!!
逃げたってわたしは悪くない……!!
カイジくんだってわたしを責めないはずよ……!!

しかしその想いとは裏腹に、沙織の足はそこから動こうとしない。
沙織の中で、何かが変わり始めていた……



【C-4/アトラクションゾーン/夜】
【伊藤開司】
 [状態]:足を負傷
 [道具]:なし
 [所持金]:0円
 [思考]:仲間を集め、このギャンブルを潰す 森田鉄雄を捜す
     赤木しげる、有賀研二、一条、利根川幸雄、兵藤和也、平井銀二に警戒
※平山に利根川への伝言を頼みました。
※2日後の夜、発電所で利根川と会う予定です。

【田中沙織】
 [状態]:健康 精神不安定
 [道具]:支給品一式×2 ペン
 [所持金]:2000万円
 [思考]:足手纏いになるものは殺す 死に強い嫌悪感 森田鉄雄を捜す 有賀から逃げる
     赤木しげる、有賀研二、一条、利根川幸雄、兵藤和也、平井銀二に警戒

【有賀研二】
 [状態]:健康
 [道具]:果物ナイフ 不明支給品0~3 サブマシンガンウージー 防弾ヘルメット 
     支給品一式×1 ボウガン ボウガンの矢(残り十本) 参加者名簿
 [所持金]:6800万円
 [思考]:人を殺したい

061:第一回定時放送 ~謀略~ 投下順 063:人間
079:天恵 時系列順 063:人間
051:仮定 伊藤開司 063:人間
051:仮定 田中沙織 063:人間
054:十に一つ 有賀研二 063:人間




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