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出動!バルスカ神父」(2008/08/08 (金) 21:45:33) の最新版変更点

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**出動!バルスカ神父 ◆ozOtJW9BFA 本郷猛にとって殺し合いの最中であっても、自分に課せられた使命がいささかも揺らぐ事は無かった。 仮面ライダーを名乗った時から己に課した使命、弱者を守り悪を打ち倒す。 爆弾入りの首輪で縛られ、未知の力を振るう主催者に殺し合いを強要されてなお 仮面ライダーの正義に、些かの揺らぎも無かった。 だからこそ危険を承知で偶然見付けた、見知らぬ少女――桂ヒナギクに声をかける事が出来た。 「どうした、何があった?」 本郷が幾ら声をかけても、ヒナギクは虚ろな表情のまま何の返事も返してこない。 ヒナギクの様子を良く見てみれば、息が上がり服は木の葉や土で汚れている。 (何者かに、襲われたようだな……) 「何があったのか、事情を説明してくれ!」 肩を乱暴に揺すっても、ヒナギクの反応は無い。 「……スマン」 本郷はヒナギクの頬を、平手で叩く。 「……あ………」 「頼む!今は状況の把握の遅れが、文字通り命取りになるんだ!  俺にとっても、そして君にとってもだ!!」 ◇ ◆ ◇ アレクサンド・アンデルセンは、毛利小五郎のデイパックを拾った後 ヒナギクを追って、木々が生い茂る林の中を縫う様に駆ける。 心中では抑えようも無い愉悦と、耐えようも無い怒りを同時に感じていた。 ――この俺を化け物共や異教徒共と一緒くたに、糞だめへ放り込んで殺し合えだと? ――殺し塵に還すのはカトリックの! 法皇庁の! 十三課(イスカリオテ)のみの使命。 ――殺され塵に還るのは化け物の! 異教徒の! 全ての異端の運命。 ――それを異端共と同じ首輪に繋いで、殺し合いをしろだと? ――よかろう、ならば俺一人で何もかも一切合切決着する。 ――この地獄の異端共の兵力は59名。法皇庁の兵力は1名、刺客(イスカリオテ)のユダが一人。 ――化け物共と異教徒共を殲滅するには、充分に過ぎる。 アンデルセンは眼前の闇の向こうに、異形の化け物を発見する。 その心中はいつもの如くに、いつも異端と対峙する時の如くに、憎悪と歓喜の業火に焼かれていた。 ――眼前に敵を放置して何が十三課(イスカリオテ)か!? 何が法皇庁か!? ――化け物め、我が神罰の味かみしめるが良い。 「Amen」 ◇ ◆ ◇ 「………それで、小五郎さんが残った方向で爆発が………」 「……そうか、辛い事を話させてすまなかった」 ヒナギクからの話を聞き、本郷は敵からの襲撃が近いと推測する。 (彼女を守りながら敵を迎え撃つ方法は、大まかに分けて二つ。  一つは彼女を庇いながら、迎え撃つ方法。  だがこれは俺の動きが大きく制限される上、敵も彼女を狙ってくる危険性が高い。  もう一つは彼女を逃がして、残った俺が迎え撃つ方法。  だがこれも彼女を一人にして、別の者に襲われる危険性が有る) 本郷は自分たちが居る路上の北側の林の中から、鳥が群れで飛び立つのを見付けた。 (敵は近くまで来ているな……) 少し考えた後本郷はヒナギクに自分のデイパックを投げ渡し、南側の林の中茂みを指す。 「これを持ってあそこに隠れていてくれ、そして危険だと判断したらそれを持ったまま逃げるんだ」 「だ…!ダメよそんなの!!これ以上誰かを犠牲にして逃げるなんて……!!」 「そのデイパックの中には極めて強力な武器が入っていて、絶対に殺し合いに乗った者に渡す訳にはいかないんだ」 「本郷さん一人で、戦える相手じゃ無いわよ!」 本郷は右手を左上に伸ばし、そのまま右手を上に旋回する。 「ライダー……変身!」 右手を引き、左手を右上に突き出す。 腰に出現したベルトからの光に包まれ、本郷の身体が緑と黒の体躯に赤く巨大な双眸を持つ異形に変貌する。 「………!?」 本郷の変貌に、ヒナギクは呆然としたままでいる。 「……見ての通り、俺は人間ではない。力なき人々を守る為の、力を秘めた身体だ………!」 突然ヒナギクを先程指していた茂みに突き飛ばした本郷は、反対側の林に向き直った。 「ヴゥァアアアアルキリィイイイイイイイッッスカァアアアアアアアアアアア゛ア゛ア゛ア゛ア゛トッッッッ!!!!」 林の中から飛び出してきたアンデルセンの足元から、四本の閃光が奔る。 その閃光を本郷は、アンデルセンの飛び出してきた林に飛び込んでかわした。 路上に戻ろうとした本郷の前に、バルキリー・スカートの刃を突き立てアンデルセンが立ち塞がる。 「良い月だな、化け物」 アンデルセンが立っていた地面が弾けたと見えた次の瞬間、本郷の頭上から刃が振り下ろされた。 地面に転がり込んで避けた本郷が見上げると、アンデルセンは木々の間を飛び跳ねている。 (地利をとられたか……) 本郷を鋏む様に、前後から同時にバルキリー・スカートの刃が迫る。 横っ飛びにかわした本郷の背中を、二本の刃が掠めた。 「グゥッ!」 今度は左右から同時に迫る刃を前に飛んでかわし、前からの刃を両手で挟み取る。 「グワァッ!」 動きの止まった本郷の後頭部を、アンデルセンが蹴り飛ばす。 「ゲハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!  どうした化け物、少しは反撃しろ! 少しは俺を楽しませろよ!!」 木の枝に乗ったアンデルセンは、本郷の四方から囲う様に刃を奔らせた。 「ライダァアアア パァーンチ!!」 アンデルセンが乗っている木の根元を、本郷が拳の一撃で粉砕する。 「!!?」 倒れていく木から落ちるアンデルセンの足首を、本郷が掴む。 「ライダーーーきりもみシューート!!」 アンデルセンの身体を頭上で高速回転させ、そのまま高空に投げ飛ばした。 追撃をかけようとする本郷の膝が、僅かに落ちる。 (妙に体力の消耗が激しい……次で勝負を決めないとな………) 「トオ!!」 本郷はアンデルセン目掛け飛び上がり、その勢いのままで蹴りを放った。 「ライダァァァアアアア キィーーーック!!」 本郷の蹴りが、アンデルセンの横腹を貫通する。 と同時にアンデルセンの足から伸びた刃が、本郷の背後から肩を刺す。 アンデルセンに与えた衝撃のまま、本郷の肩に刃が食い込む。 二人はほとんど同時に林の中に落ちていった。 (……あいつは……どうなったんだ?…) 運悪く岩の上に落ちた本郷は、ダメージを引きずりながらも立ち上がりヒナギクを捜して歩く。 本郷の右大腿部を、バルキリー・スカートの刃が貫く。 「グワァッッ!!」 「逃がすと思うか、化け物」 脇腹を削り取られ下半身が千切れかけたアンデルセンが、本郷の後ろに立っていた。 四本の刃がそれぞれ、本郷の身体を切り裂いていく。 「ゲァハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!  悶えろ!悶えろ!!化け物(フリークス)!!!」 ◇ ◆ ◇ ヒナギクは本郷とアンデルセンの戦いを遠巻きに眺めながら、本郷に加勢する隙を伺っていた。 その手には渡されたデイパックの中に入っていた支給武器である、小型のボウガンが握られている。 紙の中から明らかに紙より大きいボウガンが出てきた時は、ヒナギクも混乱したが 悪霊やら超必殺技やらの超常現象には慣れているヒナギクは、すぐに気持ちを切り替えた。 (な……!何なのこの戦いは!?) 武器が手に入っても、ヒナギクは二人の戦いに入り込めないでいた。 二人のスピードが速すぎて、ヒナギクには動きを捉える事も出来ない。 高く飛び上がった二人が再び林の中に墜落し、ようやく二人の動きが止まった。 (一旦は動きが止まったけど、あんな速さで動ける相手に下手に手を出しても返り討ちにあうだけよね。  どうにかしてあいつの動きを止めないと……) ヒナギクは残り二つの支給品の、説明書を確認する。 ◇ ◆ ◇ アンデルセンは本郷の足の甲を、バルキリー・スカートの刃で刺して動きを封じた。 「終わりだ」 「はあああ!!」 気勢を上げアンデルセンに向かい走りこんで来たヒナギクが、紙を投げ付ける。 端が開きかけていたその紙は、空中で風圧により完全に開き その中から網が広がっていき、アンデルセンに覆いかぶさる。 アンデルセンが手を払う様に振っても、網を裂く事が出来ない。 「無駄よ、説明書によればその捕獲網は地下闘技場という所で  地上最強の生物を捕獲するのに使われた物で、簡単に裂ける物じゃ無いわよ」 「ナメるなよ売女」 アンデルセンは、バルキリー・スカートの刃で網を切り裂く。 ヒナギクはボウガンの矢を、アンデルセンに向ける。 「そんな玩具でこの俺が、どうにかできるとでも思っているのか」 懐から紙を取り出したヒナギクは、それをアンデルセンの頭上に放り投げ ボウガンで狙い撃ち、矢が紙を微かに掠めた。 紙の中から車体に傷の付いた、巨大な建設車両が現れる。 「……ロードローラー!?」 轟音と共にロードローラーは、アンデルセンを押し潰しながら落下した。 ◇ ◆ ◇ 「大丈夫ですか!?」 ヒナギクは、本郷の下に駆け寄る。 「……ああ…それより早く、ここから逃げないと」 「な、なんでここから逃げるんですか?」 「あいつは……あの程度では死んでない……」 「ロードローラーの下敷きになったんですよ!?あれで生きている筈が……」 「………まったくもって……良い月だな……異端共」 ヒナギクがアンデルセンの声がした方へ振り向くと、ロードローラーが斜めに傾きだし その下からアンデルセンの上体が、這い出てきた。 「………あ……で、でも下半身は下敷きのままみたい……」 「シィイイイイイイイイイイイイイイ!!」 アンデルセンは地面を強く掴んで、元々千切れかけた自分の腹から下を無理矢理引き千切る。 「……どうした……まだ下半身がちぎれただけじゃねえか………  来いよ……かかって来い………HURRY……HURRY」 ヒナギクは本郷に肩を貸して、アンデルセンから遠ざかるよう駆け出した。 ◇ ◆ ◇ アンデルセンはロードローラーの下から、バルキリー・スカートの基となる核鉄を拾う。 そしてそれを下半身に当て、自身の再生能力と併せて回復に当てていた。 ――傷を癒さないとな、俺が異端共への殺意をおさえられているうちに。 今のアンデルセンにとって最大の敵は、殺意に逸る自分自身。 少しでもそれを紛らわす為に、神父は祈りを唱える。 化け物と異教徒への、殺意に満ちた祈りの言葉。 ――我は神の代理人、神罰の地上代行者。 ――我が使命は我が神に逆らう愚者を、その肉の最後の一片までも絶滅すること。 ――Amen。 【H-4 林 1日目 黎明】 【アレクサンド・アンデルセン@HELLSING】 [状態]:下半身欠損。 [装備]:核鉄(バルキリー・スカート)@武装錬金 [道具]:不明支給品0~3品(本人は確認ずみ) [思考] 基本:化け物共と異教徒共は鏖 1:身体の回復を待つ 2:回復次第、化け物共と異教徒共を捜す 3:アーカードを殺す [備考] ※ 再生者の制限は回復速度が遅くなることと、頭部などへの致命傷は再生できないことです 再生が弱まっていることを自覚しています 参戦時期は原作2巻です 【桂ヒナギク@ハヤテのごとく!】 [状態]:体中に擦り傷、切り傷(戦闘に影響なし)。軽い疲労 [装備]:ボウガン@北斗の拳 [道具]:支給品一式。ボウガンの矢19@北斗の拳 [思考] 基本:ハヤテ達との合流 1:アンデルセンから逃げる。 [備考] ※ 小五郎の生存を絶望視しています ヒナギクが聞いた轟音の正体は、三影の大砲の音です 参戦時期はサンデーコミックス9巻の最終話からです 桂ヒナギクのデイパック(不明支給品1~3品)は【H-4 林】のどこかに落ちています ロードローラー@ジョジョの奇妙な冒険と捕獲網@グラップラー刃牙は【H-4 林】に落ちています 【本郷猛@仮面ライダーSPIRITS】 [状態]:体中に刺し傷、切り傷。極度の疲労 [装備]:無し [道具]:無し [思考] 基本:弱者を保護するが、襲ってくるものには容赦しない 1:アンデルセンから逃げる 2:轟音の正体が気になる 3:村雨との合流、三影の阻止(場合によっては破壊) [備考] ※ 参戦時期はコミックス7巻(第二十八話)です |032:[[しょってけ! ランドセル]]|[[投下順>第000話~第050話]]|034:[[変態!!俺?]]| |032:[[しょってけ! ランドセル]]|[[時系列順>第1回放送までの本編SS]]|034:[[変態!!俺?]]| |015:[[:再生怪人アンデルセン]]|アンデルセン|053:[[アンデルセンは二度死ぬ!! 仮面ライダー最後の日!! 俺の名は―――]]| |015:[[:再生怪人アンデルセン]]|桂ヒナギク|050:[[摩天楼の死兆星]]| |015:[[:再生怪人アンデルセン]]|本郷猛|050:[[摩天楼の死兆星]]| ----
**出動!バルスカ神父 ◆ozOtJW9BFA 本郷猛にとって殺し合いの最中であっても、自分に課せられた使命がいささかも揺らぐ事は無かった。 仮面ライダーを名乗った時から己に課した使命、弱者を守り悪を打ち倒す。 爆弾入りの首輪で縛られ、未知の力を振るう主催者に殺し合いを強要されてなお 仮面ライダーの正義に、些かの揺らぎも無かった。 だからこそ危険を承知で偶然見付けた、見知らぬ少女――桂ヒナギクに声をかける事が出来た。 「どうした、何があった?」 本郷が幾ら声をかけても、ヒナギクは虚ろな表情のまま何の返事も返してこない。 ヒナギクの様子を良く見てみれば、息が上がり服は木の葉や土で汚れている。 (何者かに、襲われたようだな……) 「何があったのか、事情を説明してくれ!」 肩を乱暴に揺すっても、ヒナギクの反応は無い。 「……スマン」 本郷はヒナギクの頬を、平手で叩く。 「……あ………」 「頼む!今は状況の把握の遅れが、文字通り命取りになるんだ!  俺にとっても、そして君にとってもだ!!」 ◇ ◆ ◇ アレクサンド・アンデルセンは、毛利小五郎のデイパックを拾った後 ヒナギクを追って、木々が生い茂る林の中を縫う様に駆ける。 心中では抑えようも無い愉悦と、耐えようも無い怒りを同時に感じていた。 ――この俺を化け物共や異教徒共と一緒くたに、糞だめへ放り込んで殺し合えだと? ――殺し塵に還すのはカトリックの! 法皇庁の! 十三課(イスカリオテ)のみの使命。 ――殺され塵に還るのは化け物の! 異教徒の! 全ての異端の運命。 ――それを異端共と同じ首輪に繋いで、殺し合いをしろだと? ――よかろう、ならば俺一人で何もかも一切合切決着する。 ――この地獄の異端共の兵力は59名。法皇庁の兵力は1名、刺客(イスカリオテ)のユダが一人。 ――化け物共と異教徒共を殲滅するには、充分に過ぎる。 アンデルセンは眼前の闇の向こうに、異形の化け物を発見する。 その心中はいつもの如くに、いつも異端と対峙する時の如くに、憎悪と歓喜の業火に焼かれていた。 ――眼前に敵を放置して何が十三課(イスカリオテ)か!? 何が法皇庁か!? ――化け物め、我が神罰の味かみしめるが良い。 「Amen」 ◇ ◆ ◇ 「………それで、小五郎さんが残った方向で爆発が………」 「……そうか、辛い事を話させてすまなかった」 ヒナギクからの話を聞き、本郷は敵からの襲撃が近いと推測する。 (彼女を守りながら敵を迎え撃つ方法は、大まかに分けて二つ。  一つは彼女を庇いながら、迎え撃つ方法。  だがこれは俺の動きが大きく制限される上、敵も彼女を狙ってくる危険性が高い。  もう一つは彼女を逃がして、残った俺が迎え撃つ方法。  だがこれも彼女を一人にして、別の者に襲われる危険性が有る) 本郷は自分たちが居る路上の北側の林の中から、鳥が群れで飛び立つのを見付けた。 (敵は近くまで来ているな……) 少し考えた後本郷はヒナギクに自分のデイパックを投げ渡し、南側の林の中茂みを指す。 「これを持ってあそこに隠れていてくれ、そして危険だと判断したらそれを持ったまま逃げるんだ」 「だ…!ダメよそんなの!!これ以上誰かを犠牲にして逃げるなんて……!!」 「そのデイパックの中には極めて強力な武器が入っていて、絶対に殺し合いに乗った者に渡す訳にはいかないんだ」 「本郷さん一人で、戦える相手じゃ無いわよ!」 本郷は右手を左上に伸ばし、そのまま右手を上に旋回する。 「ライダー……変身!」 右手を引き、左手を右上に突き出す。 腰に出現したベルトからの光に包まれ、本郷の身体が緑と黒の体躯に赤く巨大な双眸を持つ異形に変貌する。 「………!?」 本郷の変貌に、ヒナギクは呆然としたままでいる。 「……見ての通り、俺は人間ではない。力なき人々を守る為の、力を秘めた身体だ………!」 突然ヒナギクを先程指していた茂みに突き飛ばした本郷は、反対側の林に向き直った。 「ヴゥァアアアアルキリィイイイイイイイッッスカァアアアアアアアアアアア゛ア゛ア゛ア゛ア゛トッッッッ!!!!」 林の中から飛び出してきたアンデルセンの足元から、四本の閃光が奔る。 その閃光を本郷は、アンデルセンの飛び出してきた林に飛び込んでかわした。 路上に戻ろうとした本郷の前に、バルキリー・スカートの刃を突き立てアンデルセンが立ち塞がる。 「良い月だな、化け物」 アンデルセンが立っていた地面が弾けたと見えた次の瞬間、本郷の頭上から刃が振り下ろされた。 地面に転がり込んで避けた本郷が見上げると、アンデルセンは木々の間を飛び跳ねている。 (地利をとられたか……) 本郷を鋏む様に、前後から同時にバルキリー・スカートの刃が迫る。 横っ飛びにかわした本郷の背中を、二本の刃が掠めた。 「グゥッ!」 今度は左右から同時に迫る刃を前に飛んでかわし、前からの刃を両手で挟み取る。 「グワァッ!」 動きの止まった本郷の後頭部を、アンデルセンが蹴り飛ばす。 「ゲハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!  どうした化け物、少しは反撃しろ! 少しは俺を楽しませろよ!!」 木の枝に乗ったアンデルセンは、本郷の四方から囲う様に刃を奔らせた。 「ライダァアアア パァーンチ!!」 アンデルセンが乗っている木の根元を、本郷が拳の一撃で粉砕する。 「!!?」 倒れていく木から落ちるアンデルセンの足首を、本郷が掴む。 「ライダーーーきりもみシューート!!」 アンデルセンの身体を頭上で高速回転させ、そのまま高空に投げ飛ばした。 追撃をかけようとする本郷の膝が、僅かに落ちる。 (妙に体力の消耗が激しい……次で勝負を決めないとな………) 「トオ!!」 本郷はアンデルセン目掛け飛び上がり、その勢いのままで蹴りを放った。 「ライダァァァアアアア キィーーーック!!」 本郷の蹴りが、アンデルセンの横腹を貫通する。 と同時にアンデルセンの足から伸びた刃が、本郷の背後から肩を刺す。 アンデルセンに与えた衝撃のまま、本郷の肩に刃が食い込む。 二人はほとんど同時に林の中に落ちていった。 (……あいつは……どうなったんだ?…) 運悪く岩の上に落ちた本郷は、ダメージを引きずりながらも立ち上がりヒナギクを捜して歩く。 本郷の右大腿部を、バルキリー・スカートの刃が貫く。 「グワァッッ!!」 「逃がすと思うか、化け物」 脇腹を削り取られ下半身が千切れかけたアンデルセンが、本郷の後ろに立っていた。 四本の刃がそれぞれ、本郷の身体を切り裂いていく。 「ゲァハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!  悶えろ!悶えろ!!化け物(フリークス)!!!」 ◇ ◆ ◇ ヒナギクは本郷とアンデルセンの戦いを遠巻きに眺めながら、本郷に加勢する隙を伺っていた。 その手には渡されたデイパックの中に入っていた支給武器である、小型のボウガンが握られている。 紙の中から明らかに紙より大きいボウガンが出てきた時は、ヒナギクも混乱したが 悪霊やら超必殺技やらの超常現象には慣れているヒナギクは、すぐに気持ちを切り替えた。 (な……!何なのこの戦いは!?) 武器が手に入っても、ヒナギクは二人の戦いに入り込めないでいた。 二人のスピードが速すぎて、ヒナギクには動きを捉える事も出来ない。 高く飛び上がった二人が再び林の中に墜落し、ようやく二人の動きが止まった。 (一旦は動きが止まったけど、あんな速さで動ける相手に下手に手を出しても返り討ちにあうだけよね。  どうにかしてあいつの動きを止めないと……) ヒナギクは残り二つの支給品の、説明書を確認する。 ◇ ◆ ◇ アンデルセンは本郷の足の甲を、バルキリー・スカートの刃で刺して動きを封じた。 「終わりだ」 「はあああ!!」 気勢を上げアンデルセンに向かい走りこんで来たヒナギクが、紙を投げ付ける。 端が開きかけていたその紙は、空中で風圧により完全に開き その中から網が広がっていき、アンデルセンに覆いかぶさる。 アンデルセンが手を払う様に振っても、網を裂く事が出来ない。 「無駄よ、説明書によればその捕獲網は地下闘技場という所で  地上最強の生物を捕獲するのに使われた物で、簡単に裂ける物じゃ無いわよ」 「ナメるなよ売女」 アンデルセンは、バルキリー・スカートの刃で網を切り裂く。 ヒナギクはボウガンの矢を、アンデルセンに向ける。 「そんな玩具でこの俺が、どうにかできるとでも思っているのか」 懐から紙を取り出したヒナギクは、それをアンデルセンの頭上に放り投げ ボウガンで狙い撃ち、矢が紙を微かに掠めた。 紙の中から車体に傷の付いた、巨大な建設車両が現れる。 「……ロードローラー!?」 轟音と共にロードローラーは、アンデルセンを押し潰しながら落下した。 ◇ ◆ ◇ 「大丈夫ですか!?」 ヒナギクは、本郷の下に駆け寄る。 「……ああ…それより早く、ここから逃げないと」 「な、なんでここから逃げるんですか?」 「あいつは……あの程度では死んでない……」 「ロードローラーの下敷きになったんですよ!?あれで生きている筈が……」 「………まったくもって……良い月だな……異端共」 ヒナギクがアンデルセンの声がした方へ振り向くと、ロードローラーが斜めに傾きだし その下からアンデルセンの上体が、這い出てきた。 「………あ……で、でも下半身は下敷きのままみたい……」 「シィイイイイイイイイイイイイイイ!!」 アンデルセンは地面を強く掴んで、元々千切れかけた自分の腹から下を無理矢理引き千切る。 「……どうした……まだ下半身がちぎれただけじゃねえか………  来いよ……かかって来い………HURRY……HURRY」 ヒナギクは本郷に肩を貸して、アンデルセンから遠ざかるよう駆け出した。 ◇ ◆ ◇ アンデルセンはロードローラーの下から、バルキリー・スカートの基となる核鉄を拾う。 そしてそれを下半身に当て、自身の再生能力と併せて回復に当てていた。 ――傷を癒さないとな、俺が異端共への殺意をおさえられているうちに。 今のアンデルセンにとって最大の敵は、殺意に逸る自分自身。 少しでもそれを紛らわす為に、神父は祈りを唱える。 化け物と異教徒への、殺意に満ちた祈りの言葉。 ――我は神の代理人、神罰の地上代行者。 ――我が使命は我が神に逆らう愚者を、その肉の最後の一片までも絶滅すること。 ――Amen。 【H-4 林 1日目 黎明】 【アレクサンド・アンデルセン@HELLSING】 [状態]:下半身欠損。 [装備]:核鉄(バルキリー・スカート)@武装錬金 [道具]:不明支給品0~3品(本人は確認ずみ) [思考] 基本:化け物共と異教徒共は鏖 1:身体の回復を待つ 2:回復次第、化け物共と異教徒共を捜す 3:アーカードを殺す [備考] ※ 再生者の制限は回復速度が遅くなることと、頭部などへの致命傷は再生できないことです 再生が弱まっていることを自覚しています 参戦時期は原作2巻です 【桂ヒナギク@ハヤテのごとく!】 [状態]:体中に擦り傷、切り傷(戦闘に影響なし)。軽い疲労 [装備]:ボウガン@北斗の拳 [道具]:支給品一式。ボウガンの矢19@北斗の拳 [思考] 基本:ハヤテ達との合流 1:アンデルセンから逃げる。 [備考] ※ 小五郎の生存を絶望視しています ヒナギクが聞いた轟音の正体は、三影の大砲の音です 参戦時期はサンデーコミックス9巻の最終話からです 桂ヒナギクのデイパック(不明支給品1~3品)は【H-4 林】のどこかに落ちています ロードローラー@ジョジョの奇妙な冒険と捕獲網@グラップラー刃牙は【H-4 林】に落ちています 【本郷猛@仮面ライダーSPIRITS】 [状態]:体中に刺し傷、切り傷。極度の疲労 [装備]:無し [道具]:無し [思考] 基本:弱者を保護するが、襲ってくるものには容赦しない 1:アンデルセンから逃げる 2:轟音の正体が気になる 3:村雨との合流、三影の阻止(場合によっては破壊) [備考] ※ 参戦時期はコミックス7巻(第二十八話)です |032:[[しょってけ! 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