留学生のしおり
1-3 ロータリー財団とは
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ri2590shiori
1-3 ロータリー財団とは
次に、奨学生の皆さんに最も関係の深いロータリー財団(TRF: The Rotary Foun
-dation)について見てみることにします。ここで、「あれっ」と思われる奨学生がおられることと思います。「ロータリー財団(TRF)と、さっきの国際ロータリー(RI)は別のものなの?」と疑問に思われることでしょう。答えは、「一緒に考えてもあまり困ることはありませんが、制度的にはやはり異なったもの」です。ロータリー財団とは、1917年に時のRI会長であるアーチ・クランフ氏の提唱により、世界諸国民のより良き理解と友好関係の増進を目的として発足した基金で、1928年の国際大会で「ロータリー財団」という名称が与えられました。RI理事会の承認の下にRI会長より任命された15名の管理委員からなる財団管理委員会が管理主体となり、運営されています。また、各地区にもロータリー財団委員会が設置され、各地区での財団資金の調達、運用を統括しています。もちろん皆さんのような奨学生を選抜するのも、地区の重要な仕事の一つです。
ここで、ロータリー財団が実施している主なプログラムをご紹介します。
ロータリー財団プログラムには教育的プログラム、人道的補助金プログラム、ポリオ・プラス・プログラムの三種類があります。以下に各プログラムの内容を一部紹介します。
1)教育的プログラム
a. 国際親善奨学金(International Ambassadorial
Scholarships)
もちろん、この奨学金制度によって皆さんはもうすぐ留学に出発されるわけです。この奨学金事業は世界最大の国際育英財団として世界的に認知されたものです。現在、この奨学金は次の3種類に分かれています。これらの奨学金事業の施行は、各地区財団委員会がイニシアティヴをもっています。
a) 1学年度(One-year)の国際親善奨学金
b) マルチイヤー(Multi-year)(2年)の国際親善奨学金
c) 3または6ヶ月間の文化研修のための国際親善奨学金
また、これら奨学金の他に、途上国で教える大学教員へのロータリー補助金(Grants for University
Teachers)もあります。
b. 国際問題研究のためのロータリー・センター(World Peace
Scholar)
平和および紛争解決の分野の国際問題研究のため、世界の7つの教育機関にロータリーセンターを新たに設置しました。ロータリーセンターで国際関係、平和および紛争解決に関する修士課程の教科プログラムの研究にあたる学生を、ロータリー世界平和奨学生として支援します。アジアに唯一設立された国際基督教大学(三鷹市)のロータリーセンターには、ホストエリア地区として2590地区・2780地区が参加支援しています。
c. 研究グループ交換(GSE : Group Study
Exchange)
異なる国の2地区間において、事業及び専門職務に携わる優秀な人材を選抜してお互いに交換し、4~6週間の範囲で研究と親善をおこなうプログラムです。
2)人道的補助金プログラム
a. 地区補助金(District Simplified
Grant)
国内または地区内の社会奉仕プロジェクトに対する補助金です。
b. 個人向け補助金(Individual Grant)
ロータリー・ボランティアが、海外での奉仕プロジェクトに参加する、または奉仕プロジェクトを立案し実施する場合の渡航費を援助する補助金です。
c. マッチング・グラント(Matching Grant)
名称どおり、人道的プロジェクトの実施を2カ国以上のロータリー・クラブで実施する際の補助金です。単独のクラブでは資金や専門知識が不足している場合、このプログラムによって、他国のロータリークラブの支援を受けることができるのです。
3)ポリオ・プラス・プログラム
ポリオの発生が報告されている7カ国と危険が残る6ヶ国により多くの資源を活用し、2005年までにポリオを世界から根絶する為に、重点的な活動をすることを目的としています。
以上でお分かりの通り、財団の資金は各方面に配分されています。それでは、その財団の資金はどうなっているのでしょうか。実は、財団は各ロータリアン、各クラブの自発的寄付によって成り立っています。各ロータリアンの浄財は年度ごとに地区単位で集計され、それを地区単位の権限で支出される分と、財団本部の権限で支出する分とに分割してから実際に運用されます。これはシェア・システム(Share
System)と呼ばれます。詳細はここでは省きますが、国際親善奨学金は前者分から支出されています。