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ただいま留学中!フランス編


■2006-7年度奨学生(1年) 大矢 素子
留学先:マルク・ブロック大学
専攻:音楽学


a 留学準備

留学に際しては、指定教育機関からの入学許可を確実に受け取ることが第一の突破口となり
ます。私の場合、指定を受けたマルク・ブロック大学に宛て、既に願書は提出していたものの、許可を受け取ることができたのは夏も半ばの頃でした。非常に気をもんだことを覚えています。

このように、フランスでは(あらゆることがスピーディーな日本とは異なり)様々な手続きに思わぬ時間を取られることがしばしばです。特に現地と書類をやりとりする際には、時間に十分な余裕を持って手続きに望むことが肝要です。また、急を要する場合には、メールやファックスなどの間接的な方法ではなく、先方に電話をかけるなど、直接的手段に訴えることが有効です。私も入学許可を取得するため、大学に何度も問合せのメールを出したにも関わらず、まったく返事の無い状態が続きました。あらん限りの勇気を振り絞り(電話の前で何度深呼吸をしたことでしょう......)先方に電話をかけ、「まだ許可証が送られていないのですが、果たして私は合格したのでしょうか......」と問合せたところ、その場で合格が判明し、数日後に速達で許可証が送られてきました。

さて、当該機関の許可証を受け取る一方で、もう一つ大きな難関となるのがヴィザの申請と言えるでしょう。なかでも注意を要する書類の一つは、戸籍抄本、卒業証明書、成績証明書など、いわゆる「法定翻訳」が必要とされる部類です(「フランス大使館」HPを開き、頁上部「フランスに行く」→ヴィザという項目を辿れると簡単に必要書類がチェックできます)。

「法定翻訳」とは、「領事館指定の会社が行う翻訳」のことを指します。指定の機関も大使館HPに一覧があり、そのいずれかに依頼して出来上がった翻訳原稿を、原本と共に改めてフランス大使館に提出し、大使館の認め印を押してもらう、ここまでの作業が必要とされます。つまり、「法定翻訳」を行うためには、まず抄本などの書類を取得し、次にその翻訳を指定会社に依頼し、さらに翻訳の出来上がりを待って原本と翻訳を大使館に提出し、最終的な認印を受け取る、というプロセスが含まれます。少なからぬ時間がかかります。翻訳のもとになる書類を早い段階で揃えておくと良いでしょう。そのなかでも、例えば大学の成績証明証などは、出身(或いは在籍している)大学に早めに申請し、出来ればコピーをしておくと良いかもしれません。場合によっては、翻訳会社にコピーをファックスし、翻訳を進めてもらう、といった動きも可能だからです。いざ成績証明を翻訳会社に見せようとした時に、オリジナルは各大学への願書に入れてしまって情報が手元に無い......といった際にも素早い対応が可能となります。勿論、各会社によって 細かい基準を定めているかもしれませんので、そうしたことも含め、常に確認を取ることをお勧めします。そして、送る書類、受け取った書類はコピーを取っておくことが、後になって役に立ちま す。

いよいよヴィザの申請、という段にもさまざまな事情が絡んできます。必要書類がなかなか揃わない(大学の許可証など)などの理由から、渡仏の間際になりやっとヴィザが降りる、というケースは実は少なくありません。私の周りでも直前になってヴィザを取得した、という話を幾例か聞いたことがあります。過度に神経をすり減らさないためにも、根気良く、かつ粘り強く作業を進めていくことが大切であると思われます。


b 語学研修

フランスに留学される方はベルリッツが行う語学テストを受けることになります。ロータリーの書類に明記されているように、早い段階でテストを受け、語学研修有無の判断をもらうことが肝要です。早めの判断を受けることにより、自分が一体何時フランスに向けて出立するのか、具体的な予定を組むことが可能になります。試験の結果、私はトゥールにある財団指定の語学学校で一月の研修を受けることになりました。研修が決まった当初は、「一月言葉の勉強をするのか......」と気後れがしないわけでもありませんでしたが、実際現地に赴くことにより、思わぬ収穫を得ることができました。一つには、フランス各地に留学するロータリー奨学生の大半がこの学園に集結している、ということが挙げられます。初めての長期海外留学に際し(ほぼ大半の奨学生がそうであったと思います)、同じような不安や悩み、希望を持った仲間たちと分け合った一ヶ月は、思い返すに、掛け値なしに充実した期間であったと思います。加えて、各奨学生ともトゥールに在住するフランス人の家から通学することが通例です。この一月の間に、フランス人の方々がどのように思考し、生活し、日々を営んでいるのか、実地で見ることができたのも私にとっては非常に良い勉強となりました。


c 学業面

当然のことではあるのですが、いざ授業を受けるに当たり、すべてがフランス語で展開されることが予想以上に負担になりました。例えば、登録をする時点では幾つかの授業を選択したとしても、じっさい一日に行う作業は授業を聞くだけにはとどまりません。出来得る限り授業内容を身につけるためには、まず自分なりにノートを書き付けていきます。そして、授業後フランス人の級友にノートを見せてもらい、内容の確認を行わなければなりません。授業に出席した後さらにそのバック・アップの作業が加わりますから、こうした負担を考えた上でスケジュールを組むのも一案かと思います。私の場合、日本でそれなりにフランス語能力を高めていたつもりではありましたが、実際にはまず教授から質問を投げかけられていることにすら気がつかないこともあるほどで、我ながらこれがフランス語であるのかとしみじみ実感した次第です。ただあまり気に病むことも精神的な負担になってしまいます。フランスに渡り数ヶ月、ようやく耳が慣れてきたところです。積極的に内容を理解するべく努め、わからないことはなるべく早く確認し、覚えたことは早速実地で応用してみる......こうした地道な積み重ねのなかから、フランス人の展開する学問の面白さを少しずつ味わい始めた今日この頃です


d コンピューター・メールなどのIT環境

フランスのIT環境はそれなりに整備されていると思います。大学内ではインターネットにアクセスできるサイバー・スペースが配備されており、学生であれば自由に利用することができます。ただし、論文の執筆やメールのやりとりを視野に入れると、やはり各自のパソコンを持参することをお勧めします。私は海外対応型(220Vの電圧に対応できるもの)のパソコンをあらかじめ購入し、契約しているプロバイダーに連絡を取った上で、海外でパソコンをつなぐ際必要になるかもしれない手続きを済ませておきました。無線を使うことのできる環境であればあまり問題は無いでしょうが、それ以外の可能性(電話線を使ってインターネットにつなぐことなど)も考えられますので、必要になる「かもしれない」手続きは事前に済ませておくと安心です。なお、パソコンに必要なケーブル類は日本から持参しても良いでしょう。もちろんフランスでも購入することは可能ですが、着いた当初、右も左もわからないなか、ケーブル一本探すことも結構な負担になることがあるかもしれません。何より、パソコンがつながり、友人や家族らとの連絡が無事つくようになることはかなりの安心感をもたらすものです......


e 生活面

ストラスブールはとても小さい街ながら、そのなかに生活に必要なものがぎゅっと詰まっているような所です。大きなデパートもありますし、若者のためのお店も一通り揃っています。それらが一つの通りに密集しているため買い物には便利です。それと忘れてならないものはこの地ならではの美味しい料理の数々でしょう!世界で活躍中のパティシエを多く輩出しているストラスの素晴らしいお菓子やパンはどのお店でもほぼ外れが無く、それらのお店を覗いて歩くのも小さな楽しみの一つです。また、ストラスブールに限らずフランスに留学される方は、日常生活上の不便を感じることはあまり無いと言って良いのではないでしょうか。必要なものはほぼ手に入れることができますし、交通手段もかなり整備されていると思います。


f ロータリー関係の活動

私が所属する「ストラスブールRC」はさまざまな歴史を経てきた世界遺産の街、ストラスブールに存在するRCの一つです。定例会の曜日、イヴェントの頻度などは各クラブにより異なります。ストラスブールに着いたばかりの頃、各クラブのロータリアン並びに奨学生が集う食事会に出席し、クラブ間の交流を図ることができました。更に、ストラスブールRCの夜会に出席した際、ロータリアンの方々に紹介をしていただきました。特に面白いと思ったのは、食事の後の講演会です。実に多彩なゲストが招待され、例えば「猿人から今に至る人類の歴史」などという、非常に専門的な内容の講演が1時間以上も繰り広げられます。その後、講演の内容に対する質問も熱を帯び、さらに活発な議論が交わされます。そのようななかで、お互いの意見や感想を深夜近くまで交し合い、とても親密な雰囲気で会を楽しんでらっしゃる様子が印象に残りました。ホスト・ロータリアンの方も、町を案内してくださり、食事会や音楽会にと何かと声をかけてくださり、そのようしたなかから、徐々にストラスブールの深い歴史と文化を知る日々を送っています。


f その他

留学生活を充実させる秘訣は何より健康を保つことでしょう。私は独り暮らしそのものが初めてであったため、何もかもが戸惑うことの連続でした。新しい生活を無事乗り切るためにまず大切なことは(並みですが)十分な睡眠を取ることであると思います。慣れない土地での生活は思いのほか体力と精神力を消費するものです。疲れがピークに達する前に休むことも大切です。さらに、良い友人を作ること。わからない事は小さなことでも友人に聞いてみると、思わぬ情報を得ることが多々あります。本当に有りがたいものです。勉強ばかりではなく、回りの人たちから色々と学ぶことも留学生活を豊かにしてくれる重要な要素です。皆様の留学生活が素晴らしいものに必ずなるものと確信し、拙い留学体験記の筆を置きます。

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