2人の“脇役” 突き通す男と悲しい男(2)


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クロワ・フェルナドーレ



【ぞくりと、空気が戦慄した】

『……なんだと……ッ』

【其れは一方では脅威なる恐怖であり】
【其の一方では――――】

(――これだよ)

【身体中の血管が踊る】

『馬鹿な――ッ!?』

(懐かしい感覚だ)

【歓喜の歌を、高らかに歌う】

(  ――――ったく)

【嗚呼――――    】

……“脇役?”

『貴様は……――――ッ!!』




オレと手前が揃えば“主役”だよ



   【  J.E.S.U.S.  】



『  ≪ 色冥 鮮ッッ――――!?! ≫  』



【常識、通念、規範、枠組み、――全てをブチ破る“異常者”だからこそ――――】

(最高だよ)

【――クロワは、頭部や身体の各所から血を滴らせつつ、鮮を見据えて】

っつーか、いきなりで悪いですが勝手に殺さないでくれませんかね。
どーみたってオレはまだ生きてるでしょーに!ついにオツムだけじゃなく目までイカれましたか?
【やれやれ、と肩を竦めて――】




【ニィ――】

【男―色冥 鮮は】
【笑顔を浮かべて両手を天高く広げ、真上へ視線を向ける】
【まるで自分が「中心」だと言わんばかりに―】

悲しい悲しい話をしよう!
勝手に殺さないで?オイオイお前はアレだこういう展開分かってねぇなぁ!
本拠地突っ込んだら、散ってしまうのが大抵のオチだろぉ?
つまりはアレだ!BADEND確実な俺達!まぁでも俺は嫌いだから回避しよう!
あぁ俺最高!何でも回避出来る俺最高!という事で今日は記念日にしよう!

【場所が何処だろうと、どんな雰囲気とてこの男は叫ぶ。『いつもの様に』】


さて――懐かしくなる―懐かしくなる台詞を俺は言おう!

【上へ向けた視線を―2人に戻す】
【いや―詳しく言うならば、フェルナドーレに。】


【ゆっくりと天高く向けていた両手をフェルナドーレへ向けた】


『偶然お前を殺しても構わないよなぁ?』


それとも―そこのクロワッサン君が代わりに偶然殺してくれるかい?


【糞ったれの―笑顔を顔に浮かべて】

クロワ・フェルナドーレ



うるっせーですねッ!
オレはそのオチ、スデに1回だけ避けてますよ!このとーり散ってないんでね!負けましたけど!!
っつーか貴方だけですか回避するの!オレは置き去りですか釣れねー、ッ、な……
【そんな鮮に対し、クロワも『いつもの様に』突っ込もうとしたが】
【腹部の傷が痛むのか、途中で言葉は途切れ。その表情は苦痛に歪む】
【一方、フェルナドーレは】

『……馬鹿なッ……色冥鮮……こんな……――こんな……!』

【信じられない――と言った風に、彼の姿を見据えていた】
【やがて耳に飛び込む言葉に、『くッ……!』と声を漏らして】
【ちき、剣を構える】

……鮮……。
【クロワールは、其の世界で最も素敵に糞じみた笑顔に対して】
【やや苦しさを伴ったままの声で、紡ぐ――】

なんかねェ……どーにも明日、彼ら「金の国」でドンパチやらかすらしーんですよ……
オレも其処に向かえりゃ良かったんですが……このザマじゃあそれもキビシくてね……。

っつーわけで……

【――己の愛刀、『紅丸カオス』の切っ先をフェルナドーレに向け】

“脇役”は“脇役”らしく“脇役”をツブしとこーと思うんですが……
…………二度と言わねーぞ

力を、貸してください

【――「笑み」】


『――ッ、舐めるなッ!!』

【そしてフェルナドーレの剣に、魔力が集束してゆく――】



【―鮮の答えは――『カンタン』だった】



【鮮の両手から――火炎放射がフェルナドーレへ放たれたようとする】
【近距離からの火炎の放射。それは数秒で終わらず数十秒も続くだろう】
【近距離であるから効くであろう火炎放射】
【間髪いれず―言葉など発せず】
【あの鮮が「何も言わず」攻撃を開始した】


悲しい悲しい話をしよう

【―数十秒】
【火炎放射が放たれ続けられる数十秒の間】
【鮮は喋り出した】

1つの物語が前に存在した。
それはある森での話だ。
ある赤髪の男はある脇役にこう言ったそうだ
「てめぇはさっさと殺してやる」ってなぁ…まぁ実際そう言ったかは覚えてない

だがぁ赤髪の男はさっさと[ピーーー]事など出来なかった
脇役に動作を何回も許した。戦いを許した。
つまりは・・・・「大恥」を掻いた訳だ。宣言したのに男を殺せなかったから。
あぁ悲しい!凄く悲しい!

…何が言いたいだぁ?
なら簡単に教えてやろぅ、物凄く優しい俺がなぁ


『1度掻いた恥はもう掻かない』
同じ展開は・・・物語に不必要なんだよ


なぁ?脇役らしいクロワッサン君。
そう思わないかぁ?オイ
力貸して欲しいんなら――俺のご機嫌とり忘れるなよぉ?オイオイオイ

【攻撃が塞がれた場合、回避された場合関わらず】
【数十秒経つと、自然と火炎放射は止まって行き】
【鮮は両腕をおろすだろう】
【勿論―笑顔を浮かべたまま】

クロワ・フxルナドーレ



『…………なッ――――!!?』
【フェルナドーレは――驚愕した】
【前回の森での戦闘――この鮮が……“あの鮮が!”】
『(奇襲ッ――――!?)くッ……色冥鮮ッッ……!』
【思わず集束させていた魔力を『盾』と成す】
【火炎放射を真っ向防ぐ――視界は閉ざされる】

――――――――!
【その間】
【クロワールも――鮮の言葉には答えずに、無言で突っ込んでいた】
【あろうことか……鮮が放った、火炎の中へ】
【――――そして】

――――ぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッ!!!!

【「あのクロワが」……『叫んだ』】
【感情のままに、意地を貫き、信念を突き通し】
【業火の中を、一直線に――フェルナドーレへ】
【違う】
【その先の『神殿』へ――――】
【違う!】

(――――『   』――――!!)

【がぁん、と銃声が響いた――そして、何かが割れる音】
【……火炎を放つ鮮には、その中の出来事は見えないだろう】
【だが――声は。“意地”は。『決意』は――伝わってくるはずだ】
【また、叫びが響く】

『“クシャルクス……クロワァァアアアアーーーーーーーーーーーールッッッ!!!!”』
【――ドン!!という炸裂音と共に……一挙に火炎が吹き飛ぶ】
【明らかになる2人の姿――クロワとフェルナドーレが、今まさに交錯せんとしていた――!】

『我輩にはッ――――!!こんなトコロで負けられない理由があるのだッッ!!
 お前たちとは違うッ……「誇り」にも似た『信念』がッッ――――!!』

“当然ッッ!!”≪信念≫と≪信念≫のブツけ合いがッ――
≪意地の張り合い≫ってコトでしょうが――――ッッ!!!

【  ――――剣閃が、爆ぜる】
【  二重の叫び―― クロワの身体から、烈紅が噴出す  】
【 然し 】
【クロワの『魔銃爆破』によりフッ飛ばされたフェルナドーレの身体が――】
【鮮の方へ向かっていた】

――――鮮ッッ!!!『カリは即時返させてもらいますよッッ!!』

  ――――決めろッッ!!“貴方がッッ!!!”

【 ――――彼は……“最初から”――!】



【『『『ドン』』』】

【鈍い音がこの場に広がる―】
【この―「偶然」では生みだされない筈の場に】
【大きな大きな大きな――鈍い音が】

  【――何かがぶつかった音?――】

      【――何かが爆発した音?――】

           【――何かが落ちた音?――】

【まるで漫画の擬音の様な音の正体は――】


  相応しい―――悲しい確定の言葉を贈ろう

【『鮮が左足を一歩前へ踏み込んだ音』】
【そして――】
【空気を切り裂くに―右拳を大きく手元に寄せる―】
【右拳―いや右腕全体に――――】
【極熱の―全てを燃やし尽くす様に―炎が集まる】
【「炎の腕」そう表現しても構わないだろう】


――――「当然」だ!!!!!!!!!


【空気を切り裂く轟音の如く―】
【まるで炎の化身と言える右拳は】
【勢いを付けて一緒に前へと出された右足と共に――】
【フェルナドーレの身体へと放たれた――】


【顔に―酷く浮かべられた―糞ったれの糞ったれによる――】
【歪み切った歪みつくしている――】
【見れば2度と忘れないであろう―笑顔と共に―!!】


クロワ・フェルナドーレ



――――“Excellent”

  【 ガキュッ 】

【何時かの、誰かの言葉を返しながら】
【異音が、響いた】

『  っか……  ァ……  ――――が……』

【――鮮の拳が、フェルナドーレの腹を打ち据えていた】
【灼熱と共に、其の身体を喰らうが如く――確実に】

『わ、……たッ――  ……し  ――――は……!』

――――最高だ、鮮

『……こん、   なッ…… !  』


“悲しい程度”にな


『――――ぁッ………



――がぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああああッッッ!!!! 』



【ズドンッッ!!!――――と……まるでまさしく『爆ぜる』が如く】
【幾重の業焔連鎖を纏いながら――フェルナドーレの四肢は舞った】
【「手応え」――『撃破』――『手応え』】
【……やがて、地に叩きつけられるより早く、彼の身体は『空間の亀裂』に『送還』されるだろう】


【―― VS フェルナドーレ・デュオ・ゼンスパーッツァ・リカステュル――――】
【勝者―― クシャルクス・クロワール・レッドスカイ――――そして、】
【  色冥 鮮  】


……これで…………数週間は……戦えんでしょうね

…………くくははははッ、


――オレも、か

【――やがて、クロワもまた……ふらりと倒れこもうとするだろう】 



【―右腕を覆う炎―それはフェルナドーレに直撃したのを見届けたかの様に―】
【役目を終えると―まるで花びらの様に四散に散った。】
【右腕を覆っていたタキシードの右袖は全て燃え尽き、鮮の肌がただ晒される】
【拳を放ち終えた鮮の体は数秒動かないまま立ち尽くしていた】

悲しい悲しい話――いや辞めた

【そして鮮はそっと右腕を自分の手元に戻していき】
【硬直した体を解いた】


偶然殺した男に―話なんていらねぇよなぁオイ

【ニィ―と口元が歪んだ笑顔を顔に浮かべ】
【ゆっくりとクロワの方へ向く】

さて…ではその代わりにお前に悲しい悲しい話をしようか、クロワッサン君!

【倒れこもうとするクロワの体を傷付けない様優しく受け止める――】
【――なんて事はせず、右足を真直ぐに伸ばした状態で、クロワの背中を右足で受け止めようとする】
【成功した場合そのまま、クロワの腕を強引に掴もうとし】
【そのまま無理に立たせようとする】

ボスシーンでよくこんなシーンがある!
敵を倒した直後、リラックスムードしてたら背中からドスリと一発やられてしまう!
そして哀れ主人公一同!仲間を1人失う…あぁ悲しい!
勝ったのに仲間を1人失うのか!?それはどういうドSプレイだぁ!?
母親がよく言うだろ!「遠足は帰るまで」って!
まあ俺は背中刺されようが油断していろうがぁ死ぬ気は無いがなぁ!!
あぁ悲しい・・悲し過ぎる!!

クロワ



――――あだっっ!!?

【倒れかけたところを、鮮の足で受け止められ】
【そして血塗れの腕を強引に掴まれ、立たされる】
【その時「ペキッ」という音が聞こえた気がするが、多分気のせいだ】

【――そうして鮮やかに立たされ、おなじみのマシンガン・トークを受けるも】
【クロワが溢したのは――いつものツッコミではなく】
【その頬を伝う、一筋の――――】

情け、無ェな……

【ゆらりとなんとか大地を踏みしめつつ――俯き、彼は紡ぐ】

テメーの意地を通しに来て……
……“ダチ公”に助けてもらいながら……このザマ、で……

…………あと少しだったのに
また、…………届かない、ッ……


““待ってろ””なんて……大口、叩いてよ……


ッとーに…………ザマぁ、無いな……。

【……刀を“消し”、銃をホルスターに納め】
【ぐ、と隻眼の目元を拭うと……鮮に向き直り】

――「離脱」しますよ、鮮
この状態で、増援でも出て来られたら……オレも貴方も、囲まれて軽く死にます
マジに『ボスを倒した直後にドスリと一発』になっちまわないように、ね……
家に帰るまでが、遠足なんでしょう?

【――「そのボロボロの身体で……?」と思うかもしれない】
【が、彼は……そんなこと気にも留めていないかのように、ぶるぶると震える右手を背後に伸ばすと】

≪ アリス・イン・チェインズ ≫

【じゃら――!と言う音と共に、その手から『鎖』が射出され】
【まるで『アンカー』のように、5メートル先の「空間」に打ち付けられると――】

……ほら、早く逃げないと死にますよー

【ぎゅん、とその鎖に沿って急加速した】
【ちなみにかなり速い。鮮置いて逃げるんじゃねーかって程度には速い】
【実 際 置 い て っ て る け ど な】



【両腕を大きく間広げようとし】

悲―
【叫び出そうとするが―その時点で既にクロワは急加速しており】
【「・・・・・・」と言わんばかりに沈黙する鮮】
【硬直した笑顔のまま立ち尽くす。】
【…何処となく寂しそうな表情していますが気にしない】

【両腕を戻すと、一歩前に出し最初は歩き始めるが】
【そのまま走り出す形になる】

改めて悲しい話をしよう!!

【悔しかったのか、走り出す最中喋り出す鮮】

あぁ確かにてめぇは情けない!そして悲しい!
しかも俺を置いて行きやがった!だがぁ俺はヘコまなぁい!俺は明るいぃ!

【不気味な笑顔を顔に浮かべたまま、鮮は叫び続ける】

だからよぉ…つまりはアレだ

手を伸ばす先は何処でも良い!
先なんて―途中で変更すれば良い!

思ってるモンなんてよりも―もっとデカいもんの先に届くかもしれねぇからなぁ!

手の届く先なんて最初から誰にもワカラネぇんだよ!

なぁ…クロワッサン君!…いや「ダチ公」君よぉ

【言い終えると―鮮は数秒黙り―】

という事で俺が先に行く!!
お前が先に死んでおけ!フラグ立て好きなんだろぉオイ!!
【ずばーんとクロワを追い抜こうとするが】
【追い抜ける訳無く、必死に走り続ける鮮…哀れ】


クロワ



【5メートルに到達すれば――再び鎖を射出し、加速する】
【更にその繰り返しでどんどん速くなる――】
【最早、オリンピックの100m世界記録保持選手より軽く速いだろう】
【……ほんの少しだけ減速し、追って来る鮮に振向いて】
【そして――】

くっそ、そこまでドストレートに言うヤツがありますか畜生ッ!!
オレはササッとこの傷をなんとかしたいんですよ!骨まではイッてないみたいなのが救いですがね!
ハッハーこの程度でヘコむタマじゃねーでしょ貴方は!ンなくらいオレでも分かりますッ!!

【『いつものように』……早口でツッコミを返す】
【此処は敵地、更に今しがた生命のやりとりをしたばかり、尚且つ彼は重傷だというのに――】

……――悪いですが、鮮!

今のオレにゃあね、『掴みたいモノ』が明確に見えてるンですよ!
どっかの悲しい悲しい魔人のおかげで……より鮮明に!

生憎と……それを掴むまではテメーの道を変えるなんて、出来そうに無いんでね!

【――振り切ったかのような笑顔で、そう言い放って――――】

そ し て 先に行くのはオレだこのクシャルクス・クロワール・レッドスカイですッ!
貴方にゃ感謝してますが!今日くらいオレが「先」行ってもいいでしょうに!
何時も何時も貴方に振り回されてるんだからなァー!ほーら走れ走れ鮮、後ろからネル・ナハトがやってきますよ!

【  更 に 加 速  】

(……あー、あ)


(ったく)


(  ……楽しいなぁ、オイ)


【――全身で風を切りながら、クロワは再びもう一度だけ、黎明に佇む神殿を振向いて】

……撤回はしねーよ


待ってろ


【――――そしてなんだかんだで、この遺跡から夜の国までずーっと鮮とおっかけっこしてたそーな】