裏切り、愕然、そして―――


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結果を知り、童は操られていたことに気付く……()
―― It knows the result, and the child notices the manipulation.――()





【とある、路地裏】

「やぁ、ようやく会えたね、15年ぶりくらいかな?」


「なッ…!………ッッ!?」


目の前に立っている比較的小柄な少年は、間違いない、俺の遥か昔の親友、“黒瀬”だ

15年前―――俺の眼の前で確実に死んでしまった……筈だった

そして……黒瀬の近くに立っている濃藍色の髪を腰まで垂らしている女性は……

俺を切り刻んでこの体にした張本人だった

「あれ?偽物だとでも思っている?もっと喜んでくれた方がうれしいんだけどな」


本当は、相手が生きていたことを喜びたかったが、つい…

つい……驚きを隠せず、俺は聞いてしまった

聞かない方がいい言葉を………

「お…前の隣にいる……そいつはッ!そいつはッッ!!!」


脳内に怒りと困惑が混ざり、交ざり、雑ざる

“なぜお前の横にいる!離れろッ!”

そう叫んでやろうと息を吸った瞬間

「―――――ああ、彼女は“僕”だよ、僕の能力、知ってるよね?」


変化、具現化する力

黒瀬が人間を作れることは本人からうっすら聞いていた、嘘だと思っていた

黒瀬は、作った人間はある程度の自我はあるらしいが、基本的に自分の命令は効くらしい

しかし、俺が初めてそいつを見たのはおよそ15年前 

研究所内のことだった、あいつと一緒に改造されていた時のはずだ

年齢が変わらないのは分かる、俺と同じく身体を改造すればなるはずだ

「あれ?まだ迷ってるの?もう分かるでしょ普通。僕が君に何をしたのか……とかね?」


「――――――――――ッッッッ!!!!!」


嘘…だろ?

嘘だと言ってくれよ……なあ黒瀬…っ!

「その顔を見るとようやくわかったみたいだね、そうだよ、僕が、僕が君を改造したんだっ!」


嫌だ

「僕は君が強くなれることを知っていた、格好よく成れることをずっと知っていた!」


止めろ

「初めてあったときから思ってたんだ!“君には強く成る義務がある”ってね!!」


嘘だ

「――――――――――つまり、君がその体に成ったのも、その腕に成ったのも、あの忌々しく痛々しい改造も」


嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だッッッッ!!!!!!!!

「全っっっっっっっっっっっ部僕が仕組んだ喜劇!奇劇!忌劇!!!鬼劇だったんだよっ!!!」


嘘だっ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――!!!!!!!!!!!!!!!!

「うァああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!」


駆けだした、俺は既に理性が吹っ飛んでいた

殴りかかる、既に手甲は外れていた

「そうそう、僕が何で君に会いに来たのかっていうとね?」


殴りかかった拳が、相手の眼の前で止まる

「うっ…!うっっ!!うあああああああああああああああああああああ!!!!」


消失していく衝撃、黒瀬の具現化した“ショックアブソーバーフィールド”

寸前で、消失していく威力

次いで飛びかかる衝撃、お返しとばかりに

「ぐぁっ!!」


衝撃を反射され、勢いよく弾け飛ぶ

硬い地面に激突し、感覚がマヒしたのか痛いはずだが不思議と痛くない

「君を……『回収』しに来たんだよ?」


残酷な、そして冷徹な黒瀬の一言

「殺すッ………!殺すッ!!!!!!」


自我と理性の崩壊

腕が勝手に能力を発動し、紅色の異形へと変わる

肩口から噴き出す火炎、勢いよく相手に向かっていく

「此処からは、私がお相手いたしましょうか?」


「いや、僕は彼の成長も見に来たんだ、先に帰っといてくれ」


そう言い放ち、即座に隣にいた女性がどこかに消えうせる

一瞬にて、加速度が限界に等しくなった少年の右手が黒瀬に直撃する

激突、即座に弾け飛ぶが、その勢いのまま立ち上がる

「あはっ!あははっ!!すごいなぁ!格好いいし強くなったねヴァーデッド!」


初めて名前を呼ばれる、悲痛によって顔が歪むが

―――――よもや、殺戮本能は止められない

「うらァああああああッッ!!!!!」


膨れ上がる憎悪、裏切られたことによる怨恨

それらが混ざわりあい、さらに能力を昇華させていく

即座にLv4にまで進化し、そのまま突進

全力での一撃、本気の殺撃

すべて、黒瀬は弾くように腕を振り、脚を振り、全てを払い、回避していく

黒瀬は狂しむように、楽しむように、愉しむように戦いを続け

ヴァ―デッドは悲痛の叫びを無言で上げながら、泣くように叩きつけて攻める、砕める、破壊める、殺害める。

お互いの舞踏が終わりを告げるのを待つかのように――――――――――




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「いやぁ楽しかった!やっぱりヴァーデッドは最強だよ!!」


「――――――――――…………」


「はぁ………終わりましたか」


「結構速かったね、椎名」


「お遊びはすみましたね、では『回収』して―――――――――」


「いらない、まだまだヴァ―デッドは強く成る、そのためには…僕じゃなくて他の人との接触が必要なんだ」


「では、どうするのですか?我々が既に≪カノッサ機関≫ではないことが少年に把握されているはずです」


「なら、僕たちだけで別の組織を作ろう、名前はそうだなぁ―――――――――――――」